2013年2月5日火曜日

藤巻健史の日本大沈没(21)

 
 「全世帯の中で貧困層の割合」を貧困率と言いますが、日本の貧困率はOECD加盟国の中で、悪い方からメキシコ、トルコ、米に次いて4番目です。


国内総人口の35%以上の人たちが栄養不足の国は、世界には27カ国あります。そういう国を「貧困層が多い国」というのであり、「225.5万円以下の収入の人の割合が高い日本は貧困層の多い国だ」と言うのには抵抗があります。

富裕層とは年間35000ドル以上、すなわち280万円以上の世帯なのですから、日本には(世界標準でいうところの)富裕層でも、所得税を払っていない人がいるということになります。

グローバルスタンダードでは年収280万円以上で富裕層入りするのに、日本では325万円までは課税最低限以下なので所得税を払う必要がないとは驚くべきことだと思います。

「可処分所得が年間5000ドル以上、35000ドル未満が中間層」というのが、グルーバルスタンダードの定義です。

これからすると、日本には本当の富者もいなければ、貧者もいないということになります。

日本にはどこを見渡しても、「私もああいうふうになりたい!」など目標にできる若い成功者がいません。

20122月時点で生活保護受給者は2097401人だそうです。過去最高の更新が続いているそうで、2012年度の支給は37000億円。法人税収の約半分ということです。

子ども手当てと生活保護を合わせると、ほぼ法人税収相当額で、法人税は所得税、消費税と並んで日本の三大税収の一つですが、それに相当する額が子ども手当てと生活保護で消えてしまうのですから、「国に金が不足する」のは当然と言えば当然です。

「働かざる者食うべからず」という言葉はどこにいってしまったのでしょう。

厚生労働省のウエブサイトによると、「生活保護は世帯単位で行い、世帯全員が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することが前提であり」と書かれています。

つまり、「生活に利用されていない土地や、家屋、預貯金や証券をすべて売り払い、自動車以外の嗜好品もすべて売却して生活費に充て、それでも足りなくなった場合にのみ、申請が許されるお金」のはずです。

日本のように生活保護をもらって生活し、死後、数千万円する自宅を子どもに相続させるのは、どう考えても不公平な気がします。日本でも本当に必要な人のみが生活保護を受ける仕組みをつくることが必須でしょう。

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