2011年7月2日土曜日

大震災への寄稿(3)

 岡本行夫氏の産経新聞への寄稿です。

「阪神大震災では、神戸の113本の岸壁が壊滅した。指揮にあたった当時の第3港湾建設局長は、すべてを2年間で修復してしまった。1ヶ月で復興計画を作り、資材や技術者が1ヶ所に集中しないように個々の岸壁修復の工法と進行時期を変え、夜を日につぐ突貫工事をやったのだ。現場の官僚たちに任されたから、このような離れ業ができた」と書いています。要は、誰に責任と権限を持たせてやらせるかでしょう。今の東北は、3ヶ月経ったのに、どこまで進んだのか分かりません。穿った考え方ですが、自衛隊以外を使うと金がかかるために、自衛隊とそこに住む人に任せているような気がします。

さらに岡本氏は「重要なのは産業の復旧、特に漁業だ。被災地はすべて海岸沿いにあるから、町の経済の5割以上が水産関連のところも多い。それが壊滅した。なのに、支援はまだ始まらない。『まず中央で全体の復興計画を作ってから』という姿勢では間に合わない。南三陸町では、NGOながら15千万円もの資金を準備して、漁場の瓦礫徹去などをすでに始めた団体もある。大事なのはスピードだ」と書いています。まったくそのとおりです。国からの復旧の目処が見えてきません。

「三陸には漁期がある。6月のカツオ、8月後半の秋刀魚、秋の鮭。漁期を逸すれば、収入は来年の秋まで無い。『早く計画を示してくれ』と、あちこちで悲痛な声があがっている。

家族をかかえた30代、40代の漁師は絶望して海を去ってしまう。そうなれば、三陸沿岸の経済復興はできなくなる。

拠点漁港をいくつか決めて、応急修理してほしい。神戸岸壁を超スピードで修復した人々の知恵も借りたらいい」と岡本氏も悲痛です。

0 件のコメント: