2013年10月26日土曜日

中国東北部でも深刻な大気汚染

 中国の大気汚染が再び深刻になってきました。東北部では大気中の微小粒子状物質「PM2.5」の濃度が上がっており、1021日には6段階で最悪レベルの汚染を記録する都市が相次ぎました。

黒竜江省ハルビン市の一部では、大気中のPM2.5の濃度が1立方メートル当たり1000μ(マイクロは1/100万)gグラムを超えました。中国政府が定めた基準値(1日平均で75μg)を大きく上回っています。

スモッグで10メートル先さえ見えない状況になり、ハルビン市はすべての小中学校を休校としました。市内の高速道路や国際空港も閉鎖されました。20日から石炭を使った集中暖房が始まったことが原因とみられています。春から夏にかけてはいったん落ち着きましたが、東北部で石炭暖房が始まったのをきっかけに再び深刻な大気汚染が発生したというわけです。

1021日の北京市内のPM2.5の濃度は60100μgでした。中国政府が定めた1日平均の基準値にほぼ近いのですが、日本の環境基準値(35μg)は大幅に上回っています。20日に開催された北京マラソンでは、マスク姿のランナーも見られるという異常さでした。また、米国の人気ジャズ歌手のパティ・オースチンさんが訪問中の北京市でぜんそくの発作に襲われ、18日夜のコンサートへの出演を中止したといいます。

北京大学が行なった昨年の調査では、北京、上海、広州、西安で、これを原因とする死者が年間800人に上るとされ、世界銀行などでは、中国全土で年間35万~40万人が死亡しているという試算を出しているといいます。

中国で大気汚染を引き起こすPM2.5は上空に舞い上がり、冬になって偏西風が強まると日本に飛来しやすくなります。しかし、1000キロメートル離れた日本に流れてくるときには、拡散して1/10以下の濃度に薄まるといいます。
 
 
微小粒子状物質(PM2.5)
 大気汚染物質の1つで、直径が2.5マイクロ(1/100)メートル以下の微粒子。肺の奥深くまで入り込み、中には気管支炎やぜんそくなどの原因になります。世界保健機関(WHO)の専門機関は発がん性がある(肺がんおよび膀胱がん)と指摘しています。自動車や火力発電所の排ガスなどに含まれるほか、窒素酸化物(NOx)といった汚染物質が大気中で化学反応しても生じます。

たしか、ディーゼルエンジン車もこの窒素酸化物(NOx)を多く出すように思います。

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