2013年3月5日火曜日

復興予算のデタラメ

 震災・防災対策などの公共事業関連費47000億円を含む13兆円もの補正予算案が成立しました。しかし、復興は遅々として進みません。

その象徴のひとつが「三陸沿岸道路」(宮城県仙台市~青森県八戸市)です。360㌔の事業費は1兆円以上にも及ぶシロモノだが、震災前は「人口密度が非常に低い地域のため必要性が乏しい」と切り捨てられ、建設が滞っていました。それが震災後、一気に具体的に動き出しました。

まずは住居が決まり、三陸で盛んだった漁業などの地場産業も復活させ、人口減少に歯止めをかけることが大前提なのに、道路だけ先行させてどうするのでしょうかと地元の幹部は、歎いています。

優先順位も何にもなく、巨大復興事業を進めている結果、被災地では人手も重機も資材も不足し、入札不調が続出しているといいます。

 
三陸沿岸道路の工事は、利益率が高いので、小規模の復興事業の工事を取らずに入札日を待っています。利益率の低い他の仕事を請け負うと、人手が足りなくなり、おいしい道路工事が取れなくなってしまうからです。

「環境省発注のガレキ処理も利益率は軽く10%を超えていましたが、トンネル工事も利益率が高い。土砂量を水増しすれば工事費の上積みができますからね」とゼネコンの幹部は話しています。

その結果、肝心の復興事業が置き去りにされ、もっとも手を差し伸べなければいけない被災地が取り残されているといいます。

日本人は、いつからこうも卑しくなったのでしょう。

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