2011年8月4日木曜日

対中ODAを継続すべきか(2)

 これに対して、東大教授の高原明生氏は、次のように述べています。

「世界第2位の経済大国に対して、まだODAは必要か」という質問に対して、「開発ニーズはまだ多く、それは中国がまだ発展途上国であるということで、援助の必要はある」と答えています。

さらに、「今後はどこに重点を置いて支援すべきか」については、「もっと日本国民に見えやすい援助をする必要がある。中国の国民にも日本の援助は見えにくい。もっと広報をせねば。それは中国政府に期待するというよりは日本政府がやるべきだ。日本人ですらあまり知らないのだから。メディアもODAについて報道してほしい。それは国民の外交のセンスが高まることにもつながる」と語っています。

さらに「過去の対中ODAには効果はあったか」の質問に対しては、

「そういえると思う。これまでどんな援助をしてきたかの記録をまとめて公表することが、両国間の関係発展にとっても重要だ」。

さらに「経済的な面では、援助で日本にもメリットはあったか」については、「もちろんだ。中国が市場経済化を目標に揚げてから、日本は中国の発展によってどれだけ裨益(ひえき)したことか。今では多くの国が中国の経済成長に頼っている状況だ」。

「有人宇宙飛行や空母建造までしている中国への援助には違和感をもつ人もいる」という質問に対しては、

「中国には遅れている面もある。ODAは経済効果・政治効果・人道主義の原則から、中国へのODAは当面続ける必要がある。いずれ援助をやめる日が来るだろうが、日本は隣国として、最後にやめる国になるべきだ」と主張していますが、かなり中国よりの考え方のように思います。

 いつまでも日本がごちそうする必要はありません。もう中国は立派な大人です。青木氏が言っているように中国へのODAで日本人の中にうまい汁を吸っている人がいるとしか思えません。中国には、割り勘という概念はありませんが、ほとんど対等になった今、支払いは、交代でやったらいいでしょう。

0 件のコメント: