2011年4月9日土曜日

福島原発廃炉までの脅怖のシナリオ

福島の原子炉をどうするのか。枝野官房長官も廃炉にせざるを得ないだろうという曖昧な発言しかしていませんでしたが、東電の勝俣恒久会長は、「14号機は廃炉にせざるを得ない」と明言しました。しかし、廃炉と一口に言っても、とてつもない時間とカネを要します。

廃炉にするには、燃料を取り出し、原発内の放射量が低減するのを待って、格納容器や原子炉を解体し、廃材を処分することになるようです。正常に停止した場合でも、最低30年はかかる作業です。

元プラント設計師が言います。「福島原発クラスの廃炉なんて日本では経験がないし、4機とも同時となると費用は数兆円はかかります。スリーマイル島の事故でも、原子炉に近寄って内部を調査できたのは10年後でした。同時に多発的に重大な事故を起こしている福島の場合、何年先になるか分かりません。燃料が取り出せる状態まで安定的冷やすだけでも3年から5年はかかるでしょう。

廃炉は100年単位の作業になると思います」。

福島原発には、使用済みと使用中を合わせて数千本の核燃料棒が保管されています。核分裂生成物のほとんどは燃料棒の中にたまっていくので、使用済み燃料棒の放射能の強さは、使用前の1億倍とも言われています。中にはプルト二ウム239のように半減期が約24000年と長いものもあり、半永久的に放射能を持ち続けます。これら燃料棒の処分方法や行き先も当然のことながら決まっていません。今の日本の政府、専門家では、束になっても何の方法論も出てこないでしょう。

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