2012年3月31日土曜日

日本一の幸福者、本多静六の人生の秘訣(9)

 昨日からの続きです。

成功マナー5 「過去」は咎めず、自慢話はしない

部下や仲間が失敗したり、過ちを犯した場合、基本的には叱らず、ただ、穏やかに、今後のことを注意するようにしている。

家の者や会社の部下から言われたことが、自分の気に入らないことであっても、すでに済んだことはいっさい叱らず、「それはもうよい。しかし、この次にはこうしたらどうかな」といった具合に、相手の気持ちを逆なでしないように気をつけながら、将来を注意する。

自分がどんなに善いことをしても、それをくどくどと説明するのは、ややもすれば自慢話や手柄話になり、人の感情を害することになる。自慢話や手柄話は慎むべきである。

成功マナー6 「まず褒めてから叱れ」ば反抗心なし

一度に多くの欠点をあげて、叱責し、悪いことだけを指摘すると、人はかえって反抗心を抱き、改心しないものである。さらには、相手の心は往々にして徐々に離れていってしまう。

叱る場合は、まずその能力を賞揚して、その後でどうしたら改めることがきるかを指示するのが良策である。

成功マナー7 「口のきき方」一つで味方が増える

常に言葉を慎むべきことは、偽り、ごまかし、自慢話、手柄話、人が忌む話、人を傷つけつ話などである。

肺の病にかかった人に、「肺の病菌などは誰の身体中にもある。私にもきっとある。ただ、のんきで快活な人間には、病勢を活発にすることができないだけだ。心を快活にすれば、すぐに治る。まして君の病きわめて初期だから、心配せず、精神を修養して、養生さえすれば治ることと請け合いだ」

成功マナー8自分を「安売り」しない

新たに重大な用事を頼まれた場合に、軽率に引き受けたり、断ったりすると、後悔することが多いから、三思熟考の上に返答する。

一日以上の猶予を申し出て、その間に、その仕事が果たして善であるか、また、それが自分にできるものであるかを考え、及ぶ限りその仕事をだいたいの仕組み立てをしてみた上で確答するのが望ましい。

成功マナー9 人を批判するときは必ず「代案」を出す

他人の説や他人の仕事を批判する場合には、必ずその改良案を添えるようにする。単に人の説を攻撃し、破壊するだけでは、何も世の中ためにならないだけでなく、かえって敵をつくることになり、成功上の大損をすることになる。

アメリカ人は建設を好み、破壊を好まないから、単に破壊のための批評攻撃を許さない。だから、必ずや代案をつくった上で批判をしているという。これをConstructive Criticism(建設的な批判)という。

2012年3月30日金曜日

日本一の幸福者、本多静六の人生の秘訣(8)

 昨日からの続きです。

13.新聞や雑誌の読み方・生かし方

本多はいつも赤鉛筆を片手にして、手帳や日記に書き抜くべき部分には――印を、切り抜きを要する部分には「 」印を付け、それぞれその日のうちに処理している。

新聞でも雑誌でも、新たな統計表、法令、税率、そのほか生活に必要な新知識で簡単に抜抜き書きできないものは、切り抜いておくのがよいようだ。ただし、そのスクラップブックには、必ず新聞名、雑誌名と共に年月日を書き込んでおくことを忘れてはならない。

14.品格を上げる「成功マナー」集

成功も人との信頼関係があって初めて可能となる。

その信頼関係を築く上で大切なことは何

成功マナー1 とにかく、こまめに手紙を書く

普段はハガキ一枚、手紙の一本もよこさないくせに、自分が用事のあるときだけ、急に頼みに来るような人は、とうてい成功できない。

成功する人は、絶えず緊張して、あらゆる方面に努力するから、自然に筆まめにもなり、先輩や益友などには、ときどき手紙などで連絡をとって懇親を結んでおく。

成功マナー2 不平不満かを顔に出さない

自分の頼みを人に断わられた場合に決して不平を言わずに、また不平な顔をせずに、

「お話はごもっともで、自分の考えが未熟であったことがわかりましたから、さらに熟考します」と丁寧に礼を言って帰る。

成功マナー3 “虚礼”よりは“「実意」を大事にする

家庭生活と社交にはいっさいの形式を捨て、実意を徹底する。そして、常に先方が快く思うように、また、何らの迷惑をかけない。

成功マナー4 「手みやげ」一つにもこの気くばりが肝心

先輩や恩師、上司を訪問する際は、まず先方のお都合のよい日時を考え、食事前や忙しい時間帯を避ける。そして、ちょっとした先方の好みそうな手みやげをもって玄関にかかり、

「今日はご近所まで参りましたから、ちょっとお伺いいたしました。皆さま、お変わりはありませんか。この品は頂き物のお福分けでございます。今日はただ機嫌伺い参りましたので、これでおいとまいたします」と言って、玄関先から帰るようにする。もし先方の都合がよく、会おうと思えば、呼び返すに決まっているから、むやみに押し上がるのはよくない。

2012年3月29日木曜日

日本一の幸福者、本多静六の人生の秘訣(7)

昨日からの続きです。

11.チャンスの作り方

鉄鋼王・カーネギーは十三歳のとき、故郷のスコットランドから母と共に北アメリカに向かった。貧乏から脱するためである。その船中で、カーネギーは船の道具や機械の名前を船員に教えてもらいつつ、船員の手伝いをした。

北アメリカに着いてからは、木綿工場の糸巻き小僧になり、1週間1ドル20セントの賃金にありつき、その後、週給4ドルに増額された。その間にも、絶えず好機を逃がさないで、いろいろなことを覚えて、身につけ、15歳で郵便配達夫になったときには、余暇に電信技術を熱心に学び、習得した。

彼は、何でも覚えておけば、いつか役に立つと信じていたのである。電信技術の技能も評価され、16歳のときには電信技手として採用された。1ヶ月の賃金は、50ドルになっていた。

その後も、彼の努力と正直な人柄は先輩から認められ、鉄工場の主任になり、どんどん出世して、ついには世界一の鉄鋼王と称されるまでになった。

12.「知的生産」を支える手帳活用法

知識はちょうど小鳥のようなもので、目の前に飛んできたときにとらえてカゴの中に入れておかなければ、過ぎたが最後、もはや自分のものとすることはできない。

常に手帳を懐に入れておいて、頭に浮かんだすべての考案、工夫、研究課題、その他しようと思った事柄は、思いついたその折に、電車の中でも布団の中でも、必ずその要点を書き留めている。

 思うに人生とは、このような断片的知識を集積したものにすぎない。そして、その小鳥をカゴに入れず、逃がしてしまう人が、愚人または失敗者、落伍者と称せられるのである。


 本と書くことができたのは、ひとえにこの手帳のおかげと言ってよい。

長年の経験から、近年は取り替えの可能なルーズリーフ式の手帳に変えた。

八項目に分けて記載し、常に一センチほどの厚さに保ち、古い分から順にこれを差し換えている。