2010年7月31日土曜日

パンソニックの株は、大幅に下がり、三洋電機は、値上がり

 7月28日に、パナソニックが、三洋電機、パナソニック電工、パナホームを完全子会社化することを発表しました。そうすると、どういうことが起こったと思われますか。29日の株価は、親会社になるパナソニックの株が、前日比90円安で1077円でした。8.3%の値下がりです。これに比べて、子会社になる三洋電機は31円高の149円で26%アップです。同じく、パナソニック電工は、なんと150円アップの1124円でした。3桁の株価が4桁の株価になったのです。15.4%のアップです。パナホームも42円上がりました。8.2%のアップです。

 子会社になる3社が、業績が悪ければ、別ですが、いずれもいいのです。三洋電機も第2四半期は黒字です。これらの子会社の業績が悪く、これをパナソニックがカバーしないといけないということであれば、パナソニックの株が下がるというのは、分かります。実際は逆です。3つの子会社の利益をパナソニックが吸収できるようになるので、パナソニックが良くなる。したがって、パナソニックの株が高くなるのならば、分かるのですが、逆です。どうも納得できません。

 昔、三洋電機が東京三洋を合併しました。東京三洋の方が、株価も高く、業績も良かったのですが、合併後は、パッとしない会社になりました。なかなか1+1=2には、ならないようです。今回の、このパナソニックの子会社が、どうなるか見ものです。 もともと、パナソニックは、松下電器産業時代に事業部制を敷いて、事業部長に社長のような権限を持たせ、成功したと思うのですが、どうもそれとは、逆行するようです。その点からも今回の子会社化は、勉強になります。

2010年7月30日金曜日

対北姿勢、日本に学べ

 7月23日の産経新聞を読みますと、標記の見出しで、韓国の東亜日報の名物コラム「横脱堅説(ああでもない、こうでもない)」に「日本に学べ」を主張しています。

 内容は、日本は大韓航空爆破事件の実行犯である金賢姫元工作員を日本に招待したり、日本人拉致問題解決に国を挙げて努力しています。これに対し、千人以上の拉致韓国人や戦争捕虜がいるのに、韓国では関心が低く、日本とは対照的であると指摘しています。

 また、今回、哨戒艦撃沈事件も大韓航空事件と同様に北朝鮮は、無関係を主張しています。驚くのは、哨戒艦撃沈事件は「北の犯行」という政府の調査結果をいまだ認めない国民が30%もいるそうです。 こういうこともあってか、先に述べた日本称賛になったようです。

2010年7月29日木曜日

社内公用語に英語の是か非か(続)

 先に標題について書きましたが、7月23日の産経新聞にアンケートをとっていました。男性831人、女性192人のアンケート結果です。これによりますと、
 ①社内の英語公用語化に賛成か
 YES 25% NO 74%
  ②公用語化は国際競争力を高めることにつながると思う
  YES 35% NO 65%
  ③英語ができずに仕事で困ったことがあるか
  YES 38% NO 62%

 静岡の女性会社員(52)は、「世界展開している企業なら公用語化は当然。その人の努力の度合いで会社への貢献度もはかれるのでは」と言っていますが、アメリカ在住の主婦(50)は、「日本で働いているのに、なぜ英語で仕事をしなければならないのか。日本人なら日本語を話すのが当然だ」と語っています。

 これは、大学教授などの間でも意見が分かれています。帝塚山学院客員教授の本間正人氏は、具体的なメリットとしては、「これまでのように日本語で資料を作って、翻訳して海外に情報発信するという二段構えは、効率的でない。最初から英語で文書を作り、会議をした方が効率がいい」と英語公用語化に賛成しています。

 注目すべきことは、「約2千時間英語と接触すれば、非ネイテイヴの話者としては十分な運用能力が付くというのが定説」と言っています。「ところが、日本の英語学習は、週4コマの授業で約140時間。中高6年間でも640時間にすぎない。しかも授業中の日本語の使用率が高く、英語との接触時間が全然足りない。これが日本人が英語が出来ない最大の原因である」とも指摘しています。

 これに対して、反対の立場から神戸女学院の内田樹教授は、「日本人同士の会議やトラブルは、日本語で処理した方がスムーズで誤解も少なく、角も立たないのは明らかだ。国際舞台では、英語に秀でた一部の人材や、優秀な通訳を雇えばいい」「また、日本語で論文を書いて博士号が取得でき、英語が出来なくても政治家になれるのが現在の日本で、英語公用語化はそんな現状の日本にとって不利だ。もっと有利な道を考えるべきだろう」とも述べています。 わたしは、どちらかというと、内田教授に近い考え方ですが、公用語化にするか否かは別にして、英語を努力することは必要なことだと思います。これからは、英語のみならず、世界の人口の4人に1人が中国人ということからすると、中国語も当然必要になるでしょう。英語、中国語のいずれかは、かなりのレベルになっている必要があります。

2010年7月28日水曜日

中国人力士の蒼国来が来場所、新入幕か

 モンゴル共和国から、白鵬をはじめ、多くの力士が日本に来ています。今場所は、安美錦が休場したために、とうとう幕内は外国人力士の方が多くなりました。もちろん、これは野球賭博事件で多くの日本人力士が謹慎をして休場したということがありますが、それにしても日本人力士は、弱くなったものです。

 かねがね不思議に思っていたことがありました。モンゴル共和国と中国のモンゴル自治区は、同じモンゴル民族です。もちろん、部族は異なるでしょうが、どちらもモンゴル相撲をとります。あれだけ、モンゴル共和国から力士が来ているのであれば、なぜ中国のモンゴル自治区からは、来ないのだろうと思っていました。そうしたら、蒼国来という力士が十両にいました。十両東3枚目で、今場所8勝です。十両で彼よりも上位の力士は、成績が良くありません。西3枚目の将司は、十両優勝しましたので、入幕が確実です。しかし、幕内の西14枚目の隠岐の海が全休で十両に落ちるでしょうし、玉飛鳥は、東16枚目で5勝10敗、翔天狼も西16枚目で5勝10敗、15枚目の武州山、北勝力は、8勝7敗で勝ち越しました。幕内から落ちるのが3人で、上がるのが、3人で、中国人初の幕内力士が誕生しそうです。

 中国人力士では、清乃華が1974年の名古屋場所で十両になりましたが、残念ながら幕内には上がれませんでした。また、清乃華は、両親は福建省生まれの中国人でしたが、本人は大阪市の東成区で生まれています。蒼国来は、フフホト出身ですから、中国人力士の2人目というのは、かわいそうな気がします。それでも、中国人初の幕内力士というのは、蒼国来が初めてとなります。かれが成功すると、内モンゴルからも日本に来る力士が増えるかも分かりません。蒼国来もモンゴル相撲の出身です。モンゴル共和国のモンゴル相撲と内モンゴルのモンゴル相撲は、多少違いがあるそうですので、両者の対決を興味深く見たいものです。

2010年7月27日火曜日

金賢姫元工作員が離日

 わずか4日間の日本滞在でしたが、相当に日本国内を騒がせました。
 金賢姫(キムヒョンヒ)元死刑囚(48)の乗ったチャーター機は、7月20日午前4時前に羽田空港に到着。政府が用意した車で、10台近くの警備車両に挟まれ、午前7時20分ごろ、長野県軽井沢町の鳩山由紀夫前首相の別荘に到着しました。金元死刑囚の来日は初めてです。
 出入国管理法では、1年以上の懲役や禁固の刑が確定した外国人は入国できないことになっていますが、今回は「拉致問題解決のため」(政府関係者)、法務省が特別に上陸拒否をしないという判断を出し、入国させました。

 金元工作員は、大韓航空爆破テロの実行犯でもありますが、日本人拉致被害者(田口八重子さん)のことを初めて詳しく証言した貴重な証人でもあります。この証言をきっかけに当時の自民党政権が本腰を入れて拉致問題に取り組みました。このことは、忘れてはならないと思います。

 金元死刑囚が工作員としての訓練中に日本語を教わっていた拉致被害者の田口八重子さん(行方不明時22歳)の長男、飯塚耕一郎さん(33)、田口さんの兄で拉致被害者家族会代表の飯塚繁雄さん(72)と、20日に別荘で面会しました。昨年3月の韓国・釜山市での面会以来の再会となりました。飯塚耕一郎さんは、金元死刑囚にエプロンを渡されて、料理の手伝いもしたようです。傍目には、耕一郎氏が甘えているようにも見えました。

 21日には、横田めぐみさんの父滋さん(77)、母早紀江さん(74)と面会しました。金元死刑囚の証言によると、めぐみさんは80年代前半、「金淑姫(キム・スクヒ)」と呼ばれる同僚工作員に日本語を教えていたといいます。金元死刑囚がめぐみさんと会ったのは、この時期の可能性があり、新たな証言が期待されましたが、今回もなにも新しい情報はありませんでした。中井洽・拉致問題担当相とも面会する見通し。

