2013年4月30日火曜日

小沢昭一のボケ防止(3)

二は画、絵。絵と無縁の方、ボケやすい。

 なにもご自分で描かなくても、絵に関心がある。ホール、ビーには必ず絵がございましょう。だけど、そんなものは見たことない。そういう方、ボケやすいそうです。日常の心からふっと絵の中に心を奪われる瞬間があるかないかってことが大事なんですよ。そういうことのない方、ボケやすそうでございますよ。一回だけ絵見ても効き目は何にもありません。

 いろんなことを忘れてふっとその瞬間。そういう時間が多いか少ないか。
 三はですね、俳句、短歌、川柳。そういうことに無縁の方、ボケやすい。日経俳壇、ぜひひとつお読みいただきたいと思います。時事川柳なんて見たことない。そういう方、ボケまっしぐらというような方で。
 
 それからクイズ。クイズと無縁の方、ボケやすい。
 それからスポーツですな。積極的な散歩も含めます。スポーツと無縁の方、ボケ。寝るほど楽はなかりけりだ。浮世の馬鹿が起きて働くか、てなこと言いながら、テレビ見ても、すぐ座布団二つ折りにして横になってご覧になるようなタイプのお父さん、間もなく横になったまんまになるんではなかろうかというようなこと。 
 

   ボランティアー活動に無関心の方。一文にもならないこと、なるべく避けていこうという。
 趣味といいますものは、文化といいますものは、一文にもならないことなんでございます。

2013年4月29日月曜日

小沢昭一のボケ防止(2)

 仕事人間、ボケやすい

 松永安左エ門さんが加藤唐九朗さんに、「加藤君、んー、八十過ぎたら、女は二人に絞れ」なんて言う。あたくし、最敬礼しました。
 それで、百歳過ぎて頭脳明晰なご老人の83パーセントっていいます。趣味と交遊とで心豊かに過ごしているご老人が、百歳を過ぎてもなお頭脳明晰だということが必ずしもじゃございません。83パーセントですから。趣味を持って暮らすということが大事でございます。
 
 
 50、60の声を聞いて、この人ボケたんじゃなかろうかな。というような方を追跡調査されました。仕事人間が多いですよね。仕事、仕事、仕事ということで、仕事ばっかりやってる方が、ある日その仕事がなくなったときに、その仕事を奪われたときに、おかしくなる。
 

その50、60でボケられた方の92パーセントと伺いました。 
一、音楽と無縁の方、ボケやすい。
「うるせえな。まったく。静かにしてくれよぅ」なんてね。静かにしろ、静かにしろと、こうおっしゃるお父さんおいでで。まあ、間もなくそういうお父さんは静かになるんではなかろうか()というふうに思うんでございますがね。

音楽といいますものは人間にとってはとっても大切なもんでね。生まれたときから音楽。だから胎教で、お腹の赤ちゃんにいい音楽を聴かせると情操豊かな子になるって、もうこれは決まりになってきましたじゃございませんか。

どんな未開民族でも、何の文化もないとかいわれてるような未開民族でも、音楽だけはありますな。
 
音楽、何でもいいそうです。なんにも西洋音楽だけが音楽ということではない。浪花節でも結構。お経なんかいいそうです。とにかくリズムとメロディーのあるものを口ずさむか口ずさまないかということ。音楽と無縁の方、ボケやすい。

2013年4月28日日曜日

小沢昭一のボケ防止(1)

 


ユニークな役者であり、俳優、タレント、俳人、エッセイスト、芸能研究者、元放送大学客員教授。日本新劇俳優協会会長で、ハモニカの奏者であった小沢昭一氏が昨年12月10日に亡くなりました。享年83歳でした。

 わたしは、ラジオ番組の小沢昭一的こころを聞きながら、車の運転をしたものです。大俳優というわけではありませんが、永六輔と並んでユニークで器用な人物だと思います。

 13年2月号の文藝春秋から、「小沢昭一ボケ防止 いつも心に鼻歌を」から、記事をピックアップしてみます。

 小沢氏は、「自分で、これが健康に役立ってるかなあと思いますのは、鼻唄を歌うということでして、そんなことが健康に役立つかどうかというふうにお思いかもしれませんが、自信を持っております」

 仲間もみんないなくなってまいりました。去年は渥美清さん、フランキー堺さん。みんな同級でございまして、『ウルトラマン』隊長の小林昭二というのもいなくなりまして、仲代達矢のお上さんの宮崎恭子というのもなくなりました。

 亡くなった方と比べてみて、やっぱりあいつらは鼻歌歌っていなかったんではなかろうかなという気もするんでございます。

 昭和4年の橋でございますよ。渡った。ああー、これと同い年か、人間といいますものは自分のことといいますのものはわかりませんですなあ。

『コンサイス』、あの頃は「オーケー」なんて言葉も流行ったんでございます。今「オーケー」なんて言葉使うのはオジンに決まってましてね、若い人は絶対「オーケー」なんて言いません。

「オーケー」という言葉もあたくしと同じ年で、当時としては、ナウい言葉でした。

がんとエイズとアルツハイマー、この三つを克服することが、二十一世紀を迎えるにあたって人類的な大命題であるというふうにいわれております。



 



2013年4月27日土曜日

シャープが太陽電池セルで世界最高変換効率37.9%2を達成

 
またしても、シャープが技術力を見せました。京セラが、25日に純利益44%増で、これを太陽電池が引っ張っていると発表しました。ところが、シャープの太陽電池部門は赤字です。技術的レベルも、技術の蓄積もシャープの方がはるかに上のはずです。どこから来ているかといえば、販売チャネルではないかと推察します。


 さて、今回、ニュースリリースでシャープが発表したものは、3つの光吸収層を積み重ねた化合物3接合型太陽電池セルで、世界最高変換効率1となる37.92を達成したそうです。

 これは、NEDOの「革新的太陽光発電技術研究開発」テーマの一環として開発に取り組んだ結果、産業技術総合研究所(AIST)において、世界最高変換効率を更新する測定結果が確認されたといいます。

 化合物太陽電池セルは、インジウムやガリウムなど、2種類以上の元素からなる化合物を材料とした光吸収層を持つ変換効率の高い太陽電池です。シャープが開発した化合物3接合型太陽電池セルは、インジウムガリウムヒ素をボトム層として、3つの層を効率よく積み上げて製造する独自の技術を採用しています。

 今回、ボトム層を形成するインジウム・ガリウム・ヒ素の組成比を最適化することで、太陽光の波長に合わせてより効率的に光を吸収できるようになり、世界最高変換効率137.92を達成しました。
 
 
 シャープは、今回の開発成果を活かし、今後、レンズで集光した太陽光を電気に変換する集光型発電システム用や人工衛星などの宇宙用、移動体用などの様々な用途での実用化を目指していくそうです。

 わたしなどは、人工衛星などで使うものでなく、コンシューマが使える発行効率のいい太陽電池を作ってほしいものだと思います。

2013年4月26日金曜日

アベノミクス春闘で平均賃上げ、わずか67円(2)

 


安倍首相の異例の賃上げ要請で注目された今年の春闘も、フタを開けたら、ズッコケそうな内容だったと日刊ゲンダイの4月18日の記事で書いています。連合が416日公表した春闘の回答結果(4回集計)にはあ然で、傘下2139組合の平均賃金の上げ幅は、前年比で月額わずか67円でした。労働総研研究員の木地孝之氏は、「ボーナスが上がった企業もありますが、賃金は今年もほとんどあがっていません。大企業はこの10年間で260兆円もの内部留保を溜め込んでいます。給料を2万~3万円くらいあげてもどうってことありませんが、内需への不安が払拭できないために、設備投資にも賃上げにも踏み切れずにいます。だから、ますます需要が冷え込むという悪循環です。来年、消費増税が強行されれば、ますます内需は冷え込みます。そんなところに、安倍政権は正社員のクビ切り法案なんて検討していますと、あきれています。

サラリーマンの給料は上がらないのに、円安による輸入インフレは確実に押し寄せています。
筑波大名誉教授の小林弥六氏(経済学)がこう言っています。

「そもそもアベノミクスによる株価や不動産価格のつり上げ、円安誘導、日銀によるリスク資産買い取りなどは、すべてが“禁じ手”です。とにかく見せかけの景気回復を演出し、参院選や消費増税のためなら何でもありで、国民を惑わせている。大マスコミもそれはやし立て、国民に共同幻想を抱かせている。

 今の状況を見ていると、『ハーメルンの笛吹き男』という童話を思い出します。ネズミ退治を買って出た男が笛を吹いて歩くと、街中のネズミがついてきて、みんな川に落ちて溺死する話しです。男は最後は子どもたちまで連れ去ってしまいますが、安倍政権もこの国と国民を破滅に追いやろうとしているとしか思えません」と、強烈に批判しています。

 安倍政権のリフレ政策は危険なバクチです。国民生活を実験場にする試みです。安倍ブレーンでリフレ派の代表格、浜田広一・エール大名誉教授は、黒田日銀の金融緩和を評価し、「こんなに大規模な“実験”は世界でもそれほど行われてない」としていましたが、責任を持たない大学の教授に任せることには、非常に危険を感じます。

2013年4月25日木曜日

アベノミクス春闘で平均賃上げ、わずか67円(1)

 金融ジャーナリストの小林佳樹氏は、現在の金融市況を見て、次のように語っています。

「国債市場は44日以降、5回も売買停止の『サーキットブレーカー』を発動する異常事態です。日銀は毎月7.55兆円の国債を買い入れる予定ですが、あまりに常軌を逸した計画に、市場が国債相場を読みきれず、売買に二の足を踏んでいる。今は日銀が人為的に長期金利を抑え込んでいますが、何かのきっかけで金利が急騰、つまり国債価格が暴落すれば、一気に日本沈没という最悪のシナリオもあり得ます」。恐い話です。

長期金利が急騰し、国債が暴落すれば金融機関も企業もバタバタ倒産する可能性があります」。現実は、2%の物価高どころか、熾烈な値下げ競争が加速中です。

牛丼チエーンで最後まで値下げを踏みとどまっていた吉野家も、あすから並盛りを280円に100円値下げします。

 スーパーの西友は、先週からTシャツやポロシャツなど1132品を490円からのワンコイン価格で発売しています。

2013年4月24日水曜日

投資より現金(4)~萩原博子

 
保険とは当たる確率の低いくじのようなものなのです。死亡保障を例にとりましょう。

 生命保険の保険料は、男性の場合、10万人が一斉に生まれ、順次死亡して、107歳で全員が死亡するという前提で、毎年の死亡確率を出し、これを元に算出されます。たとえば、40歳の男性の場合、生き残っている97391人中、年間に死亡するのは44人。つまり、97391人が払った死亡保障の保険料は、不幸にも亡くなった144人がもらい、その年は終わりということになります。10万人が生まれた男性が、半分の5万人を切るのは82歳。死なない限り、払った保険料の元は取れません。

 定年退職が近づいてきたら、すぐ年金生活に入るよりは、しばらく働き続けることを考えてみてはどうでしょうか。退職する前に教育訓練給付制度を利用して、退職後も何か職に就けるような態勢を作っておく方法もあります。年金支給は65歳からなので、まずはそれまで働けるプランを作っておくべきです。

 60歳からもらう場合は、給付額は通常よりも30%減額になり、70歳からもらい始めると42%の増額になります。たとえば、65歳から月万円の年金を受け取る人の場合、これを六十歳からもらうようにすれば、年金額は月3万5千円になります。七十歳からにすると月7万1千円になり、この増額は一生続きます。

 77歳までに亡くなるのなら、60歳からもらい始めたほうが総受給額は65五歳からもらい始めるよりも増え、82歳以上生きそうなら70歳からもらうほうが総額は多くなります。ただし、一度決めた年金受給開始年齢は変更できません。

2013年4月23日火曜日

投資より現金(3)~萩原博子

 
「マンションオーナーになれば高利回りで安定収入」などという宣伝をよく見かけますが、税金対策が必要な資産家でもない限り、不動産投資は普通のサラリーマンには向きません。まず、ほとんど儲かりません。

 定年退職した人が、家賃という毎月の「定期収入」に魅力を感じてマンションオーナーになりたい心理はわかりますが、空室が続いた場合、年金以外の収入がないのにローンの返済金だけが出ていく怖さが不動産投資にはあります。

 もしものときのために、誰もが加入を考えるのが保険です。保険には、三つの保険機能があります。

 まず、病気になったときの医療保障、次に、死んだときの死亡保障、そして貯金目的の貯蓄保障です。すべての保険は、この保障の組み合わせでできています。その保障に保険会社の経費を上乗せしたものが、保険料の額になります。三番目の貯蓄保障については、現在、運用利回り(予定利率)が低く、保険で貯金するメリットはないので考える必要がありません。これから保険に入るという人は、死んだときと病気になったときの保障だけを掛け捨てで買えばいいのです。

 入院一日につき一万円くらい出る掛け捨ての医療保険に加入すればいいでしょう。終身保険の終身払いで、怪我でも病気でもすべての入院をカバーするタイプにすると、保険料も安くなります。

 死亡保障については、まず自分が死んだら誰か経済的に困るのか、そのためにいくらの保障が必要かを考えましょう。

 会社勤めの夫が亡くなり、専業主婦の妻と小さいこども二人が残された場合、子どもたちが18歳になるまで遺族厚生年金が月々15万くらい出ます。住宅ローンが残っている場合も、ほとんどの人はローンを組んだときに団体信用生命保険に加入しているため、この保険と残りのローンが相殺されて、住宅ローンが無くなるケースがかなりあります。

 足りなくなりそうなのが教育資金です。教育資金は、子ども一人につき1000万くらいかかるといわれていますから、二人で2000万円。これを、生命保険の死亡保障で補うといいでしょう。

2013年4月22日月曜日

投資より現金(2)~萩原博子

 
 
小泉内閣時代、国策として401kという企業年金が導入されました。会社によっては投資に縁がなかったサラリーマンまでもが、自らの企業年金を運用しなくてはならなくなりました。

 企業年金を社員に運用させることで、企業は不良債権を抱えずに済み、証券会社や金融機関にとっては、手数料が必ず入ることになります。


 企業と金融機関と国の三者の利害が合致して導入されたのが、401kだったわけです。しかし、肝心のサラリーマンは、かなりの人が損をすることになりました。

そもそも相場では、プロとアマが同じ土俵で勝負しなければならず、基本知識や情報、元手もテクニックもないアマには勝ち目がありません。プロのいいカモにされやすいのです。

投資信託のセールストークで、「長期的な視点で投資をすれば、リスクはそれほどない」などというのもよく聞きます。でも、実際にその投資信託の運用を任されるプロの人たちで長期的な視点で考えている人はほとんどいません。というのも、プロは3ヶ月から半年ごとに自分の成績を出さなければいけないからです。

どうしてもやってみたい場合は、本や新聞を読み、自分なりの投資理論を打ち立て自分で選んだ銘柄をシミューレーションしてみましょう。あるいは、いまは十万円以下でも買える株もあるので、何か一銘柄買って情勢と値動きがどう連動するか観察してもみるのもいい。それなら成功しても失敗しても納得できます。ともかく、自分のわかる範囲のことしかしないことです。やってみて自分には難しいと思ったら、やめたほうがいいでしょう。

2013年4月21日日曜日

投資より現金(1)~萩原博子

 
これも文春文庫の「老後の真実」に載っていたものです。

 これからの老後にどれだけお金がかかるかというわけです。自分で実際に計算してみてはいかがでしょう。

総務省の家計調査によると、65歳以上の夫と60歳以上の妻の無職の二人世帯で、1ヶ月にかかるのは27万円。そこから公的年金を差し引いた金額をAとすると、A×12カ月×年数。それが、この先、自分たちに最低限必要な額となります。

もしそれが3000万円で、退職金、企業年金、預貯金を足して4000万あるならば、残りの1千万円は何に使ってもいいということになります。

必要な額には足りず2800万円しか手元にない人が、それを殖やそうとして投資に手を出すケースが往々にしてあります。しかしそれは、残念ながら殖えるより、減るリスクのほうが大きくなりますと萩原氏は言います。

ゆうちょ銀行が扱う投資信託でも、買った時よりも値下がりしているものがかなりあります。基準価額1万円で売り出された投資信託21商品中、現在1万円を超えている商品はたった3商品といいます。増えたのは、14%となり、86%が目減りしています。

発売当初は大人気で好調だった、グロソブと呼ばれるグローバル・ソブリン・オープン・毎月計算型は、1000万円預けると毎月3~4万円の分配金をもらえるのが魅力でしたが、当初の基準価額1万円が、5299円になっているといいます(数字はすべて2011年2月3日現在)。これから、1000万円貯金して、口座から毎月4万円ずつ出すほうがよかったのではないでしょうか。

今はデフレです。昨年1万円だった商品が、今年は9500円で売られたりしています。下手な投資するよりは、相対的に価値が上がっている現金を持つのが賢い方法ということになります。

何によりもいけないのは、退職金を持って、「投資をしたいが、どうしたらいいか」と銀行や郵便局、証券会社の窓口に行くことです。これはカモがネギを背負っていくようなものといえます。相談する相手は営業マンです。となれば、彼らに最も高い手数料が入る商品を売りつけられると思っていたほうがいいでしょう。

いまの時代、投資が勧められないのは、世界経済が非常に不安定だからです。こんなときにする投資は、もはや投資ではなく投機、つまり「博打」です。「博打」でなくなるのは、経済が落ち着いてコンスタントに伸びているときです。

2013年4月20日土曜日

財産が少ないほど相続でもめる(5)~木村晋介

 

税制改正により、相続税の基礎控除額が変更になります。今までの5000万円+1000万円×相続人数まで非課税から,3000万円+600万円×相続人数まで非課税となることが予定されています。過大な相続税負担を避けるために引き上げられた基礎控除額の額が、戦後初めて減額されることになります。

生前贈与については今までの重い課税を緩和する傾向です。

 親側から、特定の子に対して資産を渡したいにもかかわらず、生前に資産を贈与すると、高率の贈与税が課税されることが、遺言による遺贈を選択することを余儀なくしてきた面があります。

65歳以上の者から20歳以上の子への2500万円までの贈与が、結局相続時に相続税率で精算されることになり、贈与時に支払った税(一律20%)のうち相続税による税額を上回る分が還付、上回らない分は、相続税から控除あれることとなりました。資産を贈る側の年齢を65歳以上から60歳以上に引き下げ、贈られる側を、子だけから、孫、ひ孫にまで広げるなど若干の手直しが行なわれます。

生前贈与はしたものの、贈り主が期待していた、また贈られる側と約束していた、贈り主やその配偶者に対する老後の療養介護がなされないという、やらずぶったくりケースも出て来て、かえって紛争の元になります。これを避けるには、贈与する際に、贈り主やその配偶者に対する療養介護を尽くすことを贈与契約書にうたっておくという方法をとるしかありません。これを負担付贈与とか、条件付贈与とかいいます。贈られた側が、約束に反した場合には、贈与を解除・取り消しすることが可能です。

贈与契約の作成料は、贈与する資産の1%+7万円が相場です。

2013年4月19日金曜日

財産が少ないほど相続でもめる(4)~木村晋介

 
実質的公平を保証する最後の手段はやはり遺言です。実際遺言は、強力な紛争予防手段で、少額相続についても例外ではありません。安全性の観点から、自筆証書遺言(作成日を含めすべて自筆で書かれ、署名押印があることが要件)よりも、公証役場で公証人が作成してくれる公正書遺言書の確実性は揺るぎのないものです。

