2011年10月23日日曜日

労働人口が減る中国

 「確実に2013年から、わが国の労働力資源は徐々減少する」と、中国国家統計局の馬建堂司長は429日、人民日報が運営するサイト「人民網」にゲストとして出演し、中国の労働者人口(1560)についてこう言明しました。

従来、中国の専門家の間では「15年から労働人口は減少に転じる」との予測が多かったのですが、馬司長は中国の労働者人口の減少が予想より早く始まるとの展望を明らかにしたものです。

これに強い反応を示したのが、「米国在住の中国人科学者」である易富賢氏です。次のように指摘しました。

「人口構造から見ると、日本が1990年代に歩んだ経済衰退の道を中国も歩もうとしている。違うのは、日本は豊かになってから老いたのに、中国は豊かになる前に老いることだ」

そのうえで易氏は、海外で「一人っ子政策」とも呼ばれる「計画出産政策」を緊急にやめるように改めて主張しました。

南開大学の原新教授や北京大学の穆光宗教授、南京大学の陳友華教授、中国社会科学院の鄭真真教授らが計画出産政策の見直しが必要だとの考えを示しました。

計画出産政策が中国の人々、中国社会にいかに深刻なストレスを与えてきたことでしょうか。

戸籍のない子ども、いわゆる「黒孩子」(ヘイハイズ=闇っ子)の問題です。

30年以上前に計画出産政策が始まってから、2人目以上の子どもをもうけながら、罰金などの不利益を恐れて届け出ない夫婦が相当の数に上る、といわれてきました。

今回の国勢調査では、2人目以上の子どもを届け出ても不利益は被らない、と政府が約束しました。その結果、戸籍登録のない人が全国で1300万人も出てきたといいます。

世界一の人口大国の総人口の1%近く、ちょっとした国の総人口並みの「闇っ子」が存在してきたわけです。

妊娠した子どもが女児だとわかった際に堕胎する傾向がもたらした男女比率の不均衡など、計画出産政策が生んできた様々な問題が今回の国勢調査ではいよいよはっきりしてきました。

当面は多少の調整はするでしょうが抜本的な見直しはしない、という構えのようです。

 胡錦濤国家主席(党総書記)は「現在の出産政策を堅持し、改善する」との基本方針を明確に打ち出していました。

抜本的な見直しがあるとすれば、来年、習近平国家副主席が党総書記に就任し、最高指導者になってからだろうといわれています。非常に勇気のいることです。実際には、正式には認められないでしょう。中国では、昔から、「中央に政策あれば、民に対策あり」といわれて来ました。

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