2010年9月30日木曜日

わが子を伸ばす(7)

~四大必須科目「音読」「作文」「暗算」「焚き火」~(松永暢史著)

 新書を読める子どもは伸びる
 「たくさんありすぎて、何を選んだらいいかわかりません」。
自分で選ぶからこそ主体性が育つのです。子ども自身が興味のあるものを選べばいいのです。興味ある本を読んで行けば好きな分野がわかるようになります。好きな分野が分かれば、自分が大学で学びたい分野も分かってきますし、大学入学後に無駄な講義を受ける時間も減ります。子どもが興味をもちそうな新書を買い与えてください。
「高校時代に新書を二〇〇冊読みました」おそらく、もうそれだけで合格です。
新書が読める能力を育てるにはどうすればいいのでしょうか。それが音読です。

 音読のすすめ
一音、一音をたしかめるようにゆっくり、大きな声でしっかり発音しながら読んでいきます。「てにをは」はとくにしっかり発音します。
「てにをは」のような助詞、助詞を強く意識するのがポイントで、これを何度かやっていると、不思議とそれまでチンプンカンプンだった古文が、現代語に置きかえずに、原文のまま理解できるようになってきます。
私たちの体の中には、母親の胎内からもって生まれた日本語のリズム感が刻まれています。音読によって、それを呼び覚ますわけです。音読は現代文でやってもいいのですが、国語力をつけるには古典を古い順に読んでいくのがベストです。
「万葉集」「古今和歌集」「竹取物語」「枕草子」「原氏物語」「更級日記」「方丈記」「平家物語」「従然草」と、主な古典を古い順でいくと新しいものが簡単に読めるようになるのです。古典的名作を音読させます。その子たちの現代文の読解力がみるみる上がっていくのはそのためなのです。

 一字ずつ読む音読をM君にやらせてみました。
音読作戦と同時に、褒めまくり作戦も実行しました。
国語力=読解力は他の教科の理解へもつながります。
理解力、コミュニケーション力、発言力、説得力・・・できる子どもになっていくのです。

 音読が「読み」を鍛えるメソッドとすれば、「書き」を鍛える方法は作文です。
子どもの国語力には、作文を書かせるのが一番です。
理解力、論理力、構成力、説得力、語彙力、すべてがわかります。
国語が苦手な子どもはまず音読です。それから作文です。
人を惹きつける魅力のある人、人の上に立つ人は、おしなべて読み書き能力=リテラシーに優れています。リテラシーが主体性やリーダーシップを支える土台になっているからです。人を動かすには、人を納得させる説得力、やる気にさせる表現力が必要です。説得力に人がついていきます。表現力が人を惹きつけます。

 リテラシーを磨けば、人に騙されなくなります。優れた判断力がつくのです。自分の命に関わる医師の診断に対してもリテラシーが必要です。おかしいと思ったら、誠意を感じることができなかったら、命を預けられないと感じたら、すぐにセカンドオピ二オンを求めるくらいの気持ちでいないと取り返しがつきません。

 自己防衛は生きていく上で大切なことです。
女の子はお喋りからリテラシーを高めているのです。女の子は男の子と比べて作文が上手です。面白い作文を喋るようにして書くことができるのです。
「ねえねえ、お母さん、お母さん」
うるさがってはいけません。しっかりおつきあいしてあげるのです。女の子は細かいどうでもいいようなことまで話したがります。ここが子育ての術です。うまく相槌を打ち、話の合いの手を入れてください。根気強く続けているうちに子どもの話しは論理的なるので長くなり、味わい深いものになっていきます。

 親が子どもにどれだけたくさんの世界をみせてあげるかが子育て術なのです。子どもの国語力を伸ばすためには学年があがるにつれて抽象教育が必要です。会話の中にも抽象語を工夫していれていくのです。
「○○ちゃんの提案はわかったわ。でもお母さんの希望も聞いて。今週は体調が悪いから、来週万全を期して出掛けよう。具体的な計画を立ててみよう」。

 焚き火のすすめ
キャンプに行ったことのある人ならお分かりでしょうが、子どもが一番目の色をかえるのは、焚き火です。
火を使えるようになって人間は急速に進化しました。いまだに人間以外に火を使える動物はいません。
 火のもつ神秘的で根源的な力によって、眠っていた野生の本能が目覚めるかのごとくです。炎に照らされ、ダイダイ色の顔をした子どもたちの笑顔は、親御さんたちにとっても忘れられないものとなるでしょう。

 少し遠出すれば河原やキャンプ場など、合法的に焚き火ができる場所はみつかります。どうも子どもたちは、火からエネルギーを得るらしいのです。よく焚き火に参加した子が受験に成功する傾向にあります。
キャンプも子どもの主体性を伸ばしてくれます。キャンプ場に必要なのは豊かな自然だけで十分なのです。キャンプは不便だからこそ楽しいです。付近の自然林の中で木を拾い、枯れ葉を集める。川から水を汲んでくる。火の番をする。共同作業の中で自分の役割をみつけることでキャンプ力がつきます。
キャンプで主体性を身につけた子どもは、家に帰ってから勉強も主体的にするようになるはずです。自分が何をなすべきかを身をもって感じたからです。

 そろばんの力
「読み書きそろばん」、この三つは確実に子どもを伸ばします。わたしの場合は、ちょっとアレンジしています。「音読、作文、暗算、焚き火」
この四つが子どもたちを伸ばす四大必須科目だとわかってきました。暗算ができれば、もちろん算数や数学の計算が早くなります。得するのはそれだけではありません。暗算とは、数字を足したり引いたり掛けたり割ったりの処理を頭の中で行うことです。暗算ができるメリットは計算の速さより、頭の使い方にあります。頭で数字を扱うテクニックに優れるのです。このテクにより、物事の処理を頭の中でイメージする力、そしてそれを素早く行う処理能力まで鍛えられるのです。できる子どもとできない子どもの違いは、もって生まれたものではありません。頭の使い方の違いです。

 ディベート力国語力の最高峰に位置するのがディベート力です。国語力を鍛えるには人とどんどん議論することが手っ取り早いのです。

2010年9月29日水曜日

わが子を伸ばす(6)

~四大必須科目「音読」「作文」「暗算」「焚き火」~(松永暢史著)

 自分のことは自分でさせる
自分のことは自分でする習慣をつけておくと得することばかりです。
一 お母さんが楽できる
二 勉強ができるようになりやすい。
自分のことは自分でやると自立心が育ちます。自分でやるのですから、意志が必要ですし、
工夫するようになります。勉強をする意志がある子の勉強は生きています。
三 結婚生活がうまくいく。
今時、自分のことをきちんとできないような男性に惚れる女性はめったにいません。
四 一人でも生きていける。
 自分のことが自分でできれば一人きりになっても平気です。自分のことができないと、ゆくゆくは悲惨な老後が待っています。定年を迎えたその日が“離婚記念日”になる男性が急増しています。そこには、仕事しかできない男はお払い箱という現実があらわれています。

 女性の幸せは男次第という世の中は崩壊しています。これからの女性は自分の意志で、より自立して生きていけるのです。自己主張の強い女性が、男性に嫌われると思っているのが間違いです。男性に嫌われる女性は空気を読んでいない女性です。自己主張とわがままは異なります。頭がいい人は場の空気を察知しながら自己主張をするのです。
男女ともにきちんと自己主張して、相手を飽きさせない面白さのある人が愛されると私は予想しています。

 いい女の子の条件
 男性は女性の可愛らしさに惹かれます。女性の可愛らしさには女性も憧れます。感受性を磨いてあげるのが親の役目です。美しいとカワイイは、ほぼ同じ意味ですのでカワイイものに接していると、美しい感性が育ちます。
美術館は感性が磨かれます。感受性は、女の子の可愛らしさをふくらませます。
「この綺麗な花はなんて名前だろう?帰ったら図鑑で調べてみよう」
「また明日もみにいこう」と一緒になって感動してくれるのがいい親御さんです。

 幸せのイメージはどんなものでしょうか。
・ お金に不自由しない
・ 健康
・ 美人で気立てのいい女性、またはイケメンで男性と結婚する

 結婚は普通の人が普通に得られる最高の幸せだと思うのです。人生の“勝利”の一段階だと思うのです。私の知り合いの一人暮らしの老人がいいました。「一人で生活することは、まるで火の消えた焚き火にあたっているようなものです。寂しい、寂しいと思っている人は趣味をもたずに暇で仕方がない人たちです。誰かを求めているから、寂しいのです。生物学的にみたら、私たちが生まれてきた理由は、少しでも多くの子孫を残すことです。人間が、家族をつくることに喜びをもつのは当然です。

 「将来早くして四人以上の子の親になるにはどうしたらいいか考えてみてください。実は、それが誰にでもできる最高の幸せで、人生の勝利です。三十歳までに子どもをつくればこどもが手がかからなくなってもまだ四十代です。もう一度新しい人生を送れます」。

 兄弟姉妹が多い子は伸びる
たくさんの子どもをもつ親は幸せですが、子どもたちにも大きなメリットがあるのです。兄弟姉妹がたくさんいる家のこどもは、生きる力が強い子に育ちやすいのです。最近は一人っ子が多く、年の差を越えた人づきあいが苦手です。

 いい子を育てる
子育ての三本柱はしつけ、外遊び、読書です。

 子育てのお小遣いはどれくらいがいいのでしょうか?
家つきメシつき給食つきで、酒もタバコもやらないこどもが普段お金を持ち歩く必要はありません。
「子どもだって欲しいものがあります」
そのときに買ってあげればいいのではないでしょうか。
「お父さんのお給料日まで待ちなさい」
子どものころに我慢することを覚えておくと、大人になってから非常に楽です。我慢できない子どもは、最悪サラ金で借りたお金でパチンコをするような大人になってしまいます。

 お手伝いをしたときに労働に見合ったお小遣いをあげるのはいいかもしれません。
働けばお金がもらえるという、社会に必要な労働意欲が湧いてきます。
お年玉や入学お祝いなど貯めておく場合は、きちんと貯金通帳をみせてあげて下さい。親も不正行為ができず、子どもに誠意が伝わり、信頼も生まれます。預金残高が増えていけばこどもも大人と同じように喜びます。貯金の大切さ早いうちに覚えておいて損はありません。
(明日に続く)

2010年9月28日火曜日

わが子を伸ばす(5)

~四大必須科目「音読」「作文」「暗算」「焚き火」~(松永暢史著)

 いい子とは
主体性のある子どもとは、
・自分の意志をもっている子
・自分の意志で行動できる子
・自分の意見が言える子

「○○をやるために目標の大学に入り、目標の会社に入った」子どもと、「一流企業に入るために一流大学に入った」子どもの成長過程はまったく違います。有意義な人生の期間がまったく違うのです。

 前者は「○○をやる」目的が社会に出てからも続きます。そこが本当のスタートで、学校は○○をやるための準備運動のようなものです。

(勉強って意外と面白いじゃん)
お子さんの心にこんな気持ちが芽生えたら、もう大丈夫です。
できるだけ早いうちに本の面白さを教え、習慣にしてしまえばあとあと楽になります。
勉強は十四歳からでもやり直すことができます。勉強よりも外遊びと読書の方が大切です。十分な外遊びと読書はその後の勉強での飛躍の助走となります。
幼い頃から勉強ばかりさせられていると、勉強嫌いになります。最近の難関大学には燃え尽きてしまったタイプの学生が多くなってしまっています。

 子どもを褒めるのは、感心するようないいことをしたときです。
「ありがとう。助かるわ。本当にいい子ね」。
入院してしまった友だちを心配しているような子どもなら、「あなたって本当に優しいのねえ」と正直にいえばいいのです。叱ることも大事です。褒めると叱るがセットになっているので、「いいことをしたから褒められる」「悪いことしたから叱られる」と、子どもも納得します。

