2013年10月10日木曜日

汚染水処理装置の役立たず

水中の62種類の放射性物質を
浄化できるという東芝の
「多核種除去設備(ALPS)」の吸着塔
  ALPSは、東芝が製造。62種類の放射性物質を同時に徐去できるという触れ込みで、汚染水処理の救世主として昨年3月に建設が開始されました。東電の工程表通りなら、今年9月には本格稼働しているはずなのに、いまだに試験運転の体たらくです」

 最初に稼働した仏アレバ社と米キュリオン社の処理装置は、さらに役立たずです。事故直後の113月末、サルコジ大統領やアレバ社のアンヌCEOらがゾロゾロと来日し、「我々には汚染水処理の実績がある」と豪語して“押し売り”したのは、ご存知のとおりです。ところが、運転開始からわずか5時間で停止。その後もトラブル続きで、今やほとんど粗大ごみと化しているといいます。

 東電によれば、この機械代と建設費は約513億円。東電は個別の支払いには触れていませんが、アレバ社に約80億円、キュリオン社に約100億円を支払ったとみられます。

 東芝のALPSも相当な金額がかかったようですが、建設費用について東電は「答えられない」と、こちらも非公表です。

 冷えない冷蔵庫や映らないテレビなら、普通は突き返して返金してもらうのが当たり前です。東芝はどう考えているのでしょうか。「入札というプロセスを経て受注した製品ですので、冷蔵庫とは違います。トラブルで性能を十分に発揮できなくても、代金の返金は考えていません」と、まあ東電も税金で買ってもらっているためでしょう。鷹揚な態度です。

 国は今、汚染水処理対策の切り札として、凍土壁を総費用470億円で公募入札しています。わたしも入札しようかと思っている人もいるでしょう。動かなくとも代金の返済もいりませんし、賠償金もいりません。どこが落札するのでしょう。おかしいことにならねばいいのですが。

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