抗がん剤で治らない理由は、がんが縮小・消失するケースが1~2割程度と、わずかだからです。仮に、抗がん剤でがんが消えても、見かけ上のことで、がんの直径が1ミリになれば、精密検査でも発見できず、「消失」と判断されますが、なお100万個のがん細胞が残っており、必ず再発してくるといいます。
抗がん剤には毒性があります。抗がん剤はすべて国から正式に「毒薬」ないし「劇薬」に指定されています。推奨投与量の数倍を使っただけで、半数の患者が死亡する「半致死量」に達するものが多いのです。
毒性が生じるのは、抗がん剤が正常細胞を殺すためで、がん細胞よりも正常細胞のほうがずっと抗がん剤に弱いのです。
乳がんでは、抗がん剤が広く用いられています。臓器転移が抗がん剤で治ることはなく、がんが小さくなっても必ず増大します。再発・転移するごとに、次々と別の薬に乗り換えて治療が続けられます。乗り換え治療は患者が亡くなる寸前まで続けられることが多く、国立がん研究センターなどでは、ひとりの患者で別種の抗がん剤に7度も8度も乗り換えている例もあるそうです。
太い実線は、現代の乳がん患者の生存曲線で、多くが乗り換え治療を受けています。
抗がん剤治療や乗り換え治療が盛んになった現代では、患者の余命が短くなっていることが一目瞭然です。抗がん剤には、「縮命効果」があると近藤氏は、恐ろしくなることを書いています。
これに、他の医師も対抗してほしいものです。
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