2013年3月31日日曜日

北方領土の2匹の妖怪

 安倍政権になって、流氷が溶け出すと同時に急に北方領土が熱くなってきています。北海道大学名誉教授の木村汎氏は、「2匹の妖怪が北方領土を徘徊している」と語っています。

1匹は中国の脅威を警戒する余りの日露提携論だ。中国は、2060年頃には米国をも凌駕するとの予想もある。問題は、中国が伸長する経済力を惜しみなく軍事力増強に投じていることだ。

このことを過大評価する余り、ロシアと組んで中国に当たるように進める戦略は、短絡思考の最たるものといえよう。

ロシアは中国に対し、確かに本心では、地続きの中国を恐れ嫌っている。だが、北京の機嫌を損ねてはならないと細心の注意も払う。

この二重性ゆえに、ロシアは米国や日本とともに対中包囲網を形成することに、ある程度までは熱心になるだろうが、それには限度がある。中国を本気で怒らせた場合、その被害を最も深刻に受けるのは、日本ではなくロシアに他ならないだ。

ロシアの極東地方は、軍事力によらずとも、地続きの隣国、中国の圧倒的な人口、経済の浸透圧によって席巻され、事実上、中国の植民地支配下に置かれてしまうだろう。また、北京は、かつて帝政ロシアに奪われた領土の返還要求を再燃させる恐れすらなきにしもあらずだ。そうした地域は少なくとも150万平方㌔にも及ぶ、とロシア側は懸念している。そうすれば、到底、5000平方㌔の北方四島の比ではない」と木村氏は語っています。 

2に、日露が対中提携作戦を組む場合、誤ったメッセージを全世界に発信することになりかねない。日本人は外交便宜上、領土要求の旗も容易に降ろしてしまう国民だという印象である。

 四島一括返還ではなく、二島あるいは三島の返還で合意した場合です。
 日本の領土要求は本気ではなく、次は尖閣諸島についても譲歩する余地ありと解釈される恐れすらあると木村氏は、憂慮しています。

3に、デリケートかつマキャベリスティックな戦略を展開し得る力量のある政治家が、果たして今の日本に存在するだろうかという基本的な問題です。
 ロシア側トップと会談する前に「三島返還」案を公然と示すような元首相、そうした人物を特使として送り込む前首相や現首相がいます。

このような現状に鑑みる限り、残念ながら、その問いに対して、「イエス」とは答えられないと木村氏は悲観的です。

2匹目は、「現実主義」と称する妖怪であると木村氏は続けます。日露関係は、北方領土問題に関して「現実主義」的な立場に立たなければ、問題解決へ向けて、一歩も先へ進まないと述べる人が増えてきています。しかし、このひとたちの考え方は、「現実主義」の名に値するものだろうかと問うています。

北方領土問題は、そもそもスターリン下の旧ソ連が、日ソ中立条約を侵犯し、四島を武力占拠したことに端を発しています。やはりスターリンにより犯された日本人のシベリア抑留と同根の国際法違反であると木村氏はいいます。本来、シベリア抑留同様、ロシア側が謝罪し速やかに返還に応ずべき不法行為であると木村氏は言います。

それにもかかわらず、ロシアは「戦争結果不動論(ラブオフ外相)」を唱え、当然支極の日本側主張を頑なに拒否し続けている。理不尽なロシア側の姿勢に屈し、その状態を認める。揚げ句の果てに四島返還の旗印を降ろす。これが「現実主義」にふさわしいアプローチと、したり顔で説く人々が多くなりつつあると木村氏は案じています。

果たして、そうした主張を「現実主義」的な立場と認めてよいのか。木村氏は、国際法の基本原則から逸脱した、便宜主義的な主張を正当化しようとする試みのように思われると述べています。

「法」より「力」でつくられた現実を重んじようとするロシアの「ごり押し戦略」に乗せられた人々の主張である。それは、国際紛争を毅然として粘り強く解決する日本のあるべき姿をないがしろにし、世界に軽んじられる結果を招いてしまう。

 木村氏は、「妖怪たちの動きが案じられてならぬ」と締めていますが、領土問題は、個人の利益や利名のために使われてはなりません。力量のある政治家の出現を望みたいものです。

 

2013年3月30日土曜日

官民ファンドが焼け太り

 3月18日、官民共同出資ファンドの「地域経済活性化支援機構」が業務を開始しました。中小企業の借金返済を猶予してきた「中小企業金融円滑化法」が3月末で期限切れを迎えるため、新たな支援組織が必要だというのが健前で出来たものです。実際はJALを救済したあの「企業再生支援機構」を延命させるためです。

「企業再生支援機構」は、5年間の時限組織として0910月に発足し、現在4年目。ところが、震災復興にかこつけ、民主党政権で15ヶ月の延長を決め、今回さらに名称変更までして衣替えし、当初より5年長い20183月までの温存が決まったものです。

「一度作った組織はつぶさないで天下り先にしていく。それが霞が関の常套手段です」と、元経産官僚の古賀茂明氏が述べています。

この機構には少なくとも5人の官僚出身役員がいるといいます。社外取締役に元中小企業庁長官と元検事総長。専務2人と執行役員1人は経産省と財務省からの出向者です。役職員は合計180人で、役員以外にも2030人の官僚がいるとみられるが、機構の広報担当は「職員の出身母体の内訳は公開情報ではない」と言って口を閉ざしたそうです。

機構の出資金231億円のうち130億円は政府出資、つまり税金です。そのうえ今回の衣替えで、支援する企業名は「非公表」になりました。「信用低下を恐れて支援を受けることをためらう企業が多い」というのが理由らしい。そうなると支援に失敗して、資金が焦げ付いてもヤブの中となります。機構はやりたい放題であると3月20日の日刊ゲンダイは、書いています。

「非公表は絶対におかしい。本来、再生可能なまともな企業は、支援を受けることを公表してもらいたがりますし、むしろした方がいい。逆に、したがらないのは再生できない企業に多い。今後、機構はそうした危ない企業を次々支援していくつもりなのでしょう」と古賀茂明氏は、辛辣に批評しています。

2013年3月29日金曜日

TPP参加の危惧

 日本がTPP交渉に参加できるのは、早くても3ヶ月後。アメリカ議会の承認を得るのに少なくとも90日間かかり、その間は協定草案を見ることさえできない。しかも草案は2000ページともいわれ、読むだけで大変な作業です。



一方、TPPは年内決着を目指しており、日本がルール作りに関わる時間はほどんど残っていない。あとからTPP交渉に参加したメキシコやカナダは、これまでに決まったルールを無条件で受け入れ、再協議もできないという念書を取られているといいます。

TPPを決めるのは議会です。それゆえ、オバマ大統領は、自民党が交渉参加6原則としてあげていたISD条項拒否、国民皆保険、安全基準、日本固有の政府調達・金融の維持など、何に一つ約束していません。ところが、日本では、オバマ大統領がOKしたような誤った報道がなされていました。

各業界団体をバックにして米議会は、もし日本がTPPに参加するなら、アメリカの国内法とルールに従わせようとするだろうと金子勝氏は語っています。さらに、

「自民党は総選挙前には、TPPよりもRCEP(東アジア地域包括的経済連携)の方が日本にとって有利だと主張していたはずです。政府はTPP参加による経済効果を32000億円を試算したが、総選挙前、自民党はASEANプラス3や、ASEANプラス6の経済効果を5兆円以上とはじいていた。なのに、なぜTPPを選ぶのか」と疑問符を投げかけています。

TPPは売国的条約、平成の不平等条約としか思えない。日本は議決権なきアメリカの51番目の州になりたいのかと日刊ゲンダイは書いています。

2013年3月28日木曜日

大丈夫か? TPP英語の翻訳

この記事も320日の日刊ゲンダイの記事です。

韓国と米国のFTA交渉について述べています。米韓FTAは、TPPの雛形というわけです。適用されるのは韓国内に限られますが、韓国企業が米国内で活動する場合は、「米国の国内法が優先される」と序文にあります。自由な経済活動ができるのは米国企業だけなのです。韓国はなぜこんな喜劇的な不平等協定を締結したのか。立教大教授・郭洋春氏(経済学)が次のように述べています。

FTAの交渉にあたっていた韓国外交通商部の担当者が内容を理解しきれずに協定を結んでしまった可能性が否めません。

韓米FTAは序文と24章から構成されていますが、韓国語の翻訳版からは296ヶ所の誤訳が確認されました。2ページに1つの割合で間違えていることになります」

日本の外務省にあたる外交通商部で働く役人は高学歴のエリート揃いです。しかし、FTAに書かれた英語は、秀才が繰り返し読み込んでも理解できないほど難解だといいます。

米国独特の法律用語が多用され、二重三重の言い回しが使われていました。何回も目を通してようやく、『米国の国内法が優先する』と書かれていることが理解できました。

英語が堪能なだけじゃ理解できない内容なんです。よほど自由貿易協定に精通していて、高度な法律知識を兼ね備えていないと太刀打ちできません。恐らく、頭でっかちの外務省の担当者は“自分たちは大丈夫。韓国のようにヘマはしない”とタカをくくっているでしょうか。そこが決定的に危うい。郭洋春氏は同じ轍を踏むとみています。

2013年3月27日水曜日

TPPに地方は反対

 TPPについては、これからも何度も取り上げることがあると思いますが、まずは、ストレートなところで、3月20日の日刊ゲンダイの記事を載せます。タブロイド版の夕刊紙は、大新聞にない本音が出てきます。このために読むことにしています。
 
ここで、「TPPの結果も変だ。地方議会を見ると、東京、大阪、山梨を除く44道府県が反対か慎重の決議をしている。知事で賛成と言っているのも、大阪、愛知、埼玉、静岡、広島、大分の6府県だけ。市町村議会は9割が反対だ。逆立ちしたって『7割が容認』なんて数字は出てこない」と、ジャーナリストの青木理氏が言っていると書いています。

安倍政権になって、円高から円安に振れ、株高もあって、安倍首相のいうことはすべて正しいというのが、大新聞の論調です。しかし、TPP交渉は、一筋縄では、いきそうもありません。2000ページを越える難解な英語が続き、超エリートで固めた韓国も誤訳などで、アメリカに手玉にとられたようです。語学はもちろん、経済学にも通じた頭のいい人間が必要ですが、日本に何人いるのでしょう。自称、自薦のひとは、いるでしょうが、ほんとにいるのか疑問に思っています。

2013年3月26日火曜日

意外な日本の空の世界記録

日本は結構、空の世界記録を持っていると高山正之氏は、週刊新潮の「変見自在」に書いています。

それによると、古くは第1次大戦の青島攻略戦の折、膠州湾を遊弋するドイツの軍艦に世界で初めて空爆を仕掛けました。

尤も操縦席から擲弾をぽいと投げるという素朴な爆撃だったそうですが。
  この実績があったために、マレー沖で英戦艦プリンス・オブ・ウェ-ルズを沈められたと書いています。同艦は世界で初めて航空機攻撃によって沈められた装甲戦艦として戦史にその名をとどめています。
 
  日本は米国にも不名誉な記録をつくってやっています。
  プリンス・オブ・ウェルズが不沈艦を名乗ったように米の4発爆撃機B17は、高い運動性能とハリネズミのように装備した対空機関銃で、絶対に落とされない爆撃機を豪語していました。

事実、後の欧州戦線では迎撃するドイツ機をかなり撃墜しています。「空飛ぶ要塞」の名は決して伊達じゃなかったというわけです。プリンス・オブ・ウェルズが沈められた翌日、そのB17がフィリピン上空でゼロ戦と遭遇しました。

彼らは日本にはまともな戦闘機は作れないし、乗員も「おんぶで育てられ、頭を揺すられた結果、三半規管に異常をきたし、さらに近眼で鳥目だからまともな急降下もできない」と信じ込んでいました。

ところが彼らが気づいたときには、機体は炎に包まれ、B17が初めて戦闘機の餌食になったことを知りました。米国はショックを受けましたが、半分はまぐれと思っていました。