 叱られたという経験こそが必要かもしれません。叱られた経験のない子は、社会に出てからも上司に叱られたりすると、すぐふてくされてしまいます。真に頭のいい子は対人間コミュニケーション能力にも優れた子どもです。

 男の子と女の子では叱り方をかえた方がいいでしょう。
簡単にいうと、男の子は叱るときに理由が必要です。女の子の場合は口やかましく叱るのが効果的なことが多いです。男の子を頭ごなしに叱ってしまうようなお母さんがオチンチン力の弱い、チョロチョロしない草食系男子をつくってしまうのです。

 「寝る子は育つっていう言葉があるの。子どもは寝ている間に大きくなるの。遅くまで起きていたら大きくなれないし、健康にも良くないの。大人はもう大きくならないし、自分で責任がとれるから起きていてもいいの。子どもに元気に育てるのは親の役目なの」。
逆に女の子は、極端にいえば、「それはしてはいけないことなんです」とビシッというだけでも従うことが多いです。

 これから男性より稼ぐ女性がどんどん増えていきます。この流れはもう止まりません。家事ができない男性は家族の一員として役立たず扱いされます。女性からみれば、どうせ結婚するのなら、家事を手伝ってくれる男性、料理の上手な男性の方がいいに決まってます。かつて家事の苦手な女性が結婚に向かなかったように、今では家事の苦手な男性は結婚に向きません。結婚自体も難しくなってきます。

 結婚せずに一人で生きる人生を選んでも、やせ我慢ではない悠々自適な生活を送れるかもしれません。

 父親と同じように女性も家族のために働き、疲れて帰ってくるのですから家事は家族みんなで分担するべきなのです。

 家事がよくできる子どもは、要領よく勉強ができるようになることが多いです。
家事ほど要領のよさ、効率のよさを求められるものはありません。その要領のよさは確実に勉強の仕方にも反映されるのです。

 幼いうちに厳しく後かたづけも覚えさせましょう。おいしいものを食べた分だけお皿や調理器具が汚れるのです。

 料理をし、おいしいものを食べさせる楽しさの後には後かたづけが待っているのです。食後の後かたづけは面倒くさいものです。しかし、この後かたづけをきちんとできる人が、人の役に立つ人なのです。本当に人を喜ばせることのできる頭のいい人なのです。

 小さいうちに厳しくしつけて習慣にしてあげてください。
男の子も女の子も小さいころから「自分のことは自分でする」という習慣をつけておくと、一生困りません。小さいうちからそれがあたり前のことだと認識させてあげてください。脱いだ服をたたんでおく、起きたら布団をたたんで押入れに上げる、靴を揃える、などはなかなかできない子が多いものです。後かたづけをお母さんがやってあげちゃうからです。

 小さい子どものわがままを叱るタイミングを逃がしてしまうと、もう取り返しがつきません。スーパーでおまけつきのお菓子を買ってもらいたくて大声で泣きながらダダをこねている子どもには「すぐにあきる無駄なものは買わない」ときちんと教えなければダメなのです。子どもの大騒ぎに屈してしまえば、相手は次回からも同じ手を使って攻めてきます。
 ここはピシッとアザにならない程度にお尻を叩いて子どもを抱きかかえて家に帰ってしまいましょう。

 叱るとき以外は優しくしてあげればいいのです。
叱ると愛情表現をセットにしてあげれば、子どもはどんどんいい子に育ちます。
他人に迷惑をかけない感覚を小さいころに体で覚えてしまえば、一生忘れません。
(明日に続く)

2010年9月27日月曜日

わが子を伸ばす(4)

~四大必須科目「音読」「作文」「暗算」「焚き火」~(松永暢史著)

 音楽好きの家の子は伸びる
 東大生には音楽好きが多いようです。
子どものころ、家庭にいつも音楽が流れていた、ということです。つまり、両親が音楽好きなのです。そんな家に流れている音楽はたいていクラシック音楽です。クラシック音楽は子どもがもっとも早く親しむことができる芸術だと言えるでしょう。

 名曲と言われる素晴らしい音楽は、人に安らぎを与えてくれます。そのような音楽は人格形成に関わる力をもっています。クラシック音楽に馴染みのない親御さんたちも、子育てを機会にぜひ聴いてみてください。素晴らしい音楽はあなたの人生をも豊かにしてくれます。

 楽器ができる子はコツコツ勉強する
 音符の習得と語学や数学の学習には、何か密接な関係があると思っています。
楽器を弾けるようになるには地道な努力が必要です。子ども時代に何かを達成する喜びを知ることはその子の人生に確実に役立ちます。

 勉強の場合、はじめから大好きな人はそうはいません。しかし、楽器と同じようにコツコツ勉強を積み重ねていくとテストでびっくりするぐらいいい点が取れるようになるのです。テストが発表会の舞台と同じ役割をするわけです。

 大事なお子さんを早くから塾に行かせるよりも楽器を習わせることを私はおすすめします。楽器が弾けるようになる前に、途中で放り出してしまうようでは、勉強も期待できません。最初が肝心です。
読書も勉強も仕事もはじめのうちは忍耐力が大切です。努力の後に成果があります。そのことを子どもに教えてあげてください。
お稽古ごとはよいマナーを身につけさせるにも有効です。こういう子は教師に好かれます。

 絵画が飾ってある家の子は伸びる
 レプリカはやめておきましょう。やはり本物にかぎります。自分の家に合う本物を選び、飾ることに意味があるのです。親が本気で選んだ絵が家に飾ってあるのです。それを見て育った子どもには、そのセンスが受け継がれます。

 いくら本物の絵でも、芸術性が乏しければ効果は期待できません。良い絵とは、空間を整え、長い期間みてもあきないものです。レプリカをみて育った子どもはレプリカに愛着をもつようになり、本物をみて育った子どもは本物にこだわるようになるのです。

 家に絵が飾ってあれば、小さいころからずーっとその絵を見続けることになります。そうでない家の子どもと比べて感受性や審美眼が養われて当然です。そういった子は大人になると、家の壁に絵を飾りたくなるでしょう。自然とどんな絵が自分の部屋に合うのかわかる大人になっていきます。教養の最終段階は芸術理解です。

 花が飾ってある家庭
 音楽と絵画は教育環境に最適です。美しいものは精神の安らぎを与えてくれ、そういう家庭ではいい子が育ちます。花を飾るのもいいことです。花言葉があるように、人間はさまざまな思いを花に托してきました。歳を取ると、道端に咲いている花に強く目を奪われるようになったりします。花の美しさに子どものころから気づいておいて損はありません。

 家に花があると得をします。自分の家に飾ってある花の名前を覚えていくだけでも、散歩が楽しくなるものです。

 美しさがかわる子は美しい心をもった子に育つと思うのです。
これからは花言葉や星座の詳しい男子小学生がモテます。女性は昔から美しさのわかるロマンチックな男性が大好きなのです。男の子に比べて女の子は子どものころから美しさに敏感です。その感性がかわいらしさを生み出します。女の子は「カワイイ」が大好きで、自らもカワイくなりたいと思っています。

 お母さんがそうであるように、女の子は本来花が好きです。
 美しい花のようになりたい女性は花のように美しい心をもち、いい人を惹きつけて幸せになっていくのです。

 トイレの使い方をみればその子の本姓がわかります。トイレは家庭のものであっても、複数の人が交互に使うちょっとした公共の場です。トイレを綺麗に使えない人は、他人に対する気遣いができない人でもあるのです。

 親にチェックされる自分の家のトイレは綺麗に使うのに、他人の家のトイレを綺麗に使えない子は根本から自分勝手に育った子です。こういう家庭は親にも問題があり、自分の子どもさえよければいい、という自己中心的な親である場合が多いです。

 あなたのお子さんを、掃除して綺麗になったトイレを汚して出て行く人にしてはいけません。
(明日に続く)

2010年9月26日日曜日

わが子を伸ばす(3)

~四大必須科目「音読」「作文」「暗算」「焚き火」~(松永暢史著)

 外遊びの大切さ
 できるだけ数多く友たちと外で遊ばせてほしいです。
傷つけ、傷つけられるのは実は大切な人間のコミュニケーション形成の基です。この感情から学ぶことは多いのです。
こういう経験が豊富な子どもの言葉は一味違います。勉強で身につけた言葉とは違う、生きた言葉が使えるのです。そんな言葉に使えるようになるには、本を読むだけでは限界があります、外で群れて遊ぶことが大切なのです。
外遊びの経験が少ない子どもは、コミュニケーション不足なので、相手のいっていることや気持ちを理解したり推測したり、自分を表現して相手に理解してもらおう能力が十分に発達していません。

 進学塾や予備校は、子どもの主体性を育てようなどとは思っていません。人間性を高めようとも思っていません。
進学塾の目的が、ただ一つ、預かった子どもの成績をあげ、いい学校に合格させることです。友だちと群れて遊ぶこともせず、感受性が磨かれる機会もなく、ひたすら勉強ばかりさせられ
て育った子どもは、何のために勉強しているのかわかっていません。こういう子どもは目的を達成すると、将来を見失ってしまいがちです。

 テレビを捨ててみよう
 私は子どものいる家庭にはテレビは必要ない、と思っています。テレビが発信する情報が現実であり、真実であると錯覚するようになります。子どもの受ける影響ははかりしれないものです。
情報を得るために、見ていたテレビなのに、その情報に考え方まで操作されるようになってしまいます。
インターネットのやり過ぎも危険です。
一番恐いのは人との関わりがネットだけで済んでしまい、実際に人と付き合うことも話をする必要もなくなってしまうことです。情報もコミュニケーションもネットだけで間に合ってしまうのです。
無限な可能性を持っている子どもにはテレビやインターネットよりも面白くてためになるものがほかにあるはずです。それを教えてあげるのが親の役目だと思うのです。

 せめて、食事の時間ぐらいはテレビを消しましょう。食事は、家族みんが集まる貴重な時間です。この時間に会話をせずにいつするのでしょうか。子どもの毎日の生活を把握していれば、問題行動なんてまず起きません。もし起きても、正しく対処することができます。

 テレビゲーム
 どんなにリアルさを追求しても、テレビゲームは所詮バーチャルな世界です。人格形成に関わるような思い出はバーチャル体験ではなく、実体験でこそつくられます。通勤電車で、ネクタイ姿でボタンを連打している大人は情けなくなるほどにみっともない。
頭を鍛えるにはやはり、ゲームよりも読書が一番のではないか、と私には思われてなりません。

 子どもは外で遊ばせる
 子どもは本来外で遊ぶべき存在です。屋外に響く子どもの遊び声は風景に馴れ染み、健康的です。一度、お子さんをどこかへ連れて行き、焚き火をしてみてください。できれば友だちも一緒に連れて行ってあげてください。
家に帰った夕食の席で、「また連れて行って」とおねだりします。焚き火はゲームやりすぎ少年の頭をクリアにしてくれます。電磁波により悪影響を確実に昇華してくれます。
逆にゲームやりすぎ少年のほとんどは記憶力が弱く、学習にねばりがありません。ゲームやりすぎ少年の回復には、焚き火が一番です。

 四大必須科目のうち、音読、作文、暗算はまだ想像がつくのですが、この焚き火は予想外でした。といわれても、「どこで焚き火をするの」という質問が起こります。わたしも子どもの頃、焚き火などが好きでした。ゴミや落ち葉を集めて、裏の畑で燃やして、冷めた後、その灰を豆類にかけたものです。おふくろに豆には、灰がいいと聞いていたものですから。同じく、子どもの頃は、電気炊飯器がなく、竈でご飯を炊きましたが、燃料は薪です。「始めチョロチョロ、中パッパ」と火加減を調節しました。どうしたら、薪に火がつきやすいかなども考えたものです。

 このことで、思い出すのは、小学校の5年生の時に母が高熱で朝起きれないことがありました。このためにご飯を炊いたりして父や兄たちの朝食の準備をしていて、学校に遅刻したことがありました。わたしの記憶では、遅刻をしたのは、その1回きりでした。みんなの前で叱られました。これを母が知ることになって、翌日(?)、担任の教師のところに遅刻の理由を話しに行きました。すると、先生が皆の前で褒め、気恥ずかしい思いがしたものです。まだ、「男子、厨房に入らず」の気が残っていた時代です。道からそれました。

 ヘッドフォン少年は集中力がない
私の経験上、すぐにヘッドフォンをする子どもに勉強を教えても、なぜか伸び悩むことが多いのです。これは集中力の問題だと、あるとき気がつきました。ヘッドフォン少年は、集中力のない子どもの典型例なのです。
授業が終わるとすぐにヘッドフォンをする子どもを、切り替えがいい考える人もいますが、こうした子どもは勉強の余韻を味わうことがありません。
勉強のできる子どもいうのは、勉強するたびに、ある達成感を味わいます。達成感を味わえる子どもは、勉強の余韻に浸ることもできるのです。

 ヘッドフォンをする子どもには、この余韻がありません。勉強の余韻に浸ることなく、すぐに脳に強い刺激を与えるべく音楽を頭の中に流すのです。記憶は復習することによって確実なものとなります。勉強の余韻に浸れる子ともは、頭のなかで自然に復習しています。復習は理解力を深め、次の勉強への吸収力を増し、意欲を湧かせます。受験に勝つには集注力は欠かせません。試験会場でヘッドフォン着用を認めてくれる学校はありません。
(明日に続きます)

2010年9月25日土曜日

わが子を伸ばす(2)

~四大必須科目「音読」「作文」「暗算」「焚き火」(松永暢史著)~
標題の2回目です。

 本が並んでいる家の子は伸びる
松永氏の経験上、きちんとした本棚がある家の子は成績がいいようです。
食べ歩き本とハウツー本ばかり並んだ本棚はNGです。親御さんたちによって読み込まれたよい本が並んでいる家がよいといいます。

 こういう家の子どもは、親が熱心に本を読んでいる姿をみて育っています。だから、その姿を真似て自然に本を読む習慣がついているのです。自然と国語力が身についてくるので、読解力も理解力も向上し、成績が上がりやすいのです。
「国語力がある」子は「頭がいい」ので受験が通過点でしかないことに気づいてしまうのです。
小学校に入る前の幼い頃、親によく本を読んでもらった経験をもつ子どもは、頭のいい子になる傾向にあります。
小さい頃、親に本を読んでもらった経験のある人はおわかりでしょう。親の肉声で本を読み聞かせることは、幼い子どもにとって親の愛情を一身に感じとる楽しい時間です。それと同時に、知的好奇心、想像力、そして国語力を育てるのに、大いに役立つ時間です。
本の読み聞かせは、できれば三歳までにはじめるべきだと思っています。こういう時期に読んであげるべき本は、古くから多くの人に読み継がれてきた名作です。もう手遅れかも分かりませんが、まだやってみましょう。

 読まずに通りすぎていた名作童話などから衝撃的感銘を受けることもありますので、子育てを、それを味わういい機会にしてください。出版され続ける名作には、一生ものの教養を発見できます。
大人になってしまうと、日々の仕事や雑用に追われ、名作に接する余裕がなくなります。
好奇心が伸び伸びとしているこの時期に名作に接することは貴重な読書体験となります。
漫画はあまりおすすめしません。
本を読み慣れた人が漫画に慣れることはできますが、漫画に慣れた子どもが活字に慣れるのは難しそうです。

 音読は、子どもの国語力を上げるのに大変役立ちますが、大人でもその効果は同じです。大人でも新しい発見をし、一石二鳥です。
昔は本を読むのが好きな子どもが多かったように思います。町に本屋さんが多かったこと、テレビやテレビゲームなんて存在しなかったこと、そして何といっても、学歴がなくても、親が子どもに本を読んであげていたことが大きいと思います。

 そういえば、わたしの子どもの時には、小さな本屋さんが、多くありました。「冒険王」「漫画王」などが店頭に並んでいました。本屋さんのお母さんに気に入られたのか、新刊の「冒険王」などが入ると、陰で読ませてくれました。雪が降る日に傘を外に開いたままおいていますと、何冊も読み終えて帰る時には、傘に雪が何センチも積もっていたのを思い出します。当時は、これらの月刊誌には、付録がたくさんついていて、紙の顕微鏡や拡大鏡も組み立てたものです。付録にしてはよく出来ていました。話がそれました。

 どんな時代であろうと、子どもの国語力には親の子育てが大きく影響する。
国語力を身につけるとどうなるのでしょうか。
国語力がある人は、言葉を理解する能力に長けている
            ↓
 言葉を理解する力があれば、その言葉を使って考え、自分を表現できる
            ↓
 自分を表現できれば、他人と会話(コミュニケーション)や議論(ディベート)ができる

 物理や化学、数学の学者であっても、研究発表はすべて言葉でします。
他人と会話する力、議論する力、考える力、発想する力といったものの土台は、その人の国語力であるといって間違いありません。
今の時代は、ことさら親であるあなたが、子どもに本を読む習慣をつけさせるように努力する必要があります。それには、まずあなたが手本になること。
「まずは、お子さんの国語力をつけましょう」
相談にくる親御さんにわたしはよくこういいます。
国語力がつくと自然と他の教科の成績も伸びてきます。
人と会話すれば相手を惹きつけ、議論をすれば相手を説得できる。そんな魅力的な人を世間が放っておくはずはありません。
求められているのが、頭のいい魅力的な人材なのではないでしょうか。
(明日に続きます)

2010年9月24日金曜日

わが子を伸ばす(1)

 新聞の書評に「わが子を伸ばす~四大必須科目「音読」「作文」「暗算」「焚き火」(松永暢史著)が紹介されていました。松永氏は、受験界に長く身をおく人です。そして、東大を目指しますが、二浪し、結局は慶応大学文学部に入学しました。大学在学中から、家庭教師を行って来ました。松永氏は、三十年以上、家庭教師以外の職業についたことがありません。松永氏が考えた受験術を生徒に指導すればよかった。かれは、「普通の家庭教師や塾や予備校が、志望校を聞き、ひたすら入試に合格するように勉強を教えますが、かれは志望する中学、高校、あるいは大学に合格するためだけに勉強を教えるのではない。この子どもにとって必要な勉強は何だろう?」ということから、始めます。成績の悪い子には「何か」が欠けているといいます。その○○力をつけてあげれば、自然とどの教科でも成績が上がるといいます。かれは、高校時代に今の自分に会って、指導してほしかったと書いています。相当の自信です。
 
 わたしも思い返しますと、自分のこどもには、会社の仕事が忙しく、勉強をみてやる時間もありませんでした。その反省から、孫には少し勉強をさせねばと思うのですが、これがゲームとサッカーで、なかなか勉強をしません。任天堂にも困ったものです。サッカーは、疲れたり、暗くなるとできないのですが、ゲームは朝から晩までやります。そういうときに勉強させるいい方法がないかと思っていましたら、この本の書評が飛び込んできたわけです。何回かに分けて、紹介したいと思います。
 
 かれの指導方針は、子どもに主体性を持たせ、自分の意志で人生を切り拓いていく意志を持たせることが、最終目標です。そのために勉強をするのです。そうでなくては、どんな一流大学、一流企業に入っても待っているのは後悔です。受験に合格する受験術とオチンチン力を失わない子育て術をこの本でお伝えしようと考えています。
「受験はともかく、子育てはやり直しがききません」。そのとおりです。

 いい子が育つ環境
「どうたらいい子に育てられますか?」
という質問があると、
「こどもがどう育つかは、親であるあなた次第です」
と答えます。
子どもの姿はイコール親の姿であると、誰でもわかっていました。
「子は親の背中を見て育つ」。
これにつきます。子どもは親から絶大な影響を受け、親の真似して育ちます。
「いい子に育てたいなら、まずいい親になること」。
「優しい子になってほしいなら、まず親が優しくなる」。
「勉強する子になってほしいなら、まず親が勉強するのです」。
生まれつき頭がいい、悪いということは基本的にない、というのが松永氏の考えです。

 医者の子は頭がいい
医者、とくに自営の開業医は、一般家庭より高収入です。
どんな子どもも、親の真似をします。親の医学書を読んでいる姿を見ながら育った子は、その姿を真似したくなります。自然に勉強するようになります。誰かに言われて嫌々やるのではなく、自然と身について勉強する習慣は理想といえます。医者の家には、整った顔、綺麗な顔をした子どもが多いです。
 松永氏の家の近く、もしくは指導している子どもの家に美人のお母さんがいるのでしょうと、ついつい邪推をしてしまいます。

 「美人の奥さんをもらうからでしょう?」。
容姿に関しては、頭の良さと違い、遺伝的な要因が大きいようです。
なぜ、医者は美人と結婚するでしょうか?
「社会的地位があってお金持ちだから」
こちらもその通りのようです。

 昔は強い男とは、ムキムキのマッチョマンを意味したかもわかりませんが、現代社会では、強い男とは稼ぐ男です。現代の強い男の代表でもある医者には、黙っていても女性が集まってきます。
これは、半分当たっていますが、必ずしもそうでもないように思います。病院に行くと、医者の多くが疲れています。開業医は、まだ少しはいいのでしょうが、勤務医は昔ほど給料をもらっていません。

 両親がいつも笑顔でいる家の子どもは、自然と笑い顔の似合う可愛いらしい子に育ちますし、父親の真剣な仕事ぶりをみて育った子は、自然とメリハリのある引き締まった表情をするようになります。黙っていても勉強する子、努力する子になってほしいなら、まずはあなたが勉強する親、努力する親になることです。

 と書かれています。なかなか大変です。「父親の真剣な仕事ぶり」といっても、サラリーマンには、こどもに仕事ぶりをみせることは出来ません。わたしはよく家でも勉強していましたが、かといって、その時間には、こどもは寝ていました。このあたりは、極力、努力しようとないように思います。

2010年9月23日木曜日

脈拍と寿命

 昔から、標題はいろいろの説があります。ネズミは小さくて脈拍が速いので寿命が短い。ゾウは、体も大きく、脈拍も遅いので、寿命が長い。これについて、東邦ガス診療所(名古屋市)の林博史所長はこう言い切っています。「心臓の消費エレルギー量は、おおむね決まっているとみており、心拍が速いと劣化が進み、寿命が短くなる」と。

 林氏は名古屋大学病院に在籍中、心梗塞の患者をたくさん診てきました。一命を取り留めた場合、何が予後を左右するのかに興味を持ち調べたところ、心拍数にたどり着いたというわけです。いつもまでも、脈が速い人は、回復に時間がかかったそうです。そして、人間が一生の間に打つ心拍数は「23億回」とはじき出しました。1分間、脈を測り、その数で割れば、寿命(分)がわかるというわけです。心拍数が60回で約73年、70回で約63年、80回で約55年となります。

 血圧が正常でも心拍数が1分間に70回以上の人はそうでない人よりも心臓病による死亡リスクが約2倍になると公表しました。

 米国の高圧患者約4500人を36年間追跡した調査では、心拍数の増加に伴い、心臓病死する割合が高くなりました。

 ただ、心臓病の専門医の間では、人間の一生の心拍数に決まった限界があるとの考えに否定的な意見が多いといいます。心拍数の増減は、自律神経に左右されており、一部の不整脈のように心臓自体に問題があることは少ないからです。

 人間の心臓は1分間に60~80回の収縮・拡張を繰り返し、体全身に血液を送り届けています。
  東邦ガス診療所の林所長がつくった寿命と心拍数の公式
・寿命(分)=23億÷1分間の心拍数
・ 寿命(年)=4376÷1分間の心拍数

 脈拍を早くする主な要因としては、
①喫煙
②肥満
③高血圧
④糖尿病
をあげられます。「いずれも自律神経」のバランスを崩し安いものです。脈が速いから短命になるのではなく、速い人は生活習慣病を抱えているケースが多く、結果的に死亡リスクが上がるのでしょう。
では、どうすれば、心拍数をさげられるのでしょうか。

 「毎日、分速80メートルの早歩きを最低20分続ける。3~4ヶ月たつと、脈拍数は5~10は減る。マラソン選手のように心臓が鍛えられるわけでありませんが、自律神経の過剰反応は抑えられる」と話しています。 心拍数と寿命の関係は、まだ決着がついていませんが、早歩きが健康にいいのは、間違いないようです。

2010年9月22日水曜日

菅氏の奇兵隊

 今日は、産経新聞の論説委員の福島俊雄氏の「奇を衒いすぎた菅首相」を転用します。

 菅首相が奇兵隊という武張ったコピーを思いついたのは、「敵」を官僚と位置づけているからでしょうか。たしかに一筋縄ではいかない霞ヶ関の官僚に対しては、高杉晋作ばりの奇を衒った作戦を展開しなければ統治はできません。

 そこで登場したのが、「三権分立」否定という、これまた奇を衒った菅氏の理論です。憲法によって、国会(立法府)は、「国権の最高機関」と位置づけられています。その国会から、行政府の「長」である内閣総理大臣が選ばれます。総理大臣は、自ら国務大臣を選び、内閣を構築します。行政権を行使するのは、この内閣です。その行使に際しては、国会には監督権があります。ここまでは、問題ありません。

 ところが、菅首相は、議員内閣制というコトバは正しくは「国会内閣制」のことであり、『三権分立』は行政、立法、司法が『機能』として分立しているのであり、それがそのまま『権限』としても分立し、それは、それぞれ自己完結型の独立した権限機関であると考えるのは間違いである(菅氏著作の『大臣』より)と結論づけています。

 福島氏は、「司法権はいざ知らず、これでは立法府と行政府(内閣)がほぼ一体化し、『二権分立』になってしまう。ジョン・ロックからモンテスキューにいたる古典的な『三権分立』論は完全とはいわないまでも、半否定される。選挙によって、政権党となった政党は、立法権と行政権を掌握し、極端に言えば、ナンデモできることになる。どこかの学者センセイの受け売りらしいが、菅首相は行政権や立法権などの「権」を「権限」と解しているようだが、ちがう。「権力」である。「権力」は強制力を持ち、暴力を行使することができる。その利用を防ぐために、「三権」は分立させなければならいない」と菅氏を糾弾しています。

 さらに「初代内閣総理大臣の伊藤博文の考え方を紹介したい。伊藤は政党を内閣に人材を供給するプールと位置づけ、政権党が必然的に単独で内閣を構成すべきではない、とした。なぜなら、『内閣というのは、政権闘争の勝者によって占奪される場ではなく、国家的見地で公平な施政が思案されるべき知恵の府』だからだと述べています。

 福島氏は、「立法権と行政権をハッキリと分立させた伊藤の考え方が理にかなっている。民主党は衆院では勝者となったが、参院では敗者になった。菅首相の論でいけば、政府『権限』は半分に縮減されたことになる。立法府は「ねじれ」があってもいい。それが民意だからだ。だが、立法府が『ねじれ』たからといって、行政府までが『ねじれ』ていいわけではない」と論破しています。

 さらに福島氏は、長州の木戸孝允が佐賀藩主の鍋島閑叟に攘夷のために大砲を貸してほしいと頼んだ際に閑叟は側近にこう漏らしたそうです、「長州人はどうも利口で油断がならないなあ。ずいぶん景気のいいことをいって世間をにぎわすが、口ほどに行動しないから、手を結べばひどい目にあう」と書いています。菅氏は長州の出身です。福島氏は「菅首相というよりも、民主党全体に対する、実に当を得たセリフのように思える」と書いています。菅氏の欠点は、この実行力がないところです。国政では、カイワレ大根を食べるなどのパフォーマンスは通用しません。

2010年9月21日火曜日

大学ランキング

 「国際化」の象徴である留学生の受け入れでは、高成長を謳歌する中国の動きが急です。教育省によると2009年同国の大学や大学院の外国人留学生は23万8184人と1949年の新中国建国後で最多を記録しました。語学留学でない本科学生や研究生も増え、全体の4割を占めています。

 中国政府は今春、受け入れ規模を20年までに50万人に拡大すると発表しました。奨学金増額に加え、政府が世界80の国・地域で展開する中国語教育機関「孔子学院」も増設しました。中国の理解者を増やし、国際社会での影響力を狙うのが目的です。

 昨年10月に英教育専門誌「タイムズ・ハイアー・エデュケーション」が公表した「世界大学ランキング」ではハーバードやケンブリッジという米英の著名大が上位を独占しました。アジアでは東京大学がトップを維持したものの、全体順位は前年から3つ下がり22位。慶應大学142位、早稲田148位にとどまっています。文部科学省は昨年、留学生数を30万に増やす「グルーバル30」計画を開始しました。各大学も授業の英語化などで呼応する予定です。

 早大は留学生が3割を占め、全授業を英語で行う国際教養学部を04年に開設するなど、8000人の留学生を受け入れ、日本人学生全員が在学中に留学できる仕組みを目指すとしています。

 00年開校の立命館アジア太平洋大学(大分県別府市)は、世界の約100カ国・地域の約3000人の留学生が同数の日本人と学んでいます。日本語習得を入学の前提とせず、講義は日英2言語で進めています。

 「タイムズ・ハイアー・エデュケーション」は、2004年から世界の大学のランキングを公表しています。以下の6指標で、総合評価しています。
①各国研究者からの評価
②当該国の雇用者による評価
③学生に一人あたり教員比率
④教員一人あたり論文引用数
⑤外国人教員比率
⑥留学生比率

 ところが、表2に示すクアクアレリ・シモンズ社によるアジア地域の大学ランキングでは、もっと衝撃的です。タイムズ・ハイアー・エデュケーションでは、東大は、アジアで1位でしたが、クアクアレリ・シモンズ社の調査では、香港の3大学、シンガポールの大学に抜かれ、5位になっています。たしかに、日本の大学は、世界の大学と比べると目的が多いに異なっているようです。もっと学ぶこと、究めることなどを真剣に考える必要があるように思います。大学に入るとゴールのようなことでは、日本に将来はありません。


2010年9月20日月曜日

中国輸出企業の未回収金は1000億ドル超

 中国国際商会は、中国企業が回収できていない輸出代金が現時点で少なくとも1000億ドル(約8兆5000億円)にのぼることを明らかにしました。未回収債権は、年150億ドルのペースで増えており、国際商会は輸出企業の代金回収を支援するための専門チームを立ち上げました。

 中国の2009年の輸出額は、1兆2016億ドルです。このうち12分の1が、製品を輸出したにもかかわらず代金を受け取っていない計算になります。

 この背景には、欧米の企業の資金繰りが急激に悪化していることがあるとみられています。中国の輸出企業は労働コストの上昇や人民元相場の弾力化で利益率が大幅低下しています。国際商会は未回収代金がこれ以上増えれば、経営に深刻な影響を及ぼしかねないと判断しています。昔、日本企業が歩んだ轍を中国企業も歩いているようです。これらの輸出の多くが民間企業が担っており、資金的にもそれほどの余裕がないために大きな問題になってくるでしょう。

2010年9月19日日曜日

韓国の経済は絶好調

 7月の雇用動向によると、就業者数が2430万1000人と前年同月比47万3000人増えました。前年同月比での増加は7カ月連続です。日本は、7四半期(21カ月)連続して減少です。韓国の雇用が順調なのは、輸出が好調なことと内需の復調を背景に製造業の就業者が23万8000人増と2000年8月以降で最大の増加幅となったのがけん引しました。

 輸出主導での景気回復が、国内の雇用拡大に波及し始めている状況が鮮明になって来ました。一方で20代の就業者数は、日本と同様に6万7000人減と若年層の雇用情勢は低迷が続いております。公共部門も政府の財政出動縮小で減少しました。

 7月の産業活動動向(速報値)によると、製造業の平均稼働率が84.4%と前月比0.9ポイント上昇しました。1980年以降で過去最高となっています。輸出向けを中心に半導体や自動車などの生産水準が高く、米国や中国の景気鈍化懸念が強まる中でも好調を持続しました。

 製造業の稼働率は、米金融危機に伴う世界的な景気後退で、2008年末に62.8%まで低下しましたが、今年2月以降は80%台の高水準が続いています。

 7月の鉱工業生産指数(05年=100、季節調整済み)は、143.9と同1.1%伸び、9月連続のプラスとなりました。設備投資は6月の大幅増の反動で機械類を中心に同3.1%減と3ヶ月ぶりにマイナスとなりました。

 このように韓国経済が好調な中でも、LG電子は、研究開発拠点を8月31日、京都市内に設置することを発表しました。11月には、品川も稼働します。海外での研究開発に積極的です。わたしの見るところは、研究開発を行うことが、本来の目的ではなく、京都の特に電子部品の技術者、研究者をスカウトするのが、真の目的でしょう。日本企業は、気をつけないといけません。サムスンにやられたようにLG電子からもやられそうです。

 一方で、ペルーとの自由貿易協定(FTA)締結交渉が妥結したことが発表されました。韓国からペルーへの主力輸出品である自動車について、税率9%の関税を協定発効から10年以内に段階的に撤廃。カラーテレビも9%の関税を協定発効と同時になくす。一方、ペルーの対韓輸出の主力品であるイカは、税率10~22%の関税を10年以内に撤廃します。コメや牛肉、トウガラシ、ニンニクなど、107品目に関しては韓国内で農家への影響は大きく、市場開放への反対論が根強いため協定の対象から外しました。日本がFTA交渉をすると、農業で頓挫します。韓国のような粘り強い交渉が必要なのでしょう。

2010年9月18日土曜日

若年層失業率は高水準

 総務省が8月27日に発表した7月の完全失業率(季節調整値)は、15~24歳で9.1%、25~34歳は6.2%と、全体が5.2%であるのに比べて高い傾向が続いています。2008年秋のリーマン・ショック以降、企業が新卒採用を絞り込んだ影響が特に大きいようです。

 総務省が8月17日に、4~6月期の労働力調査(詳細集計)を発表しました。完全失業者349万人(月平均)のうち、失業期間が「1年以上」の失業者が118万人となり、前年同期に比べて21万人増えました。問題は、失業率の増加が、7四半期連続して増えており、求人数が低迷し、職をみつけられない失業者が多いことです。

 「条件にこだわらないが、仕事がない」と答え人は44万人もいます。正社員は3339万人と81万人も減り、これも5四半期連続の減少となりました。非正規社員は、1743万人と58万人増えました。非正規社員のうち、パート・アルバイトは1184万人で56万人の増加でした。

 菅氏は、「1に雇用、2に雇用、3に雇用」と叫び、民主党代表選に勝利しましたが、まず経済対策、景気対策が先ではないでしょうか。雇用対策を先にやっても景気も回復しませんし、税金で作った職が長続きするわけがありません。この若年層の失業率の高さは、すべてに世の中をおかしくします。失業では、結婚も出来ませんし、こどもも作れません。少子化もどんどん進みます。今、安定した職についているひとの語る“少子化対策”は、下目視線でいやらしさを感じます。児童手当も結構ですが、こどもが作れるように、結婚が出来るような社会にすることが必要でしょう。

2010年9月17日金曜日

外為特会が円高で赤字10兆円

 急速な円高を受けて、国の外国為替資金特別会計(外為特会)の為替評価損が膨らんでいます。8月17日時点で過去最大の約31兆円に達し、積立金(20.6兆円)から評価損を差し引いた「赤字」も約10兆円にのぼっています。民主党政権は、2011年度の予算編成でも特別会計などの「埋蔵金」を財源として当て込んでいますが、為替特会の評価拡大が障害となる可能性も出て来ました。

 03年から04年にかけて実施した大規模な円売り・ドル買い介入を受けて、日本の外貨資産は急増しました。政府はこうした外貨を米国債などに投資し、運用しています。政府が介入に踏み切った時点より円高が進みますと、保有する外貨の価値が下がって評価損が出ます。9月15日に2兆円の円売り介入しましたが、円高が続くと、評価損が出ます。

 現在の外為特会は、1ドル=99円より円高になれば、評価損が積立金を上回る「赤字」に陥ります。最近の円高で、この赤字額が膨らんでおり、8月17日の時点では、10兆円程度の赤字となっていました。2009年度末の5.7兆円の2倍近い金額です。しかし、8月17日よりも現在は、大幅な赤字になっていますので、この赤字幅は大きく増えています。

 ただ、評価損が出ても、外貨資産を売却するまでは実際の損失になりません。株などでいう“塩漬け”です。外為特会の財務内容は、悪化の一途をたどっており、政府や民間のエコノミストの間では、「赤字が膨らむ外為特会の積立金を景気対策などの財源に使うのはおかしい」という声が出ています。特会の残高が積み上がる円売り・ドル買い介入についても「赤字額がさらに膨らむ」との見方があります。

 株安と円高で年金積立金も大赤字です。厚生年金と国民年金を運用する厚労省所管の「年金積立金管理運用」(GPIF)は、今年4~6月期の運用損益が3兆5898億円の赤字になったと8月30日に発表しました。赤字は四半期ベースで5期ぶりのことです。運用利回りはマイナス2.94%と、1~3月期のプラス1.29%から落ち込みました。資産別利回りは、外国株がマイナス17.43%、国内株がマイナス13.93%、外国債がマイナス7.51%といずれも振るいませんでした。運用損益は3兆6584億円の赤字でした。

 こういう運用は、どういったひとがやっているのか、興味があるとともに余程の人でないと務まらないでしょう。多分、お役人がやっているので、どこかの投資信託会社か信託銀行、証券会社にまるなげしているのでしょう。ひとの金を真剣に運営するのでしょうか。疑問に思います。

2010年9月16日木曜日

とうとう国の借金904兆円

 財務省が8月10日に発表した2010年6月末の国債や借金など合わせた「国の借金」は、904兆円772億円となり、900兆円を初めて突破し、過去最高を更新しました。10年度末には973兆円に達する見通しで、11年度中には1000兆円の大台も視野に入ります。10年度の一般会計予算では92.3兆円歳出に対して、税収は37.4兆円にとどまり、残りの44.3兆円は国債発行などで賄う計画です。

 当初予算で国債発行額が税収を上回るのは、戦後の混乱期以来の事態です。7月時点の人口推計(概算値)で計算すると、一人あたり約710万円となります。3月末時点では693万円でした。 IMFによると、国の借金から財投債などを除き、さらに地方債を加えたベースでの債務残高のGDP比は09年末に218%に達します。米国(83%)や英国(68%)、ドイツ(73%)など主要国に比べても突出して高い水準にあり、財政危機に陥ったギリシア(115%)も大きく回っています。しかし、この数字にこだわっていますと、景気をおかしくします。問題は、これだけ多くの国債を発行しながら、景気を良くする手がまったく打てていないということです。

 小泉時代のエセ経済専門家でない本物の経済専門家の出現を期待したいものです。

2010年9月15日水曜日

民主党代表に菅氏が再選

 9月14日の投開票で、菅首相が再選されました。菅首相が誕生した6月8日、日経平均は9537円で引け、それから3カ月近く、低迷しました。9月1日には、8927円と600円近く下げましたが、14日終値は9299.31円です。小沢氏への期待もあったのでしょう。明日の株価が心配です。為替は為替は1ドル=91円から83円まで急伸しました。14日15時36分現在、1ドル83.24~83.26円です。いたるところで、悲鳴が聞こえます。菅首相、野田財務相は、この流れを変えることが出来るのでしょうか。菅氏が選ばれると、60円までゆくという人もいます。

 そして、今日、菅首相が再選されました。党員・サポータで圧倒的に小沢氏に差をつけました。国会議員では小沢氏有利といわれていましたが、直前に菅氏に流れ、国会議員票でも菅氏が上回りました。しかし、投票用紙が、ネットオークションで売られていたり、選挙管理には、大きな問題を残しました。

 さて、日本の主要輸出企業の為替想定レートは、85~90円です。1円の円高で巨額の利益が吹き飛ぶことを考えれば、株式市場の低迷も当然です。こんな惨状に見て見ぬふりを続けたのが菅氏です。円が急伸し株価が低迷しても無策を貫き、市場関係者をうんざりさせました。

 みずほ証券エクイティストラテジストの瀬川剛氏は、「今回の円高、株安への対応を見ていると、菅首相は、肝要な部分が分かっていないようです。例えば、円高に対して、動きが急すぎると感想を述べたそうですが、急なのは、数字の変化です。何かが動いているわけではありません。こんなレベルですから、経済や為替への対応は、すべからく“泥縄”。これでは、円高、株安の流れは変えられません。一日も早く辞めてもらいたいですね」と語っています。

 円高を止めるには、為替介入や金融緩和が欠かせません。いずれも重要なのはタイミングです。各政府や投機マネーの動きを眺めながら、「今しかない」というときに、市場全体が円売りに振れる環境をつくります。そんな芸当が、泥縄で精いっぱいの菅首相や野田財務相にできるわけがありません。
経済ジャーナリストの倉多慎之助氏は、「小沢氏が代表選に勝つと潮目が変わる。小沢氏が代表選に勝ち、大型減税に踏み切ると思われていました。市場は菅首相に期待していません。鳩山前首相の高値は1万1408円(4月5日)でしたが、小沢氏首相なら1万1500円を超え、1万2000円回復もありそうです。菅首相は変わらず、小沢氏の「政治とカネの問題」をネチネチ攻め立てていたが、小沢氏は強制捜査権がある警察が1年も調べて、何にも出なかった」と話しています。

 「政治資金については、公開する必要のない領収書も含めて、すべてオープンにしている。ここまでやっているのは自分だけ」と小沢氏は強調しています。小沢憎しの検察が秘書らを3人逮捕し、事務所だけではなく、ゼネコン各社までガサ入れし、小沢本人にも何度も事情聴取したのに何にも出なかった。これぞ、最大の潔白の証明ではないかと言うわけです。

 菅陣営は小沢氏の代表時代の“党内官房機密費”の使途まで調べています。元外交官の佐藤優氏は、「小沢氏の政治とカネの問題は過去形です。今、問題なのは、長男への資金援助が明らかになった仙谷官房長官の方でしょう。この円高は、欧米が日本を食おうとしているものです。普天間問題は日米合意を強行すれば、沖縄は爆発しますよ。日米合意があっても自民党政権はずっと杭一本打てなかった。それをどうやって、強行するのか。難題を解決できない菅政権がそれを誤魔化すために政治とカネの問題をネチネチ取り上げているのです」と言っています。菅氏は、普天間問題もどうするのでしょう。どうも出来ない気がします。

 経済評論家の森永卓郎氏は、「危機的状況にある日本経済を立て直すには、小沢氏の力が必要です。円高、株安の“経済有事”に対応できるリーダーは、菅首相ではなく小沢さんです。菅首相の経済政策は、①財政規律重視②金融引き締め③対米服従が3本柱になっています。実は、この路線は小泉元首相と同じです。菅首相が続投すれば、国民は格差社会の拡大に苦しめられることになります。ほとんどすべてのエコノミストは、為替介入をせず、金融緩和打ち出せなかった菅首相の無策に失望しました。なぜ、機敏に動けないのかと呆れたのです。考えられる理由はひとつしかありません。米国を怒らせるのが怖いのです。小沢さんは米国の方針に「ノー」と突きつけられる唯一の政治家です」と小沢氏を支持していました。

 さらに「小沢氏は、経済でも日本の立場を主張し、為替介入や金融緩和といった必要な政策を実行するでしょう。小沢氏は、消費税の増税の前にムダの削減が必要と訴えています。衆院選マニフェストには、公務員の人件費を20%削減するとありました。公務員や独立行政法人の職員の給与を、中小企業まで含めた“民間並”に引き下げれば、消費税を10%に引き上げるのと同じぐらいの財源は生み出せるはずです。米国に服従し、経済対策で二の足を踏み、公務員との軋轢を恐れて増税路線を選択する菅首相には、何にも期待できません」と小沢氏を支持し、菅首相をあきらめていました。 これから、菅首相、菅政権は、何が出来るのでしょう。国会のねじれも解消できそうにありません。普天間問題も株安も円高にも手が打てません。やるのは、天下りの実行と消費税の増税だけです。雇用、雇用、雇用といいましたが、円高で、どんどん工場が海外に逃げています。ますます失業者が増えるでしょう。困った代表選挙の結果となりました。

2010年9月14日火曜日

国民世論というまやかし

 大新聞の調査では、菅氏支持が圧倒的です。ところが、インターネットの世論調査だと、情勢は一変します。小沢支持が菅支持を上回るのです。

 ロイター通信のネット調査では、9月1日午後10時30分現在、「小沢6309票、菅6195票」で小沢がリード。ライブドアの調査では、66.1%が小沢を支持。スポニチの公式サイトでは、小沢支持が8割と菅を圧倒しました。読売新聞もネット調査だと、ガラリと結果が変わり、76%が小沢の出馬を支持しています。世界の多くが、インターネットにより世論調査をやっているのに日本だけは、相変わらず電話による聞き取り調査が主流です。韓国の大統領選やオバマ大統領の選挙のときを見れば、ネットの影響の大きさは明らかです。

 報道各社の世論調査のやり方は、対象が固定電話を持つ家庭に絞られ、調査の時間帯も夜9時までが限度です。ケータイしか持っていない若者や残業に追われる人の声は反映されにくいというのが現状です。マスコミ調査が逃がした声をネットが拾っているともいえます。なのに、なぜかマスコミ調査だけが、“民意”として絶対視され、政治の行方を左右するのはおかしなことです」と明大教授・井田正道氏(計量政治学)が、語っています。

 「菅首相は、自分の資金管理団体『草志会』だって、昨年11月寄付金偽装疑惑が報道されたし、今年6月にもこの団体が支出した5000万円をめぐって運動員の買収疑惑が週刊紙に報じられました。しかし、なんらか説明していない。ちっともクリーンではありません。クリーンでもオーブンでもない二枚舌男が、首相に居座り続けるなんて悪夢だ」とも報じられています。

 現在は、内閣支持率内閣で、あまりに支持率を気にし過ぎています。もっと自信をもって国事を運営してほしいものです。しかし、このまやかしの世論調査に踊らされて、いまだに小沢氏の「カネ」の問題をテレビに向かって言う人もどうでしょう。よほど生活に困っていない人なのでしょう。今は、経済政策で徹底的に討論してほしいときです。カネの問題も検察庁は小沢氏をトコトン調べました。小沢家の銀行預金の通帳まで検察に提出しているのです。事情聴取も3回もやっています。これら一連のことで有罪にすることは、無理です。唯一、検察審査会が「起訴相当」としましたが、これも5月26日のブログにも書いていますように補助弁護士の米澤敏雄氏によるリードが法曹界でも問題になっています。かれは、そのあと雲隠れし、2回目の検察審査会の補助弁護士になりませんでした。このために今も開かれていません。しかし、マスコミを見ていますと、こういったことも勉強せずに、無責任な発言が目立ち過ぎます。コメンテーター、キャスターは、おかれている立場を認識して責任ある発言をしてほしいものです。言論の自由とは、別の話です。

