2013年2月3日日曜日

藤巻健史の日本大沈没(19)

 「ゆうちょ銀行が莫大なお金を集めて、それを国債ばかりに投資しているから問題が起きる。それを何とかしなくちゃ日本の将来はない」という改革のはずだったのに、皆、誤解しているのか忘れてしまったのか、論点がずれてしまっていると藤巻氏は言っています。

社会主義からの脱皮がまったく進まないのが心配です。
 日本はものすごい再分配社会です。

日本人は皆、公的社会福祉制度があるのはあたりまえだと思っているでしょうが、それは歴史的にみても、地域的にみても、常識ではないのです。

厚生年金の制度が発足したのは、1942年、国民年金が発足したのは1961年です。
 米国では、公的年金の加入は強制されていません。健康保険も公的ではありません。
 この法案で加入を義務づけられるのは、日本のような公的健康保険ではなく、民間への保険です。日本のように増税して福祉を充実させることは社会主義的なのです。

もともと米国は、「過剰な社会保障は、国の財政赤字に直結する。健康保険に入りたいのなら、民間の保険に入ればいい」という発想の人が多かったのです。それを国が強いるのは自由の侵害だと捉える人が、国民の半分もいます。

日本の手厚い公的社会保障は、世界では常識ではないという認識が重要です。手厚い公的社会保障の国は、それがゆえに財政赤字も大きくなっています。

年金制度は80%の納付率が前提に設計されているにもかかわらず、4割以上のひとが国民年金の保険料を払っていません。国民が国に期待していないサービスを、国が国民に強制する必要があるのかという疑問が残りますし、本当に制度が持続可能なのかも心配になります。

極めて大きな政府を持っているわが国はあきらかに社会主義国家なのです。

日本の課税最低限(所得税や住民税などで、課税対象となる最低限度の額のこと)が先進国の中ではフランスと並んで断トツに高いのです。先進国の中で、日本ほど所得税を払っていない国民の割合が高い国はありません。

課税最低限は、4人家族(妻と子ども2)の給与所得者で325万円で、月27万円です。月収27万円以下の人は所得税を払わなくてもいいのです。

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