ところがその半年後、ニューギニア・ブナ上空で5機編隊のB179機のゼロ戦がぶつかりました。
  坂井三郎も加わったゼロ戦隊は敵機の真正面に突っ込んで行って20㍉弾を叩きこみました。
  弾の速度に機速も加わって凄じい破壊力が生まれ、5機のB17は全機撃墜され、B17神話が砕け散った瞬間でした。

ノモンハンでは日本軍は、ソ連機1673機を撃墜しました。短期間での航空戦での撃墜数として世界記録になっているといいます。また、日本は最長飛行記録も持っていました。

最初は、昭和13年の東大の航研機が11600㌔の世界記録を出しました。
  そして、イタリア機が翌年1000㌔ほど記録を更新すると日本は昭和19年、木村秀政設計のA26が満州ハルビン-新京―白城子の周回コースで16435㌔の記録を打ち立てました。

これは東京からニューヨーク経由ロンドンまでの距離に相当するといいます。
  戦時中だったため未公認ですが、ギネス航空記録には登録されています。

 航研機は羽田に保存されていましたが、戦後、米軍がブルドーザーで壊し、あの辺の海に投棄しました。A26も太平洋に遺棄されました。

 日本の航空機技術には、芯から恐れと妬みがあったのでしょう。

 

 

2013年3月25日月曜日

姦通罪で石打ち死刑

  パキスタン北西部の町パラチナルで310日、スンニ派のパキスタン軍兵士(25)がシーア派の地元少女(18)と密会していたとして村人たちに拘束されました。兵士アンウォー・ディンは少女に思いを寄せ、墓地で3回以上「親密な関係」を持つことを認めました。

そして、村民会議は同兵士を姦通罪で石打ち刑に処することを決定しました。12日に刑が執行され、3040人の兵士が投石して死亡させたと報じています。厳罰の背景にはスンニ派とシーア派の対立があります。パラチナルの村民はシーア派です。毎年200人前後が宗教的対立でスンニ派に殺害されています。兵士がスンニ派であったため、日頃の反感もあって死刑判決が下されたようだと報じています。

2013年3月24日日曜日

中国の住宅価格が9割の都市で上昇

  もうこれ以上上がらないだろうと思っていましたら、中国の住宅価格が上がったようです。主要70都市のうち、9割を超える66都市で2月の新築住宅価格が前月に比べて上昇したと発表しました。下落したのは浙江省温州市の1都市だけで、雲南省昆明市など3都市が横ばいでした。住宅価格が前月比で上昇した都市の数は1月の53都市から急拡大し、不動産市場の過熱が全国に広がっているといいます。

習近平指導部が掲げる都市化政策への期待感や、景気の持ち直しから不動産開発が拡大しました。住宅価格の高騰を抑えるために政府が不動産市場の引き締め策の強化に動くとの観測が広がり、駆け込みの取引が増加し、かえって価格を押し上げる格好となったようです。

中国の役人も中国の、特に大都市の住宅価格の上昇には、困っています。自分らのもらう給与では、永久に住宅が持てないと、社会問題にもなりつつあります。

2013年3月23日土曜日

中村勘三郎さんはなぜ死んだのか

 3月19日の日刊ゲンダイに医者の近藤誠氏が、標題について書いていました。

勘三郎さんは、手術と抗がん剤による死亡だと推測しています。食道がんを手術した場合、術死するひとが少なくないようです。さらに手術前に打たれた抗がん剤が肺組織の消化液に対する抵抗力を弱めたのではとも推測しています。近藤氏は、食道がんには、放射線治療が最適だといいます。

 ここからは、わたしの推測ですが、わたしは前立腺がんで全摘出の手術を勧められました。薦められた人が多いようですが、多くのひとが後悔しています。がんの部位が、勘三郎さんとは違いますが。このときに、自分でいろいろ調べました。全摘出がいいか、放射線治療がいいか。この結果、術後のQoL(術後の生活満足度)がいいのは、放射線治療と分りました。

 あとで、分りましたが、わたしが最初に通院し、前立ガンの全摘出を薦められた病院には、放射線治療できる設備がありませんでした。放射線治療を行ないたくてもできなかったのです。この病院も地方では、結構大きな病院でした。

 勘三郎さんが入院した病院には、この放射線治療の設備がなかったのではないのだろうかと思っています。どうも医者は、自分の外科の腕が上がるために外科手術を選びたがるように思います。

 もしどちらを選ぶか、迷っている方は、放射線治療も十分に検討されたらいかがでしょうか。

2013年3月22日金曜日

パナソニックがプラズマテレビ撤退

  パナソニックは、プラズマテレビを14年度をメドに撤退する方向で検討に入ったと318日の日経新聞が1面で報じていました。液晶テレビも自社でのパネル生産を縮小し、大半を外部からの調達に切り替えます。

 テレビ事業は、ピーク時の09年度は1兆円を越えていました。

 パナソニックは、液晶とプラズマを追いかけたことが失敗だったと思いますが、これほど鮮明な経営者の判断ミスは、いずれ経営の教科書に載るでしょう。“二兎追うもの”の典型のように思います。

パナソニックは、1997年に初めてプラズマテレビを発売しましたが、日立が08年度、パイオニアが09年度に次々と撤退し、液晶テレビに替ってゆきました。

 プラズマテレビについては、昔から、首を傾げることがありました。まず、EURoHSには、プラズマテレビは合格しないはずです。したがって、特殊な地域以外は、輸出できません。また、中国では、早い段階から販売店の店頭から、プラズマテレビは姿を消しました。液晶テレビの方がいいという評価のためです。それなのに、巨大な設備投資を相変わらず進めました。セミナーなどでも警鐘を鳴らしたことがあるのですが、パナソニックの経営者には、残念ながら届かなかったようです。
 

2013年3月21日木曜日

パナソニックのヘルスケア事業売却

  パナソニックがヘルスケア事業を売却する方向のようです。3月17日の日経新聞に報じられていました。コールバーグ・クラビス・ロバーツといった投資ファンドなどが関心を示しているようです。ヘルスケア事業全体を売却した場合は、数百億円から1000億円になるそうです。

