2013年8月8日木曜日

老化は治せる(9)

 脂肪というと、真っ白な塊を思い浮かべます。これは「白色脂肪」と呼ばれるものです。白色脂肪は、エネルギーを貯蔵する石油タンクの役割とともに、外界から受ける刺激を和らげるクッションの役目も果たしています。真っ白な皮下脂肪のなかに、やや褐色がかった部分がありますが、これを「褐色細胞」と呼んでいます。褐色細胞はからだの体温調節の機能を担っており、褐色細胞を活性化させるなんらかの方法があれば、脂肪の量が減り、メタボ撃退に役立つということになります。
 唐辛子の辛みの主成分であるカプサイシンというアルカロイド(天然の有機化合物)は、交感神経を活性化し、有効な肥満治療薬のひとつになると期待されています。

 活性酸素を産出するのは、ミトコンドリアの仕事の一部です。
競争がほとんど見られなくなった現代の社会では、生命維持のためにさほどエネルギーを必要としないのです。過剰なエネルギー摂取とエネルギー消費の低下は、メタボリックシンドロームのような慢性炎症を起こし、わたしたちを死へと誘います。体内での過剰なエネルギー生産は、飽食と快楽を貪っている人類を死滅させる危険性があるといわれています。
 こどもの頃、外敵からの攻撃をうけ過ぎると、免疫システムはほどなくダメージを受けて弱ってしまいます。
 出生時体重が低いほど、つまり、未熟児で生まれた小児ほど肥満や心臓病、糖尿病などの生活習慣病にかかりやすくなり、老化が早まる可能性があることが分かって来ました。
小児期に重症の感染症に罹ると、大人になってから生活習慣病になりやすくなり、寿命も短くなる傾向があるとされています。
 その逆に、最近、世界中で長寿者が激増しているのは、母体が保護されるようになったことと、こども時代の重症の炎症が減っているからだともいわれています。


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