2011年11月19日土曜日

鈍化する中国経済(2)

 生産財がマイナスに転じるなか、消費財でも8月の新車販売が前年同月比4%増となり、年間で32%伸びた昨年から急減速しました。引き締めによるローン金利の上昇と政府の補助金打ち切りが最大の原因です。

温家宝首相が1014日の演説で「中国に頼らず、財政赤字の削減や、雇用創出に取り込むべきだ」と述べるなど、いらだちを募らせていました。

「車の駆け込み需要が起きており、10月からの販売が低迷しそうだ」。10月から燃料費基準が厳しくなるのに伴い「補助金の対象車種は現在の3割程度まで減る見込み」。多くの車が実質的な値上げとなり、販売に急ブレーキがかかる懸念が浮上しています。

自動車は中国のサービスを除いたモノの消費の約3割を占め、鉄鋼や電子部品など産業の裾野が広い産業ですので、自動車の陰りは、中国経済の陰りにつながります。

「スマートフォンなどの通信分野は好調ですが、自動車に欠かせない部品や素材の生産は伸び悩んでいる」と分析しています。

自動車に加え、家電製品の売り上げも振るわず、消費は全般に力強さに欠けています。

外需にも期待しにくく、輸出は年末にかけて大幅な減速が予想されます。

頼みの網は投資だけで、18月の農村部を除いた固定資産投資(設備投資と建設投資の合計)は前年同期比25.0%増と高水準を保ちました。

 温家宝首相は「中国経済は期待した方向に向かっている」と軟着陸に自信をみせています。問題は物価です。8月の消費者物価指数は前年同月比6.2%上昇し、3カ月連続で6%の大台を超えました。

 北京に来て思いますのは、新築のビル工事が極端に少ないことです。まだ、東京の方がましなくらいです。建築のためのクレーンもほとんどありません。地下鉄工事だけが進んでいます。

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