少額の遺産紛争が漸増し、裁判や調停になるものが3割に迫ろうとしているとき、「人はなぜ遺言書を書かないのか」をあらためて問い直してみる価値があります。

「お任せ遺言」と名づけ推奨している遺言の方法があります。相続分や、遺産の分割方法を第三者に委託するというタイプの遺言です。遺言者から委託を受けた第三者が、遺言者の死後それまでの諸事情を勘案して、遺産の分け方を決めるというシステムです。文例をあげれば、「遺言者甲野花はそのすべての遺産につき、左記の者に相続人全員の相続分及び遺言者の資産の分割方法を指定することを委託するとともに、左記の者を遺言執行者に選任する。

住所 東京都中野区中野○丁目○番○号

氏名・職業 乙田春夫・弁護士(昭和50年1月24日生)

その遺産の分け方を、実質的公平になるように決めることができます。少額相続といえど、弁護士にお任せで行くときには遺産の2~3%くらいの支出は覚悟が必要です。

2013年4月18日木曜日

財産が少ないほど相続でもめる(3)~木村晋介

 
高齢化社会の進行によって人生が昔の倍近くとなった今、残された子らは、それなりに蓄えや資産を持っていておかしくない年齢となっています。散々親のすねをかじってそこまで行き着いているのに、いまさら親の遺産による扶養を期待できる立場ではありません。

高度成長期の働き蜂世代は自分たちに長い老後が待っていることを知っているだけに、容易にこれを消費しない。

配偶者の法定相続分を増やした昭和56年施行の民法改正で、法定相続分を修正できるケースとして、二つを認めています。

ひとつは、①死者の生前に行っていた事業について特段の労働や財産の提供をなしたケース、もうひとつは、②死者に特段の療養看護等を行ったケースです。これらの場合に、財産の維持・増加があれば、相続分の割り増しが認められることが明確になりました。
 
実際の裁判でこの制度が果たしてきた役割は、残念ながらこの期待にこたえるものではありませんでした。介護者それも専従的介護者への寄与分の認定でも、高くても総遺産の15%程度、通常は数%にとどまり続けています。親と同居していた子が寄与分を主張しても、親の家にただで同居していたのだから、と寄与分を認めてもらえないケースも多くあります。

父母の家事全般を世話してきたというケースが家庭裁判所でありましたが、認められたのは、一日8000円×3年間=876万円に過ぎません。一日5000円から8000円のものが多く、高いものでも、一日1万3000円止まりでした。

2013年4月17日水曜日

財産が少ないほど相続でもめる(2)~木村晋介

 
 年間の死亡者は、約110万人。その年齢構成は社会の高齢を反映して、平成15年以降、75歳以上の死者数が全体の6割を超えるようになっています。

 長男による家督相続という封建的な思考から抜け出し、「配偶者と子による平等な相続へ」という近代理念先行型の戦後相続制度設計は、今のような高齢化社会の到来を予想していませんでした。立法者たちは想定していた家族観を次のように語っています。

 遺産が家族構成員の協働によってできたもの、または、協働によりできた部分を含むものである、という仮説です。

 親の資産を創るために協力をしたなどという子供は、めっぽう少なくなります。学費だ、車だ、結婚費用だ、家を買う頭金だと、親の資産形成に負担をかけることばかりに貢献しているのが今の子供たちです。

 法定相続分の決め方の根拠とされてきた考え方があります。

 その死者が生存していたとすれば、その資産から家族が受けることが期待できた扶養を、その家族に遺産を配分することによって法が果たすという考え方です。しかしこれも、今の時代を反映するものとはいえなくなってきています。

2013年4月16日火曜日

財産が少ないほど相続でもめる(1)~木村晋介

 
これも文春文庫に掲載されているものです。

相続をめぐる事件の依頼がここ数年急増し、木村氏の事務所の取り扱い事件の中、この三年断然トップの地位を占めているそうです。その中で目立つのは、遺産の額が少ないほど紛争は熾烈となっているという意外な事実です。最高裁の司法統計によっても、年度の全事件の受け付け数は年々減少、平成19年には、初めて500万件を大幅に割り込み、以降ほぼ455万件前後で推移しています。

相続関連の事件だけは、ここ10年で倍増しています。

 相続案件の中で比較的少額と考えられる遺産額1000万円以下の調停事件を見ると、平成20年度に受理された調停事件の27%強を占めています。その約10%が調停では折り合いがつかず、家事審判官による審判により、ようやく強制的解決を見ています。しかし、調停や審判になるのは、社会で起きている紛争の氷山の一角であることを考えれば、公にならない実際の少額相続事件紛争は、かなり多数に上っていると思われます。

 父の相続ときには学生であったために、兄たちのいいなりに相続を放棄した女性が、10数年後の母の相続のときになって、父の相続放棄を理由に、母の相続について激しく争うということがありました。父の相続のときに、母も遺産をほとんど受けていないということも多く、とすれば母の遺産は当然少ない。これを均分相続するのでは、不公平だと彼女が思うのはもっともなことでしょう。しかし、父の遺産をどう分配したかは、母の相続時には考慮されません。

 相変わらず多いのが、親たちが生前をともに生活してきた子(例えば長男)の世帯と、家を出、独立していた子(例えば次男)の世帯との争いです。長男としては、老父母との同居で大きな負担を負ったという思いがあります。ところが、次男は、全く別の見方をしているというわけです。まず、長男一家が父母の老後をよく見てくれたとは、かならずしも感じていません。このズレは、老夫婦が時々次男一家に立ち寄って、長男の嫁の悪口を言ったりすることによってますます増幅します。そのうえ次男の側からみると、長男は父母の家に家賃ゼロで住み、自分たちのように住宅ローンも負担していない兄一家は、父母に孫の世話までしてもらい、働き盛りに共働きもでき、得をしているという風にうつっています。要するに、人は、自分の受けた恩恵には鈍感だが、他人の受けた恩恵には敏感になる生物だということなのです。

2013年4月15日月曜日

中国春節で高額品売れず

 
 
 中国商務部によると、今年の春節(旧正月)休み中の全国小売売上高は5390億元(8850億円)と前年実績に比べ14.7%増えました。年率2桁で増えましたが、伸び率は4年ぶりの低さでした。景気減速で年末賞与が減ったほか、共産党が高級酒など高額商品の公費での購入を禁じたためだと見られています。


  春節商戦は、中国の小売り、サービス業の最大のかきいれ時で、欧米のクリスマス商戦に相当します。今年は29日から15日までの7日間でした。
 
  今年は高級品の伸び悩みが目立ったといいます。
 高級酒として有名な「貴州茅台」を1本1998元と約15%値下げしましたが、「それでも販売本数は昨年より減った」ということです。

 年末賞与を下げる企業が多かったことが、高額品販売の逆風となりました。4割近くの企業が年末賞与を前年より引き下げました。
 
 雇用や所得も回復感が乏しいといいます。
飲食店では、公務員による春節の宴会の予約取り消しが続きました。中国政府幹部が、3月で変わるので、節約ムードを演出したのでしょう。いつまで続くかです。

2013年4月14日日曜日

歳のせいで物忘れがひどいという誤解(4)~池谷裕二

 脳は何のためにできたのでしょうか?