2010年9月13日月曜日

菅・小沢どちらを取る

 「菅さんはあまりにも期待外れだった」と語るのは、独教大特任教授の山崎元氏です。

 「菅氏は国家戦略担当相のときに国家戦略局の設置をさぼり、財務相になっても官僚と手を結んで消費税増税を言い出した。首相になっても円高やデフレ解消に積極的に動けるか疑問視されている。菅氏の態度は、民主党はなんにもできないことを象徴している」と語っています。

 山崎氏は、菅氏よりも小沢氏の方がマシとみる。「官僚の言いなりのままではデフレが継続し、日本経済はさらに深く沈む」と。

 マネックス証券チーフ・エコノミストの村上尚己氏は「菅氏は経済に鈍感すぎる。交代した方がマーケット(市場)は好感するかもしれない」として、どちらかというと小沢氏の方がベターとの見立てです。米軍普天間基地移転問題を解決できず、円高に直面している民主党政権とダブってみえます。危機管理能力も疑問視されており、円高に直面した政権といえば、1ドル=79円75銭の史上最高値を付けた1995年4月当時の村山富市、自社さ連立政権があります。村山元首相のときには、阪神大震災があり、対応の遅れから、多くの人が地震では、地震による火災によって亡くなりました。どうもイメージが重なって来ます。わたしは、小沢氏に総理になってほしいと思います。

2010年9月12日日曜日

世論調査のまやかし

 世にも奇妙な現象が起きています。共同通信調査(27,28日実施)では、内閣支持率は前回(7、8日実施)より9.4ポイント増の48.1%。首相就任から2ヶ月半。消費税増税発言で参院選に惨敗、執行部はその責任も取りませんでした。円高・株安、雇用悪化の日本経済を取り巻く最悪状況にも有効な手だては何ひとつ打ち出せていません。そんな内閣の支持率がなぜ上がるのか。「首相を信頼する」が17.9%で、前回より6.1ポイントも増えています。何もしない首相の信頼がなぜ上がるのかと、8月31日の日刊ゲンダイは書いています。この珍現象を、世論調査の内情にも詳しい明大教授の井田正道氏はこう見ています。

 「今回も菅内閣の実績ではなく、菅VS.小沢と言う対立構図に目が向いてしまった。その結果、小沢アレルギーの強さが菅内閣の支持率アップをもたらした。代表(首相)に誰がふさわしいかという設問も疑問だ。まだ、正式な出馬会見をしたわけでもなく、第3の候補が出るかもしれません。そんな時期に緊急調査を行い、菅が圧倒している印象を与えている。緊急調査そのものに政治的な思惑があると見られても仕方がない」と。民意はつくられている-。そうとしか思えない調査結果でした。しかし、また後に書きますが、ネット調査では、まったく逆の結果が出ています。以前にも書きましたが、これまでの世論調査のやり方は、相当に問題があると思われます。

2010年9月11日土曜日

菅首相の愚鈍な勘違い

 「挙党一致の体制を組んで貰えないが」と述べる鳩山前首相、「それぞれでは、鳩山さん、小沢さんは(羽田孜氏と同じ)最高顧問でどうですか」と8月25日夕刻に官邸でゼロ回答ならぬ“レス・ザン・ゼロ”回答を行い、「(トロイカ体制とは)何かあったら相談すると言う意味だ」と議員会館の自室で31日午後、押っ取り刀で駆けつけた支持議員に菅直人首相は自慢げに“絵解き“した、と首相補佐官は明言しています。

 評論家の塩田潮氏は、「小沢氏がかなり前に出馬を決断したのは、菅首相はこのまま政権を任せていたら自民党に政権を取り返されてしまうという危機感から」と断言しました。そのことも認識できず、自分の力不足を恥じるどころか、「小沢排除」を口にしていれば、支持率が稼げ、2,3年は首相を続けられるとタカをくくっていた菅氏です。

 小沢グループには、鳩山、旧民社、旧社会、樽床などの各グループが支援に回っています。世論調査の内情に詳しい明大教授の井田正道氏(計量政治学)は、こう指摘しています。「現状でいえば、当初は小沢氏の低支持率が予想されます。しかし、今回の代表選で本格的な政策論争がスタートすると、どうなるかわかりませんよ。小沢氏の主張が国民の理解を得られれば、支持率上昇の可能性は十分あります」と語っています。

 評論家の小林弥六氏は、「何にも仕事をしていない菅内閣の支持率が40%以上あるのも変な話です。小沢嫌いの大マスコミは今、官邸と官僚と決託して反小沢キャンペーンを展開しています。それよりも、直近の選挙の方がはるかに民意を反映していると思いますよ」。と日刊ゲンダイに書いています。
「菅陣営は小沢嫌いのメディアと運動し、『不透明なカネが小沢派に流れた』、『党のカネを大量に配って派閥をつくっている』と、追及を加速させていくつもりです」と民主党議員は読んでいます。小沢陣営は「菅陣営は党の帳簿をマスコミに漏洩している」とカンカンですが、手をこまねいているわけではないようです。すでに仙谷官房長官の事務所費スキャンダルが炸裂しましたが、仙谷以外にも前原氏ら複数の菅陣営の中心メンバーの疑惑をつかんでいるようです。「挙党一致の体制を組んで貰えないが」と述べる鳩山前首相、「それぞれでは、鳩山さん、小沢さんは(羽田孜氏と同じ)最高顧問でどうですか」と8月25日夕刻に官邸でゼロ回答ならぬ“レス・ザン・ゼロ”回答を行い、「(トロイカ体制とは)何かあったら相談すると言う意味だ」と議員会館の自室で31日午後、押っ取り刀で駆けつけた支持議員に菅直人首相は自慢げに“絵解き“した、と首相補佐官は明言しています。

 評論家の塩田潮氏は、「小沢氏がかなり前に出馬を決断したのは、菅首相はこのまま政権を任せていたら自民党に政権を取り返されてしまうという危機感から」と断言しました。そのことも認識できず、自分の力不足を恥じるどころか、「小沢排除」を口にしていれば、支持率が稼げ、2,3年は首相を続けられるとタカをくくっていた菅氏です。

 小沢グループには、鳩山、旧民社、旧社会、樽床などの各グループが支援に回っています。世論調査の内情に詳しい明大教授の井田正道氏(計量政治学)は、こう指摘しています。「現状でいえば、当初は小沢氏の低支持率が予想されます。しかし、今回の代表選で本格的な政策論争がスタートすると、どうなるかわかりませんよ。小沢氏の主張が国民の理解を得られれば、支持率上昇の可能性は十分あります」と語っています。

 評論家の小林弥六氏は、「何にも仕事をしていない菅内閣の支持率が40%以上あるのも変な話です。小沢嫌いの大マスコミは今、官邸と官僚と決託して反小沢キャンペーンを展開しています。それよりも、直近の選挙の方がはるかに民意を反映していると思いますよ」。と日刊ゲンダイに書いています。「菅陣営は小沢嫌いのメディアと運動し、『不透明なカネが小沢派に流れた』、『党のカネを大量に配って派閥をつくっている』と、追及を加速させていくつもりです」と民主党議員は読んでいます。小沢陣営は「菅陣営は党の帳簿をマスコミに漏洩している」とカンカンですが、手をこまねいているわけではないようです。すでに仙谷官房長官の事務所費スキャンダルが炸裂しましたが、仙谷以外にも前原氏ら複数の菅陣営の中心メンバーの疑惑をつかんでいるようです。

2010年9月10日金曜日

仙谷官房長官の事務費スキャンダル

 仙谷官房長官が、自分の長男(36)の経営する不動産会社に、3つの政治団体から320万円を支払っていったというのが、報道されています。この長男は、東京・新橋のビルで司法書士事務所をやっていますが、その事務所(約100平方メートル) の中に、くだんの不動産会社に加え、仙谷氏の弁護士事務所、仙谷氏の3つの政治団体も“同居”しています。しかし、政治団体の専用スペースも電話もありません。それなのに、「人件費」や「事務所費」という名目で320万円を支出したのは、「長男側の経費を政治資金で補填した疑いがある」というわけです。

 長男の新橋の事務所には、前原グループ(凌雲会)の事務所も置かれています。代表者が仙谷氏、会計責任者が枝野幹事長です。ご存じのように仙谷氏、枝野氏は、前原グループです。

 「新橋の事務所は、仙谷氏の献金集めのトンネル会社になっているんじゃないかという疑惑がずっとある」と指摘している人もいるようです。政治家の顔を使って、長男の司法書士事務所に何か利益を与えたことがあるのかないのか。

 仙谷氏の指示の下、枝野執行部は「小沢が代表や幹事長をやっていた時代の政党助成金や組織対策費の使い道を洗い直せ」なんて必死でたっているが、自分はどうなのでしょう。

 仙谷氏の3政治団体が、長男が経営する不動産管理会社に、昨年12月までの2年8ヶ月間に、業務委託費として毎月10万円ずつ、計320万円を支払っていたということに関して、 朝日新聞は、8月29日の朝刊一面トップで、「仙谷氏政治資金、長男側に」と報じています。すなわち、「長男側の経費を政治資金で補てんしていた疑いがある」と指摘したわけです。

 菅執行部が、小沢氏が代表、幹事長時代の党内のカネの流れを調査した結果、36億円という組織対策費について、「違法とは言えないが極めてグレーに近い」と週刊現代に情報をリークしたようです。

 小沢陣営で情報収集した結果、「流れた先は、大手新聞社Aと出版社B。小沢氏が代表、幹事長時代の資金調査を担当した小宮山洋子財務委員長には流出の責任がある。「小宮山氏は、小沢氏を泥棒呼ばわりしているようだが、法的な問題があるなら告訴でもすればいい。できないなら小宮山氏を離党させるべきだ」と小沢陣営は迫ったようですが、菅陣営はダンマリです。

 平野博文前官房長官(61)が、先週末に若手を招いて、懇親会を開くなど、積極的に小沢氏の支持固めに動いており、菅派の動きを牽制しているように見えると書かれています。菅首相の側近議員については、「事務所女性へのセクハラ、パワハラがひどいらしい。参院選前に女性が訴えたが、『選挙に影響する』として、押さえ込んだようだという怪情報も飛んでいます。

 また、菅氏らの卑劣な動きに対して、小沢氏の怒りは強烈だったようです。7月の参院選前に幹事長を退くことが納得していたが、その後の菅執行部が敷いた「脱小沢」路線には不信感をあらわにしました。特に菅執行部が小沢氏が代表、幹事長時代の資金の流れを調査したり、検察審査会の議決で2回目の議決後に、「離党勧告」を行う準備していたことを知ると、「菅はそこまでやるのか...」と驚き、憤り、戦闘態勢を整え始めたということです。

 小沢氏が出馬を決意したのは、「菅執行部では日本の難局を乗り切れない。このままでは、日本が衰退していく。劇薬でも、小沢氏が主導で大胆な成長戦略を断行するしか道はない」ということだったようです。「創価学会と敵対している元公明党代表の矢野絢也氏の息子が、仙谷氏の公設秘書をしている。公明・学会からすれば、敵が民主政権の中枢に入っている。これだけで公明は民主と組めないし、菅内閣は行き詰る」と小沢氏は鳩山氏との会談で話しました。小沢氏は、代表になったあとのことも考えているようです。それに比べて、菅氏、仙谷氏は、創価学会がもっとも嫌っている矢野絢也氏の息子を秘書に雇うとは、ねじれ国会の対策もなにも考えていないようです。こういうことも大新聞、テレビメディアは報じません。国民は、目隠しをされています。そして、耳元で小沢は汚い汚いと聞かされているのが、現在の姿でしょう。

2010年9月9日木曜日

APEC直前にG20をぶつける韓国

日本は15年ぶりの議長国として横浜で開催するアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の直前に韓国がソウルでG20(20か国・地域)首脳会議をぶつけて来ます。両会合は、そろって「世界の持続的な成長」が最大のテーマです。

 APECは、ASEAN 7カ国や日本、韓国、中国、台湾、香港、米国、メキシコ、チリ、などが参加し、人口で世界の4割、GDPや貿易量で5割を占める地域が加盟しています。日本は、APECで米国をメンバーとして参加させ、ASEANや中国の仲介役として役割を発揮して来ました。特に、村山冨市首相(当時)が95年の大阪会合で打ち出した資金協力では、日本のプレゼンス発揮に大きく寄与しました。

 その拠出金額は、「複数年で1000億円」でした。放漫経営の日本航空の会社更生に約1兆円の公金を支出するのと比べれば、村山基金は使途も金額も“賢い出費”でした。

 韓国は、APEC直前の11月11日、12日の両日にソウルでG20首脳会合を、100人規模サミットを10、11日に開催すると発表しました。日本政府の担当者は、調整に頭を悩ませています。それにしても、韓国は、自動車、鉄鋼、テレビ、携帯電話などとさまざまな分野で日本に追いつき追い越せを実践しています。韓国は、国際政治の舞台でも、日本より大きな存在感を示め始めているといえます。何とかならないものかと切歯扼腕の毎日です。

2010年9月8日水曜日

仙谷官房長官の危険な考え

 8月24日の毎日新聞によると、仙谷官房長官が、8月23日のBS11の番組「インサイドアウト」の収録で、09年衆院選で民主党が掲げたマニフェストに関し、「野党時代に考えたことを一字一句修正出来ないというのはあり得ない。現実の政治過程に入れば、そんなことはすぐ分かる」と述べ、柔軟に修正すべきだとの考えを示しました。

 小沢氏をおす議員は「原点に帰れ」と公約の実行を要求しています。仙谷氏は「公約を守るのはけしからんとか、正しいとか結論ばっかり議論するんではまずい」と述べました。
 
 この仙谷氏の考えが、危険なのは、マニフェストは政権をとるために国民と約束した公約です。これをないがしろにする場合には、衆院を解散して、あらためて異なったマニフェストを国民に問うべきでしょう。わたしが、民主党に投票したのは、
1.公務員改革と天下りの排除
2.無駄の排除です。

 1については、“天下り”や“出向”でなし崩しです。これは、完全にマニフェストに反しています。さらに目玉であった国家戦略室も辞めてしまいました。普天間の問題も口を閉じたままです。その代わりに韓国に36回目のお詫びを言い、戦後補償は足りなかった、慰安婦補償の問題も言い始める始末で、日本にそのような金があるのか、そして支払う必要があるのかなども論議せず、勝手にひとりで決めてしまい、これを頭の緩くなった菅首相が、すべて呑んでしまったようです。今や、仙谷の傀儡首相となった菅政権は、危険な方向に日本を持って行こうとしています。次の民主党の代表選で何とかしないと、円高、株安で日本丸は、沈没します。数年前の民主党のテレビコマーシャルを思い出します。なんとか、小沢一郎氏に代表になってもらい、嵐から救ってほしいものです。

2010年9月7日火曜日

枝野幹事長が交わした「魔の契約」(3)

(昨日からの続きです)
枝野氏は、2006年11月「えん罪・JR電車区事件から4年~7名の完全無罪をかちとる」埼玉県集会で講演しています。まさに契約を交した相手、Aのための活動と言えます。「連帯して活動」するという枝野氏の“誓約”は実行されているように見えます。これはJR東労組にとどまらず、影響力を行使している革マル派とも「連帯して活動」していることを意味しないだろうかと、山村氏は書いています。

革マル派は、中核派など対立する党派との間で100人近い死者を出した血で血を洗う内ゲバに、文字通り血道を上げ、神戸の「酒鬼薔薇事件」に際しては、「事件は国家権力による謀略」とういう荒唐無稽な主張に基づき、病院からA少年の検事調書を盗み出し、A少年の両親の自宅を盗聴、A少年のえん罪を訴えるといった異様な行動をとった団体でもあります。

JR東日本は、ご存じのように首都圏の山手線や東北新幹線などの重要な公共交通機関を連営している会社です。JR東日本の最大の組合(JR東労組)の「網領(活動方針)」は、これらの交通機関を利用する一般国民にとっても重大な関係を持つといえます。

佐藤勉・衆議員委員は、「選挙において、例えばJAや建設業界から推薦をもらう場合でも、『覚書』を交わすということはないし、与党幹事長がもし、本当に革マル派と関わりがあるとすれば、もはや政府としての機能が果たせないと言わざるを得ません。民主主義を否定する集団と、もし契約書を交わしたということになれば、連絡を取り合いながら、その集団が政治を動かすというのはあり得る話です。日本の将来を考えるときに、大変危惧を感じざるを得ない状況になってしまう」と語っています。

革マル派がJR東日本の中枢を支配する事態になったらどうなるのでしょうか。JR総連に所属する田城郁氏が、今回の参院選で、民主党の公認を受け、比例代表区で立候補したことも問題だと思っていますと山村氏は書いています。鳩山前首相が田城氏と握手をしているポスターが出回っていますが、民主党執行部は、JR総連やJR東労組と革マル派との関係を本当に知っていて公認したのでしょうか。田城氏とは、公安当局が革マル派の事実上のトップとみている松崎明氏の運転手を務めた人物で、松崎氏の“側近”と目されるJR総連の組織内候補です。

JR東労組は取材申込みに一切の回答を拒否しました。JR総連も田城氏も取材を拒否しました。枝野幹事長はどうか。当人は直接対応せず、代わって民主党が「報道担当」の名で、「田城氏の擁立については、当時、現幹事長は党の役員ではありませんでしたので、一切関与いたしておりません。その他のご質問に対して党としてコメントを控えさせていただきます」と回答したのみでした。

露見した「覚書」をJR東労組との間で交わすに至った経緯や、その署名を交わした相手が、警察当局が革マル派幹部と判断している人物だった、また公安当局が革マル派の事実上トップとみている松崎明氏の“側近”と目される人物を参院選で民主党候補として公認した経緯についても、徹底した情報公開をし、国民を納得させる説明をしていただきたい。山手線や新幹線を利用する一市民として、これは当然の要請であると、山村氏は締めくくっています。

枝野なる人物は、傲岸不遜な人物に見えます。参院選で大敗北を喫したときは、少しは殊勝な態度をしていましたが、すぐに本性を出しています。菅首相などは、過去の話だと思うでしょうが、覚書は、これを文書で解消しないかぎり、効力はあります。また許せないのは、こういう革マル派から政治献金を受けておきながら、一方では人のことを責めることです。日本の政治家のモラルも地に潜りました。

2010年9月6日月曜日

枝野幹事長が交わした「魔の契約」(2)

 「新潮45」の 2010年.8月号に山村杳樹氏が標題で寄稿していました。副題は、「参院選を仕切った“クリーン幹事長”と極左暴力集団とのただならぬ関係」と実に衝撃的です。(前日からの続きです)

 JR総連傘下にあり、組合員4万6000人を誇るJR東日本内の最大の組合、JR東労組なる組合は、いかなる組織なのでしょうか。

 今年4月に、自民党の衆議院議員である佐藤勉元国家公安委員長が「革マル派によるJR総連およびJR東労組への浸透に関する質問書」提出しました。これに対し、政府は、当時の鳩山由紀夫内閣総理大臣の名義で以下のように答弁しています。
 
「日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派(以下「革マル派」という。) は、共産主義革命を起こすことを究極の目的としている極左暴力集団であり、多数の刑事事件を引き起こしている。革マル派は、将来の共産主義革命に備えるため、その組織拡大に重点を置き、周囲に警戒心を抱かせないよう党派性を隠して基幹産業の労働組合など各界各層への浸透を図っており、影響力を行使し得る立場に革マル派活動家が相当浸透していると認識している」と答弁しています。

 同様の見解は、警察庁や公安調査庁が発行する『焦点』や『内外情勢の回顧と展望』などでもその旨、明記されています。

 「革マル派」には、労働運動の指導に当たる中央労働者組織委員会があり、その中に通称『トラジャ』呼ばれる組織が存在しており、『トラジャ』の指導の下に在る組織としてJR総連及びJR東労組にいる革マル派活動家の指導に当たる通称『マングローブ』と呼ばれるものが存在していることが確認されている」と書かれています。

 革マル派とJR総連・JR東労組との関係については、既に西岡研介氏の著作『マングローブ テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実』ほかで、詳しく分析されています。

 民主党の枝野幸男幹事長が、「覚書」を交わした相手は、時の政権が極左暴力団「革マル派活動家が相当浸透している」と認識してきた労働組合なのです。さらに、「覚書」に署名捺印しているAは、警察庁公安部が革マル派のJR内の秘密組織「マングローブ」の幹部と判断している人物です。前述の「浦和電車区事件」の主謀者として強要容疑で逮捕され、一、二審で有罪判決を受けている刑事被告人なのです。

 それゆえに枝野氏が署名捺印した「覚書」は、看過できないと書かれています。覚書には、「立候補予定者は、JR東労組東京地方本部とJR東組合大宮支店が提示する下記の項目について確認する」と3点にわたって確認しています。

 すなわち、「私(枝野氏を指す)は、JR総連及びJR東労組の掲げる網領(活動方針)を理解し、連帯して活動します」と書かれています。“誓約”の見返りは、何だったのでしょう。「覚書」が交わされた1996年から、JR総連及びJR東労組からの資金提供が始まり、パーテイー券の購入なども含め、1999年までの4年間で総額は404万円となっています。これが、政治とカネでうるさくいう枝野氏の実態でもあります。こういう重要なことを不思議に大新聞、メディアは取り上げません。
(明日に続きます)

2010年9月5日日曜日

スウェーデンは福祉国家の理想像か

 8月18日のテレビ朝日の朝の番組でも、スウェーデンが、福祉国家の見本のように報道されていました。これまで、わたしは2度ほどストックホルムを訪れましたが、深くスウェーデンを知るに至っていませんので、福祉国家の理想像か否かを語れる立場にありません。人口が920万人、人口密度が20人/k㎡と広い国土に、少ない人口のイメージです。当時は、家電大手のエレクトロラックスに商談に行きました。フィンランドと同じく少ない人口で、各国に大使館を置いたりしないといけませんので、固定費が高くつくなと感じたものです。したがって、税金の高いのも分かります。それで、果たして福祉国家が実現できるのでしょうか。


 と思っていますと、週刊朝日の8月20日号に「福祉大国スウェーデンは『理想像』ではありません」という見出しで、書かれていました。

 現在、日本在住の日本人(女性)が次のように語っています。
 「高負担だが、高福祉の理想像と信じてきたひとり。この国の男性と結婚して13年。理想とかけ離れた現実に驚かされる。収入の3分の1が税金。消費税率は最高25%なのに、医療費は安くない。歯科診療は、1万円を下らない。

 教師の位置付けも高くなく、以前勤めていた小学校では、教員免許を持っていたのは、1人だけだった」と話していました。

 また、完全な個人主義で、夫婦といえども自分の収入は、自分で稼がないといけません。親は、どこも共働きで、母親は手料理を作る暇もなく、「うちのお母さんは、包丁の使い方も知らない」と話すこどももいるようです。

 「バリヤフリーや聴力視力障害者のケアは進んでいるが、それ以外の障害者や老人は切り捨てられている。スウェーデンを過剰に理想視するのは現実に即しているとは思えない」と13年間住んだ経験から述べています。これが、現実なのでしょう。人口がそれほど多くないから出来ることもあるのでしょうが、小国といえども国体を維持しないといけませんので、そのための固定費もかかるはずです。通り一遍の調査で、スウェーデンのような高福祉国家を目指すには、消費税も25%程度に上げ、所得税ももっと上げねばという財務省の役人に毒された国会議員や首相もいます。非常に危険なことだと思います。高福祉国家は、望みませんから、せめて約束した年金などは、きちんと払ってほしいものです。

