2013年10月7日月曜日

全がん患者の8割が抗がん剤を使う

 がん細胞が塊をつくるがん(=固形がん)に対しては、抗がん剤は治す力はありません。抗がん剤で治る可能性があるのは、悪性リンパ種など血液がんと、睾丸腫瘍などごく一部の固形がん。しかし、日本では、全がん患者の8割が抗がん剤を投与されていると慶應大学の近藤誠医師は言います。

 抗がん剤で治らない理由は、がんが縮小・消失するケースが1~2割程度と、わずかだからです。仮に、抗がん剤でがんが消えても、見かけ上のことで、がんの直径が1ミリになれば、精密検査でも発見できず、「消失」と判断されますが、なお100万個のがん細胞が残っており、必ず再発してくるといいます。

 抗がん剤には毒性があります。抗がん剤はすべて国から正式に「毒薬」ないし「劇薬」に指定されています。推奨投与量の数倍を使っただけで、半数の患者が死亡する「半致死量」に達するものが多いのです。

 毒性が生じるのは、抗がん剤が正常細胞を殺すためで、がん細胞よりも正常細胞のほうがずっと抗がん剤に弱いのです。

 乳がんでは、抗がん剤が広く用いられています。臓器転移が抗がん剤で治ることはなく、がんが小さくなっても必ず増大します。再発・転移するごとに、次々と別の薬に乗り換えて治療が続けられます。乗り換え治療は患者が亡くなる寸前まで続けられることが多く、国立がん研究センターなどでは、ひとりの患者で別種の抗がん剤に7度も8度も乗り換えている例もあるそうです。

 太い実線は、現代の乳がん患者の生存曲線で、多くが乗り換え治療を受けています。

 抗がん剤治療や乗り換え治療が盛んになった現代では、患者の余命が短くなっていることが一目瞭然です。抗がん剤には、「縮命効果」があると近藤氏は、恐ろしくなることを書いています。

 これに、他の医師も対抗してほしいものです。

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