2010年4月30日金曜日

大久保容疑者の第2回公判で何が起きたか(2)

 ところで、昨日のブログの中の政治デスク氏のコメントの中で気になるのは、「昨年の西松事件で起訴された大久保秘書の公判がまもなく結審し判決は4月頃になる予定。有罪は確実」という部分です。
なぜ、そんなことがわかるのでしょうか。この人物は、現在大久保裁判がどうなっているのか取材していないのでしょうか。
 実は、この大久保裁判にはある変化が起こっているのです。それは、1月22日の次の新聞記事を見ればわかることです。
 政治資金規正法違反事件で逮捕された小沢一郎氏の公設第一秘書、大久保隆規容疑者(48)について東京地裁(登石郁朗裁判長)は22日、今月26日から2月26日まで指定していた西松建設の違法献金事件の期日4回をすべて取り消しました。次回は未定。大久保容疑者に対する西松建設事件の公判は2月にも結審する見込みでした。しかし、大久保容疑者に対する捜査が続いているため、検察、弁護側、地裁の3者が期日を取り消すことで合意した。(2010.1.22付/産経新聞)
 つまり、検察が大久保裁判の延期を申し入れたのです。その表向きの理由は、検察が大久保容疑者を逮捕(再逮捕にあらず)したからです。
 推測ですが、検察は石川問題で本当は大久保氏まで逮捕するつもりではなかったと思われるのです。しかし、今年の1月13日に行われた大久保容疑者の第2回公判で検察側がショックを受ける思わぬことが起こったため、急遽大久保氏まで含めて逮捕したのです。そうすれば、1月26日に予定されていた第3回公判を「拘留中」という合法的な理由で延期できるからです。
 それでは、1月13日に行われた大久保裁判の第2回公判で何が起こったのでしょうか。
 13日、「政治資金規正法違反」に問われた小沢一郎の公設秘書第一秘書、大久保隆規(48)の第2回公判が開かれ、「検察側」の証人として出廷した西松建設の岡崎彰文・元取締役総務部長(68)の尋問が行なわれました。
読売新聞記事には、『準大手ゼネコン「西松建設」から小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」などへの違法献金事件で、政治資金規正法違反(虚偽記入など)に問われた小沢氏の公設第1秘書で同会の元会計責任者・大久保隆規被告(48)の第2回公判は、13日午後も、岡崎彰文・元同社取締役総務部長の証人尋問が行われた。岡崎元部長は、同社OBを代表とした
  二つの政治団体について、「西松建設のダミーだとは思っていなかった」と証言した。公判では、大久保被告が両団体を同社のダミーと認識していたかどうかが争点で、審理に影響が出そうだ。岡崎元部長は、裁判官の尋問に対し、「二つの団体については、対外的に『西松建設の友好団体』と言っていた。事務所も会社とは別で、家賃や職員への給料も団体側が支払っていた」と説明。前任者に引き継ぎを受けた際にも「ちゃんとした団体で、問題はないと言われていた」と答えた。昨年12月の初公判で、検察側は、同社が信用できる社員を政治団体の会員に選び、会員から集めた会費を献金の原資にしていたと指摘したが、岡崎元部長は「入会は自分の意志だと思う。私自身は、社員に入会を強要したことはない」と述べた。』と報じています。この公判で、岡崎元部長の証言に大慌てした検察側は、「あなた自身が訴訟を起こされることが心配で、本当のことを話せないのではないか」と聞きましたが、「なぜそんなことを言われるのかわたしには分からない。もともとダミーだとは思っていなかった」と話しました。
 どうも大久保容疑者を西松建設で有罪にすることは、難しいようです。

2010年4月29日木曜日

大久保容疑者の第2回公判で何が起きたか(1)

 民主党の支持率の低下が、小沢幹事長の政治とカネにあるという報道がなされています。これに鳩山首相のカネの問題、指導力のなさがこれに拍車をかけています。2月21日の長崎県知事選、東京都の町田市市長選でも民主党は大敗しましたが、すっかり遠い昔のように思われます。今は、「小沢=巨悪」という構図は、少しマスコミも騒ぎませんが、7月の参院選挙の公示がされる頃になると、また書き始めるでしょう。国民の間に根付いてしまっているかのように見えます。
 二大政党のひとつである自民党は、脱党が続き、メルトダウンの状態です。元首相の人たちは、何をやっているのでしょう。森、安倍、麻生などなど。結局は、自民党は、党としての組織が出来ていなかったのでしょう。
さて、2年連続で、小沢氏の秘書(現職国会議員を含む)3人を逮捕・拘留・起訴し、マスコミがあれだけ書き立てれば、小沢氏自身がたとえ不起訴でも、灰色だということで、いつまでもダーティな色が消えません。自民党と官僚組織と大企業と大マスコミの連合軍の勝利といえるでしょうが、不思議なのは、マスコミです。コメンテータの選び方も政治について、話せる人はほとんどいません。芸能界の評論だったら出来るのでしょうが、政治についてコメントするのは、20年は早いと思われる人たちばかりです。メデイアには、判断力、良心がないのでしょうか。どういうわけか、多かれ少なかれ小沢憎しで報道されているように思われます。
 現在の世の中は、大別すると、次の2通りの人たちがいます。
 (1)新聞・雑誌・TVは見るが、ネットはほとんど見ない
 (2)新聞・雑誌・TVに加えて、ネットも丁寧に見る
 (1)の人たちについては完全に「小沢=巨悪」と考えているのに対し、(2)のネットも丁寧に見る人たちは今回の小沢捜査は、ちょっとおかしいのではないかと感じている人が多いようです。
 『週刊新潮』3/4日号の関連記事では、「政治デスク」なる人物が次のようにコメントしています。
 これまで、小沢幹事長辞任は5月の訪米後かといわれていたが、この敗北で時期が早まるのではないかという声が党内の反小沢系議員の間から出ている。昨年の西松事件で起訴された大久保秘書の公判が間もなく結審し、判決は4月頃になる予定。有罪は確実とみられ、そのタイミングでの辞任がベストというわけです。  
 勝手に小沢氏は辞任すると決め付け、大久保秘書の有罪は確実と書いているところから見て、この政治デスクはネットの情報を信用しないか、まったく見ていないと思わざるを得ません。
  私が不思議に思うのは、私のような部外者でも当然に感ずる疑問を(小沢氏から距離を置く)民主党の一部の大臣たちが、ことあるごとに小沢氏に対して「もっと説明責任が必要だ」などと発言するのは、どうかと思うのです。彼らは、本当に「小沢=巨悪」と信じているのでしょうか。それともこれを機会に小沢追い落としを狙って発言しているのでしょうか。
 そういうことをいっさい口にしない岡田外相は、「小沢幹事長が必死で戦っておられるときに説明責任をなんていえない」と発言していますが、これが民主党の大臣として当然の発言ではないかと思うのです。これまでの展開はあまりにも異常です。(明日へ)

2010年4月28日水曜日

参院選出馬の著名人

 4月23日に大阪の落語家の桂きん枝氏が民主党から比例区で立候補することを決めました。桂きん枝氏は、桂文枝氏の弟子で、桂三枝氏は兄弟子になります。桂三枝氏は上方落語協会の会長で、大阪での力は大したものです。選挙になると、陰ながら応援するでしょうから、「お笑い100万票」が、大きく流れるでしょう。大阪の落語協会には、東京のように二つ目とか真打ちなどはありません。身分上は、全員フラットです。多少の経験年数は考慮されるでしょうが、人気がすべてです。こういうところで、この年齢になるまで、第一線で生きて来ていますので、桂きん枝氏は、相当にやるでしょう。かれは、上方落語協会も退会し、所属する吉本も退職しました。選挙活動に専念するためです。
 ここまでに著名人(?)で立候補を決めているのは、次のとおりです。
1. 池谷幸夫(39) 民主党 比例 体操
2. 岡崎有紀(56) 民主党 比例 女優
3. 桂きん枝(59) 民主党 比例 落語家
4. 庄野真代(55) 民主党  比例 歌手
5. 長塚智弘(31) 民主党 茨城 競輪
6. 岡部まり(50) 民主党 大阪 タレント
7. 敏 いとう(70) 国民新党 比例 歌手
8. 西村 修(38)  国民新党 比例 プロレスラー
9. 田島みわ(45)    自民党 比例 元女優
10.三原じゅん子(45) 自民党 比例 女優
11.堀内恒夫(62)    自民党 比例 元プロ野球監督
12.石井浩郎(45)   自民党 秋田 元プロ野球選手
 これらの名簿を見ても民主党の方が、進んでいるようです。やはり、政権をとっているのととっていないとでは、大きな違いです。7月の選挙が楽しみですが、これらの人たちも真面目に政治活動に取り組んでほしいものです。

2010年4月27日火曜日

岡部まりさん、民主より参院選出馬

 東京の人には、岡部まりさんといってもご存じないでしょう。しかし、大阪ではよく知られています。以前にも、ブログにも書きましたが、朝日放送の金曜の夜11時過ぎからの『探偵!ナイトスクープ』の秘書役です。この番組は、この時間帯であるにもかかわらず、視聴率20%以上をかせぐお化け番組です。現在は、局長が西田敏行氏ですが、以前は、上岡龍太郎氏がやっていました。お笑いタレントが探偵となって、視聴者からのリクエストでさまざまなところに出かけて行きます。残念ながら、東京では、放映していません。
 この秘書役の岡部まりさんが、民主党の参院大阪区から立候補することが決まりました。民主党は、現在1人ですが、小沢幹事長の方針で、複数区は2人立てることにしました。
現職の議員は、2人になると共倒れになるとして難色を示しましたが、ツルの一声で2人なりました。
 そして、この岡部まりさんは、多分、圧倒的に勝利するでしょう。自民党から立候補していても当選するでしょう。小沢氏は、いい人を選びました。岡部さんは、この番組以外には、あまり出ていません。したがって、この番組のイメージが強く、岡部さんも好印象にとられています。大阪には、「お笑い100万票」といわれ、これまで西川きよし氏、横山ノック氏らが大量得票で当選して来た経緯があります。そして、岡部さんは、この番組一筋で21年間、出演しており、知名度、好感度は抜群です。大阪の有権者で、彼女を知らない人はいないでしょう、すごく美人ではありませんが、かなりの美人で、いやみもなく、欠点が見当たりません。大阪選挙区の定員は3人ですが、多分、トップ当選すると思います。政治家としての資質は、分かりませんが、この番組のみで21年間も続け、高視聴率を稼ぎ続けたという実績も本人の自信になっているでしょう。選挙でどういうことを話すか、選挙の楽しみがひとつ増えました。

2010年4月26日月曜日

青海省の風景

 青海省の風景を4点、紹介します。残念ながら、わたしが撮ったものではありません。この景色は、7月中旬です。青海省は、チベットから続く高原です。省都の西寧市も2600~2700mの標高にあります。青海省の夏は、短いのです。
 中国で考えますのは、すぐにGDPがどうだとか、統計数字のみを見て言うコメンテーターがいますが、農村を見るとよく分かります。5年ほど前は、農地も荒れていました。ところが、胡錦濤、温家宝体制は、農民の税金をゼロにするなどして、農村の復興に力を入れました。その結果、この写真にもあるように山の際まで、小麦や菜の花の畑が続いています。そして、これらの写真のようにきれいな景色が広がっています。これは、青海省だけでなく、農村にはすべて言えることです。それに比べて日本の農地は、一部を除いて荒れています。農地を見ると、その国の国力が分かるような気がします。
 中国へ旅行に行かれる場合には、北京や上海だけではなく、むしろ都会をはずして、自然のきれいなところを見ていただきたいと思います。この青海省もそうですが、四川省、雲南省などもスケールも大きく、素晴らしいです。是非、出かけてみてください。

2010年4月25日日曜日

青海省西寧の風景

 西寧空港から西寧市の街中まで約27キロあります。その間は、片道2車線の高速道路で結ばれています。そして、西部劇に出て来るような風景が続きます。青海省は、日本の2倍の面積があるにもかかわらず、人口は約560万人です。省都の西寧市には、その半分近くの218万人が住んでいます。
 高速道路から見える山は、砂で出来たように見え、壊れやすいように見えます。このためか、これらの山が崩れた時を想定し、大規模な立ち退きが進められています。地形を維持するために山には、植林が行われていますが、なかなか育ちそうにありません。それでも緑化委員会を作って、地道に植林を続けています。人間の努力と自然の力と最後は、どちらが勝利するのでしょうか。そういうことに思いを馳せた27キロでした。途中、道教の寺がありました。北禅寺といいます。もともと仏教寺院でしたが、北魏の時代に道教寺院となりました。断崖のところどころに窟が穿かれ、それらを回廊でつながっています。堂宇の並ぶ上までは、かなりの段数があります。高度も結構高いので、苦しそうです。
 ラマ教の教え、道教の教え、仏教の教えなど、よく区別がつきません。いずれも根は同じなのでしょうが、外見的には、違って見えます。いつか、時間があれば、これらの道教の寺も訪れ、僧の話も聞きたいと思います。ラマ教では、インドの発音そのままにあえて中国語に直さず、サンスクリット語のままに発音するようです。意味はまったく分からずとも声を出している間に、悟りの言葉が分かって来るのでしょう。音楽を聞くように心の中に入って来るように思います。

2010年4月24日土曜日

チベット仏教の僧侶

 チベット仏教の僧侶は、毅然とした生活と思いきや、非常に人間的な日常を送っています。写真は、ラマ僧とのワンショットです。気軽に一緒に撮ってくれました。かれらは、携帯も当然のごとく持っており、よく電話しています。誰に電話しているのでしょう?興味があるところですが、さすがに聞くのは躊躇われました。
 そしてかれらの履物といえば、若い人僧侶は、スニーカーです。そして、年配の僧侶は、革靴です。中には、サンダルの人もいますが、何を履いてはいけないということもないようです。
 ラマ僧は、妻帯できません。しかし、見えないところに家族を持っているかもしれないそうです。垣間見た限りでは、永平寺の僧のような厳しい修行をしているようには見えませんでした。したがって、どこかに隠し子がいてもおかしくないかなと不遜なことを思った次第です。

2010年4月23日金曜日

チベット仏教

 地震のあった玉樹のある青海省の省都の西寧市には、チベット仏教発祥の地である塔爾寺があります。大金瓦堂は、屋根全体が金箔で葺かれています。入り口近くには、八つの塔があり、八宝如意塔があります。八というのは、仏の八大功徳を現わしています。一番奥には、上酥油花院というのがあり、昔、チベットを懐柔するために皇帝の娘をチベットに送りました。そのときの娘のために造られたお堂ということです。酥油花というのは、バターで造られた花で、きれいな色に着色されています。熱に弱いので、常にエアコンで冷やされています。それでも、1年しかもたず、毎年造り直されます。
 チベット仏教の発祥の地は、チベットとばかり思っていましたら、そうではないようです。チベット仏教には、ダライ・ラマ系とバンチャイ系があります。ダライ・ラマ系は、奴隷を所有する階級であり、奴隷制を認めない共産党がチベットを制圧した時にインドに逃げました。バンチャイ系は、庶民派ですので、以後も中国国内に生き残りました。したがって、中国のチベット仏教は、バンチャイ派ということになります。
 チベット人は自分の収入を三分し、ひとつを自分の生活に、ひとつを奥さんの装飾に、ひとつをお寺に寄付します。日本の宗教団体も給料の10%を寄付させるところが多くありますが、チベット仏教の場合は、その3倍ほど寄付します。したがって、チベット仏教の指導者は、金持ちです。運転手付きの高級車に乗っています。妻帯は、していません。
 チベット仏教は、転経桶というぐるぐる回すものがあります。時計回りに回します。回す時に「オー・マー・ビー・バー・ビー・フォン」と言いながら回すと、念願が叶うそうです。堂宇を回るときは、時計回りです。入り口の敷居を踏んではいけません。
 また、五体投地は10万回しなければいけないそうです。五体投地をしながらチベットまでゆく人もいます。ラサのホダラ宮まで行く人がいますが、この人たちは、手押し車に荷物を乗せ、先に車を押して行って、車をおき、自らは、元の地点まで戻って再び五体投地で進みます。気が遠くなるくらいの時間がかかり、疲れるでしょうが、これを続けます。ダライ・ラマ14世からは、想像の出来ない馬鹿なほど気の遠くなる行動です。

