2011年8月1日月曜日

がんは細胞の老化(1)

 東大病院放射線科准教授の中川恵一氏によると、「私たちのカラダは、60兆個という膨大な数の細胞からできています。そして、髪の毛が抜けたり、皮膚の細胞が垢になるなど、毎日、なんと、8000億もの細胞が死んでいきます。

死んだ細胞の数だけ、新しい細胞が、「細胞分裂」の形で生まれています。つまり、23ヶ月でカラダの細胞は全部入れ替わってしまう計算になります。細胞分裂は、もとの細胞のコピーを作ることですが、細胞の設計図であるDNAをコピーすることが一番大事になります。

DNAをコピーする際にミスをすることがあります。これが突然異変で、一日に数億回も起こると言われます。

この「コピーミス」が起こらなければ、現在の私たち存在しません。38億年前に誕生したバクテリアのような生き物はいつまでたっても、同じDNAのままで進化せず、変わらないからです。DNAのコピーミスは「進化の原動力」なのです。

DNAを正確にコピーできなかった細胞は、「出来損ない」であって、まずは生きていけません。

 ごくまれですが、コピーミスの結果、「スーパー細胞」が生まれることがあります。その特徴は「死なない」ということです。ある遺伝子に突然変異が起こると、細胞は死ぬことができなくなり、とめどもなく分裂を繰り返します。

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