詳しく検診するほど、また最新鋭機を使うほど、がんはいくらでも見つかりますが、その大部分は、命を奪わない潜在がんか「がんもどき」といいます。
がんの集団検診をやめたら、がんが減った
統計データも、がん検診に近寄ってはいけないことを示しています。
旧チェコスロバキアで1990年に行なわれた、喫煙男性6300人を二分した肺がんの追跡調査で、検診を受けた群は胸部レントゲン撮影と細胞診を半年ごとに3年続けました。放置群は検診を受けませんでした。
検診群の肺がん発見数は108人。肺がん死は64人。ほかの死因を含めた総死亡数341人。放置群は肺がん発見数82人。肺がん死は47人。総死亡数293人。定期的に肺がん検診を受けていたグループの方が、肺がんでの死亡率も総死亡率も圧倒的に高かった。そのほか、日本の長野県泰阜村での調査結果も提示しています。
集団がん検診でがんの発見頻度が高まり、がんもどきや潜在がんも「がん」と診断されて治療の対象になってしまう。結果的に「がん死」が増えてしまうと言います。
「早期発見、早期治療」がいくら増えても、患者の延命に結びついていない。人口に占めるがん全体の死亡率も1960年代から今まで、変わっていません。
がんは自覚症状が出てから医者にかかればいい。
がんには、見た目は同じでも「早い段階でさまざまな臓器に転移し、命を奪う本物のがん」と「転移しない、命にも支障のないがんもどき」があります。
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