2011年2月15日火曜日

首相の施政演説

 少し古くなりましたが、第177通常国会が124日召集されました。そこで、菅直人首相は衆参本会議で首相就任後、初めての施政方針演説を行いました。その中で首相は「熟議の国会」を繰り返し、社会保障と税の一体改革、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)問題など重要課題で、与野党協議を呼びかけました。しかし、不実な過去の言動がブーメランとなって跳ね返り、その実現を難しくしています。

「平成の開国」、成長と雇用、中小企業支援などで「有言実行を一つ一つ仕上げ、今年を日本経済復活に向けた跳躍の年にする」と言葉は躍っていますが、首相には”前科”があります。

昨年10月の所信表明演説に対する衆院代表質問のことです。社民党の重野安正幹事長に「実際の行動力が伴わなければ信を失うだけだ」と有言実行を疑問視された首相は、開き直りました。びっくりするような発言です。一国の長としての常識を疑うような言葉です。

「大風呂敷を広げたんですよ!」

今回の演説も「大風呂敷」との疑念はぬぐえません。現に首相は昨夏から「一に雇用、二に雇用、三に雇用」と連呼してきましたが、今春の大学卒業予定者の就職内定率は68.8%と過去最低を記録しました。

首相が「責任は与野党の国会議員全員が負っている」と訴えますが、かれが訴えれば訴えるほど、野党時代に政府・与党を辛らつに攻撃し、揚げ足をとっていた姿が目に浮かびます。

1月20日の外交演説で首相は、幕末の志士、吉田松陰の名を挙げて「松陰は時局に臨んで何にもしない為政者を厳しく指弾した志士だった」と語り、「先人に恥じない国づくり」をと誓いました。しかし、これもいずれ「大風呂敷だった」と言い出すのではないでしょうか。

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