景気動向、つまりGDPの変動の波を大きく上回るうねりが税収で起きています。2012年度の場合、税収総額(復興特別法人税を含む)は名目成長率の12倍以上に達します。法人税収は34倍、所得税収は11.7倍、消費税は4.7倍となっています。
多くの民間研究機関関係者の間では、財務省が意図的に弾性値を押し下げているとみています。ところが、情けないことに、強大な権力機構、財務省の前では言論が不自由なのが現実というわけです。
この結果、財務官僚が固執する極端に低い税収弾性値はほとんど外部からの批判にさらされず、政府内部で見直されることがなく来ています。「財政・金融政策によって景気を刺激しても税収は増えない、だから増税はやむをえない」と歴代の内閣やメディアを説得してきました。
デフレを長引かせて税収を減らすばかりか、デフレ下の消費税増税へと民主党前政権を導いてきました。
アベノミクスの進行状況から見て、今年度で名目GDP成長率3%達成は難しくありません。すると一般会計税収増加はその3倍、9%、今年度は約3兆9500億円増え、14年度も名目成長率が同じだとすると、13年度に比べて税収は4兆3100億円増えます。この結果、税収は14年度に52兆1900億円になります。
消費税増税を前提に財政再建に向けた「経済財政の中長期試算」によれば、14年度の一般会計税収必要額は51兆5000億円となっています。つまり、消費税増税に踏み切らなくても、名目成長率3%を続けるだけで、財政再建の道筋が明確になってくるというわけです。
消費税増税をこのまま強行すれば、せっかく弾みがつきかけてきた景気回復にデフレ圧力が加わって、アベノミクス効果ははげ落ち、景気は失速するだろう。法人税収や所得税収が激減する結果、税収総額が落ち込むのは、1997年度の橋本龍太郎内閣の増税後や最近の英国の失敗例からみても明らかだ。その結果、それまで以上の消費税率引き上げを画策するのに決まっていると産経新聞に田村秀男編集委員は書いています。
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