 同事業は、2012年3月期の売上高は1336億円、営業利益は88億円です。パナソニックは、最終損益が2期連続で7000億円以上の赤字の見通しで、経営再建のために事業の選別は、必要ですが、どうもすっきりしません。この巨大な赤字を作ったのは、どの部門なのでしょうか。一方で、堅実に進めてきた事業部門を売ってしまうというのは、多分、今の経営者が、ヘルスケア事業にタッチしたことがなかったこともあるのでしょう。ただ厳しくだけではなく、正しく評価することも必要でしょう。こういうことをやっていると、誰もパナソニックに行かなくなります。

2013年3月20日水曜日

関西のお化け番組“探偵ナイトスクープ”

以前にも書きましたが、関西のお化け番組が2本、関西のみでしか放送されていません。

もっとも、東京MXとか、テレビ神奈川で放送されているようですが、東京キー局では無視しているようです。

このお化け番組のひとつが、西田敏行が局長をつとめる「探偵!ナイトスクープ」です。探偵には、間貫平、カンニング竹山、桂小枝、松村邦洋、石田靖ら数人の探偵が、視聴者からのリクエストに応えてリクエストを出した人のところに行き、これを解決するというものです。内容は、実に馬鹿げたものもありますが、やんわりと涙腺を緩めるものもあります。

毎週金曜日の午後11時19分頃から始まって約1時間です。2月の視聴率が、1日が18.8%、8日が19.4%、15日が17.2%、22日が20.9%とこの時間帯にしては、高視聴率であり、多くが全番組の中でも最高視聴率をとります。東京では、馬鹿なことをやっている竹山や松村が実にいいキャラクターを出しています。東京キー局としては、メンツにかけても流せないのでしょうが、低俗な番組しか見せられない東京キー局も一度流せば、目からウロコになるのではないでしょうか。

もう一つは、やしきたかじんのそこまで言って委員会です。これは、日曜日の午後1時半からですが、これも高視聴率を稼ぎます。この方は、東京キー局からも流させて欲しいという要請があるようですが、司会のやしきたかじんの失言が多いので、東京で流せばクレームが殺到するということで東京以外で流しています。政治のネタが多いために、政治家は、出演させて欲しいという要望が多いそうですが、なかなか出してもらえない番組です。

是非、関西に行かれたときには、見てください。

 

2013年3月19日火曜日

アベノミクスの偽薬効果

 医療の世界にプラシーボ(偽薬)効果という現象があるそうです。患者がよく効く薬と信じて服用することにより治療効果があがることをいいます。これは、末期のがん患者によく聞く薬だといって、胃薬を飲ませるのと似ています。


安部首相の経済政策アベノミクスが効果をあげているかに見えています。これはまさしく「安部プラシーボ効果」で、ここ2ヶ月余り続いているわけです。

アベノミクスは、日銀に更なるマネーを供給させて民間に資金を使ってもらい、政府も公共事業で大盤振る舞いをし、社会にカネを回そうということですが、これは相変わらず昔の考えで、財政発動による資金散布が有効だと考えているとすれば、時代錯誤も甚しいと朝日新聞は書いています。

この20年間で日本の少子化高齢化が進んだ結果、国内の需要構造は大きく変わったといいます。車、家、家電といったモノへの需要が減り、健康関連、医療・介護・福祉サービスといった分野への需要がシニア層中心に増えています。

変化した需要にうまく対応するように供給サイドを変えていく必要があるのですが、その障害になっているのが行政のさまざまな規制です。時代に合わせて、思い切った規制緩和が肝要ですが、口では百万辺も聞いていますが、いっこうに実現しません。

「早急に、国債の累増を止める財政健全化と、新たな安定成長への必須要件である規制緩和という二つの計画について具体案を策定し、内外に表明することが求められている。プラシーボ効果は二度、効かない」と朝日新聞は、訴えています。

2013年3月18日月曜日

成長戦略三本の矢


 金融緩和、財政出動、成長戦略のいわゆる3本の矢を束ねた「アベノミクス」に市場の期待は高まっており、株価は高くなり、円は安くなっています。成否のカギを握るのは成長戦略の実行です。

①環太平洋経済連携協定(TPP)など市場戦略

②農業、医療など規制改革

③法人税の引き下げ

という成長戦略の3本の矢です。

 日本のかくも長きデフレは金融要因、需要要因、構造要因がからむ複合デフレです。

 金融緩和を徹底しさえすれば、デフレ脱却をできるという考え方が安部晋三首相の周辺にあるようですが、複合デフレの処方箋としては単純すぎます。

 最悪の財政赤字国が日銀による購入をあてに国債発行を積み上げれば、金利上昇にはねかえるのは当然です。こうならないために財政健全化の道筋を示すことこそ需要です。

 グルーバル市場戦略こそが成長戦略の柱です。

 法人税率の引き下げも肝心です。税制改革こそ政治の役割であり、新政権がまず手掛けるべき政策なのに、2013年度改正ではあっさり見送られました。

 このままでは法人税率の最も高い国になりかねないと日経の大機小機は書いています。

 

2013年3月17日日曜日

米国無人機の実態を国連が調査

 国連は124日、米軍などが対テロリスト攻撃などに使っている無人機の実態を調査すると発表しました。

他国の主権を侵害し、多くの市民を巻き添えにしていると国際社会の批判を受けたためでした。

パキスタンなどで使用された25の事例について、国際法違反はなかったか専門家が現地調査し、今秋の国連総会で報告するというものです。

オバマ米政権は発足以来、無人機を使った秘密作戦をアフガニスタンやパキスタン、イエメンなどで展開していますが、多くが公になっていません。攻撃は非戦闘地域にも及んでいるといいます。また、犠牲者も多数出ていると批判されています。

どうもオバマというひとは、わたしは信頼できません。表情を変えずにひとを殺しそうです。TPPなども秘かに心配しています。

2013年3月16日土曜日

インド政党が、女性にナイフ配布

 インド西部ムンバイを拠点にするヒンドゥー至上主義の極右政党シブ・セナの一部党員が護身用として女性にナイフを配り始めたと、ロイター通信などが伝えました。

インドでは先月ニューデリーであった女子学生集団強姦事件後、女性の安全確保に関心が集まっているといいます。あの事件以後も婦女暴行事件が多発しています。インドの宗教上、教育上の問題もあるのでしょうが、たしかにうっかり女性は、バスに乗れないと思います。

シプ・セナは、刃渡り約7センチのナイフを10万本配る計画で、すでに21千本が女性たちに渡ったとそうですが、女性が暴漢にナイフを奪われたことを想像するとぞっとします。事件が起きないことを祈るばかりです。

 

 

2013年3月15日金曜日

日中は憎みを乗り越えよ

 中国の中にも、まともな考えを持つ評論家がいるようです。馬立誠氏が11年ぶりに日中関係を論じた新著「憎しみに未来はない」を香港で出版しました。香港でしか、発行できないところにまだ多くの問題がありますが。日中双方で注目を集めそうです。

馬氏は「対日関係の新思想」で、「(侵略戦争を巡る)日本の謝罪問題は解決済みだ」として、歴史問題を乗り越えた日中の新しい関係を唱えてきました。新著では、過去10年の中国の急成長で「数千年の中日の歴史の中で、二強が同時に並び立つ初めての局面」を迎えたと強調しています。「中日の和解なしにアジアの安寧はない。その鍵は憎しみの連鎖を断ち切ることだ。目の前の争いにとらわれない、冷静で戦略的な思考を」と訴えています。

香港で出版した本が、中国でどれだけ読まれ、どれだけ影響力があるかどうかは、別にして、もっと馬さんのようなひとと日中問題を論議し、その輪が広がるようにしたいものです。

 

2013年3月14日木曜日

チンパンジーも顔色をうかがう

 面白い記事が、2月28日の夕刊フジに出ていました。

 チンパンジーは、ほかのチンパンジーがおびえたり興奮した表情を察知して強い関心を示すことを京都大や東京大、林原類人猿研究センターのチームが実験で初めて明らかにしました。ヒトが他者の顔色をうかがうのと同様の高度なコミュニケーション能力を持つと分析しています。
 実験では、11歳の雌に、数頭のチンパンジーがつくろいでいる写真12枚と、歯をむき出しにするなど感情をあらわにした3枚の写真をまぜながら、モニターで0.8秒ずつ80回見せました。各回に脳波測定した結果、感情をあらわにした写真を見た0.2秒後以降に脳の神経回路の一部が活発に働いていたといいます。平常時と違う情報処理が脳でなされ、特別な注意が向けられたとチームはみています。
 
 この研究が、人類発展の秘密の解明につながるのでしょうか。どういう仮説を立てているのでしょうか。

2013年3月13日水曜日

インフレの弊害はあるのか

 インフレの社会コストは、経済学ではいろいろ論じられていますが、経済学者と一般の人の間に認識ギャップがあるようです。経済学者は小さくみますが、一般的の人は心理的なものもあるのでしょうが、大きくみる傾向があります。もちろん経済学者も、年率1万%を超えるようなハイプーインフレについては社会経済構造を根こそぎ壊すような大きなコストがあると考えていますが、年率5%にもならないようなインフレではほとんど問題にならないといいます。

 経済学者はインフレの社会コストを、価格を書き直す「メニュー・コスト」、現金を保有するときに目減りするコスト、インフレ率が高くてもすぐに価格を書き直せないので資源配分が非効率となるコストなどを列記して計算しています。

 インフレ率2%程度でインフレの社会的コストは最小となり、GDP(国内総生産)1%程度というものが多いといいます。アベノミクスでインフレ予想が高まりつつありますが、まず見られるのが資産価格の上昇であるため、「儲かっているのは外資と一部の投資家だけ」、「資産家や富裕層は資産価格の上昇で潤うが、庶民の生活は物価高で苦しくなり、格差が開く」といった指摘がしばしばあります。デフレからマイルド・インフレになって、自分の賃金がどうなるかが本当のポイントです。1971年~94年までのマイルド・インフレ時代と95年~2011年のデフレ時代に、それぞれ賃金上昇率とインフレ率を比較し、前者が大きい場合、「勝ち」としてみてみましょう。

 マイルド・インフレ時代は213敗、デフレ時代は512敗となります。マイルド・インフレの方が労働者は勝っています。賃金とインフレ率の上昇はどちらが先とはいえないくらい、いい勝負です。

 平均的にみて、賃金の上昇がインフレ率を上回る公算が大きいのはマイルド・インフレの時代の方です。マイルド・インフレを罪悪視する必要はないと高橋洋一氏も語っています。

 

 

2013年3月12日火曜日

生活保護者とサラリーマンの差(2)

 別表は、税理士と社会保険労務士の監修のもと、「生活保護世帯」の手取りを、同じ家族構成の「サラリーマン」世帯が確保するには、どのくらいの収入が必要かを算出したものです。サラリーマン世帯には、社会保障や各種税負担があるため、より高い収入が必要ということが分かります。
 
 生活保護受給者は、医療費の自己負担がかからなかったり、NHK受信料が無料だったりするので、実質的には年収500万円のサラリーマン世帯を上回る金額を、税金から受け取ることになります。
 国税庁が発表した11年の民間勤務者の平均年収は、409万円。正社員でも、515万円です。
 また、母子家庭では、子ども2人なら316万円、子ども1277万円の年収がないと、生活保護を下回わります。時給1000円で18時間、1ヶ月に24日働いたとしても年収は230万円、「正社員でないと生活保護を超えられない。これでは働きに出るインセンティブは働かない」と話していす。年間所得が200万円の世帯が、日本の世帯の多くを占めることを考えると、生活保護費は大きいと思われます。
 新たなセーフテイネット検討会の座長を務めた木村陽子氏は、「生活保護の要件を満たしているのに受けていない人が70%おり、潜在的には12兆円の予算が必要だといわれます。支給水準を下げたり、現物支給にするほか、就労を促す政策が必要です」と警鐘を鳴らしています。
医療費、年金、生活保護費、これを維持するための税金はどうすべきか、大きな問題です。今の世代で、真剣に取り組まねば、次世代に大きな負の遺産を遺します

2013年3月11日月曜日

生活保護者とサラリーマンの差(1)

 安倍晋三名内閣が生活保護費を3年かけて740億円削減することを決めました。生活保護費については、常に問題になります。わたしたちの比較的、若い頃は、生活保護費は仕方がないなという観がある人が貰っていたように思いますが、最近は随分変わっているように思います。ともかく、真面目に働く人が、働くのが嫌になるような制度には、してほしくないものです。かといって、餓死者が出るようなことも困りますし、ライフラインがなくなるのは、情けなくなります。

2月13日の日刊ゲンダイには、「本当に助けが必要な人への保護は維持すべきだが、現状では、年収500万円のサラリーマン世帯に相当するような生活保護世帯まである。

生活保護費は右肩上がりで、12年度の予算は3.7兆円。受給者数は、第2次世界大戦後の混乱期を上回る異常事態が続いている。安倍内閣は今年度から3年間かけて、食費など日常生活にかかる費用「生活扶助」の基準額を約670億円減額。年末に支給する「期末一時扶助」(114000)70億円カットする」と言っています。

ざっくりした数字は、これでいいのかも分りませんが、納得いかない事例もあります。たとえば、高級外車に乗っている人、医療費は無料なので、たくさん貰って横流ししている人、よく言われる生活保護費でパチンコに行く人などなどもあり、これらをどう捕捉するのか。大変な労力がかかりますが、ボランティア活動をしている定年退職者の人もいます。こういう人たちの支援も受けたらいかがでしょうか。その地元に住んでいる人であれば、生活保護者のこともよくわかるはずです。ただ、個人情報には十分気をつけねばなりませんが。

 

2013年3月10日日曜日

インフレ目標を葬った日銀の罪

  日銀は、インフレ目標導入については、長く抵抗していました。それが、安倍首相に代わり、白川総裁が辞職するにあたり、あれほど抵抗していたのに、あっさりと政府の要求を呑みました。大きな方向転換です。

  2月28日の夕刊フジに高橋洋一氏が、標題について書いていました。

  日銀は129日、20027月~12月に開いた金融政策決定会合の議事録を公表しました。2002年当時、竹中氏はインフレ目標の導入を日銀に要求していました。

 議事録ではインフレ目標について、速水優総裁が、「インフレ予想ではなくて、成長予想を高めることが重要で、それこそが経済再生に向けた政策の王道」「経済を無謀な賭けにさらすということは、政策として適当ではない」 「そうした宣言を行うこと自体が政策運営全般への信認を損ないかねない」。
 
 田谷禎三委員は、「実現する手段を欠く状況下では採用は困難だ」、春英彦委員は、「効果と副作用を考えれば慎重な検討を要する」、植田和男委員は、「なかなかインフレにならないところから無理矢理やっていくので、かなりの確率でオーバーシュートしてしまう」 「目標次第だが長期金利の上昇は急激だろう」とそろって否定的だったと書いています。

 日銀の懸念については、先進国のこれまでの例から答えは出ているのに、なぜインフレ目標に踏み切れないのか不思議だった記憶がある。もし02年当時インフレ目標が導入されていたら、その後10年もデフレに悩むことはなかっただろうと高橋氏は書いています。

 議事録では、谷口隆義財務副大臣が、日銀に対して長期国債の買い入れ増や国債の保有額を日銀券の発行残高内に抑える「銀行券ルール」の撤廃を要請していたことも明らかになっています。

 インフレ目標については、10年も前に政府から必要性が指摘されていながら、拒否してきた日銀の責任は大きい。とりわけインフレ予想の引き上げに否定的だった総裁は、デフレ予想からインフレ予想へ転換することで実質金利を下げるので、輸出、消費、設備投資増という経済活性化につながるとの経済学のイロハを理解していなかったといわざるを得ない。

 結論的に言えることは、日銀の幹部ももっと経済学を勉強し、他国の成功例、失敗例を十分に勉強すべきであろう。

2013年3月9日土曜日

就職希望第1位は日本生命保険

2月27日の日経新聞によると2012年の大学3年生と、大学院1年生を対象とした就職希望の調査結果で、総合ランキング第1位は日本生命保険で、あと上位陣は火災保険会社、信託銀行、銀行などでした。文系でも日本生命保険が1位で、理系はJR東日本でした。
 すこし寂しい気がしたのが、パナソニック、シャープが入っていないことでした。大学院ランキングでは、パナソニックが35位に入っていましたが、今後も理系の希望者は減るのでしょうか。これらに勤めておられる方は、自信を持って、再度、陽を上げてほしいものです。大学の先生も理系の学生を文系の会社に行かせずに理系の会社に薦めてほしいものです。日本の将来が、暗くなります。

2013年3月8日金曜日

だれもマスクをかけていない北京

 
今週から北京に来ています。しかし、日本の報道は、いい加減ですね。

火が燃えるときだけ報道し、鎮火された後は、報道しませんから、国民は今も燃えていると思ってしまいます。

まだ北京は空気が非常に汚いと思って、飛行機が北京空港に着くや、みんなマスクをしていました。しかし、空港を出ますと、マスクをしているのは、日本人のみでした。アメリカ人もしていませんし、中国人もだれひとりとして、していません。はめられたなという感じです。高いマスクを買っていって、無駄になりました。北京では、花粉も飛びませんから、花粉症で、マスクをする人はいませんから、マスクをしていると目立ちます。

土産として@400円のマスクを随分買いました。おいてきましたが、PM2.5が増えて、またマスクをするような事態が起こるのでしょうか。

北京はいい天気です。月曜日も、火曜日も、水曜日も、木曜日もだれもマスクをしていませんでした。こどもやお年寄りも、屋外で遊んでいます。

5日から、中国共産党の全人代が始まりました。このために工場の稼動をストップしたのでしょうか。しかし、車は相変わらず多く、渋滞しています。

 どこかのテレビ局で、北京の空気を報道してほしいものです。大慌てで、横浜市をはじめ市町村の中では、高価なPM2.5の測定装置を買っていましたが、今でも測定しているのでしょうか。

 


2013年3月7日木曜日

共同通信の配信トラブル

 全国の地方紙のほか、日経、産経、毎日といった全国紙も加入する共同通信が24日午後、約7時間もの間、配信がストップするという前代未聞のトラブルが起こった。

 新聞55社、NHK,放送局106社に影響が出て、加盟社の内部は大騒ぎだった。

「共同加盟社の編集局には、電話回線で共同と結ばれている『ピーコ』というスピーカがある。随時、ニュース配信予定を共同職員が読み上げるが、24日午後にはウンともスンとも言わなくなった」

『前代未聞だ!明日の新聞は白紙で出さなきゃならんかもしれません』と騒ぎ始めた」

地方紙のおよそ68割は共同の配信記事で埋まる。全国紙も単純な事件の発生モノや統計モノなどの役所の発表ネタは共同を使うことが多い。記者の経費削減のためである。金がかかる取材も共同任せ。近年

こうした共同依存がますます高まった矢先のトラブルだったのである。

結局、夕方にはバックアップ用のメール送信による配信が動き出し、大混乱は免れた。多くの新聞が実は共同新聞だったことがよく分かったトラブルだった。

 

 

2013年3月6日水曜日

アベノミクスははたして成功するか

 アベノミクスとは、カネをジャブジャブにすることで、「円安」と「インフレ」を起こそうという単純な発想で、その理論的な支柱は、安部首相のブレーンである米エール大名誉教授の浜田宏一氏(77)です。浜田氏は日銀総裁候補にも名前が上がっていました。

 この20年間、世の中に出回るカネの量を40兆円から130兆円に増やしましたが、景気は良くなりませんでした。どんなに市中にカネをまき、ゼロ金利にしても、銀行の貸し出しは増えなかったわけです。

 浜田氏の教え子の池田信夫氏までが、「これは10年以上に散々議論され、効果がないと結論づけられた政策なのです」と、バッサリ切り捨てています。

 「デフレ不況がつづいているのは、需給キャップが15兆円もあるからです。GDP6割を占める個人消費を活発にし、その結果モノの値段を上げていくしかありません。ところが、“インフレターゲット論者”のあべ安倍首相は、最初にモノの値段を上げようとしています。因果関係はアベコベですと、筑波大名誉教授・小林弥六氏(経済学)も述べています。

 企業は給料をアップさせるつもりは、まったくありません。賃金アップに応じているのは、ローソンと安川電機くらいのものだと書かれています。経団連もその気はありません。

 1970年代のアメリカは、執拗なバラマキと手ぬるい金融引き締めによって、物価は高騰したのに、雇用は低迷がつづくという”スタグフレーション”に陥ってしまいました。

 給与は上がらないのに、物価が上がれば、さらに実体経済は悪化していきます。はたしてアベノミクスは成功するのでしょうか。安倍首相が、稀に見る幸運とこれを必ず実行するという強い意志の持ち主であれば、これに賭けてもいいと思うのですが、安倍首相には、少し欠けているように思います。まあ、それでも民主党の首相よりはましかというのが、多くのひとの本音でしょうか。

 

2013年3月5日火曜日

復興予算のデタラメ

 震災・防災対策などの公共事業関連費47000億円を含む13兆円もの補正予算案が成立しました。しかし、復興は遅々として進みません。

その象徴のひとつが「三陸沿岸道路」(宮城県仙台市~青森県八戸市)です。360㌔の事業費は1兆円以上にも及ぶシロモノだが、震災前は「人口密度が非常に低い地域のため必要性が乏しい」と切り捨てられ、建設が滞っていました。それが震災後、一気に具体的に動き出しました。

まずは住居が決まり、三陸で盛んだった漁業などの地場産業も復活させ、人口減少に歯止めをかけることが大前提なのに、道路だけ先行させてどうするのでしょうかと地元の幹部は、歎いています。

優先順位も何にもなく、巨大復興事業を進めている結果、被災地では人手も重機も資材も不足し、入札不調が続出しているといいます。

 
三陸沿岸道路の工事は、利益率が高いので、小規模の復興事業の工事を取らずに入札日を待っています。利益率の低い他の仕事を請け負うと、人手が足りなくなり、おいしい道路工事が取れなくなってしまうからです。

「環境省発注のガレキ処理も利益率は軽く10%を超えていましたが、トンネル工事も利益率が高い。土砂量を水増しすれば工事費の上積みができますからね」とゼネコンの幹部は話しています。

その結果、肝心の復興事業が置き去りにされ、もっとも手を差し伸べなければいけない被災地が取り残されているといいます。

日本人は、いつからこうも卑しくなったのでしょう。

2013年3月4日月曜日

中国に対して強まる変動相場制移行への圧力

 高橋洋一氏によると、どのような国も免れない国際金融の命題として、「国際金融のトリレンマ(三すくみ)」があるそうです。「為替の安定(固定相場制)」「独立した金融政策」「自由な資本移動」の3つを当時に行うことができず、2つしか実現できないというものです。

 先進国は2つしかのタイプに集約されています。一つは日本や米国のような変動相場制です。自由な資本移動は必須なので、固定相場制を取るか、独立したした金融政策をとるかの選択になりますが、国内により影響のあるインフレ率をコントロールするために独立した金融政策を選択し、固定相場制を放棄して変動相場制になるというパターンです。

 もう一つはユーロ圏のように、域内は固定相場で、域外に対しては変動相場制というものです。やはり自由な資本移動は必要です。その上で、域内では固定相場制のメリットを生かし独立した金融政策を放棄しています。

 今のところ中国は、自由な資本移動を採用せずに、固定相場制と独立した金融政策を採用することを基本としています。しかし、いずれ変動相場制に移行せざるを得なくなります。ところが、中国国内の事情で輸出権益を持っている人が今の中国の政治の中枢にいるので、輸出主導に利便な変動相場制へは容易に移行できません。

