2012年8月17日金曜日

野田首相の増税路線は間違っている

 01年ノーベル経済学賞を受賞したジョセフ・E・ステイグリッツ氏が、「野田政権の増税は、緊縮財政を推し進め、経済の下押しを悪化させるだけであり、期待されている財政状況の改善は生まれてこないだろう。税制をより公平にするだけでなくより累進的なものにしていくには、抜け穴をふさいで、最上層には増税を、底辺層には税率の軽減を定めることが必要だろう。税法の中に埋もれている隠れた補助金をやめたり、きわめて多くの企業が本来払うべき税金をこれほど多く逃れることを可能にしてきた抜け穴や、その他の特別条項を削除したりすればいい。上位1%の人々が国民所得の20%以上を得ているのだから、その収入にかかる税率を10%増加させたら、国家のGDPの約2%に相当する歳入が生み出されるだろう」と述べています。至極、もっともな意見だと思います。

「今の世の中は、たった1%の富裕層と99%の貧困層に分かれてしまったという出発点があります。政治家やその応援団は常に1%のための政策を遂行するので、99%の不幸が続きます。それが根本的に間違っている」との主張です。

ステイグリッツ氏は、93年にクリントン政権の大統領経済諮問委員会に参加、95年から97年まで委員長を務めました。昨年10月には、経済格差の拡大に抗議した米ニューヨークのウオール街デモに参加するなど、行動派としても知られています。

ステイグリッツ氏の言っている通り、世界は景気回復のために積極的なマクロ政策をする方向に変わりつつあります。一方、日本は増税路線、世界の流れから完全に取り残されています。
こんな状況下で増税を強行すれば、極めて大きな円高政策もあって、日本だけが大きく取り残されることになります。

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