2012年10月13日土曜日

原田泰氏の震災復興欺瞞の構図(27)


前日からの続きです。
「復興投資で、ゴーストタウンを造れば、乗数は1以下どころかゼロだろう。マイナスかもしれない。確かに、ゴーストタウンを作っても、工事代金は今年のGDPには計上される。しかし、翌年のGDPはまったく増えない。道路が復旧して生産が再開されるときは、復旧工事費が計上されるだけでなく、工場の生産がGDPに計上される。これは永続的にGDPを引き上げることになる。ここで、「乗数」と言っているのは、このように永続的な効果である。非効率な公共投資には、永続的にGDPを引き上げる効果がない。これをゴーストタウン効果と呼ぼう。

無駄なインフラ投資をするために増税すれば経済は停滞する。10.5兆円の増税とは、日本の479兆円のGDP2%以上に当たる。2%の所得が民間から政府に奪われる。だから、民間の支出はGDP2%分減るだろう。代わりに政府が支出するから、支出は減らないという反論があるかもしれない。しかし、政府がゴーストタウンを造るようなまったく無駄な投資をするために増税するのである。確かに、ゴーストタウンを造っている時には、それがGDPに計上される。しかし、造った後には、人が来ないのであるから、まったくGDPは増えない。民間の投資であれば、新たな生産なり、サービスなりが生まれる。それは今年のGDPに計上されるだけでなく、永続的にGDPに計上される」

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