 家族会の増元照明事務局長(54)は、「金元死刑囚の来日は家族会として昨年来望んできたことで、実現できて何よりだ。金さんからは、拉致に関する新たな情報やこれまでの北朝鮮の説明を覆すような情報を期待したい」と歓迎していましたが、これはありませんでした。

 そして、金元死刑囚は23日、東京・羽田空港から政府のチャーター機で韓国に帰国しました。初来日で4日間滞在し、拉致被害者の家族らと面会したが、拉致に関する新情報は得られなかった。また、超法規的判断での入国や国内での「VIP待遇」に、野党などから非難の声が上がっています。

 なぜ、この時期に、大きな情報もないと思われるのに金賢姫元死刑囚を日本に招待したのか。政府の見解、中井洽・拉致担当大臣の説明は、まったく理解できません。これは、ひょっとすると、何か進展があって、内閣の支持率回復にならないかと考えたのでしょう。本当の狙いは、拉致対策費は、自民党政権時代に比べ、倍額に増やしているのです。しかし、なにもしていません。これを隠すために行ったことでしょう。今回、かかった費用は、1億円近いといわれています。テレビや新聞には、書きませんが、わたしはそう思っています。今の民主党政権は、拉致問題に対して、何もしていないようにしか思えません。もっと具体的な動きをしてほしいものです。

 金元死刑囚が行った大韓航空機爆破事件をおさらいしておきましょう。これは、 1987年11月29日、バクダッド発ソウル行きのKAL858便が爆破され、乗員・乗客 115人全員が死亡しました。バーレーンで、KAL858便に乗らなかった不審な男女が取り押さえられましたが、男はその場で服毒自殺。女は金賢姫元死刑囚で、身柄を韓国に移され、「私は北朝鮮の工作員。上からの指示で大韓航空機に爆弾を仕掛けた」と供述しました。ソウル五輪妨害を狙った北朝鮮によるテロと判明しました。金元死刑囚は、90年に韓国の大法院(最高裁)で死刑が確定しましたが、特別赦免されました。

2010年7月26日月曜日

飲み会で嫌われるおじさん

 ぷらら堂本舗編集部によると、『飲み会で嫌われるおじさん』について、述べておりました。

 まず、若手社会人122人に聞いた飲み会で上司にされて嫌なことは次のとおりでした。
第1位  悪口・陰口 を聞かされる  32人
第2位 自慢・武勇伝を聞かされる 30人
第3位 セクハラ 25人
第4位 しつこい 13人
第5位 その他 12人
第6位 おやじギャグ 7人
第7位 愚痴 3 人

これを、男性のみ62人に絞ると次のとおりでした。
第1位 悪口・陰口を聞かされる 22 人
第2位 自慢・武勇伝を聞かされる 16 人
第3位 その他 8 人
第4位 セクハラ 6 人
第5位 しつこい 6 人
第6位 おやじギャグ 4 人
第7位 愚痴      0 人

 これが、女性になると第1位がセクハラに変わります。女性の若手社会人60人に聞いた飲み会で上司からされて嫌なことの順位です。
第1位 セクハラ 19 人
第2位 自慢・武勇伝を聞かされる 14 人
第3位 悪口・陰口を聞かされる 10 人
第4位 しつこい 7 人
第5位 その他 4 人
第6位 愚痴 3 人
第7位 おやじギャグ 3 人

 具体的な内容は、
『女性がいても、お構いなしで男同士の下ネタ全開』(女性・26歳)
『彼氏がいないという意味を込めて、「今日暇でしょ?」と聞いてくる』(女性・27歳)
『身体的な特徴について馬鹿にしてくる』(女性・26歳)
『相談にのるふりをして、半笑いで「でもあんまりプライベートな話は聞けないけどなぁ」と言ってくる』(女性・28歳)
『若い頃の自慢話から発展し、人生訓をたれる』(男性・30歳)
『祖母に株を売りつけ大損させたが、自分の腕で巻き返したという、どうでもいい自慢話』(男性・32歳)
『同じ話の使い回しがしつこい。というか存在がしつこい』(女性・28歳)
『「翌日早いので帰ります」に対して「終電で帰るなんて男じゃない」というやり取りを23回繰り返した』(男性・26歳)
『マイナス志向なことばかりをいう』(女性・28歳)
『飲めないのに無理やり飲まされる』(男性・29歳)
『上司の恋の話は私も好きかも。今の奥さんと遠距離恋愛してて、別れ際に空港で.みたいな話はついつい聞きいっちゃった』
『でも不倫の話は最悪』
『デュエットは、歌うだけなら我慢できるけど、体を寄せられるとよけます』
『カラオケといえば、マイクを離さない上司がいます』
『お酌とかデュエットを強要するのって、同性としても見苦しい。他に楽しみがないのかなって思ってしまう』
『部下を店員やホステスのように扱う上司っています』
『それで割り勘だったりすると帰り道に悲しい気分になります』
『自分の失敗談を明るく話すのも好感度高いです』
ということで、飲み会で嫌われないおじさんになるための六箇条は、次のとおりと出ていました。

一.自慢するなら家族の自慢を
二.二次会への参加を断られたらすぐに引く
三.頻度が大事!多くても月に一度くらいのペースで
四.おやじギャグは遠慮なく、ただし二度言わない、説明しない
五.自分の失敗談を積極的に、他人の失敗には触れない
六.上司としてさり気ないやさしさを
ということのようです。わたしも、サラリーマン時代は、女性の参加には、気を遣いました。女性が、未婚者で、男性が既婚者ばかりだと、付き合いと思って来てくれているのだから、会費は安くするように言ったものです。あまり出しゃばっても嫌われますので、極力、ニコニコして、静かにしていました。また、二次会もほとんど男性ばかりでした。しかし、酒は楽しく飲みたいものです。

2010年7月24日土曜日

国家戦略室の格下げと天下り容認

菅内閣は、民主党が昨年の衆院選で勝利した“一丁目一番地”のマニフェストを簡単に放棄したようです。とんでもない人たちです。

まず国家戦略室は、菅氏が初代国家戦略室長になり、副首相として国の戦略を作り、外交・安全保障や予算の骨格づくりを行うというものでした。もっとも重要な民主党にしかない司令塔だったのですが、これを縮小格下げして首相への助言機関にするというのです。このままでは、すべて財務省の言いなりになります。菅氏は政治主導を放棄したのでしょうか。菅氏は国民に対して重大な裏切り行為ということが分かっていないのでしょう。

 もうひとつは、民主党は『肩たたき禁止』と『国家公務員人件費2割カット』を公約しました。“窓際官僚”が役所に残るとなると大幅な給与カットが必要でした。ところが、民主党政権は、給与カットには踏み込みませんでした。

 そして、昨年9月の鳩山政権発足から、官僚は半年間で実に1221人が肩たたきを受け入れました。これには、官僚の狡猾な姿があるのです。この肩たたき受入れの数字は、霞が関の夏の定例人事後には、もっと増えるでしょう。 狡猾な官僚は、参院選前のドサクサに紛れて、このアイデアを菅政権に認めさせました。6月22日に閣議決定した『退職管理基本方針』が、それです。中身は、『天下り法人の理事ポストへの現役職員の出向』など天下りの裏ルートを構築したのです。『再就職ではなく、出向なら天下りではない』という理屈です。出向なら、出向者の名前も役職も公表されません。天下り根絶の骨抜き案を閣議決定してしまったのです。菅氏を含め、反官僚を標榜していたものが、いまや親官僚になり下がっています。これで、財務官僚の口車に乗った『消費税増税』が、参院選で認められて、民主党が参院選で勝っていたら、日本は、さらに深い谷に落ち込むところでした。選挙民も菅内閣に危なっかしさを感じて正しい選択をしました。しかし、昨年、民主党政権を選んだ国民は、イライラしています。この民主党を正常に出来るのは、やはり小沢氏だけのように思います。政治とカネの問題が、取り沙汰されますが、かれには信念と行動力があります。菅、仙谷、枝野、安住、前原などの青二才内閣は、早く倒閣してほしいものです。かなり大臣病に犯されています。

2010年7月23日金曜日

地デジでボリビアが日本方式を採用

総務省は5日、ボリビアが地上デジタル放送で日本方式(ISBT-T方式)の技術規格を採用したと発表しました。これで、ブラジル、ペルー、アルゼンチン、チリ、ベネズエラ、エクアドル、コスタリカ、パラグアイ、フィリピンなどについて、10カ国目になります。ハイビジョン放送と携帯端末向け放送(ワンセグ)を同時に提供できるなどの技術面が評価されました。 