 脳は思考のためにできたのではありません。敵が来たら避けるとか、身体感覚を身体運動に変えるためにあります。感覚を運動に変える。つまり、脳は身体に密接に結びついているのです。

 箸を口にくわえて漫画を読む実験します。箸を縦にして「んーっ」と上唇で噛むスタイルと、横にして「いーっ」と噛むスタイル、その二つのスタイルで漫画を読み、それぞれの漫画のおもしろさに10点満点で点をつけます。すると、箸のくわえ方によって点数が違うのです。「「いーっ」のほうが平均で2点も高いという結果が出ています。これは、「いーっ」のスタイルが笑顔の筋肉の使い方と似ているからなのです。漫画が楽しいから笑うという側面はもちろんありますが、むしろ逆で、笑っている(笑っている形をつくる)ことによって楽しくなってくる側面が強いのです。笑顔をつくると楽しくなる効果がある、ということです。

 「いーっ」と噛んだときの脳の活動を調べてみると、ドーパミン神経系が活動しているらしいということが分りました。ドーパミンは快楽を生み出す神経伝達物質といわれています。今回の実験で、「いーっ」と噛んだら本当に楽しくなってくる・気持ちよくなってくる、ということが脳研究の世界で初めてしっかり示されたということになるわけです。

 たくさんの単語を並べた中から「幸せ」や「快適」など、心地よさに関係した言葉を捜してもらったら、「いーっ」と噛みながら捜すとスピードが早くなったのです。

 脳よりも身体の方が大切で、身体に引っ張られるかたちで脳も活性化するのです。

 最近の世の中は、言葉で説明ができないことは往々にして否定されがちです。経験に裏づけされた直感はほとんどが正しいのに、言語で説明できないからといってバカにする世の中になっていることは、ものすごく残念で、ひいては人類の損失だと思います。

 直感力をさらに鋭くするためにも、日頃から身体を適度に元気しておきつつ、いろんなことに興味もち続けることは、とても大切だと池谷氏は言います。

2013年4月13日土曜日

歳のせいで物忘れがひどいという誤解(3)~池谷裕二

 
大人と子どもの決定的な違いは何かというと、子供はど忘れしても、「あ、やっちゃったな~」みたいに落ち込んだりしない。でも大人はすぐに「歳だからな」と気に病んだり、「これって何かの前兆かな…」と不安になってみたりと、ショックに感じることが多いのです。だからよけいダメージが大きくなるのです。

脳も、記憶力も、いわれているほどは衰えません。生後半年以内の若いウサギと生後2~3年の老ウサギを使って大脳皮質の海馬の性能を測定しました。海馬は記憶を司るところです。ブザー音を聞かせてからウサギの目に空気をしゅっと吹きかけます。これを何度も繰り返すと、そのウサギはその流れを覚えて、ブザー音が鳴ると空気が来るぞとわかって目を閉じるようになります。

その結果、若いウサギは約200回、老ウサギは約800回で覚えました。これをみると、ウサギも歳をとると確かに記憶力が低下するようにみえます。記憶のスピードが4分の1くらいになって、海馬の性能が年齢とともに衰えているように見えます。しかし次に、θ(シータ)波という脳波が出ているときの状態を調べてみたところ、老ウサギが学習して記憶する力は若いウサギとほどんど差がなく、とても優秀な成績だったそうです。

θ波は興味をもってわくわくするときや、次はどうなるのか知りたい、というような気持ちのときに出ます。つまり、θ波が出ているときなら、若者と同じだけのパフォーマンスを発揮することは十分にできるのです。

大人にとって怖いのはマンネリ化です。

気持ちがマンネリ化するとθ波は出ません。歳をとっても好奇心を持っていろんなことを楽しむという姿勢は、記憶力を衰えさせないためにも大切なことです。

2013年4月12日金曜日

歳のせいで物忘れがひどいという誤解(2)~池谷裕二

 
今から11年くらい前に、一部の脳部位は大人になっても成長を続けることが発見されました。それが前頭葉と、基底核です。


5年程前にオランダ人の女性が115歳で亡くなり、その脳を解剖して調査してみると、神経細胞の数、シナプス(神経細胞のつなぎ目)の数、タンパク質の量、遺伝子の状態など、脳の機能が若い人とほとんど変わらないことがわかったといいます。

もともと脳自体は40歳以降のほうがむしろ働きが活発になるといわれているですが、120歳でも現役だということは、半分の60、つまり還暦はまだ、“脳人生”は半ばということになります。

 「脳が衰えた」というとき、身体の衰えを脳の衰えと思い込んでいる場合が多いのではないでしょうか。身体の衰えのほうが脳の衰えよりも早いので、おそらくそれが反映されているのではないかと池谷氏は言います。「若い頃は、3、4時間ずっと本を読んでいたのに、最近は30分くらいで集中力が落ちちゃって。歳とったなあ、脳が衰えたかなあ」といったりしますが、これは身体の衰えだと考えたほうが正直です。なかなか認めにくいところですが。
 歳をとったから物忘れがひどい、というのも誤解だと思いますと池谷氏は言います。物忘れやど忘れが増えたと思ってしまう理由の一つは、子供の頃に比べて大人はたくさんの知識を頭の中に詰めているからです。そのたくさんの要素の中から思い出すのに時間がかかるからなのです。

 半年くらい前のことでも、つい最近といってしまうこともありますが、その半年の間に、新たにたくさんのことを頭に入れているので、思い出すのに時間がかかってしまうのです。それは仕方のないことなのに、「つい最近のことが思い出せない」と、必要以上に気にしてしまうパターンが多いのです。言われてみればそうかも分りません。