2010年4月22日木曜日

中国古代の地震予知

 古代の中国の人は、偉かったようです。右の写真と図は、地震予知の機械です。地震が起こる兆候があると、重りが動きます。左の写真は、これをさらに大きくしたもので、龍は玉を咥えています。そして、地震の兆候や地殻変動があると、その咥えた玉が落ち、蛙の口に落ちます。そうすると、その蛙の方向で地震があるということです。実際に予知できたかどうかは分かりませんが、古代の人の怖れがよく分かります。
 中国では、地震と蛙は、密接なつながりがあり、四川大地震の時も、地震の前に蛙が大移動しました。中国の地震予報は、当たらないために蛙を飼った方がましだ、と言われています。また、地震予報局は、蛙局にしろと言う人もいます。地震予知が出来るかという質問に誠意ある研究家は、できないとはっきり言っています。願望としては、地震予知ができればと思いますが、毎年、多くのお金を投じて、地震予知を行っていますが、その効果は怪しく、日本でも蛙を飼った方が確かで、安くつくかも分かりません。

2010年4月21日水曜日

無罪の可能性のある大久保容疑者(2)

 4月17日の続きで す。検察の立場で考えますと、大久保容疑者は何が何でも絶対に無罪にはできません。昨年の衆院選挙前に最大野党の民主党の代表である小沢一郎氏の公設第一 秘書である大久保氏を逮捕し、代表を辞任にまで追い込んだのです。もし、大久保容疑者が無罪になれば、検察による前代未聞の究極の選挙妨害といわれても仕 方がありません。そんなことは何としても避けたいと、検察は考えるはずです。
 しかも検察は大久保容疑者の判決が出る前に、その大久保容疑者を含 め、2人の秘書まで逮捕・拘留・起訴をしているのです。そのうちのひとりは、現職の国会議員です。これは、あくまで大久保容疑者が有罪になるという前提で やったことです。少なくとも一審では有罪にしないと、検察の威信と信用は地に墜ちます。
 そこで心配されるのが、福島県前知事の佐藤栄佐久氏の公 判のケースです。この裁判にも水谷建設が深くからんでおり、石川議員のケースと似ています。
 しかし、逮捕の原因になった水谷建設元会長の証言が ウソであることが判明しており、本来なら無罪にならなければならないのですが、なかなかそうなりません。
 佐藤栄佐久・福島前知事事件判決の異常 さ/木村剛氏のプログによりますと、『この判決の中身を詳細に見た時に、その内容の異常さに驚かされる人は多いはずだ。判決文からは「無形の賄賂」や「換 金の利益」などの驚くような言葉が次々飛び出してくるからだ。判決文は、佐藤前知事が一体何の罪で有罪になったのかが、全くわからないような内容になって いるのだ。もっとも驚かされるのは、二審では一審で佐藤前知事が弟の土地取引を通じて得ていたと認定されていた賄賂の存在が否定されたにもかかわらず「無 形の賄賂」があったとして、裁判所が有罪判決に踏み切ったことだ。元々その賄賂の根拠というのは佐藤氏の弟が経営する会社が水谷建設に土地を売却した際、 その売却額が市価よりも1割ほど高かったので、その差額が佐藤氏に対する賄賂に当たるというものだった。ところが、その建設会社はその後、更に高い値段で 土地を売却していることがわかり、「市価より高い値段による賄賂」の大前提が崩れてしまったのだ。そこで検察は「換金の利益」つまり、仮に正当な値段で あったとしても土地を買い取ってあげたことが「無形の賄賂」の供与にあたると主張し、裁判所もそれを認めた。つまり、取引が正当な価格でなされていたとし ても土地取引そのものが賄賂にあたると認定されたわけだ』。検察は、あの手、この手を使うようです。国民は、大久保氏が悪いことをしたのか、その程度は、 酷いものか、他の特に自民党の国会議員はやっていないのか、公平、公正にいやってほしいものです。大久保氏をこの件で有罪にするのは、難しいように思いま すが、どうなるのでしょうか。

2010年4月20日火曜日

中国の玉樹大地震(2)

 たまたま玉樹地震の発生後に青海省の省都の西寧市にいたことは、昨日述べました。そして、俳優のジェット・リーも救援の慰問に駈けつけていました。今回の中国政府の対応は非常に早く、地震発生日の14日には、温家宝首相が玉樹を訪問し、青海省長とともに陣頭指揮をしていました。また、18日には胡錦濤国家主席が、南米を歴訪中でしたが、急遽帰国し、被災地を訪れました。玉樹県はチベット族の自治州です。
 被災地で実際の救援活動を行っていたのは、軍ですが、その輸送方法もさまざまな方法をとっていました。まず、軍用トラックによる方法(写真1)です。この写真は、高速道路の走行中に撮ったものです。次が軍用輸送機による方法(写真2)です。この写真は、西寧空港のバスから撮影しました。輸送機の後部のハッチ部分が開き、ここから兵士や救援物資を積み込んでいました。3番目が列車による方法です。4番目が貸切バスによる兵士の輸送です。航空機の場合は、玉樹周辺に大きな飛行場がないことから、西寧にまず運び、ここを基地にして、主にトラックを輸送手段として運ぶようです。最終的にどの程度の動員をかけたのか分かりませんが、武漢、成都、西安などの部隊名を見ました。写真3は、西寧空港で待機している兵士たちです。これから、被災地に行くということでしたが、西寧空港から先がなかなか行けず、空港内の待合室のイスで休息をとっていました。
 また、西寧空港には、玉樹から送られてきた重症患者を治療するための医療部隊の車やテントが張られていました。医師、看護師たちは、ブルーのキャップ、ブルーのマスク、ブルーの上着を着用して、懸命に治療に当たっていました。
 青海省というのは、面積は日本の2倍ほどあるのですが、人口は540万人ほどで、人口密度が極端に少ないところです。この地域は、先の四川地震を始め、大きな地震地帯になっています。この地域は隆起によってできたところで、海であったところが隆起した結果として、多くの塩湖があります。以前は、これらの隆起地帯は、地層が安定していると思われていたのですが、どうやらそうではなかったようです。今後も地震の発生の可能性を多く潜んでいますので、日本の地震予知技術の出番でもあるでしょう。

2010年4月19日月曜日

中国青海・玉樹の大地震

 仕事で青海省の省都の西寧に来て、昨日(14日)、玉樹で大地震があったことを知りました(このブログは、西寧からシンセンに17日に戻って書いています)。玉樹は青海省の南西の端にあります。
シンセンから、西安経由で西寧に入ったのですが、西安では2時間以上足止めを食いました。兵士や救援物資の輸送を優先したために民間航空機の離着陸は、相当に制限を受けました。夕方に着いてホテルで打ち合わせをしておりますと、俳優のジェット・リーも到着しました。紹介しますということで、写真のように一緒に写りました(写真1)。地震が起こってすぐに被災地に来るとは、感心しました。社会的義務も十分に考えているようです。四川大地震やその後の地震の経験もあるのでしょうが、役割も十分に身に着いているようです。
 西寧空港に降りますと、軍用トラックが何十台も列を組んで走っています。中には、兵士が、荷台に座ってじっとしています(写真2)。ここから、被災地の玉樹までは、約800キロです。かなりのところまでは、高速道路があるのでしょうが、それにしても大変な距離です。横になることも出来ず、到着までにぐったり疲れそうです。
 17日に西寧空港からシンセンに戻るときには、救援物資が、段ボールに入って山のように積まれていました。青海省は滅多に雨の降らないところですので、テントなしでも問題なさそうですが、細かい砂が口にも入って来ますので、そちらの方が心配です。これ以上の死者が出ないことを祈るばかりです。