このニュースだけを聞くと、「よかった!」ということになるのですが、これが、そう簡単ではありません。日本方式が採用されたのはいいのですが、これに使うテレビ受像機は韓国製が多くを占めています。ここでもサムソン、LGにあしらわれているのです。この流れを何とかしないと、常にトンビにアブラゲを攫われるということになります。電機工業界にいるひとたちは、年齢に関係なく、以前のプライドと元気を思い起こして、がんばりたいものです。われわれは、トンビに負けないオオワシでありたいものです。悠然と舞うが、獲物は逃がさない。トンビは、怖れて姿を見ると逃げてゆく。そういう企業にしたいものです。

2010年7月22日木曜日

ゆうパック34万件遅配騒動

 宅配便「ゆうパック」が遅れている問題で総務省は、日本郵政グループの郵便事業会社(日本郵便)に対して、業務改善命令などの行政処分を検討しています。総務省としては公表が遅れた経緯や、社内の危機管理体制の不備を指摘して、改善策を求めるようです。遅配は累計34万4000個に上り、特に埼玉、千葉の2カ所の集配拠点で遅れが続いていました。

 7月8日の日刊ゲンダイには、興味深いことを書いていました。「ゆうパック」事業はもともと、西川善文・前日本郵政社長が日本通運(日通)の「ペリカン便」との統合を強引に進めた“お荷物”案件だったとしています。

 日本郵政が日通と宅配事業の統合(JAPEX)を発表したのは、07年の福田内閣時代です。統合に難色を示していた郵便会社幹部は統合計画をまったく知らされていず、進めたのは西川氏配下の『チーム西川』だったといいます。統合発表後に、この幹部らが、JAPEXの5年後の累積赤字が943億円に上る見通しを報告すると、西川氏は激怒し、4年後に黒字化する計画にムリヤリ修正させました。JAPEXの資本金500億円のうち、日本郵便の負担は330億円で、日通は関連施設などの現物出資のみでした。今回、両社のシステムの互換性を指摘されていますが、これは当初から指摘されていたのですが、何ら対策を講じられなかったといいます。

 総務省の「日本郵政ガバナンス問題調査専門委員会」は、今年5月の郵政問題の総括で、JAPEXについて「きちんとした計画および収支の見通しもないまま結論ありきで会社が立ち上げられ、強行されていった」「事業計画がでたらめではないかと言っても後戻りが出来ず、事業が進められ、西川社長(当時)らの不合理な経営判断に原因がある」と断じています。

 さらに「西川氏らの前経営陣がおかしな統合計画を作ったために総務省の認可が下りず、昨年末の歳暮商戦に間に合わず、この中元商戦で挽回しようとして焦ったためでしょう」とも書いています。このあたりが、真実かも分かりませんが、ワンマン西川氏は、健保の宿でもそうでしたが、国の資産をあまり大事に扱わなかったようです。

 こういったことは、大新聞は、けっして書きません。タブロイド版の夕刊は、「日刊ゲンダイ」ち「夕刊フジ」がありますが、結構、楽しんでいます。 参考までに、宅配便事業のシェア1位は、40.6%でヤマト運輸「宅急便」で、2位は佐川急便「飛脚宅配便」で36.2%でした。この2社で76.8%です。日通は6.2%、郵便事業会社「ゆうパック」が8.5%で、2社合わせても、14.7%で、2社とは、大きな差があります。おまけに、郵便事業会社は平成22年3月期に475億円の最終赤字を計上しており、収益改善は待ったなしです。本来は、JPEXに移管される計画でしたが、総務省の認可が得られず断念しました。採算割れだったJPEXは解散を余儀なくされ、宅配便ブランドをゆうパックに一本化される計画に変更しました。混乱の末、何とか船出したものの、いきなりつまずいた新生ゆうパック事業でしたが、いきなり試練を受けました。収益改善は、さらに難しくなりました。西川氏が、日本郵政グループの社長をやっている時は、このようなマイナスの報告はなかったように思います。

2010年7月21日水曜日

(続)役員報酬1億円プレーヤー

 7月5日に触れましたが、最終的に上場企業の役員報酬1億円以上が、166社288人いることが分かりました。1億円以上の報酬を得た役員のいる企業のうち、2期連続で業績が比較できる165社を対象に10年3月期の最終損益(連結優先)を集計したところ、前の期に比べ増益または黒字転換したのは103社でした。43社が減益で19社が最終赤字でした。前の期よりも配当を減らしたのは53社、増やしたのは41社でした。赤字にしていても、ヌケヌケと1億円以上を貰っているようです。
 日本経団連の米倉会長は、「欧米のように報酬が高額なら公開の意味もあろうが、日本ではその意味があるのか。開示を求めるなら、もっと高額からにすべき」と不満のようです。米倉氏は、1億円プレーヤーではありませんでした。

 役員報酬が妥当かどうかというのは、社員との収入の格差でしょう。7月3日の日刊ゲンダイによると、従業員平均年収との差が大きい上位10人を記載していました。次のとおりです。日産の社員は、ゴーン会長の訓示とかを真面目に聞く気がするのでしょうか。このブログに投稿してほしいものです。

順位  社名     氏名    報酬額  従業員平均
                (百万円) 年収との差
1  日産自動車  カルロス・ゴーン 891 142.0倍
2  大日本印刷  北島義俊     787 121.6 倍
3  日本調剤   三津原 博    477 94.2倍
4  双葉電子工業 細矢 礼二    517 91.9倍
5  ヤマダ電機  山田 昇     248 63.3倍
6 セガサミーHD 里見 治    435 59.1倍
7  コーセー   小林英夫     307 59.0倍
8  武田薬品工業  アラン・マッケンター 563  57.9倍
9  ビー・エム・エル  荒井元義  321 57.4倍
10 神戸製鋼所   水越 浩士   273 51.6倍

 東京商工リサーチの調査では、ソニーのストリンガー会長や信越化学工業の金川千尋会長はストックオプションを除外した報酬額でしたが、ストックオプションを加えて倍率を計算すると、それぞれ94.1倍、77.3倍に達し、軽くベストテン入りです。

2010年7月20日火曜日

iPhone4 のトラブル

 iPhone4にトラブルが起こっているようです。iPhoneの一人勝ちを好ましく思わないわたしは、こういったトラブルのあいだに日本メーカーが、キャッチアップすることを祈っています。

 トラブルは、端末の持ち方によって電波の受信状態が悪化する」というものです。一部では、損害賠償や販売中止を求める動きが出ているようです。

 アップルのスティーブ・ジョブズCEOは、同様の現象は他のスマートフォンでも起きており、iPhone4固有の問題ではないとして、「深刻なトラブルではない」と述べました。さらに、「われわれは完全無欠ではないし、電話機も完全無欠ではない」と述べ、対策としてケースを無料配布することを明らかにしました。またジョブズ氏はiPhone4の販売台数が、販売開始して3週間で350万台を超えたことを明らかにしました。

 一方、米消費者団体専門紙のコンシューマー・リポートは、7月12日に、iPhone4が持ち方によって電波の受信感度が悪化するトラブルを受け、「推奨モデルとしない」方針を明らかにしました。そして、無料で恒久的な対策が示されるまでは、昨年6月に発売された前モデル「3GS」を勧めるとしています。

 同誌は独自調査で本体左下の部分に触れると、電波の感度が極端に悪化する現象を確認しました。アップルは、ソフトに不都合があり、実際の電波状態よりも良好に受信状態を表示してしまうことが原因と説明しましたが、同誌は、アップルの主張に「疑問がある」としています。

2010年7月19日月曜日

菅・仙谷・枝野・安住の青二才執行部

 民主党の参院選大惨敗はいろんなところで言われていますが、この青二才執行部の責任が最たるものでしょう。これを選んだのが、菅代表ですから、責任は、菅代表にあることは明らかです。まず、この4人は、選挙をまったく知りません。枝野幹事長、安住選対委員長は、選挙でなにをやったか。大学生がやるようなか各議員や議員秘書に動員をかけたのみです。ところが、地元とは連絡はとれていませんので、応援議員が重なったりしていました。また、動員された秘書の交通費、宿代は、秘書負担です。枝野、安住は選挙資金をどうしたか。このふたりは、各県の支部に資金を送ったのみです。どう使われたのかもはっきりしません。二人区で新人が負けたのは、各県支部は、そのもらった資金を新人には、回さなかったのです。それに、議員の応援演説もありません。それでも、これだけ票をとったものです。結果的に全体の票数では、民主党が自民党に勝っているのです。ただ、一人区で圧倒的な敗北を喫したためにこの結果となりました。

 小沢氏は、どうしたか。かれは、連合会長と全国を回り、各組織にお願いしました。資金は、県連に任せず、あと一歩の候補に集中的に投入しました。新人候補にも議員をつけました。これらの地道な努力が実を結んだのです。上に書いた青二才執行部は、今の職に就くのは、20年は、早いでしょう。これらの執行部では、圧倒的に足りない参議院での議案審議が出来ないでしょう。郵政法案も通りません。どうでもいい法案は、通るかもしれませんが。菅代表が、自ら責任をとるといえば、すべてが決着するのですが、週刊文春7月1日号に評論家の上杉隆氏が、「菅直人は絶対に自ら首相の座を降りることはない」と断言しています。わたしもそのように思います。かれは、ずっと菅代表を見てきた人物です。

 以前に、小沢氏が自民党との大同団結しようとした動きがあり、そのときに民主党は、まだまだ人材が育っていないと言いましたが、まさに口先だけでなく、中身の伴った人材がいないようです。ダムも中止と言いながら、中止になったのか、続けてもいいのか、工事は進んでいます。ここは、衆参議員総会を30日に開くのではなく、もっと早く開いて、喧々諤々やるべきでしょう。この青二才執行部は、攻めには、まずまずですが、守りは、からっきしダメです。民主党に国民の票は一番たくさん集まったのです。また、減ったとはいえ、参院での第一党は民主党です。謙虚に反省し、真の国民の声を聞いて、実行してほしいものです。とくに、役人の天下りなどは、即刻やめてほしいものです。 衆院も民主306、国民新党3、社民党7であと3票あれば、3分の2になります。諸派・無所属の鈴木宗男氏、鳩山邦夫氏、小沢氏秘書の石川知裕氏に入れてもらうと3分の2になります。腕のいい執行部であれば、これくらいのことは、楽々できるでしょう。参院で否決されても衆院で再可決すれば、成立します。9月の民主党代表選までは、目が離せません。

2010年7月18日日曜日

木村剛前振興銀会長が逮捕

 木村剛氏(48)が、小泉首相時代に竹中平蔵経済財政・金融担当相時代の‘02年、金融庁顧問として「金融再生プログラム」の策定に関わっていた時には、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いを感じたものです。そして、この振興銀行立ち上げのときも異例の速さで設立が認められました。相当の便宜を図ってもらっていると話題にもなりましたが、そういうことには、歯牙にもかけず、社長になり、会長になり、振興銀行を大きくすることに邁進しました。

 「この新銀行が導火線になって、日本全体が活力をとりもどす。それこそが我々が究極の目的とする『金融維新』なのだ」とまで、言い、「12年には、1兆円の金融グループになる」とも宣言していました。その後、「中小企業ネットワーク」を作り、木村容疑者の親戚か知人にも、通常の審査では、到底通らない融資もしていたように記憶しています。

 急激に融資実績を増やそうとして、商工ローン大手のSFCG(旧商工ファンド)=破産手続き中=のローンも大幅に減額して引き受けたようです。

 しかし、業績が悪くなり、赤字になり、その責任をとるという形で退職しました。しかし、退職前の会長のときに金融庁から立ち入りがあるというので、不具合なメールを削除するように指示しました。それが、金融庁の立ち入り調査を妨害したということで今回の逮捕にいたったものです。

 著書もかなり多いようですが、そのなかに「おカネというのは『奇跡』であり、『革命』であり、『幻』でもある」と訳の分からないことを書いています。また、「新しい金融検査の影響と対策」という本には、「検察官にウソをつくと検査忌避にあたる」と言い、「いくら注意してもしすぎることはない」と、自ら書いているのですが、自分のことになると、すっかり忘れてしまうようです。

 今の技術でいくと、消されたメールもすべて再生できるはずですから、どういうことを消したのか、明るみに出る日は、そう遠くありません。ホリエモンの時にも思ったのですが、人間、有頂天になると、よくありません。神さまは、こういうのは、嫌いなのでしょう。やはり、中庸で謙虚が一番です。 それにしても、新しい社長に作家の江口剛(本名・小畠晴喜)氏がなるとは。金融小説とは、相当に違います。小説は、登場人物は、すべて江口氏の手で自由に出来ますが、振興銀行はどうでしょう。どういう経緯でなったか知りませんが、かなりの冒険のように思います。

2010年7月17日土曜日

相撲協会的ダメ上司

 7月14日の日刊ゲンダイに標題で書かれていました。社会保険労務士の田北百樹子が書いていました。

 どんな職場にも厄介な上司は必ずいます。特に部下のモチベーションを下げるのは、相撲協会の理事のようなコミュニケーション不全タイプと言いきっています。田北氏は、この相撲協会的ダメ上司を10タイプに分類しました。

①上から目線でKY
 部下を「おまえ」と呼び、命令も叱責もべらんめえ調。頭を下げる役は、部下にやらせる。接待しないといけない立場であるのに、どちらが接待する側か分からない。
②謝罪の言葉は流暢だが、態度は三流
 クレーム対応などで、取引先に行けば、「いや~、申し訳ない気持ちでいっぱいです」を連発し、流暢に謝るのですが、態度が伴っていない。
③「それは無理だろう」を連発
 自分の知らないことには、「ウチは昔からこうなんだよ」と、あからさまに拒絶反応を示し、逆に相手の社会性を疑う発言もする。
④分が悪いとキレる
 常にイニシアティブを握っていたいので、自分抜きの話には、「そんな話、聞いていない」と言い、部下の反論には、「最後に決めるのはオレだからな」と恫喝する。
⑤失敗はすべて部下のせい
 ミスの犯人探しをやめない。議事録を見せても、「議事録が間違っている」と言いかねず、失敗は、部下のせいにする。
⑥失敗の原因を分析しない
 「ウミは全部出そう」と言いながら、ミスの原因を分析せず、改善策も練らない。
⑦自分を下において居直る
 自分のミスを認めても、「上司がバカで申し訳ないな」と卑屈になる。「しょせんオレは、三流大学出身だから」を口癖にする。
⑧面倒くさいことは先延ばしにする
 部下から新提案をされるのが苦手で、煮詰まると結論は下さず、「今後の問題だな」で終わる。または、丸投げして非協力的である。
⑨身内に甘い
 かわいい部下であれば、勤務態度に問題があっても、見て見ぬフリをする。
⑩大切な情報をおしえてくれない

 商談を進める上で重要な情報であっても、情報を握っている優越感に浸り、後から、「やっぱりこうなると思っていたよ」と悦に入る。 このなかで、あなたの上司が5つ以上当てはまれば、“黄信号”、7つ以上なら異動願を出した方がいいとあります。

2010年7月16日金曜日

千代大海の野球賭博と裏カジノ

 テレビでも報じられていますが、週刊新潮’10.7.22号に、特集で、口を拭って処分なし「千代大海」の「野球賭博」と「裏カジノ」と、報じられていました。

 力士や親方からの野球賭博の注文は、携帯電話やメールで受け取っていたようです。これを“付け帳”と呼ばれる帳簿に書くらしいのですが、その書く前のメモを持って、暴力団と相撲界を繋ぐ野球賭博の仲介人が記者に差し出したそうです。これには、
大海
10G-T、5G-S
とかが書かれています。これは、巨人―阪神戦で巨人が勝つ方に千代大海が10万円賭けた、次は中日―ヤクルト戦で中日に5万円賭けたというものです。このメモには、千代大海だけでなく、時津風親方や千代白鵬らも賭けていたそうです。そして、31人が自己申告したのですが、千代大海はしませんでした。その後、外部有識者による特別調査委員会が、全協会員に対して再調査を行いましたが、申告する者はいませんでした。もちろん、千代大海も申告していません。

 ある全国紙の社会部デスクは、「今回の恐喝事件の引き金を引いたのは千代大海とも言える。この件に関し、かれはすでに警視庁の事情聴取も受けている。琴光喜や古市とのやり取りについては説明するものの、自身の野球賭博への関与については、言葉を濁しているそうです」と語っています。
さらに、千代大海は関西地方で違法な「裏カジノ」にも出かけていたようです。大阪場所だけだったかも分かりませんが、この店の女店長は逮捕されています。

 この証人B氏は、カジノもさることながら、福原のソープランドには、よく行ったと語っています。「千代大海は1日1回ではなく、2回、3回と店を移って遊ぶこともあった」とも話しています。これでは、相撲にも勝てないでしょう。