2013年4月11日木曜日

歳のせいで物忘れがひどいという誤解(1)~池谷裕二

 
今日も「老後の真実」(文藝春秋編)から脳研究者の池谷裕二氏の標題を取り上げました。

物忘れや記憶力の低下は、歳をとったことによる脳の衰え――そんなふうに思っている中高年の方がたくさんいらっしゃるようですが、池谷氏は違うと思っているようです。

脳は歳をとっても簡単には衰えません。むしろ、歳をとればとるほど向上する脳の働きもあるのです。それが直感力。直感力は40歳を過ぎてからのほうが鋭くなります。

直感力とは、無自覚的に、無意識にできてしまう能力のことで、何かを察する力や行間を読んだりする力のことです。

センスは直感の一種です。

状況判断が早いとか、的確であるとか、目が利くとか、そういうものもすべて直感です。
 贋作か本物かを見分ける骨董屋の目、これも直感になります。
 長年経験したことによって養われるのが直感力なのです。

直感と似た能力として「ひらめき」があります。しかし、脳の研究ではまったくの別モノで、脳内メカニズムが違います。直感とひらめきの違いは、理由を言葉で説明できるか、できないか、ということです。ひらめきは、思いついた後にその理由を説明できます。「あのときは気づかなかったけれど、今ならわかる。こうなって、こうなったからこうなったんですよ」という具合に。

しかし直感は、自分でも理由がわからない。ただなんとなくという感覚。理由を説明できなくても、「こうかも」という確信。そういうものが直感ですというわけです。

言葉にならないけれど無意識に身体が覚えている記憶を「手続き記憶」といいます。一方、言葉で説明できる記憶は「陳述記憶」といって、人間の記憶は大きく分けるとこの二つのパターンのどちらかです。「手続き記憶」を司るのは脳の大脳基底核(=以下、基底核)で、身体を動かすことに関連したプログラムを保存しています。そして、直感も基底核から生まれるのです。

若い頃から積んだいろいろな経験によって直感力が養われていくということで、20代や30代よりも40代以降、歳をとるほど直感力が強くなる理由はそこにあるのです。

2013年4月10日水曜日

カロリー制限は大間違い(3)~牧田善二

 
1日最低130グラムの糖質が必要とされており、適度に炭水化物を摂ることは重要なのです。
 そのため、血糖値の自己測定を習慣にすることをすすめています。

血糖値の上昇を抑えるためには、やはり運動がよく、それも、ウォーキング程度で十分に効果があると書いています。

血糖値の上昇は意外に早いので、食後は時間をおかずに運動を始めるほうがいいそうです。夜の外食なら、店ののれんをくぐって外に出たら、すぐに歩き始めるといいと書いています。

2009年末、国内では十年ぶりとなる糖尿病の新薬が発売されました。それが、話題のインクレチン関連薬である。

新しい薬は、体内でこのインクレチンを活性化させ、血糖値を適正に保つよう働きかけます。
 すい臓の機能を回復させる作用があるので、軽症であれば糖尿病が治るかもしれないと言われています。そのうえ、自然と食欲が抑えられるので、ダイエット効果もあります。 

飲み薬として「ジャヌビア」、注射薬として「ビクトーザ」の名前で商品化されており、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)で言えば、ジャヌビア1%、ビクトーザで2%程度下げるとされています。

ただし、インスリンの分泌が全くない人には使えません。

2013年4月9日火曜日

カロリー制限は大間違い(2)~牧田善二

 
なぜ、炭水化物だけが血糖値を上げるのでしょうか。私たちが摂取した炭水化物、つまり糖質は体内で消化、分解されてブドウ糖になり、血液とともに体全体に運ばれます。血液中のブドウ糖の量はすい臓から分泌されるインスリンによって調節されていますが、糖尿病になるとインスリンの分泌量や効き方が十分でなくなるために、血液中のブドウ糖の量が過剰になってしまいます。これが、高血糖の状態です。ところが、脂質やたんぱく質はブドウ糖にならないために、いくら食べても血糖値に影響することはありません。

医療現場での食事指導の主流は、いまだにカロリーコントロールです。けれども、いくらカロリーを減らしても炭水化物を摂れば、その分血糖値は上がります。たとえダイエットの効果で一時的に体調が改善されても、根本的な解決にはなりません。

牧田氏も10年ほど前までは、カロリー制限が正しいと思い込んでいたそうです。
  医療現場での食事指導の主流は、いまだにカロリーコントロールだといいます。

アメリカ糖尿病学会(ADA)の公式ガイドブックには、「炭水化物は摂取後15分以内に血糖値を上げ、2時間以内に100%ブドウ糖に変化して吸収される。たんぱく質や脂肪はまったく血糖値を上げない」とはっきり記されています。

50代男性のCさんは、「アルコールのカロリーは、1グラムあたり約7キロカロリーと高いので、お酒を飲むときはその分のカロリーを他の食べ物から引くこと」という指導を受けていたため、酒の席ではできるだけつまみを食べずにいたそうです。すると、いつも翌朝の体調が悪い。「やはり酒を飲むと高血糖になり、体に負担がかかるんだ」と信じ込んでいました。

ところが、これは全く逆です。アルコールには血糖値を下げる作用があるので、食事を減らしたCさんは低血糖状態に陥っていたわけです。ADAの公式ガイドブックにも、「お酒は、ブドウ糖に変わり血糖値を上げることはしない。お酒は肝臓からのブドウ糖放出量を減らすため、インスリンや糖尿病の薬を使っている人は低血糖になる危険がある」とはっきり書かれています。

ビールや日本酒には糖質が含まれているので摂取後の血糖値はほぼ横ばいになりますが、焼酎やウイスキー、ワインなどの場合は低下してしまいます。適度なアルコール摂取を奨励しています。控えるべきは、シメのラーメンです。

2013年4月8日月曜日

カロリー制限は大間違い~牧田善二

 

今日も昨日からとった「老後の真実」(文藝春秋編)から医師の牧田善二氏の標題を取り上げました。

「糖尿病になったら、ご飯よりステーキを食べなさい」

と聞くと、驚く人も多いのではないだろうか。けれども、牧田氏のクリニックには、現在、これを実践して成果を上げている患者さんが大勢いるといいます。

2007年の国民健康・栄養調査によれば、「糖尿病が強く疑われる人」「糖尿病の可能性が否定できない」の合計は,2210万人と、10年前の1.6倍になっています。30年前は成人の100人に一人程度だったのが、2002年で6.3人に1人。今後は三人に一人が糖尿病という時代が来る予測もあります。

糖尿病には、何らかの原因でインスリンの分泌がまったくなくなってしまう1型、生活習慣などが原因ですい臓機能が弱まり、インスリンの働きが十分でなくなる2型をはじめいくつか種類があるが、ここでは全体の約95%を占める2型糖尿病について話しを進めます。 

糖尿病で最も恐ろしいのは、深刻な合併症です。適切な治療をせずにおくと、あるときドカンと大きなツケがまわってきます。糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症であり、その結果として失明する人は年間約3000人、腎症が悪化して人工透析が必要になる人は年間約1万6000人と言われています。