2010年4月18日日曜日

小沢幹事長のどこが気に入らないのか

 小沢氏の集めている金が巨額だから悪いという意見があります。しかし、額の問題ではないでしょう。けっして小沢氏が、自分の贅沢のために集めたとは思われません。作家の大下英治氏は、小沢氏側近の松木謙公氏の話として次のように紹介しています。
 『世間には、小沢が巨額の政治資金を集めていること自体が問題だという人がいる。しかし、松木謙公はそうは思わない。たとえば、小沢が毎日、違う色のベンツに乗っていたり、贅沢三昧をしているのであれば「いい加減にしてよ、小沢さん」といいたくなるだろう。が、小沢はまったく贅沢していない。乗っている車はミニバン型乗用車である。外食も、大衆居酒屋の「庄屋」などを利用することが多い。食事に関しては松木の方が贅沢かも知れない』。
 松木謙公氏は、一新会の事務局次長ですので、小沢氏よりの発言が多いことは、仕方がないでしょう。しかし、小沢氏が民主党議員らと行くのは、わたしらサラリーマンがゆく安い居酒屋が多いようです。自民党や自民党の色の抜けない渡部恒三氏らのように高級料亭には、行きません。車もそうです。サラリーマンがよく乗っているミニバンです。自民党の議員の車は、すべて黒塗りの高級車です。このあたりをメデイアも正しく報道してほしいものです。
 小沢氏が他の議員より多くのカネが必要なのは、選挙のための秘書を多く抱えているためでしょう。この秘書団によって、先の衆院選挙も勝てたと思います。このあたりの費用を明快に出せばいいと思うのですが、それをやると小沢魔術のネタがばれると思っているのかも分かりません。民主党にとっては、希有な、絶対必要な人物です。鳩山首相は、いくらも代わりがいるでしょうが、小沢幹事長の代わりはいません。わたしは、小沢幹事長を毛嫌いする人の気がよく分かりません。見た雰囲気とメデイア、特にテレビのコメンテーターに大きく影響を受けていると思います。メデイアのひとたちには、公正、公平、そして信念を持っていないひとは、なるべきではありません。

2010年4月17日土曜日

無罪の可能性のある大久保容疑者(1)

 小沢氏の公設第一秘書の大久保隆規氏が東京地検特捜部に逮捕されたのは、2009年3月3日のことです。逮捕された容疑は西松建設から献金を受けたにもかかわらず、別の政治団体から献金を受けたようにして、収支報告書にウソの記載をした疑いがあるというのです。その政治団体というのは、次の2つです。
 1.「新政治問題研究会」(95年設立、06年解散)
 2.「未来産業研究会」(98年設立、06年解散)
 これら2つの政治団体は、西松建設のOBが代表を務めていた政治団体です.。しかし、政治団体としての実体はなく、西松建設のダミーの団体だと検察はいうわけです。そして、大久保秘書はその団体が西松建設であることを知りながら、献金を受けたとして逮捕されました。
 ところが、2010年1月13日の第2回公判で、検察側の証人として出廷した西松建設の岡崎彰文・元取締役総務部長は、「2つの政治団体は事務所も会社とは別で、家賃や職員への給料も団体側が払っていた」と、実体があったことを証言したのです。
 実は、この部分がこの裁判の核心部分なのです。もし、これら2つの団体がダミーではなく、本当に実体があったとすると、大久保容疑者を逮捕する理由がなくなってしまいます。
 大久保容疑者は、検察の取り調べに対し、一貫して西松建設とは知らなかったといい切っているのです。そのことに加えて検察側の証人から団体は西松建設ではなく、実体があったといわれてしまうと検察はきわめて苦しくなります。
 この事態に慌てた検察側は、「あなた自身が訴訟を起こされることが心配で、本当のことを話せないのでしょう」と証言の撤回を求めました。しかし、岡崎氏は、証言を翻しませんでした。裁判官も岡崎氏に確認しましたが、岡崎氏の答弁は一貫していました。
 実は岡崎彰文氏も逮捕されており、調書はとられているのですが、裁判では証言を翻しているのです。なぜ、こうなるのかというと、検察側は勝手にストーリーを組み立てていて、その流れに乗って容疑者を自白させようとしているからです。そしていったん調書を取ると、後から絶対に訂正に応じないので、容疑者は裁判で供述を翻すことになるのです。
 これによって不利になったのは検察側です。このままいくと、大久保容疑者は無罪になり兼ねないので、16日に大久保氏を逮捕しています。本当は15日に石川容疑者たちと一緒に逮捕したかったのでしょうが、所在がわからなかったので、一日遅れて16日に逮捕しました。一般的に逮捕するときは、事前に所在をチェックしておくものなのですが、それをしていなかったところに検察のあせりがあると見られています。
 東京地検特捜部が国民からの批判を覚悟の上で、再び陸山会に家宅捜査に入ったのは、おそらく国民の目を大久保公判からそらしたいという気持ちのあらわれであったと考えられます。既に陸山会には大久保容疑者逮捕のときに徹底的な家宅捜査をやっているので、めぼしいものが出ないことはわかっていたのでしょうがそうせざるを得ない事情があったのです。
 そして、1月22日には、検察側は大久保公判の日程をすべて取り消し、延期をしてしまったのです。なぜなら、このまま進むと、3月後半には判決が出てしまうためです。もし、そこで無罪ということになると、それまでの小沢捜査は何であったのかという検察に対する国民の批判が巻き起ることになることを検察は何よりも恐れたからです。(この多くは、Electronic Journalから引用しました)

2010年4月16日金曜日

小沢幹事長に期待する春風駘蕩の雰囲気

 民主党の支持率、内閣支持率ともに下がり続けています。理由は、マスコミによると、小沢幹事長のカネと鳩山首相の優柔不断さが原因のようです。政策にも一貫性が欠けることも大きいのでしょう。
 まだ民主党は、古事記的にいえば、国が固まる前の状態ですので、いろいろあります。もう少し暖かい目で見てあげないといけないのでしょう。明治維新のときにそれまで権力側であった士族が不満で反乱を起こしました。今も、まだまだ固まる前です。新党もいろいろ出来ますが、主流になれるようなものはありません。せいぜい政局を混乱させるだけでしょう。ゾンビのような人が出てきた感じです。自民党にとっては、70歳以上の老政治家には、平沼、与謝野氏らとともに自民党を出ていってほしいでしょう。自民党という党名も与えたらどうでしょう。
 ここで、日本を正しい方向、国民が幸せに感じる政治にするために、小沢幹事長には、西郷隆盛のような役割を是非担ってほしいと思います。難しい顔は、当分、捨ててほしいと思います。小沢幹事長が現れると春風駘蕩という雰囲気になるとみなが思うような日常の態度をとってほしいものです。岩手の人のいい庄屋さんのような感じです。カミソリのように近づくと切られるという今の感じでは、国民は安心しません。国民は、安心を求めています。党内で悪口を言って、これを発言の自由とかいう程度の低い人には、国会議員を辞めてほしいと思います。春風駘蕩の雰囲気が、今の日本には必要なのではないでしょうか。言い争い合うのは、もうしばらくは勘弁してください。

2010年4月15日木曜日

リズが9度目の結婚(?)

 2度のアカデミー主演女優賞を受賞したハリウッドの伝説的女優であるエリザベス・テイラーさん(78)が婚約をしたと米芸能誌のUSウイークリーが報じています。相手は黒人男性ジェイソン・ウインターズ氏(49)で、マネージャー会社を経営しており、ジャネット・ジャクソンさんなどのマネージャーもしています。
 テイラーさんは、今回で9度目の結婚。これまで、コンラッド・ヒルトン氏、歌手のエディ・フィッシャー氏、俳優のリチャード・バートン氏らと8度の結婚歴があります。リチャード・バートン氏とは、2度結婚しており、ジェイソン氏は8人目の夫となります。最後の結婚は1996年で、現在子供4人と孫9人がいます。テーラーさんは、1942年にデビューし、人気子役として活躍しました。60年公開の「バターフィールド8」と66年公開の「バージニア・ウルフなんかこわくない」で2度のアカデミー主演女優賞に輝いています。一方では、50年の初婚から俳優や映画プロデューサーらと結婚、離婚を繰り返し、私生活でも話題を集めてきました。
 今は、健康上の問題から車椅子での生活を余儀なくされているテイラーさんですが、恋愛ではまだまだ現役であることを見せ付けた感じです。2人の交際は2007年に英誌「イブニング・スタンダード」で、長期休暇をハワイで過ごす様子が報じられました。同誌によると、当時の関係者も「彼女はもう恋することはないと思っていたが、ジェイソンと出会って、人生は変わった」と熱愛ぶりを語っています。
 8度目の結婚は1991年で、20歳年下の建設作業員のラリー・フォーテンスキ氏が、相手でした。「これが最後」としていましたが、5年の結婚生活の後、96年に離婚しました。
 WENNによると、エリザベスは過去25年間で100回以上、病院を訪れているそうです。脳腫瘍の手術の後に脳梗塞を起こしたことがあるほか、皮膚がん、肺炎などで入院。現在も脊柱側わん症を患っており、慢性的な首の痛みに耐えているとのことです。『人生を病院で過ごすなんて生き方は間違っている』と言っており、もう手術室の中は見たくないと話しています。ただ、脊柱が曲がっていることによる圧迫を緩和するための手術が一日も早く必要なのも事実です」と関係者は語っていますが、その苦痛があっても、恋を追い求めることに、常人以上の情熱があるのでしょう。10回目があるのでしょうか。彼女であれば、ありそうな気がします。

2010年4月14日水曜日

大菩薩峠の読破

 やっと中里介山の『大菩薩峠』を読み終えました。筑摩書房の文庫本でしたが、全20巻あります。中里介山が書き始めたのが、明治45年、28歳の時でした。20巻が終わったのが、昭和15年10月16日ということです。約28年かかったことになります。中里介山は、自ら世界で一番長い小説と書いています。しかし、この本は、完結していません。
 まず登場するのが、机竜之介で、大菩薩峠で巡礼の年寄りを理由もなく斬るところから始まります。次に、奉納勝負で宇津木文之丞を音無しの剣で殺します。前日、文之丞の妻、お浜が、竜之介のところに出かけ、勝ちを譲ってくれるように嘆願し、体も投げ出しますが、竜之介は、文之丞に勝ち、死に至らしめます。
 そして、文之丞の弟の宇津木兵馬が、仇討ちの長い旅に出かけます。竜之介は、新選組に入ったり、いろいろします。天誅組に加わって、失明もします。この小説には、いろんな人が次々に出て来て、主人公(?)の机竜之介と宇津木兵馬は、影が薄くなります。
 最後は、どういうオチにしようと考えているのか、分からないままに作者の方が先に亡くなりました。したがって、このあとを書き足した人も現れませんでした。
 この中里介山は博覧強記の典型のような人です。参考になるところをノートにとりましたが、かなりのページ数になりました。それだけでも、『大菩薩峠』を読んで良かったかなと思っています。
 結論として、この小説を勧めるか否かといいますと、難しいところです。今の小説を読みなれた人には、面白くないかもしれません。長篇小説では、北方謙三の小説が、ありますが、これとは、かなり違います。北方謙三の小説は、大衆小説という感じで、一気に読ませますが、中里介山のは、どういういったらいいのでしょう。わたしの場合、ほかの小説を読みながらでしたが、1年近くかかったように思います。20巻を読み終えたということで、自分の根気よさを褒めたいと思います。

2010年4月13日火曜日

JALのカウンター

 今回、関空から上海に行きました。そして、まずチエックインカウンターで手続きをしようと思ったら、びっくりしました。カウンターが滅茶苦茶、減っているのです。たしか、以前は、4列か、もっとあったと思うのですが、今回ゆくと、エコノミー、グローバル、プレミアすべてで、1列しかないのです。わたしの乗る便は、15時35分発の便でしたのに、12時過ぎにいきましたので、非常に空いていたので、問題ありませんでした。しかし、これが朝の10 時頃に乗るのであれば、滅茶苦茶、混雑したのではないでしょうか。寒気を感じました。これは、JALのリストラチームにANAの人間が入っているのではないでしょうかと思ったくらいです。なくなった1列には、中国の東方航空(MU)が使っていました。便の数は、JALと東方航空では、何倍も違います。それなのに、チエックインカウンターは、1列ずつなのです。そして、返したカウンターは蛍光灯もついていないので、うす暗くなっていました。JALのリストラには、目を疑います。航空事業は、サービス産業であるということを完全に忘れてしまっているようです。4列は、不要だったでしょうが、2列は必要でしょうし、団体用のカウンターも必要でしょう。これから、JALはどうなるのでしょう。

2010年4月12日月曜日

JALリストラ案

 わたしは、ほとんど毎週2回JALに乗っています。月に2回は、海外に行きます。もっとも最近は、中国が多いのですが、席をとるのに苦労します。それほどに多いのです。しかし、国際線は、赤字といいます。不思議です。アメリカの航空会社の便を使っていたころは、席はガラガラでした。これに比べて、JALの飛行機は、70%以上の搭乗率のように思います。しかし、赤字といいます。これは、納得がいきません。なにか、ありそうです。よほど採算の悪い路線があるのでしょうか。便ごとに採算を出してほしいものです。もしくは、年金、給与が高すぎて、採算分岐点が異常に高くなっているのでしょうか。
 そして、今度は、路線の撤退です。わたしが、気に入らないのは、国内線では、伊丹―福岡、伊丹―松山の撤退です。これは、是非、残してほしいと思います。31路線を撤退する案が出ています。また、国際線では、関西―北京、関西―香港、関西―広州、関西―バンコク、関西―デンバサールです。橋下知事は、関空をハブ空港にするというのなら、これらの路線廃止はストップさせねばなりません。JALは何を考えているのでしょう。もし、これらが廃止されると、関空が出来る前のように成田経由で行けというのでしょうか。
 新設もいくつかありますが、伊丹、関空の離着陸の便の新設はないようです。関西の経済界ももっと意見をいうべきです。関空会社のトップは、パナソニックの天下り先になっていますが、関西の経済を活発にするためにも上に挙げた便は減らすことには、絶対反対です。関空―香港の撤退の話は、香港の新聞にも出ていました。こういう情報が流れると、香港の経済界は関西を避けるでしょう。そして、関西の沈下にますます拍車をかけます。

2010年4月11日日曜日

小沢幹事長不起訴の背景(2)

 昨日からの続きです。ところが、検察は銀行から借り入れの4億円は、小沢の現金の4億円の原資を隠すための偽装ではないかと疑いました。そう考える根拠は、現金の4億円の中には、水谷建設からの5000万円の裏献金が入っており、それを資金洗浄したと考えたのです。
 しかし、小沢は水谷建設からの裏金などないと断言し、これについては、逮捕された石川、大久保、池田の3人もないと証言しているのです。そこで、小沢は検察の誤解を解くため、取り調べに応じ、4億円の原資は、これこれこういう経緯でストックした自分の資金であることを証言しています。銀行口座も明らかにし、4億円の原資を検察に説明しているのです。
 今回、小沢が不起訴になったのは、小沢の示した4億円の原資について、それがウソだといえるだけの証拠が検察側になかったからといえます。大メディアは意図的に報道しませんが、水谷建設元会長は、佐藤栄佐久前福島県知事の汚職事件で、裏献金に関してウソの供述をし、控訴審判決では「賄賂はゼロ」という裁判所の判断が示されているのです。つまり、特捜部は政権与党の幹事長のいう証言よりも、執行猶予欲しさに裏献金についてウソをついたことが明白になっている水谷建設元会長の証言を信用しているということになるのです。正しい検察がやることでは、ありません。異常さすら感じます。どうしても小沢を上げてやるという異常なまでの執念を感じます。ちなみに、前福島県知事の汚職事件のときも今回の小沢捜査も指揮をとる特捜部長は同じ佐久間特捜部長なのです。
 もうひとつ、検察が虚偽記載といっているのは、不動産の取得が2004年10月なのに、収支報告書は2005年1月になっているということがあります。小沢側はこれについて不動産屋の希望と説明していますが、不動産取引にはよくあることです。
 それだけのことで、あの中川昭一元財務・金融相を破って小選挙区で当選した石川議員の多数の有権者の支持を無視し、政治資金規正法の虚偽記載という形式犯で前途有望な代議士を逮捕・起訴して、公民権停止で失職させてよいものなのでしょうか。
 まして小沢は不起訴なのです。大メディアは世論調査をして小沢辞職キャンペーンをしたり、小沢を「容疑者」と書いた大新聞系列の夕刊紙(夕刊フジ)などは「小沢人民裁判へ」というタイトルの記事を書くなど常軌を逸しています。
 もっと冷静になって、これから民主党がどういう仕事をするか見守ることの方が、根拠のない小沢叩きよりもはるかに意義のあることと思います。 (文藝評論家/山崎行太郎の政治ブログ)
 小沢一郎幹事長が、2月1日、起訴の場合は「責任を取る」つまり「幹事長辞任もある」と記者会見で発言したことから、渡部氏、前原氏、枝野氏、野田氏らを中心にした「反小沢一派」の面々が、「小沢打倒」を目指して、浮き足立った動きをした民主党内だったが、結果は、今夜(2月2日)になって検察側からのリーク情報だと思われる、突然、「小沢不起訴」の情報が駆け巡り、一連の小沢事件の攻防は、「検察完敗」に終わりそうな雲行きになってきました。またまた、「反小沢一派」のクーデターは空振りに終わりそうな気配です。しかし、いつもながら空気の読めない、政治的センスの欠如した連中です。そもそも引退寸前のボケ老人─渡部某に「七奉行」などとそそのかされて、その気になること自体が政治家失格です。まさにお気の毒としか言いようがありません。(このブログは、Electoronic Journalを参上しました)

2010年4月10日土曜日

小沢幹事長不起訴の背景(1)

 2月4日、東京地検特捜部は、小沢幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る事件で、同会の事務担当者だった石川知裕衆議院議員、小沢幹事長の公設第一秘書の大久保隆規、同会事務担当者池田光智の3人を「政治資金規正法違反(虚偽記載)」で起訴したものの、小沢幹事長については不起訴としました。
 これで野党の自民党・みんなの党などは、自分の資金管理団体の秘書が3人も逮捕・起訴されたのだから、小沢は責任重大であり、その道義的責任を問う構えです。マスコミも同じトーンで小沢幹事長追求の構えです。マスコミは、検察から流される情報を自らの調査結果と言いつつ、まったく同じ情報を流しています。おかしな話です。
 この事件には基本的な疑問があります。なぜなら、この事件が当時、陸山会の直接担当者だった石川知裕衆院議員を国会前に逮捕し、起訴するほどの重罪だったのかということです。新聞各紙にはいろいろ書かれていますが、ていねいに読むと新聞によって少しずつ違っている部分があります。要するに何がなんだかよくわからないままに書いているような感じすらします。
 石川議員の逮捕容疑は、「政治資金規正法違反(虚偽記載)」になっていますが、元検事で弁護士の郷原信郎氏によると、石川議員の逮捕・拘置事実は次の通りなのです。
 陸山会の2004年分の政治資金収支報告書の「収入金額」を4億円過少に、「支出総額」を3億5200万円過少に記入した虚偽記入の事実です。要するに収支が合っていないというだけのことです。郷原氏によると、政治資金規正法で政治家を逮捕するには、記載されるべきであったのに記載されていなかった収入・支出を特定するべきであるのに、単に収支が合わないという理由だけで逮捕するのはあまりにも乱暴であるというのです。
 事実はどうだったのかを整理してみることにします。実は4億円は2つあるのです。
  1.陸山会が小沢から現金で借りた4億円 → 不記載
  2.銀行から小沢名義で融資された4億円 → 記 載
 石川は世田谷の土地を購入するよう小沢から指示を受けたのですが、陸山会のあちこちの金を集めないと4億円はできないので何とかして欲しいと小沢に頼んだのです。そうすると、小沢は現金で4億円用意して石川に渡したのです。小沢はこの資金は自分が貯めた自己資金であるといっています。
 石川は、そのお金を陸山会の口座に入れ、そのお金で世田谷の土地を購入しています。2004年10月29日のことです。石川は、その日に小沢名義で4億円の定期預金を担保して銀行から4億円の融資を受けているのです。このときの4億円は、2004年陸山会の収支報告書に記載されています。
 しかし、石川は小沢から現金で借りた4億円は、収支報告書に記載していないのです。逮捕後になぜ記載しなかったのかと理由を聞かれた石川は、「小沢氏が多額のお金を持っていることを伏せたかった」と供述しているのです。したがって、石川は、このことについては認めているのです。
 ごく常識的に考えれば、陸山会が世田谷の土地を購入する際、手持ち資金が足りないので、小沢から現金で4億円を借り、購入後に小沢名義の定期預金を担保にして銀行から4億円を借りて、小沢に返したということではないのでしょうか。これなら、理屈に合う話です。 (あと、明日へ。これは、Electoronic Journalを参照しました) 

2010年4月9日金曜日

西松建設献金公判で、マスコミに頼る検察が「天の声」乱発で小沢一郎幹事長攻撃(3)

 判決で工事受注と政治献金との対価関係が明確に否定されたことで、「天の声」に関する検察の冒頭陳述は完全に宙に浮いてしまいましたが、その点を報道した新聞、テレビは極めて少数で、小沢事務所側の「天の声」を強調する検察の冒頭陳述での一方的な主張を、確定的な事実のように報じたことに対する反省もメディアには全くありませんでした。こういう報道姿勢は問題ないのでしょうか。このように思惑付きで逮捕された秘書の罪が確定する前から、小沢氏の管理責任を問うメディアの姿勢は、問題であり、一向に改善されません。
 今回も、検察が、「天の声」、「談合による受注」などの言葉を、マスコミを通じて、今回の事件の捜査の正当性をアピールするために使っているとすれば、それは、刑事裁判の目的の逸脱です。
 そのようなやり方に対して検察内部で自制が働かないとすれば、裁判員裁判の公正さの確保という面でも重大な懸念が生じると言わざるを得ません。職業裁判官による判断であったからこそ、「天の声」による談合受注は冷静に否定されました。検察のパフォーマンスを受けたマスコミ報道に影響を受けた判断であれば、結論はどうなったでしょうか。
 上記の第2の点が、西松公判で既に裁判所の判断が出ている事項であるのに対して、政治資金規正法違反の成否という第1の点については、全面降伏状態で違反事実を全く争っていない西松公判においては、裁判所による実質的な判断が行われたとは言えません。
 今回の公判での最大の争点は、この政治資金規正法違反の成否の問題にあるのであり、弁護人側も冒頭陳述を行って、この点について、この団体に実体があったことについての詳細な反論を行っています。
 この点についての検察側と弁護側の主張・立証を詳細に伝えることが、今回の公判の報道について最も求められていることであるのは言うまでもありません。検察の冒頭陳述での世論操作的な「天の声」ストーリーをそのまま垂れ流すような報道は、決してあってはならないことです。
 今回の公判についての報道の在り方は、刑事裁判報道の在り方に対して極めて重要な意味を持つものと言えましょう。マスコミの報道のあり方について、これを監督する総務省は、適正な判断をすべきであり、法務省も検察に対して、公平性を求め、意図のある起訴などは、行うべきではありません。(この記事は、Electoronic Journalを参照しました)