 週刊新潮は、「これだけの大量処分が出たにもかかわらず、その網からスルリと抜けて見せた。これほど奇妙な話もあるまい」とも書いています。たしかに自己申告ですから、書かない人がいたかも分かりません。しかし、誰もが知っていることですから、いずれは分かるはずです。 それにしても、勝負で生きている人は、他人の勝負にお金を賭けるのも好きなようです。貴闘力や安芸の島が現役時代に着物を脱いで、洋服に着替えて、帽子を被って、競馬場にいる写真を見たものです。一般人でもゴルフでも勝ち負けが絡むものには、賭けているひとが多いと思います。厳密にいえば、これも賭けごとで、法を犯しています。村山理事長代理や特別調査委員会の委員は、ゴルフなどで、賭けてないでしょうね。自分らは良くて、力士や親方は、駄目だというのも違和感があります。内容には、差がありますが、裁く人は、後ろ指をさされては、ダメでしょう。

2010年7月15日木曜日

iPhone4解体したら、日本の部品はたった1社

 週刊新潮'10.7.22号を見ますと、こういう衝撃的な見出しが出ていました。実際に分解した調査会社によると、日本の部品はほかにも採用されているということでしたが、金額ベースでは、サムソンやLGといった韓国製が4割以上であと米国製やドイツ製が多くを占めていたと報じられています。この1社と書かれていたのは、AMK(旭化成エレクトロニクス)のナビに使う電子コンパスだそうです。残念なことに価格は70セントだそうです。

 ここで、驚くのは、iPhone4の利益率です。販売価格600ドルのうち、部品代が約187.5ドル(約31.25%)、ソフトウエアやアセンブリ費用を差し引いても1台あたり360ドル(60%)が利益になっているだろうと推測しています。

 iPhone4は6月24日に発売されてから3日間で世界で170万台を超えたそうです。360×170=
6億12百万ドルです。まったく羨ましいかぎりです。 

 このiPhone4は、よりケータイらしくなって、これにワンセグがつくと、わが国の“カラバゴス携帯”と変わりませんと、書かれています。アップルは、以前からマンマシーンインターフェースにこだわっていましたから、これが一気に開花した感じです。事業仕分けもこういうことにお金を注ぎ込んだらいかがでしょう。1000億円でも2000億円でも。箱物行政は、止めようと言いながら、選別能力のない議員や役人は、低いレベルで妥協して、予算を振り向けています。iPhoneは、大したことはないと思いながら、されどiPhoneです。マッキントッシュでマイクロソフトに踏み潰されそうになりながら、生き続けた執念を感じます。日本の経営者もスティーブン・ジョッブズ氏ほどの信念と執念、これに手腕を発揮してほしいものです。おそらく日本のすべてのエンジニアの声だと思います。富士通やNECの会社の一つや、二つは潰してもいいでしょう。そのくらいの気概で、プロジェクトに臨んで、是非、日本の素晴らしさをアッピールしてほしいものです。

2010年7月14日水曜日

生保年金に二重課税

 しっかりした女性がいたものです。長崎市の49歳の主婦です。これは、生命保険加入者が死亡した後に受け取る「年金特約付き生命保険」をめぐって、相続税と所得税の「二重課税」が争われたのです。この主婦は、夫の死後、約8年間、訴え続けました。

 主人の死後、保険会社からは、「一時金でもらっても、年金式にもらっても違いはない」という説明を受けて、生命保険金の受取を年金式にしました。

 ところが、税理士から、「年金部分が源泉徴収されていて、おかしい」と言われました。納税額の訂正を税務署に求めたそうですが、「課税実施」を盾に税務署は応じませんでした。悩んだ末に提訴を決意しました。弁護士には、頼まず、税理士の支援を受けて、国側の代理人と対決しました。その結果、1審では全面勝訴しました。ところが、弁護士を付けた2審では、逆転敗訴しました。この主婦は、この判決に納得せずに上告して、6月に最高裁の判決が下り、勝訴しました。  まず、素人がよくも税務署と対決したものです。2審(高裁)で負けると、なかなか最高裁では、判決が覆らないものです。執念が実ったのでしょう。誰もが国家権力には、正しければ、諦めずにその誤りを正さないといけないと思った事件でした。

2010年7月13日火曜日

民主党が参院選、惨敗

 読みどおりに民主党が惨敗しました。最初に言っておきますと、わたしは政治の安定を望んでいます。したがって、今回の参院選挙では、民主党に勝ってほしかったのです。ところが、菅首相になって、驕りが出てきたように思います。“驕れるものは、久しからず”と昔から、言われております。菅氏の唐突な“消費税率10%”は、財務官僚に洗脳されたとしか思えません。仕分け作業で、どんどんおかしな事業が出て来ました。まだまだ出てきそうです。国民がやってほしいのは、無駄を省いてほしいわけです。税金を有効に、大事に使ってほしいのです。大阪府の橋下知事は、大阪府の職員の給与を10%ほどカットしました。ところが、民主党は、そういう無駄を排除することを忘れて、財務官僚の言いなりに“消費税率10%”を叫びました。橋本首相の頃に3%から5%に上げて、経済はおかしくなり、山一証券をはじめ、銀行が軒並み倒産したのは、記憶に新しいところです。自殺者が急激に増えました。それなのに、菅氏は5%から10%へのアップを議論したいと言っているのです。国民は、こういう人を首相にすれば大変になる。民主党に政権をとらせたのでは、生活が貧窮すると敏感に感じとったのです。

 民主党が、参院で半数割れを起こしたことによって、どういうことが起こるか。予算案以外は、通らなくなります。国会が紛糾します。自民党は、内閣不信任案を提出して、衆議院の解散を要求して来るでしょう。菅、枝野、仙谷では、もちません。仙谷などは、昔のリベラルの病気が出てきて、戦争中の慰安婦の補償を出そうとか余計なことを考えています。成長しきれていないこれらの民主党議員では、どうにもなりません。参院は始末が悪いことに任期が6年ですから、参院を過半数に持って行くには、3年後の参院選挙で圧倒的に勝たねばなりません。

 わたしであれば、3年後に衆参同時選挙を行います。これに賭けるしかないでしょう。幸いなことに、自民党、公明党は、長年の与党ボケで議員立法がまったく出来ません。それまで、役人に作らせていたために自らは出来ないのです。そうなると、民主党が提出する法律に反対するだけです。これでは、必ず国民から批判が出ます。 

 いずれにしろ、この民主党の窮地を救えるのは、小沢氏だけでしょう。かれは、9月の代表選挙を見据えているでしょう。しかし、この間、菅、枝野、安住らの戦犯は、どうするのでしょう。もう政治家ごっこは、辞めてほしいものです。

2010年7月12日月曜日

サッカーW杯の占い師予想の結果

 標題の件については、6月29日に書きました。これは、2007年12月20日に有名な占い師が今回のW杯を透視で予想していました。4位までの予想でしたが、1位ブラジル、2位ドイツ、3位フランス、4位イングランドでした。ところが、決勝戦は、オランダとスペインの対決になり、カリスマ占い師の予想は、かすりもしませんでした。占いとは、こんなものでしょうと、思っていましたら、7月9日の日刊ゲンダイを見ていますと、ドイツの水族館で飼われていたタコのパウルが、これまでW杯の試合を占い、6試合すべて的中させたそうです。

 占いの方法は、非常にシンプルで、国旗を貼った餌入りのプラスチックケースを2つ並べ、パウルが入って餌を食べた国が勝ちというものです。このタコは、母国ドイツを見限って、スペインを選んだというものです。果たして、決勝はどうなるのでしょう。プロのサッカー解説者もほとんどまったく当たりませんでした。日本から勝ったオランダが、優勝してくれるといいなと思う程度です。オランダもスペインも大航海時代、無敵艦隊を作りました。しかし、オランダはスペインに敗れました。サッカーでは、どうでしょう。

2010年7月11日日曜日

本日、参院選投票日

 序盤は、優位に進めてきた菅民主党も消費税増税の発言から、急速に支持が低下し、日経の世論調査では、内閣支持率は45%に低下し、不支持率は41%に悪化しています。この結果、参院選挙の投票にどう影響するのでしょうか。

 民主党は、単独過半数にも届かず、連立与党でも過半数に達しません。一人区では、自民党が意外や検討しています。これは、密に公明党と再び縒りを戻したためと言われています。複数区では、民主の立てた新人が苦戦しています。小沢幹事長の時には、新人に多くのお金を含めた支援をしたのですが、菅・枝野・安住体制は、方針を大幅に変え、新人への支援をストップしました。小沢氏の個人秘書が張り付いて、支援しているだけです。しかし、この二人目の候補の影響は大きく、各複数人選挙区に大きな波を立たせました。これまでは、なわなわで無風に近い選挙区に緊張感を与えました。これは、比例区にも影響が出ています。18ある2人以上の選挙区で自民党が複数候補を擁立しているのは、東京と千葉だけです。それに対して、小沢氏は新潟を除く17の複数区に2人目を立てました。民主党内では、特に静岡などからは、強烈な反対が出ましたが、この複数擁立のおかげで、2人目候補がそこそこの指示を集め、それが比例区のカサ上げになっています。「選挙区では、自民と民主は、互角の戦いをやっているのに比例区では離される。敵ながら、さすが選挙を知り尽くした男ですよ」という声が自民党からは出ています。

 結果は、今晩出ますが、参院選で投票したい党は、1位が民主党で32%、次が自民で22%、3位はなんとみんなの党で11%です。立ち上がれ日本は、比例で一人、舛添氏の新党改革は議席確保も難しい状況です。

 こうなると連立以外しかありませんが、与党の国民新党も議席確保のメドも立っていない状況です。枝野氏あたりは、早くからみんなの党に擦り寄っていました。民主とみんなで過半数を超えれば、いいのでしょうが、このふたつは、似て非なるものですから、安定しません。安定のためには、公明党と組めば一番いいのでしょうが、菅氏は、その意向はありません。しかし、なんでもありの口先政治家は、いつ公明党と組もうというか分かりません。菅氏の頭には、財務官僚から洗脳された増税しかありません。今度は、環境税を謳いあげています。増税では、景気はよくなりません。もう少し勉強してほしいのですが、市民運動家出身で学歴コンプレックスの総理には、自ら勉強することはしないようです。中国の胡錦濤主席や温家宝首相は、週に1回程度、色のつかない知識人を呼んで勉強会をやっています。今日は環境問題について、今日は不動産政策について、といった具合に。日本で同じことをやろうとすると経団連や色のついた大学教授が講師になるでしょう。これでは、勉強になりません。刷り込まれるだけです。今日の夜は、非常に不安です。もう一度、日を上げる政治家が出て来てほしいものです。

2010年7月10日土曜日

ブレ菅と舌禍枝野(2)

 今日は、枝野氏の件です。舌禍枝野です。

 物議をかもした枝野幸男幹事長の舌禍を下記に述べます。
1.みんなの党および国民新党に対して
 「国家公務員制度改革は、みんなの党と考え方は基本的に一緒だ。みんなの党の意見をうかがいながら、取り入れて行きたい」(6月27日 フジテレビ「親報道2001)

  これには、みんなの党の渡辺喜美代代表は、「悪質な選挙妨害にしか見えない。顔を洗って出直しなさい」と非難されました。民主党に不信感を抱く無党派層の囲い込みを狙う渡辺氏にとって、迷惑この上ない発言だったわけです。

2. 共産党に対して
 「国家公務員の労働組合が支持している大部分は共産党だ。国家公務員の組合で民主党を支持しているのはほとんどない」(6月27日 フジテレビ「親報道2001」)

 これについて、共産党の市田忠義書記局長は、「うそだ。取り消しなさい」と血相を変えて抗議しました。

 これらについて、「連立組み替え」を感じ取った国民新党は、「選挙後の連携のあり方を模索する時期ではない」と批判するコメントを発表し、下地幹事長は「与党で過半数を達成できないと認めるメッセージとなり、候補者の士気を失わせる」と猛烈に批判しました。これに枝野氏は謝ることもなかったために、枝野の盟友の安住淳選挙対策委員長が、6月29日、下地氏に会いに行き、「本来なら枝野は、頭を丸めなければならない」と陳謝しました。

3. 小沢氏に対して
(1)「(子ども手当支給などのマニフェスト変更を問題視したことに)硬直的、形式的に物事を進め、国民に迷惑をかけるのは無責任な大衆迎合だ」(6月29日、香川県綾川町で)

(2)「(菅首相が小沢氏に「しばらく静かにして」と発言したことについて)普通、「しばらく」はもうちょっと長い期間のことを言うんじゃないか」(同上)
と、小沢氏との関係も抜き差しならぬ状態になりつつあります。

 民主党最大の支持団体である連合傘下の公務員労組も枝野氏の言動にまゆをひそめています。国家公務員労組には、連合傘下の国公関連労働組合連合会(国公連合)と共産党系の全労連傘下の日本国家公務員労働組合連合会(国公労連)とありますが、枝野氏の発言は、連合から見れば傘下の国公連合を無視した見解となるわけです。

 この枝野発言は、参院選候補者を直撃し、枝野氏への不信感を募らせています。「幹事長のくせに支持団体のことも知らないのか」と憤激しています。

 これだけ、ミスをしても枝野は、「誤解をされないようにメッセージを発することも政治の責任だ」とヌケヌケと産経新聞のインタビューに答えています。菅首相は、勘も鈍くなり、勘違いも激しいようです。これで、選挙に勝てるのでしょうか。自ら、墓穴を掘ったような、民主党幹部の動向です。

2010年7月9日金曜日

ブレ菅と舌禍枝野(1)

 この話題は、1日で終わりそうにないので、舌禍枝野は、明日にします。

 今回、取り上げたのは、菅首相の消費税10%に対する発言です。この市民運動家出身の首相は、頭よりも先に口が出ます。一国の総理としては、軽薄過ぎます。

 菅氏は消費税増税を「公約だ」と明言した直後の6月20日(日)の夜、首相公邸で、仙谷、枝野、安住の側近3人が首相を囲んで話しておりました。そこに世論調査結果の出た翌日版の読売新聞が届きました。そこには、発足直後から「マイナス4%」という数字でしたので、「これなら増税でも選挙に勝てる」と意気揚々としていました。日曜のことなので、アルコールも入っていたかも分かりません。

 ところが、翌日に発表された各社の世論調査では、テレビ朝日の「マイナス13%」をはじめ、いずれも読売の調査結果よりもはるかに悪かったのです。

 そのために仙谷は、慌てて官房副長官らを召集して方針の調整を図りました。以後、菅氏は「すぐに上げるわけではない」「無駄の削減はあきらめてはいない」と強調し始めました。また、議員が勝手にテレビに出て、これらのことを離さないように全議員に対して「テレビ出演の際は党に届け出ろ」という通達まで出す始末です。こういうことは、あの小沢執行部もやりませんでした。

 そして、6月30日の東北演説で、菅氏は「消費税を低所得者に還付する」と言いましたが、その年収基準が曖昧でした。青森駅前までは、「年収が年間200万円とか300円とかより少ないひとたちには、その分だけ還付する」と言いました。秋田ビューホテルでの演説では、「年収300万円とか350万円以下に還付する。かかった消費税分は全額、還付するやり方もある」と言い、山形駅前の街頭演説では、「年収300万円、400万円以下のひとに還付する。かかる税金分だけ、全部還付する」と言ってしまいました。本来、ぼかすつもりでしたが、次々に発言を求められて、アリ地獄に嵌ってしまいました。

 理解に苦しむのは、10%という税率を口走ったことです。自民党からは、「われわれの案を盗んだ」と言われていますが、なぜ具体的な数字に踏み込んだのか、使い道も決まっていません。また、還付などということが実際に出来ると思っているのでしょうか、莫大な手間と費用がかかります。
この口先首相は、サミットの席でも「中国を呼ぶことも考えたらどうか」と発言し、各国首脳に黙殺されました。G8は民主主義国家の集まりで、共産主義国家の中国は参加できません。いきなりこういう発言をされて外務省の役人もびっくりしたそうです。パフォーマンス好きの菅首相は、まだまだやりそうです。

2010年7月8日木曜日

小泉・竹中改革が日本沈没を食い止めた???

 世にこんな馬鹿げた本が出ています。本の名前は、『日本経済の真実』(幻冬舎)といいます。辛坊治郎・辛坊正記兄弟の著です。辛坊治郎氏は、日本テレビのキャスターで、兄の正記氏と組んで、この本を出しました。わたしは、正記氏は知りませんが、治郎氏は嫌いなので、この本を買うと印税がかれらに入ると思い、借りて読みました。本のなかには、まあ、まともなところがないわけではありませんが、標題には、カチンと来ます。治郎氏は、読売新聞の渡邊恒雄氏の顔色を慮ってこの本を出したのでしょう。多分、参院選挙が近くなって、テレビでは、自民党擁護、民主党攻撃の発言を露骨には出来ないために、この本によって支援したのでしょう。この本をあろうことか、自分のテレビ番組で紹介しています。この本の印税が、会社に入るのであれば、まだ許せますが、すべて個人に入るはずです。こういうことが、許されるのか、不思議な会社です。

 そして、この本が、旭屋書店池袋店でビジネス部門の5月第4週の1位になっているのです。これも頭に来ます。

 書評では、「特に小泉・竹中時代の功績を高く評価しつつ、現政権には失望感と強い怒りを表明しているのが特徴だ」と書かれています。もう、小泉・竹中の政策を評価する人は、少ないと思うのですが、思いっきり胡麻を擂っています。これで、治郎氏は日本テレビの政治部長、制作部長の席は、確実でしょう。こういう公正な頭の働かないひとが、メデイアの幹部なので、日本をミスリードします。このテレビ局は、公共の電波を使いながら、思いっきりある球団を声援しています。政治についても、同じノリなのでしょう。総務省は、きちんと注意すべきです。

