2012年9月19日水曜日

原田泰氏の震災復興欺瞞の構図(16)


  昨日からの続きです。
「そもそも、漁業権について議論することが、復興のために必須のことなのだろうか。漁業就業者数は、岩手9948人、宮城9753人、福島1743人と合わせて、21444人しかいない。水産業の付加価値は岩手262.7億円、宮城480.0億円、福島104.4億円でしかない。各県のGDPは、岩手42546億円、宮城865億円、福島72281億円であるから、漁業は各県のGDP0.1%から0.6%を占める産業にすぎない。漁業を復活させても各県が大きく繁栄する訳ではないが、逆に言えば、わずかな予算でこれらの産業を復活させ、漁業と水産加工および流通に従事する人々に仕事を与えることができるということだ。

創造的復興よりも個人の生活、生産基盤の復活にお金を使った方が良い。個人の住宅や漁船など、個人財産の復活に税金を投入するべきではないという議論がある。この議論は正しいと私も思う。しかし、だからと言って、膨大な公共事業の無駄遣いをすることが許されるだろうか。復興経費を被災者一人当たり4600万円から1000万円に削減することができれば、個人財産の復活に税金を使うことも許されるのではないだろうか」

0 件のコメント: