魯から、「わが主君の死因は折れるはずのないあばら骨の骨折でした。迎えに来られた彭生殿は天下無双の力持ち。その力があれば、あばら骨の2、3本折るのは、何の造作もないでしょう。なにとぞ、彭生殿を処分し、われらの無念を晴らしていただきたい」
襄公は彭生を見殺しにした。
さて、桓公のあばら骨が折れていることを魯の家臣に知らせたのは、誰か。外観だけでは、死人のあばら骨が折れたのは分らない。
鮑叔牙は管仲に訊ねた。
「知らせたのは、君か」
管仲は、面映げに顔を上げた。
「やっぱりそうか」
鮑叔牙は難しそうな顔をした。
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