2010年7月7日水曜日

貴乃花親方の退職届

 日本相撲協会は相撲賭博で、激震が走っています。一応、名古屋場所を開催するために絆創膏を貼ったような処分でした、しかし、厳しいということを世間に示さなければということで、大嶽親方を解雇以上、大関琴光喜関を解雇としました。そのほかの力士も名古屋場所を休場とする謹慎処分を行いました。また、白鵬も花札をやっていたということで、処分はありませんでしたが、公開で謝罪をさせられました。
 たしかに大嶽親方の掛け金は、大きかったようで、負けが3000万円程度に達し、これを琴光喜関が肩代わりをやったようです。やった相手が、暴力団関係者ということもよくありませんでした。賭博の利益が、暴力団の資金源になったということです。今回は、以前の麻薬よりもましだったかも分かりませんが、それにしても、よく問題を起こします。
 相撲協会には、以前から、八百長問題などもありましたが、結局、大きな問題にならないままに闇に葬られて来ました。もともと、臭いものにはフタをという体質がありますし、お金に関してもごっつぁん体質が残っています。
 今回は、野球賭博の問題と、白鵬らの花札とは、別にすべきでしょう。野球賭博は、社会的にも問題が大きいので、厳罰で臨むべきです。大嶽親方、琴光喜関の処分も仕方がないでしょう。特に大嶽親方の場合は、親方として、力士を指導する立場にあり、弁解の余地もありません。琴光喜関については、どうでしょう。世間へのみせしめのために解雇にした感じがします。今回、貴乃花親方のみが、理事会で琴光喜関の処分に反対しましたが、外部委員によって却下されたそうです。貴乃花親方の案は、反省もしており、これまでも日本人最高位で頑張って来ているので、幕下付け出し、あるいは十両の一番下から、やらせたらどうだというものでした。琴光喜関は、まだ34歳で、人を殺したわけでもありません。やり直しのチャンスを与えたらどうでしょう。よくプロ野球選手が、戦力外通告を受けて後、恐喝などで、つかまっています。
わたしは、貴乃花親方の提案に賛成します。貴乃花親方は、これが、受け入れられなかったために、相撲協会に退職届を出しました。武蔵野理事長は、受け取らなかったようですが、現役時代も相撲人気を支え、現在もさまざまな提案をしている貴乃花親方が相撲協会を辞めると、情熱を持って相撲道を鼓舞するひともいなくなります。影響も大きいでしょう。
そうなると、日本相撲協会は、国際相撲協会に看板を替え、国技とかの呼称もやめ、財団法人資格も返納すべきでしょう。当然、NHKも年間30億円も払って、中継することは許されません。
 貴乃花親方が琴光喜関をかばったのは、先の理事選で貴乃花親方に1票を入れてくれたからと言う人もいますが、貴乃花親方が大相撲に真摯に取り組んでおり、琴光喜関の解雇を惜しいと思い、かつかれの今後を心配してのことだと思います。貴乃花親方には、エールを送りたいと思います。もっと相撲協会の改革に取り組んでほしいものです。
 わたしの気持としては、名古屋場所は、いったん休んで、もっと真剣に考えた方がいいように思います。特別調査委員会の調査時間も短過ぎます。なにも明らかになっていません。武蔵川親方も9月場所には、理事長に復帰して従来通りやるでしょう。元の黙阿弥です。この機会に若い理事長を選出してもいいでしょう。メデイアもしっかりせねばなりません。スケープゴートを2人作って、あとは謹慎、しかも一場所では、何の解決にもなりません。

2010年7月6日火曜日

橋下知事肝いりのバイオガソリン事業

 大阪府が実施しているバイオガソリン「E3」の普及事業が、頭打ちの状態になっているようです。どうもマスコミは、橋下知事のパフォーマンスのみを大きくとりあげていますが、結構、失政が多いのです。

 E3というのは、廃材木から抽出したエタノール3%をガソリンに混ぜた燃料のことです。直感的に経済的に成り立たないように思われます。

 これは、環境省からの委託を受けて、大阪府が平成19年から実証事業を開始しているものです。20年8月から一般車への供給が始まり、E3を供給するGSは現在、大阪府内に14カ所あり、鳥取、和歌山にもあって、計20カ所が設置されています。橋下知事もPR看板に登場するなど普及に一役買っています。

 大阪府地球環境課によると、昨年度の利用台数は延べ約66万台で目標を一応はクリヤしましたが、新たなGSの設置予定はありません。

 「石油連盟」は、E3は水が混入しやすく粗悪なガソリンを生むとして、協力を拒否しています。現在、E3を供給しているGSは、独立系か大手系列から離脱したところばかりです。府内には、GSは約2000店あるがE3を扱うところは1%に過ぎません。

 これまでに環境省からの委託金が、約40億円が投入されています。昨年の事業仕分けで、「石油業界の抵抗にあって、のんびりやっていたのでは、電気自動車に置き換わり、無駄になる」と指摘されています。E3の価格は、委託金もあって、134円(1リットル当たり)を維持していますが、委託金がカットされると、維持も出来ないでしょう。専門家からもE3では二酸化炭素削減の効果は薄く、せめてエタノールを10%入れたE10まで持って行かないと、コスト面を考えても普及拡大は望めないと言っています。 橋下知事の思いつき行政では、失敗ばかりである。

2010年7月5日月曜日

役員報酬1億円プレーヤー

今回の決算から、1億円以上の報酬をもらう役員は、公開しなければならなくなりました。これも、自民党政権から民主党政権に代わったために出来たことです。最終的に何人が1億円プレーヤーになるか分かりませんが、これまでのところ、ベストテンは、次のとおりです。単位は、百万円です。

1位 カルロス・ゴーン (日産自動車) 891
2位 北島義俊     (大日本印刷) 787
3位 アラン・マッケンジー(武田薬品工業)553
4位 細矢礼二      (双葉電子工業)517
5位 三津原 博     (日本調剤)477
6位 里見 治(セガサミーホールデイングス)435
7位 ハワード・ストリンガー(ソニー)    408
8位 毒島 秀行      (三共)     330
9位 荒井 元義     (ピー・エム・エル)321
10位 石井 勝     (高砂熱学工業)  313

恐れ入るのは、日産のゴーン氏です。日産を無配当にしておきながらのこの報酬です。これは、ストックオプションなどは、使っていません。すべてキャッシュです。ゴーン氏のおかげで、役員報酬は日産は、トヨタの4倍です。辞めてもらったらどうでしょう。かれの報酬の8億91百万円を稼ぐには、1%の利益率として、891億円の車を生産し、売らねばなりません。200万円の車ですと、4万5000台売ってやっとです。何を考えているのでしょう。
 
 電子機器メーカー出身者として、1億円プレーヤーがいなかったことにホッとしました。電子機器とは、全員が力を合わせて、企画し、開発し、生産し、そして販売するのです。大きなエアコンの部屋で胡坐をかいているようなひとに、何億もとられたのでは、やる気も失せます。日本の電子機器メーカーが、健全なのは、役員の報酬が、妥当な線にあるためかもわかりません。iPodでアップルに負け、ゲーム機で任天堂に負け、液晶テレビでシャープに負けているソニーの報酬が高いのが、これを象徴しています。ハワード・ストリンガーが408百万円、ニコール・セリグマンが183百万円、中鉢良治が147百万円、大根田伸行が137百万円、これは100位までですので、もっといるかも分かりません。

それにしても、大手電子機器メーカーの役員は100位に入っていません。解せないのが、双葉電子工業の細矢礼二の517百万円です。退職慰労金は入っておりません。たしか、表示装置とラジコンなどをやっていた会社かと思います。これに退職慰労金が加算されるとこの会社は、大丈夫かなと思ったりします。

それに株の運用でも、うまくいっていない野村ホールデイングスも100位以内に6人もいます。こういう会社は、株で会社を儲けさせて、それでストックオプションで貰うのは分かりますが、会社を儲けさせてないのに報酬で貰うというのも納得いきません。こういう会社と取引すると、固定費がかかり過ぎて儲けさせてくれないだろうと思います。「過ぎたるは及ばざるがごとし」で、社員が納得する報酬であってほしいものです。

2010年7月4日日曜日

菅首相の「ある意味では」

 菅首相は、首相指名後の記者会見でも、標記の「ある意味では」を20回使ったようです。これについて、6月30日の日刊ゲンダイは次のように解説しています。

 「ある意味では」という条件をつけると、いかなる論も成立するそうです。「ある意味では」と言っておけば、あらゆる失言が許され、表現の魔法ともいえる詭弁のツールと書いています。