2010年9月4日土曜日

政権亡者の菅・仙谷コンビ

 菅政権の官僚回帰がエスカレートし、消費税増税を言い出しただけでは、官僚のご機嫌がとれないと思ったのか、事務次官会議を「懇談会」と名称変えして“復活”させました。事務次官会議は各省庁の次官が集まり閣議にかける案件を決める役人支配の象徴です。鳩山政権が次官会見と並んで真っ先に廃止した悪しき習慣でした。ところが、菅政権は6月末から7月上旬にかけて、計4回も都内のホテルに次官を集めて懇談会を開催しました。あまりにもヒドすぎます。自民党時代とウリ二つです。さらに概算要求基準も自前では出せず、一律1割削減の財務省案を丸のみにしました。『形の上では政治主導』なんて口を滑らせる始末です。幹部の人事改革も後退し、従来通りの年功序例で決着しました。

 マニフェストの大目玉であった天下り廃止も、“現職出向”の形で抜け道までつくってしまいました。
『官僚との提携』を政権の基本方針に掲げていますが、単に取り込まれただけのことです。8人もの官僚が秘書官としてつく仙谷官房長もすっかり“洗脳”されました。率先して酒食を振る舞うありさまですと情けない限りです。

 菅首相は、「戦略局は予算編成への直接的な関与は想定していない」と発言しました。財務省主計局の仕事で、戦略局はシンクタンクとして政策提言すればいいというわけです。予算編成権を奪われることを恐れた財務省の意向を汲んだ決定と言われていますが、情けないばかりです。これでは、政権交代した意味がありません。

 官僚支配に“完落ち”した菅政権は、なぜ参院選で大敗したのか、いまだに分かっていないようです。
 土井たか子・元社民党党首のブレーン的存在だった九大名誉教授の斉藤文男氏は、こういいます。「菅首相は市民派活動家というが、首相になってから何をやりたいのかがさっぱり分からいない。彼を見ていると、たまたま首相になってしまって、今はその地位にしがみつくことしかないようにみえます」と、痛烈です。思想信条なき権力亡者ということでしょう。
元参院議員の平野貞夫氏は、菅氏のことを「似非市民運動型無思想性人格免疫不全症候群」と名づけています。平野氏も政権交代に期待し、アドバイザーも務めて来ましたが、菅氏にはがっかりのようです。さらに「菅首相は理念や基本政策の話は受け入れなかった。

 右でも左でも本物と亜流がいる。本物は思想信条に命をかけるが、亜流は名誉欲が先行する」と話しています。

 仙谷氏も国会答弁を聞く限りひどいものです。弁護士出身だから、シロでもクロでも言いくるめる自信があるのでしょうが、過ぎると信頼、信用を失います。継続審議になっている国家戦略局の設置法案には国家戦略局が「予算編集の基本方針の企画立案をやる」と書いてあるが、自民党議員が「本当にやらせるのか、やらせないのか」と迫ると「中期的ビジョンで首相に提言する」などという詭弁弄し、曖昧な答弁に終始します。国家戦略局は民主党マニフェストの1丁目の1番地だったのに仙谷氏にかかると、似て非なるものに変わってしまいます。

 鳩山政権もかなりひどいと思いましたが、菅政権は、それよりはるかに劣る政権です。仙谷、枝野、岡田、野田、前原、安住らは、即刻、雑巾かけに戻すべきでしょう。今回の代表選で小沢氏が勝つことを望みます。かれならば、首相の座にしがみつくこともないでしょう。本来の潔い政治に戻るはずです。 政治とカネの問題は、人を追求していた仙谷氏、枝野氏も出てきています。政治とは、金がかかる仕事なのでしょう。仙谷氏、枝野氏のように他人の面倒を見ない人でも誤魔化しています。仙谷氏の事務所経費の話は、あらためて書きますが、ひとを責められるようなことをしていないひとが、よくひとのことを言えるなと、つくづくいやになります。

2010年9月3日金曜日

枝野幹事長が交わした「魔の契約」(1)

 「新潮45」の 2010年.8月号に山村杳樹氏が標題で寄稿していました。副題は、「参院選を仕切った“クリーン幹事長”と極左暴力集団とのただならぬ関係」と実に衝撃的です。

 A4サイズの文書で、最上部の標題部分に「『第41回衆議院議員選挙』立候補予定者の推薦にする覚書」と書かれています。

 書面から判断すると、衆院選の立候補者と組合との間で交わされた文章であると推察できます。この「覚書」が交わされた日時は、1996年8月24日。第41回の衆議員選挙が行われたのは、1996年10月20日ですから、まさに選挙直前に取り交わされた“契約書”と言えます。署名欄には、労働組合支部の執行委員長と立候補者の名前が、それぞれ直筆の署名で並んでいます。
執行委員長は、ある罪を犯し、刑事訴追された人物です。立候補予定者の署名には、枝野幸男と書かれています。

 枝野氏は、東北大学法学部を卒業後、1988年に司法試験に合格。1991年に弁護士の登録をし、法律事務所の「イソベン」として働きはじめました。1992年の11月、日本経済新聞に、細川護熙氏が結成した「日本新党」が衆議員選挙の候補者を公募しました。1993年、約150名の応募者の中から最終的に2人の候補者が選ばれまし。その中の一人が28歳の枝野氏でした。そして、この年の7月に行われた衆議員選挙で初当選を果たしました。

 その後、「新党さきがけ」に移り、当時の菅直人厚生大臣の右腕として、薬害エイズ問題に取り組んだようです。

 第41回衆議院議員選挙は、小選挙区制が導入された初めての選挙でもありました。1回目のようなブームに乗ったボランティア選挙では勝てないと判断し、組織を持つ労働組合の推薦を得て、一票でも多くの票を得たいと考えていた時期でもありました。この選挙では、枝野氏は苦戦し、辛うじて比例で復活当選を果たしています。

 枝野氏が「推薦」を求めた相手、すなわち「覚書」のもう一方の当事者である労働組合は、「JR東労組東京地本本部とJR東労組大宮支部」でした。枝野氏と並んで署名捺印していたのはJR東労組大宮支部執行委員長のAなる人物でした。Aは、単なる地方労組の幹部ではありませんでした。2002年11月2日にその事実が明らかになりました。朝日新聞東京版では、「JR東労組幹部ら逮捕 同僚を脅かして退職強制容疑」という見出しでした。あと、A容疑者が「JR東労組内の『マングローブ』と呼ばれる革マル派組織の幹部で、事件の中心人物とみている」とあります。報道では、Aの部分は、実名が入っています。

 2000年末から翌年夏にかけて、JR東労組に所属していた男性運転士(28)を、他の組合の人間とキャンプにでかけて交遊したことなどを理由に、Aら7人の同労組の役員などが、罵詈雑言の限りを尽くし、繰り返し恫喝、脅迫し、組合を辞めさせた上に、会社のJR東日本を退職にまで追いやりました。

 2007年7月、一審で東京地裁は、1が月以上の間に8回にわたって罵声を浴びせるなどして組合脱退を強要した。計画的、組織的、執拗な犯行である」と断定し、Aを含む7名に有罪判決を下しています。Aを含むJR東労組の組合幹部たちは、自分たちの組織方針に従わないというだけで、一介の労組者を、組織を挙げた陰湿、冷酷ないじめで組合脱退に追い込んだというわけです。 (明日に続きます)

2010年9月2日木曜日

菅首相の君が代斉唱拒否

 菅直人首相は、日本の首相に適しているのでしょうか。もしくは、任せても大丈夫なのでしょうか。菅氏は、以前からパフォーマンスを好むようです。年金不払い問題で小泉首相らを「年金未払い三兄弟!」と揶揄すると自らも未払い(ほんとは違った)を指摘され、四国八十八カ所めぐりをやったりもしました。これは彼の思惑通りに大きくマスコミで報道されましたが、ほんのちょっと行っただけで、ほとんど回っておりません。わたしも八十八カ所をすべて回りましたが、菅氏のような冷やかしとも思える行動は、真摯に回っている人に迷惑です。また、厚生労働大臣のときには、O157の問題で、「もう大丈夫」とテレビの前でカイワレ大根を食べたり、とかく目立ちたがり屋で「一国の首相には、向かない性格だな」と思っていました。

 さらに終戦記念日にも靖国神社にも参らず、愛国心にも疑問を持っていました。ところが、さらに問題なことが分かりました、平成14年5月31日にラジオ日本の番組「ミッキー安川のずばり勝負」に出演した際に、国歌斉唱時に起立しようとせず、君が代も歌わなかったという疑惑が話題となっています。8月23日の産経新聞に詳しく書かれています。

 現場を目撃した男性スタッフ(53)は、「菅さんは立とうとしなかった。安川さんから『立つだけ立ちなよ』と促され、ようやく立った」と産経新聞の取材に対して証言しました。番組では、11年の国旗国歌法成立をきっかけに、冒頭か、ゲスト登場時に歌手が歌う君が代のテープを流し、全員起立して斉唱することが決まりになっていました。

 菅氏が一緒に歌っていたかどうかは分かりませんが、促されるまでは座ったままだったのは事実だったようです。国歌斉唱時に自ら立とうとしない人物が、素直に歌うものかという疑問もわくと産経新聞は書いています。

 8月3日の予算委で、自民党の平沢勝栄氏が、安川氏から何度も聞いていた「菅さんは君が代は歌いたくないと言っていた」という問題を追及しましたが、質問の途中から首相は何度もヤジを飛ばしてこれを否定しました。
 「うそだ。うそです!」「証拠を出して」「違う」と。 

 ラジオ日本には首相の出演当日の番組の音盤は残されておらず、安川氏も今年1月に死去したため、真偽の確認は難しい状況にあります。平沢氏が入手した15年1月31日の番組録音テープによると、安川氏はゲストに次のように語っています(さすが、警察庁出身です。いろんな証拠を持っています)。

 「菅さんがこの番組に出たんです。さあ(君が代)歌えよと言ったら、『えっ、なに、国歌を歌うの。おれ歌いたくねえんだような』と言って...」。このエピソードは、作家の佐藤優氏も安川氏から聞いたとして6月5日付の「SANKEI EXPRESS」コラムで紹介しています。首相には、国旗国歌法案採決時に、「天皇主権時代の国歌」であるとして反対票を投じた過去もあります。はたして、こういうひとを日本の首相にして大丈夫でしょうか。

2010年9月1日水曜日

米富豪たちが資産の半分を寄付

 米著名投資家で世界有数の富豪のウオ-レン・バフェット氏や米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ夫妻が、資産の半分以上を慈善事業に寄付することを呼びかけ、5日までに米国を代表する大富豪40人が寄付を表明しました。

 ウオ-レン・バフェット*  著名投資家
 ビル・ゲイツ*  マイクロソフト創業者
 テッド・ターナー  CNNテレビ創業者
 マイケル・ブルームバーグ  通信社ブルームバーグ創業者
                  ニューヨーク市長
 ジョージ・ルーカス  映画監督
 ラリー・エリソン  オラクル創業者
 バロン・ヒルトン  有名ホテルチエーンの創業者一族
 サンフォード・ワイル  シテイグループCEO

 バフェット氏らは、米フォーブス誌長者番付上位400人に呼びかける方針です。全員が半分を寄付した場合には、総額6千億ドル(約50兆円)になる見込みです。また、急速な経済成長を遂げる中国やインドにも賛成を求めてゆくということです。

 寄付の方法や時期などは個人の自由に任せているため、賛同者らが直ちに資産の半分以上を寄付する可能性は低いとみられています。それにしても金額も巨額ですが、半分を供出するというアメリカの富豪にも驚きます。日本の場合は、呼びかけても、ほとんど応じないでしょう。アメリカの富豪を今回のことに関わらず、大きな金額を慈善団体に寄付したりしています。この点だけは、見習ってもいいように思います。