2010年4月8日木曜日

西松建設献金公判で、検察がマスコミに頼り、「天の声」乱発で小沢攻撃(2)

 ゼネコン間で行われていた談合というのは、基本的には、工事を受注するのに最も相応しい業者を選定する業界内の受注調整です。そこに、間接的に伝えられる首長の意向や、発注自治体への予算や補助金の配分などで影響を与える立場の政治家や、地域の有力者の意向などが影響力を持ち、それらの要因が複雑に交錯して、業界内での情報交換や話し合いを通じて受注予定者が絞り込まれていくのが一般的でした。
 そのような構図の下では、大久保氏がゼネコンとの間で個別の公共工事に関して何らかの話をしたとしても、それがゼネコン間の談合による受注者の決定に直接的に結びつくものではありません。
 小沢事務所側の工事受注への了解、すなわち「天の声」によって西松建設が公共工事を談合受注したと主張するのであれば、「天の声」が、公共工事を巡るゼネコン間の談合による受注者決定にいかに影響を与えるかを明らかにしなければなりません。
 しかし、その点について検察官の冒頭陳述では、「昭和50年代からF社の担当者を仕切役とする談合により受注業者が決められていたが、小沢議員の地元である岩手県下の公共工事については、昭和50年代終わり頃から小沢事務所の意向が本命業者の選定に決定的な影響を及ぼすようになり」というような抽象的な記述が行われているに過ぎず、談合による受注者決定に至るプロセスは全く明らかにされていません。
 このような曖昧な「天の声」による談合受注のストーリーは、到底、刑事裁判が認定できるレベルのものではないとの裁判所の判断は当然と言えるでしょう。
 問題は、このように、被告人が全面降伏して最も立証が容易な状況でもあった関連事件の裁判で、寄付と公共工事の受注との対価関係が認められなかったにもかかわらず、検察側が今回の冒頭陳述で、再び「天の声」などという言葉を多用し、寄付が公共工事と対価関係があるかのような主張を行ったことにあります。
 このような裁判所にも受け入れがたい主張を執拗に行う検察の意図はどこにあるのでしょうか。刑事事件の主張・立証を被告人の犯罪事実や情状を明らかにするというのは、刑事裁判の本来の目的ではなく、世論操作を意図して行っているようにも思えなくもありません。
 西松建設側の第1回公判において、検察側が冒頭陳述で多用した「天の声」という言葉は、新聞、テレビなどでそのまま報じられ、小沢氏側が西松建設関連の政治団体から受け取っていた政治献金は、小沢事務所側が「天の声」を出して西松建設に工事を談合で受注させた見返りであったことが、あたかも確定的な事実であるかのように扱われました。簡単な検察の手に乗ったメデイアの報道と言わざるを得ません。小沢潰しには、なんでもやるということでは、正義の検察の名が泣きます。(この記事は、Electoronic Journalを参照しました)

2010年4月7日水曜日

西松建設献金裁判で、検察がマスコミに頼り、「天の声」を乱発で小沢攻撃(1)

 09年12月18日午後、東京地裁で、小沢一郎民主党幹事長の公設第一秘書の大久保隆規氏の政治資金規正法違反事件の第1回公判が開かれました。
 今年3月3日、この事件で、東京地検特捜部は、当時民主党代表だった小沢氏の公設秘書の大久保氏を逮捕し、3月24日、大久保氏を起訴しました。そして、この起訴を機に、メディアによって、小沢氏の責任問題が高まり、5月の連休明けには小沢氏は代表辞任に追い込まれました。
 一方、この事件については、当初から違反事件が成立するのかや事件の重大性・悪質性がどの程度あるのか疑問が残りました。また、自民党側の二階議員などを捜査の対象としないことへの不公平性が指摘されています。当時の漆間巌・官房副長官の発言や麻生太郎首相自身の国会答弁などもあって、政府与党側の政治的意図に基づく捜査であるかのように批判されました。
 そのような捜査に、国民が政府・与党と検察の権力の結託についての「不気味さ」を感じたことも、総選挙で自民党の惨敗、民主党の圧勝という結果の1つの要因にもなったと見ることも可能でしょう。
 このような経過を経て今回の第1回公判を迎えました。被告人・弁護人側は、公訴事実を全面的に争い、無罪を主張しました。一方、検察は、起訴事実の政治資金規正法違反についての立証に加えて、政治資金の寄付と公共工事の談合受注との対価関係を立証することによって事件の重大性・悪質性を強調しましたが、そこでの検察官の立証の在り方には重大な問題があると言わざるを得ません。
 この事件の争点は、大きく2つに分かれます。
 第1に、違反の成否、つまり有罪か無罪かという点にあります。問題にされた西松建設のOBが代表を務める政治団体名義の寄付についての政治資金収支報告書の記載が虚偽と言えるか、つまり、その団体が西松建設のダミーで実体がなかったと言えるかどうか、そして、虚偽であったとしても、それを大久保氏が認識していたかどうかがポイントになります。
 第2に、事件が政治資金規正法違反事件として重大で悪質なものと言えるのかどうかという点です。この点については、被疑事実とされている寄付の金額が過去の政治家の政治資金の事件と比較してわずかであったことから、強制捜査を行うほどの事件であったのかどうかが問題となりました。
 見過ごしてはならないのは、昨年の5月に開始された政治資金の寄付者の西松建設の國澤幹雄元社長らの公判の経過と、判決の内容です。経営上の問題から株主総会前の早期の裁判終結を望んだ西松建設側は、公訴事実をすべて認め、検察側の証拠請求にすべて同意して、執行猶予付きの有罪判決が言い渡されました。
 この公判で、検察側は、西松側が「全面降伏」の状態にあることに乗じて、寄付が小沢事務所の出す「天の声」による談合受注の対価であるかのように供述するゼネコン関係者の供述調書などを証拠請求し、受注工事一覧表まで示して寄付が公共工事の談合受注の対価であったことを主張しました。
 しかし、判決は、寄付の動機については、「公共工事の受注業者の決定に強い影響力を持っていた岩手県選出の衆議院議員の秘書らと良好な関係を築こうとして平成9年頃から行ってきた寄付の一環」との認定にとどめる一方、寄付が「特定の公共工事を受注できたことの見返りとして行われたものではない」と判断して、寄付と公共工事の受注との関係を明確に否定しました。
 つまり、上記の第2の点については、検察側の証拠が最大限に採用された西松側公判の國澤元社長に対する判決の中においても、起訴事実の政治献金が公共工事の談合受注の対価だから重大・悪質だという検察の主張は裁判所によって否定されているのです。(記事は、大部分をElectoronic Journalを参照しております)

