2013年7月8日月曜日

定価が復活か

  「定価」という呼び方は、すっかり姿を消しました。メーカーが小売価格まで「定める」のはおかしいと、政府が名前のつけ方に指針を設けたからです。代わって「希望小売価格」や「参考価格」「オープン価格」が登場し、今では値段の数字を書かない商品カタログが多くなっています。これが、家電などで安値競争が進んだ背景の1つに違いありません。

そのルールが22年ぶりに改正されるかもしれないというのです。メーカーが「最低販売価格」を指定できる案を、政府内で検討しているといいます。安倍政権の焦りの表れでしょうか。消費者が忘れ去った「定価」が復活して、実力のない企業まで価格の支配力を強めるのでは困るとも書かれています。

日本に似た製造業大国のドイツでは、つい10年ほど前まで、バーゲンは夏と冬の年2回と法律で決まっていました。値札に赤字でバツをつけて「特価」を記すのも禁止です。メーカーは価格競争を促す規制改革に抵抗しましたが、実際は鍛えられて逆に強くなったといいます。安売りに陥らない製品を生み出すドイツ企業に学びたいものですと書かれています。

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