牧田氏が当初担当した患者さんで、失明、透析に至った人は一人もいないそうですが、なぜ毎年これほど多くの人々が失明や人口透析に至るのか。その原因の一つとして、誤った治療法、とくにカロリーコントロールによる食事指導があると牧田氏は考え、警鐘を鳴らし続けているそうです。

牧田氏のクリニックを訪れた40代の男性は、「血糖値を安定させるために、一日の食事を1600㌔カロリー以内にすること」という医師の指導を忠実に守っていました。脂肪分の多そうな洋食は、なるべく避け、和食を中心に、特に腹持ちのいいご飯をたっぷり摂る生活を続けてきましたが、一向に血糖値は下がらなかったといいます。牧田氏は、40代男性に「血糖値を上げないためには、炭水化物を摂らないようにすることが大切。脂肪やタンパク質はいくら摂っても、血糖値には関係がない」と告げました。

牧田氏は患者さんに食後の血糖値が200mg/dlを超えないことを目標にしてもらっているそうです。

2013年4月7日日曜日

その食べかた、間違っています(2)~葛谷雅文

 
昨日からの続きです。件の85歳の女性は、60代のときから、20年間忠実に守り続けました。彼女は動脈硬化になる危険から免れたかもしれませんが、脳出血のリスクを抱えたということもできると言っています。

動物性脂肪は確かに血清コレステロール値を上げますが、後期高齢者にとっては効率のよいエネルギー源でもあります。炭水化物、たんぱく質が4kcal/gのエネルギーとなるのに比べ、脂肪は9kcal/gを産生でき、極めて効率が良いのです。

ここで、「粗食が体にいい」という世間的常識についても考えてみましょう。
 人間の手足の骨格筋は20代をピークに加齢とともに、萎縮していき、筋肉量としては70歳で20代の60-70%程度になるといわれています。

七十五歳の骨格筋量が減少し、脂肪に置き換わります。タンパクの合成よりも分解のほうが上回ると、骨格筋組織を構成する筋細胞数が減少したり、個々の筋細胞が萎縮したりしてしまいます。筋肉量が徐々に低下し、筋力も低下します。この現象をサルコペニア(加齢性筋肉減少症<減弱症>)と言います。
 
サルコペニアがあると高齢者はふらついたり、転倒しやすくなったりします。
 筋肉タンパクは筋肉へ供給されるアミノ酸からつくられるので、アミノ酸のもとである肉などのたんぱく質を十分に摂っているかどうかがポイントになります。

なまじ生活習慣病予防の知識がある高齢者は、肉の摂取自体が不健康につながると思い込み、意識的に避けたりもします。このところの粗食ブームもそれに拍車をかけているようです。

「日本人の食事摂取基準」によると高齢者のタンパク質推定平均必要量は一日あたり0.85g/kg(体重)とされています。例えば60kgの体重の人は51gのタンパク質が一日に必要となります。実際には高齢者の摂取量は推奨量より20~40%程度少ないとされます。すなわち、体重60kgの高齢者では一日につき15kg程度タンパク質が足りないことになります。

欧米の観察研究では、タンパク質摂取量が多いほど骨格筋量の低下率が低いことが報告されています。ただでさえ筋肉量が減少しやすい高齢者が現状を維持するには一日あたり0.85g/kg(体重)程度の摂取が必要との指摘もあります。

年をとったら野菜中心の淡白なものを考えがちですが、血の滴るようなステーキとまではいかなくとも、肉を食べる習慣は大事なのであると葛谷はしめくくっています。

  食生活は、見直したほうがいいように思います。亡くなった評論家の三宅久之氏が、あとどのくらい食べれるか分らないのに粗食はしたくないと言っていましたが、正しかったようです。高齢者は、比較的滴るようなステーキが好きなようです。

2013年4月6日土曜日

その食べかた、間違っています~葛谷雅文

 
文春文庫から話題の本が出ています。その中のひとつが、葛谷雅文氏の標題です。紹介したいと思います。

高齢者(六十五歳以上)の総人口比率が21%を超すと超高齢者社会と言われます。
 日本はご存じのように2007(平成19)にこの基準をクリアし、超高齢社会に突入しました。
 75歳の声を聞くと、少しずつ高齢者特有の変化が現れ、健康に関してもいろいろな問題が出始めて来ます。注意しなければならないのが、低栄養(栄養不足)といいます。

自立して生活している後期高齢者のうち低栄養と診断されるのは約10%程度ですが、要介護認定を受けている人では3040%が当てはまるそうです。

口腔内の問題は重要で、入れ歯(義歯)が合わないだけでも食事量は落ちます。
 重要なのはBMIの変化、体重の変化であるといいます。82歳の女性の患者さん(BMI27kg/)は「水を飲んでも太ってしまう。痩せられないので悩んでいる。現在、一日二食にし、野菜を中心とした食事に切り替え、さらには市販のやせ薬を購入して服用している」といいます。

葛谷氏は、「とんでもない、八十歳を超えた方がそんな無理なことを実行したら、かえって体を壊してしまいます。無理な食事制限はせず、三食必ず食べて、これ以上体重が増えないよう気にかける程度にしてください」と話しています。

一般には高齢者の減量は注意が必要であり、勧められません。
ただでさえ、食欲は加齢とともに減退してきます。体重も一般的に男性では六十代、女性では七十代をピークとして徐々に減少します。知らない間に体重が減少してくるようなら、健康障害の注意信号と考えたほうがよく、一週間に一度は体重計に乗り、自分の体重をチックしたいといいます。

八十五歳の女性が私のところにいらっしゃって、「二十年ほど前に、かかりつけの先生から
コレステロールや油ものをなるべく避けるように指導され、それ以降、卵や乳製品を取らないようにしているんです。もちろん肉は鳥のささみしか食べません」と誇らしげに話されたといいます。

六十五歳の時と比較すると15kg以上体重が減ったといいます。
 コレステロールは動脈硬化の危険因子です。特に悪玉コレステロール(LDLコレステロール値)が高いと心筋梗塞などの虚血性心疾患のリスクになります。

そのため血液中の悪玉コレステロールを低下させる目的で食事指導がなされるのが普通です。
 一般的に医師は動物性脂肪の摂取をできるだけ避けるように勧めます。

しかし、これも中年期までの話で、コレステロール摂取によって動脈硬化を引き起こす危険度は高齢者では徐々に低下し、後期高齢者ではその影響は少ないといいます。むしろLDLコレステロール値が低すぎると脳出血もリスクになることが報告されています。

