2011年5月24日火曜日

モナリザの遺骨調査(4)

 『モナ・リザ』の背景のみを取り出して、左右を入れかえて並べると、一つの風景が現れるそうです。この背景には、曲がりくねった道と遠くに見える橋以外、人間の痕跡がありません。広大な景観や、氷山が描かれていることから、アルプスの風景を描いたともいわれますが、どうやらレオナルドの理想の世界が描かれているようです。また、ラファエロ・サンティによる『モナ・リザ』の模写には、人物の左右に柱が描かれていることから、『モナ・リザ』の両端は切り取られているとする説もあります。ぼやけた輪郭、優雅な造形、明暗の劇的な変化、全体の落ち着いた雰囲気を含めてレオナルドの「型」であり、これらの特徴はそのままその後の肖像画のプロトタイプともなりました。また右側の景色に対して左側の景色は明らかに低いことから、背景は後に追加されたものとも考えられています。

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