2014年2月28日金曜日

万葉歌人・大伴旅人も絶唱

政庁跡から北側の少し離れたところにある歌碑
 名門・大伴氏の族長だった旅人は、神亀5(728)年のはじめ、大宰府師(長官)として大宰府に赴任しました。64歳でしたから、当時としてはかなりの高齢でした。妻の大伴郎女と、54歳でようやく授かった長男の家持を伴って九州へと下りました。

ところが、大伴郎女が間もなく亡くなってしまいました。追い打ちをかけるように、弟の訃報まで届きました。

  《世の中は 空しきものと知る時し いよよますます かなしかりけり》

623日のことでした。

奈良の都では、新興氏族の藤原氏が台頭していました。頼みとする左大臣・長屋王も天平元(729)2月、藤原氏の讒言によって自死してしまいました(長屋王の変)。軍人氏族として、旅人は焦りましたが、遠い九州にいては、何もできません。

この憂さをはらすべく、筑前国守として赴任中の山上憶良らと交流し、数々の秀歌が生み出しました。

ようやく平城京に戻れたのは、天平2(730)年暮れでした。都では、自分より年少の藤原武智麻呂ら4兄弟が、朝廷を牛耳る時代となっていました。厄介な軍人氏族の大伴旅人をはるか遠くに追いやったのちに藤原氏は、これも厄介な長屋王を自殺させました。天網恢恢疎にして漏らさず、藤原四兄弟は天然痘によって地獄に墜ちました。

旅人は翌年67歳で亡くなりました。

わたしは、旅人といい、家持といい、好きな万葉歌人です。

2014年2月26日水曜日

都知事選は調査どおりの結果

  古くなりましたが、あまり報道機関の統計を信じないわたしも今回の東京都知事選の世論調査の正確さには驚きました。告示後の各社世論調査を見ると、舛添要一氏が細川護煕氏をダブルスコアで突き放しリードしていました。

123日、24日調査の共同通信によると舛添氏37%、細川氏16%、宇都宮氏14%、田母神氏6%でした。

告示後の125日、26日の数字が舛添氏40.6%、細川氏17.0%、宇都宮氏14.7%、田母神氏9.3%。細川氏は舛添氏にダブルスコア以上の差がついていました。

細川氏は頼みの無党派層に浸透していませんでしたので、すでにこの段階で勝負はほぼ決まっていたわけです。舛添氏はピノキオと呼ばれているくらいで、調子がいいとすぐ鼻が高くなるという具合に必ずしも好かれていません。しかし、政府与党は、恫喝すればどうにでもなると思ったのでしょう。

114日は、細川氏が大爆発するかと思われましたが、22日までの貴重な8日間、表に出ず無駄に過ごした。マスコミは反発し、爆薬が湿ってしまったといわれています。

争点にしようとした脱原発が争点になりませんでした。いい参謀がいなかったのでしょう。各調査では争点は福祉がトップで景気・雇用が次ぎ、原発・エネルギーは3位でした。作戦負けです。それに細川氏には覇気がなく、応援の小泉氏が食ってしまい、引き立て役になっていたともいわれています。

舛添氏のポスターにある「元厚生労働大臣」が都民に受けたのかもしれません。

2014年2月2日日曜日

スーパーの売り上げが17年連続マイナス

 やはり庶民の暮らしは、デフレにはなっていないようです。

高級品を扱っているデパートの売り上げは伸びているようですが、日常品を売っているスーパーの売り上げはダウンしていることが、日本チェーンストア協会の発表で分りました。21日に発表した2013年のスーパー売上高は、127224億円でした。既存店ベースでは前年実績を0.7%下回り、17年連続でマイナスとなったといいます。部門別の売り上げでは、食料品が0.1%減、衣料品が5.6%減、住宅関連品が0.4%減でした。17年連続でマイナスでした。

4月以降、消費税増税がスタートしたら、景気は一気に悪化する可能性が高そうです。

2014年2月1日土曜日

飯島参与の怪しい動き

飯島勲内閣官房参与
 これは、123日の日刊ゲンダイの「永田町の裏を読む(高野孟)」から拾ったものです。

117日付の毎日新聞の安倍靖国参拝を検証する記事の中にチラリと出てくるのが、飯島は昨年12月中旬に極秘に訪米し、2008年の大統領選でオバマと争った共和党の重鎮マケイン上院議員らと接触、「靖国を参拝しても米国の反発は大したことはない」という感触を持ち帰って、それに励まされて安倍が参拝を強行したというものです。

 昨年11月には衛藤晟一首相補佐官がワシントンを訪れて、米国務省関係者やアーミテージら知日派から「いま参拝して中国や韓国を刺激するのはやめろ」と言われてきて、それを理由に菅義偉官房長官らは参拝に慎重な態度をとって安倍を押しとどめていたといいます。

 飯島氏は、この衛藤報告に不満で、自分でワシントンに出かけて行って、マケインなどの対中強硬派とばかりあって、「中国とはどんどんやり合え。米国は応援するぞ」といった勇ましい声をかき集めてきたらしい。それで安倍がすっかり状況を見誤って、オバマ政権の「失望」を買う結果となったといいます。

 マケインは「イラン、キューバ、中国に対しては外圧で“体制変革”を迫る」というネオコン的な外交政策の持ち主です。

 昨年8月に日本経由で中国を訪問した際には、東京で安倍と会談し「沖縄と尖閣は日本の領土だというのが米政府・議会の立場だ」と言い放ち、次に訪れた北京では中国側から「言動を慎むべきだ」とクギを刺され、米国務省もマケイン発言の趣旨を否定する談話を発表するという騒動になりました。

 飯島は2月初旬にまた訪米して、ロビイストのロイ・ファウチが主催する講演会で「日本政治の過去・現在・未来」と題してスピーチするそうです。

 はたして、こういうことでいいのか。いいはずはないのですが、コントロールするひとがいないようです。

 これは、北朝鮮に勝手にゆくアントニオ猪木氏も同様でしょう。国益を害さない統一した動きが重要でしょう。