 ここで、例にとっているのが、「○○さんには、ある意味では感謝しなければなりません。あのときの一喝がなければ、今でもわたしは非常識な社員のままでした」。こう言われると、たしかに耳に心地いい。しかし、これでは、本当に感謝しているのか、感謝の裏で、まだ恨んでいるのか不明と、書いています。
 また、大事な商談や明確な結論を出さなければならない会議では、「ある意味では」は、決して使うべきではない。厳しく突っ込まれますと、あります。

 これを分析すると、
①ある意味では→根拠の弱さを隠す。
「ある意味ではOKと思います」のように根拠の弱さを隠すときに使います。
②ある意味、逆に→論点をずらす。
会話の主導権を引き寄せたいときにも使われる派生フレーズで、こんなときは、代替案や妥協案がない場合がほとんどで、部下が使ったら、「何の逆なんだ?」と返すべきとあります。
③ある意味、仕方ない→努力不足の言い訳
これは「あそこの会社の体質だから、ある意味、仕方がない」という使い方で、本当は自分の努力不足なのにそれを棚に上げて他人のせいにする。

 仕事のミスを咎められて、「ある意味、織り込み済みです」とか、何も成し遂げていないのに、「ある意味、商談大成功」なんて、言い出すものもいるが、こういう輩は、黙殺すべきと書いています。 嵐山光三郎氏は、「ある意味では」と並ぶ詭弁ツールに「まさに」と「ご理解ください」があると言います。

2010年7月3日土曜日

危うい製造の中国頼み

中国でストが勃発しています。これまでは、上海や深圳に近いところばかりでしたが、今回は内陸部までに及び、規模も拡大しています。外資系の中国の工場は、工場や寮、社宅は工場敷地の中にあります。門は、頑丈な金属製の扉で閉められており、敷地のまわりは、塀で囲まれています。ところによっては、銃を持った守衛が立っています。したがって、従来は、工場で働く労働者は、外にあまり出ませんでした。外に出ても、街までは、相当の距離があります。三食ついていて、部屋には、テレビもあり、外を知らないあいだは、そこそこ幸せだったのです。3年間も働けば、田舎に帰ると貯金をしたお金を持って帰るので喜ばれます。お姉ちゃんが、帰って来ると、次は、妹が行きます。一人っ子政策といわれますが、農村では、いろいろ対策があります。

  ところが、海外から企業が進出してきて、工場がどんどん出来て来ます。すると、まわりの工場のことが気になります。進出して来る国も、さまざまです。日本企業は、大概、給料が安いと言われています。台湾系は、それ以上に安いようです。しかし、今のように皆が携帯を持つようになると、すぐに情報が入ります。うちの会社は、どうも安いようだ、となると、賃上げ交渉を行いたくなります。ストも起こります。

 日本も似た時代を経験しました。「就職列車」で都会に出てきて、工場で働きました。そして、狭いながらも我家を持ったりして、そこそこ幸せな時代を過ごしました。中国でも、そういう光景を目にします。一度、深圳から広州の鉄道に乗ってください。駅の近くには、工場があります。そして、マンションがあります。土日などの夕方は、そこから家族団らんの姿が見えます。

 ところで、アーサー・ルイスが“転換点”という言葉を提唱しました。要するに、発展途上国は農村には人が余っており、この人たちが都市に移動します。そして、労働力となって働きます。高い経済成長を支えます。しかし、農村の過剰労働力がなくなれば、賃金はやがて上昇を始めるというものです。中国は、転換点を過ぎつつあるように思います。

 中国での工場も内陸部に入らないと、人も集められなくなります。農村の人は、都会に出て働いて、多少高い賃金をもらっても、住宅費、食費などを差し引くと田舎で自宅から通う方が得だと考えており、親もそれを望んでいます。 結論から言いますと、この賃上げの嵐は、これからが本番です。中国の人件費が安かったというのは、昔の話です。これを避けるならば、ベトナム、バングラデッシュや、遠くアフリカを狙わざるを得ません。しかし、トータル的なエネルギーを考えますと、中国の内陸部に工場を作られる方が得でしょう。わたしたちは、こういう相談にも乗っています。

2010年7月2日金曜日

中国の外資系工場でスト続発

台湾系工場の多い昆山、仏山、恵州、深圳でストが続いています。きっかけは、5月上旬に台湾の鴻海(ホンハイ)グループの富士康科技集団(フォクスコム)の深圳工場で自殺者が相次ぎ、これをメデイアが報道してからで、5月17日にはホンダの仏山の部品工場で賃上げ要求してストライキが発生しました。これが、飛び火した形で24日からは完成車工場が部品不足で生産停止しました。

 火元の富士康科技集団は、27日には、現場従業員の基本給を平均20%引き上げる方針を発表しました。さらに6月1日には、中国での賃上げ幅を30%以上に拡大しました。そして、6月6日には、大部分の従業員の基本給を10月1日から67%引き上げると発表しました。富士康科技集団というのは、最大のEMS(電子製品の製造委託サービス)企業です。たしかに、従業員に対する締め付けが、非常に厳しかったことは有名ですが、しかし、なぜ続けて大幅な賃上げ回答をしたのでしょう。これだけ、大幅な値上げをしますと、競合のEMSにコストで負け、失注しかねません。もしくは、これだけ値上げしても、もともと極端に賃金が安かったので他社と伍していけるのでしょうか。これを、きっかけにクライアントに対して、大幅な値上げを要求するのでしょうか。中国は、新卒が入って来るのが、10月からですので、核になる人間は残し、これまでの従業員の多くを首にして、新卒でラインを組むのでしょうか。もしくは、深圳の工場は、最小限にして縮小して、別の都市に工場を作るのでしょうか。たとえば、内陸の重慶などに。これまでのこの会社のやり方を見ていますと、いろいろの可能性があります。 

しかし、2011年からの次の中国政府の5カ年計画では、賃金を倍にする目標が盛り込まれますので、賃上げの要求は、必ず厳しくなります。そのためには、あまり1カ所に大きな工場を作らないことです。従業員の多くいる外注を使わないことです。その土地の公安とは、なかよくしておくことです。いざというときに役に立ちます。現場の監督者は、人事管理に長けたひとを送り込まないといけません。 

2010年7月1日木曜日

「はやぶさ」の帰還と「あかつき」の金星への旅

静かに日本人を興奮させた「はやぶさ」が6月13日に大気圏に突入し、燃え尽きましたが、「イトカワ」で採集した史料の入ったカプセルは、無事オーストラリア南部のウーメラ近くの砂漠に落下しました。

「はやぶさ」は平成15年5月に打ち上げられ、地球から3億キロ離れた幅500mほどの小惑星「イトカワ」に向けて出発しました。そして、予定よりも3年遅れて、約60億キロの旅を終えて無事帰還しました。この間、さまざまな事故が起こりました。05年7~10月は姿勢制御装置にトラブルがおこり、それでも11月に「イトカワ」に着陸しました。その後、12月には事故によって7週間交信が途絶えました。その後、通信が奇跡的に戻り、07年4月に「イトカワ」の軌道を離れて地球に向けて出発しました。しかし、09年11月には、イオンエンジンの3基目も停止、帰還が危ぶまれましたが、壊れた2台のエンジンを組み合わせて、地球に帰る推進力を得ました。そして、奇跡的に帰還しました。

 世界中から、日本の技術力が称賛されました。少し、自信をなくしつつある日本にとっては、吉報でした。是非、自信を取り戻したいと思います。

 カプセルの中身の解析には、随分時間がかかるようですが、銀河系の創造のことが分かれば嬉しいものです。

 この「はやぶさ」に因んでか、東北新幹線の最新車両は、「はやぶさ」と命名されました。
 この「はやぶさ」の帰還の約1カ月前の5月22日に金星探査機「あかつき」が、H2Aロケットで宇宙空間に新たに旅立ちました。12月には、金星の上空に到着し、2年間にわたって観測するそうです。

 そして、この打ち上げには、太陽光の圧力を受けて進む宇宙ヨット「イカロス」が航行します。一辺が14mの正方形で、凧のような形をしており、薄い高分子の膜でできています。成功すれば、エンジンも燃料も不要で宇宙帆船が実現します。「宇宙大航海時代」が現出します。SFの世界が、現実になるのもそう遠くないようです。 「イカロス」とは、ギリシャ神話上の名工ダイダロスの子で、父の発明した翼で空中を飛んだが、高く飛び過ぎ、太陽の熱で翼の蠟が溶け海に落ちて死んだと言います。成功を祈りたいものです。