2013年4月5日金曜日

がんの末期は痛むのか


 がんについては、今後も取り上げると思いますが、がんの末期は痛む、苦しむという社会通念があります。そのことが、がんへの恐怖や不安を生み出し、がん検診受けて早期に発見しようとする動機のひとつになっていると医師の近藤誠氏が書いています。

 義理の母が末期の胃がんでいろんなところに転移し、痛みだけがないことを祈っていましたら、どうもがんが脳に転移し、痛みもなんともなく、亡くなりました。

 「大往生したけりゃ医療とかかわるな」の著者である中村仁一さんは、老人ホームの専属医だそうですが、ホーム内の老人にがんが発見されても、手術そのたの積極的な治療は行なわずにみとってきました。皆、眠るように死を迎え、誰も痛まなかったといいます。

 老人本人の意思で、最期まで(がんに対する積極的な)治療を受けなかった方々ですが、放置経過を観察することにより、がんは無治療で過ごして亡くなられる場合、やはり痛みが生じないことが分かりました。

 それでは、なぜ痛みが生じないのか。放置した場合の死因が、がん初発病巣の増大だからです。がんが増大して、重大な機能を担う臓器の機能を妨げ(機能不全)、死に至る場合、原則として痛みは生じないのです。

 肝臓にがんが生じて、肝臓の大部分を占めると、老廃物が処理できなくなって体の中にたまります。それが脳に働きかけて意識を落とすので、最後は眠るようになくなります。

 腎不全も比較的楽な死に方といえます。この機能が落ちると、老廃物が体内にたまり、それが脳に働きかけて意識を落とすので、眠るように亡くなることができるのです。

 腎臓に初発する腎がんは、腎不全を起こしにくい。腎臓が2つあるため、がんで片方やられても、他方が健全なら、腎機能を十分保てるからです。

  多くのひとが、がんで亡くなる確率が高い今日、がんの痛みで亡くならないことが、分れば人生の不安の一つが消えると思います。

 

2013年4月4日木曜日

松下幸之助の禍根


 
松下幸之助氏については、いろんな人が書いています。

堤清二セゾン財団理事長も幸之助氏に教わったことを書いています。彼によると、経営の神様も生前、2つの不良品を作ったといいます。

「松下さんは、草葉の陰で『いいものを作って世間に喜んでもらったが、2つ不良品を作ってしまった』と悔やんでいる気がします。1つは中毒事件を起こした暖房機器。2つ目は、これは冗談ですが、松下政経塾です。幸之助の精神を学ばずに、処世術だけを学んだ政治家が誕生してしまった。政経塾は将来にわたって禍根を残す危険があります」とありますが、実にそのとおりで、政界に相当悪い影響を流しています。

2013年4月3日水曜日

TPPで日本を追い込む米国の罠

 
3月23日の日刊ゲンダイに高野孟氏がTPPについて、興味深い意見を述べていました。高野氏が注目したのは、民主党の松本剛明元外相の質問でした。

「事前協議で相当の妥協を強いられる懸念だ。共同声明の第2段落で『日本には一定の農産品、米国には一定の工業品』のセンシティビティー(微妙な点)があることを米国に認めさせたので、コメなどについて最初から『すべての関税撤廃を約束』することは回避されたと安部首相は説明している。

だが、第3段落では、米国の関心項目である『自動車部門や保険部門など懸案事項』について引き続き日米の事前協議を続ける、とされている。

 ということは、これから米議会が日本の交渉参加を認めるかどうかの審議が90日間かけて行われるのと並行して、米側の関心項目についての事前協議が進み、それについて日本が妥協しなければ交渉参加を認めないぞ、という圧力が強まるということである。他方、日本はその事前協議のテーブルにコメなどの問題を載せていない。

案の定、米議会は『日米間の未決の貿易障壁を解決するという約束を日本は果たしていない』(下院歳入委員長)、『TPPで閉鎖的な日本の自動車市場を変革できるとは想像できない』(同委員会民主党筆頭理事)などと声明を出し、業界は『現時点での日本の交渉参加に反対』(米国自動車政策評議会会長)と言っている。

政府も「日米事前協議でなすべき重要な仕事が残っており、その進展に応じて議会や業界と(日本の参加の是非について)協議を続ける」(米通商代表部代表代行)と声明している。政府・議会・業界一体となって、日本がTPP参加を承認してほしいのなら自動車などで事前に屈服するしかないぞ、というところに追い込もうとしているように見える。

自民党のTPP慎重派も「事前に自動車で譲歩してしまえば、交渉入りの前にカードを失う。農産物が交渉入りしてから俎上に載せられた時に米国は知らんぷりするじゃないか」と不安を口にする。前のめり姿勢の安部首相は見事に米国の罠にはまったのではないか。

と高野氏は述べているが、米国の罠は、もともとミエミエで、これにかかったとすれば、安部首相は、やはり甘ちゃん野郎と言わざるを得ない。

2013年4月2日火曜日

日銀新体制も救えない日本の製造業

 
 
今年2月の貿易収支が発表され、8カ月連続で赤字になったことが明らかになりました。赤字額の7775億円は2月としては過去最大です。

 戦後の日本は「貿易立国=輸出立国」でやってきました。日本でつくったものを輸出することで生産が増え、雇用は膨らみ、経済も豊かになっていきました。昭和30年代初頭からの復興も、原動力は輸出でした。
 
 3月21日は、日銀の新体制がスタートしました。可能な限り金融を緩和する方向へ舵を切るリフレ政策が動き出しました。国債やリスク資産の購入で市場がジャブジャブになっても、輸出立国の復活は望めません。安部政策の金融緩和を見込んだ相場が円安に振れても、貿易赤字は続いていることが何よりの証です。
 
 金利を下げて経済をプロモートする場合、まずは投資が増えなければ話になりません。それが雇用を増やし、消費を活発にします。

 それでは日本の現状は、金利が下がれば投資が増える状況にあるのでしょうか。重要なことは、投資を増やして雇用を拡大させようという企業がほとんどいないということです。

 日本の製造業の就業者数は、昨年12月の時点で1000万人を下回りました。ものづくりの主体が海外に移転しているため、働く人も減っています。国内の製造業は瀕死の状態といえるでしょう。

 いくら金融緩和を進めても、投資効果や雇用効果は期待薄だと経済学者は言っています。
 日銀の新体制が進める緩和政策によって国内でだぶついたカネは、結局、設備投資ではなく、投機的な運用に回されることになります。アベノミクスの実態はアベノバブルスというわけです。庶民には恩恵のないバブルを招くだけです。すでにその兆候は株や不動産の価格の上昇に表れています。失われた20年を経て、今度日本は、再び悪夢を見ることになりそうだと日経には書かれています。