 16日のG2020カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議)で中国は冷や汗たらたらでした。

 「より市場で決定される為替レートシステムと為替の柔軟性に一層迅速に移行し、為替レートの継続したファンダメンタルズからの乖離を避ける」と共同声明で書かれています。 

 日本や米国のような変動相場制の国には何の問題もありませんが、中国にとっては死活問題になります。G20共同声明に見られるように、変動相場制移行へ国際社会からの圧力が高まることが、中国にとっては痛いところでしょう。

 

 

2013年3月3日日曜日

TPP報道の危うさ

 日米首脳会議後、安倍首相は「聖域なき関税撤廃が前提ではないことが明らかになった」と胸を張り、事実上の交渉参加を“宣言”しました。大新聞も「すべての関税を撤廃しないことを、安倍首相が、米大統領と確認した」と大々的に報道されました。

 世論が好感したのは、安倍首相がオバマ大統領から大幅な譲歩を引き出したかのように報じられたからです。

 しかし、これは全然違うと、ジャーナリストの小倉正行氏は、述べています。「米国はもともと、『関税の完全撤廃の約束』を日本に求めていません。『すべての物品を関税撤廃の対象にして交渉のテーブルに着く』ことを要求していただけです。最初から求められていないことを、さも米国から要求されているかのように見せかけて、オバマ大統領から譲歩を引き出したかに演出したわけです。これが日米首脳会談の真相です。大新聞は政府の詐欺の片棒を担いでいるようなものです」
 
 
 今回の日米共同声明は、“すべては交渉の結果次第ということを確認したに過ぎない。「聖域」や「例外」が担保されたわけではない。共同声明には、米側の要求で懸案事項として自動車と保険分野が明記されました。米側の”聖域“だけが明文化され、日本の農業などは共同声明で具体的に触れられませんでした。

 米国の狙いは日本車への高額の関税を維持して国内自動車産業を守り、一方で日本の保険市場に進出してかんぽ生命の牙城を崩すことです。

 “聖域”=例外はあくまで各国との個別交渉で決まるもので、事前の確保、保証はあり得ません。その危うさを伝えなければいけないのですが、タカ派首相に対して、大本営発表が続く日本の今後が恐ろしいと日刊ゲンダイは書いています。

 26日は、スズキの鈴木修会長兼社長が、新製品発表会で、米国政府が日本の独自規格である軽自動車に関して税制優遇を問題視していることに対して、「各国によって税率は違っており、そういうのは、内政干渉だ」と気炎を上げましたが、米自動車メーカーは、輸出障壁になっていると軽規格の廃止を主張しているようです。

 

2013年3月2日土曜日

また丹羽前大使の妄言

 丹羽前中国大使が、また妄言を吐いたようです。鳩山元首相とともに困ったひとたちです。

沖縄県・尖閣諸島について、2月19日、都内で講演を行い、「日本は早く外交上の係争があると認めるべきだ。さもないと話合いができない」と持論を披露しました。


日本政府は尖閣について「領土問題は存在しない」との立場をとっているが、丹羽氏はこれまでにも、領土主権は譲歩すべきではないが、外交上の係争はある。『ない』というのは理解不能などと持論を表明してきました。

ここでも、民主党は、3年以上も困った人を中国大使にしてきたものです。

2013年3月1日金曜日

松下幸之助は泣いている(14)

 アメリカは依然として世界のおよそ三分の一近い購買力を保っています。最大の市場ですからこれを無視することなどできません。そして、もう一つ重視しなくてはならない国があるとすれば、それはやはり中国でしょう。

中国の人たちが豊かになった時に、日本ブランドに親近感や憧れを抱き続けてくれているかどうかは、日本家電の将来を占う上で非常に大きな分岐点になるではないかという気がします。

まずアメリカと中国を中心にアジアにしっかりと根を張る。これを家電復活のための共存共栄戦略の基本的な見取り図にしていくべきでしょう。

国内基準に考えて商品づくりをしてしまう日本の家電メーカーは、自分たちがよいと思う商品をつくるのが優先で、小売り、特に海外のディスカウントストアが気合を入れて売りたくなるような商品はあまりつくってきませんでした。また、日本の消費者は大手メーカーのブランドが大好きなので、商品開発からテレビCM、店頭でのプロモーション、販促施策などまで、すべてメーカー主導で行われてきました。

今後は世界のディスカウントストアと共存共栄を図っていこうというのなら、こうした姿勢をただちに改める必要があるでしょう。まず基本的に、海外の大手ディスカウントストアは、メーカーと小売りと対等と考えています。というよりも、むしろ消費者と直接の接点を持っている分だけ、小売り主導であるのが当たり前だとう感覚かもしれません。

ディスカウントストアにお客さんを呼べる商品、いわゆる「呼び筋」の商品開発は利益度外視の目玉商品ですから、それ自体で利益を出すことは難しいでしょう。しかし、ディスカウントストアに多くのお客さんが集まれば、「売れ筋」商品の売上も伸びます。そこで利益は確保できます。その「売れ筋」の商品は、機能と価格のバランスがとれたディスカウントストアのお客さんに喜んでもらえる商品であることが条件です。 

バブル以降の日本企業には、「この良さが分らない方がおかしい」というような、お客さん不在の論理で商品づくりをしていたところがたしかにあったと思います。

まず早急に取り込まなくてはならないのは、世界の「売れ筋」である低価格帯の普及品と言われる商品を強化することです。そのためには、自前主義・自国主義にこだわらず、アジアとの共栄共存をはかる水平分業が不可欠だということは、すでに何度も述べてきました。

もう一つ忘れてはならないのは、世界の各地のニーズにあった商品づくりです。

メイド・イン・ジャパンというブランドがもっとも生きるのは、やはり日本が得意としてきた「メカトロニクス」の分野だと考えるべきでしょう。

「日本ブランド」の製品は、大手流通ではなくアップルストアのような直販方式のショップで売っていくのも一つの方法でしょう。

パナソニックは「百本の矢」というスローガンで、新たに100事業で、1兆円程度のビジネスをつくろうとしています。これは、10年程度を目安にしているそうですが、もっとスピードをあげ、3年で達成すべきだと思います。