2010年4月6日火曜日

心配な上海万博

 今、上海に来ています。道路は、相変わらずの混雑ぶりです。ビルも同様に高層ビルが建設されています。この方は、一時に比べれば、少しは落ち着いているのかと思いますが、万博が終わるとそれらに関わっていた建設会社が、高層ビルの建設に戻るでしょう。
 昨夜も政府の幹部と話しておりますと、土地、住宅、マンションが高騰を続けているということでした。「しかし、温家宝首相の方針で、購入する際の頭金が50%になったから、これからは簡単には買えないので、そう上がらないだろう」といいますと、「あれは、2戸目、3戸目からなので、1戸目には、影響なく、急な対策にはならない」ということでした。実際に都市部の不動産価格は、上がり続けています。長者番付の約7割が、不動産関係者です。公務員も自分の家を持てずに怒っています。
 さて、万博に戻ります。もっとも心配なのが、交通です。随分、地下鉄も出来ましたが、追いつきません。道路は、渋滞だらけです。北京オリンピックの時には、会期中は、北京ナンバー以外の車、バスは、入れさせませんでした。また、北京ナンバーの車も月曜日は、1と6、火曜日は、2と7の車が動けるようにしました。すなわち、2割に制約しました。しかし、上海万博では、こういった制限は、一切やらないそうです。上海万博の場合は、バスで団体が押し寄せるでしょうから、混雑ぶりが簡単に想像できます。地下鉄8号線が開通していますが、南側の会場には比較的近いのですが、北側には、何キロも離れています。この間は、シャトルバスを走らすのでしょうが、思いやられます。今でも、上海は、タクシーがなかなか拾えません。金曜日の夕方から夜は、最悪です。来場者数は、大阪万博を超える1億人を狙っています。13億人の人口から考えると、これは簡単にクリアするでしょうが、わたしは、しばらくは行くのをやめておこうと考えています。会場に行っても、外国人には、忍耐強さを強いられそうです。

2010年4月5日月曜日

特捜検察は何をしようとしているのか(4)

 さて、第4話です。今、大阪地裁では、障害者団体向け割引郵便制度の悪用をめぐる障害者団体証明書偽造事件で、厚生労働省の元局長の村木厚子被告(54)の公判が開かれています。
 これは、民主党参院議員の元秘書で、実体のない障害者団体「凛の会」会長をしている倉沢邦夫被告(74)=公判中=が、石井一議員の口添えで、厚労省元部長に証明書発行を依頼し、元部長が村木被告に便宜を指示し、村木被告が議員案件ということで、了承し、上村被告(48)に早急に証明書を作るように指示したというものです。
 村木被告は罪状認否で、「私は無罪です。部下に指示した事実は一切ありません。一切犯行にかかわっていません」と述べ、起訴内容を全面否認しました。
 最大の争点は、村木被告が部下だった元係長、上村勉被告(40)=起訴=に証明書偽造を指示したか否かというものです。弁護側は、捜査段階で村木被告の指示を認めていた上村被告が現在、単独犯行を主張しており、証人尋問などで双方が激しい争いを行っております。
 弁護側は、「証明書の不正発行をしてまでも国会議員の機嫌をとらなければならない事情はない」と強調。村木被告と倉沢被告の手帳に2人の面会記録がないことや、証明書の作成時間が検察側の主張と整合しないとして、「検察の作り上げたストーリーは支離滅裂で破綻している」と述べています。
 起訴状によると、村木被告は障害保健福祉部企画課長だった平成16年6月、倉沢被告や上村被告と共謀し、障害者団体としての実体のない「凛の会」が割引郵便制度の適用を受けるために必要な証明書を上村被告に偽造させたとされます。
 報道されたときには、新聞やテレビを見る限り、村木被告は、完全にクロのイメージでした。ところが、16日の公判でも元部下の上村被告が、検察側の証人であるにもかかわらず、「村木被告は冤罪ではないかと思う」と述べています。その根拠として、「村木被告の指示を受けた事実がない。まず、係長が課長の指示を直接受けることはありえない」と証言しました。
 結果がどうなるか分かりませんが、これは冤罪のような気がします。そうなると、女性で局長まで駈け上がって来た村木被告の一生はぼろぼろです。どう回復してくれるのでしょう。村木被告が逮捕された時に舛添元大臣は「残念です。逮捕者が出て」とメディアの前で、自分は正義の味方のような発言をしました。上司として、よく調べてからとなぜ言えなかったのでしょう。なぜ部下のことを信頼できなかったのでしょう。舛添氏の底まで冷えた人間性を見た思いです。
 今回の小沢幹事長の問題でも国民は秘書が起訴されただけで、小沢さんは辞めねばならないなどと大手メディアの煽動に乗っていますが、これは非常に危険です。その人の人権を考えると、罪が確定してから、結論をいうべきです。逮捕して、取り調べ中であるにもかかわらず、ぽろぽろ検察から情報が流れ出て来るのは、どうでしょう。しかも本人が何も言っていないにもかかわらず。公務員法違反ではないのでしょうか。また、取り調べの可視化法案は是非成立させてほしいものです。いずれにしろ、検察の動きは、目が離せません。次の参院選挙のためにも、中身のないコメテーターの意見やメディアに煽動されることなく、判断したいものです。
 このブログは、Electornic Journalを参考にしました。

2010年4月4日日曜日

特捜検察は何をしようとしているのか(3)

 さて第3話です。マスコミ等から提供されたネタで捜査に着手し、何とかそれなりの成果を挙げて捜査を終結させようとして迷走を続け、無理な強制捜査・起訴に至る、というケースが相次いでいます。佐藤栄佐久氏の事件が、その主張通りだとすれば、それは、政治的意図による捜査で「抹殺」されたというより、むしろ、そういう特捜検察の苦し紛れの捜査の犠牲になったと見るべきでしょう。
 日本の検察は、刑事司法の「正義」を独占して来ました。つまり、刑事司法は、すべての刑事事件が検察官によって「正しく処理されている」と信じて来ました。検察は、原則として、刑事処分などの判断について公式に説明を求められることはありません。不起訴処分について判断の理由の説明が公式に行われることはありません、不起訴記録も開示されません。したがって、今回の小沢幹事長の不起訴の理由もまったく公開されていません。
 検察の判断の適正さは、その理由を外部に説明することではなく、基本的には、「個々の検察官の判断ではなく検察庁の組織としての判断が行われる」ということによって維持されてきました。
このように「刑事司法の正義」を検察が独占する構図は、殺人、強盗などの伝統的な犯罪、伝統的な刑事司法の領域には合っているかもしれません。犯罪行為の反社会性は明らかで、犯罪者の多くは社会から逸脱した者です。事実が認められる限り処罰されるべきことに基本的に異論はありません。問題になるのは、証拠によって事実が認定できるかどうかです。今回の足利事件を見ても検察の独善が際立っており、無実の人の自由を17年間も奪いました。閉ざされた検察組織だけで政治・社会・経済を判断するのは、難しいと思います。例外的に社会の中心部で活躍する政治家、経済人などを摘発の対象にし、社会的に大きな影響を与える捜査の遂行を使命とされてきたのが特捜検察です。そこで対象とされるのは、政治・社会・経済の中心部分で起きている複雑・多様な事象そのものであり、刑事罰の適用に関しては社会的な価値判断が求められます。
 そのような社会の事象を、どのような観点でとらえ、どのように評価していくのかの判断を、検察の組織という閉ざされた世界の中だけで適切に行うことは、もともと容易ではなく、不適切です。しかも、その困難さは、社会・経済の複雑化・多様化に伴って一層顕著となっています。
 1990年代以降、日本の経済社会において、企業、官庁などあらゆる組織が構造変革を迫られる中、組織内で自己完結した「正義」に依存し、旧来の捜査手法にこだわり続けた特捜検察は、社会・経済の変化に大きく取り残されたといえます。そして、面目と看板を何とか維持しようとして「迷走」を続けてきました。
 そうした「迷走」が限界に近づきつつある状況で行われたのが福島県知事をターゲットとする東京地検特捜部の捜査でしたが、それは、結局、土地取引を巡る疑惑を報じて捜査の発端となった週刊誌の記事とほとんど同レベルの事実しか明らかにできず、その事実を無理やり贈収賄の構成に当てはめただけという結果に終わりました。
 かつては特捜検察が起訴した事件について裁判所が消極判断を示すことはほとんどありませんでしたが、昨年7月の長銀事件についての最高裁の逆転無罪判決、つい最近のPCIの元社長の背任事件の一審無罪判決などに見られまよすうに、裁判所の特捜検察に対する見方は次第に変わってきているようにも思えます。今回の事件に対して東京高裁がどのような判断を示すか、控訴審判決が注目されますが、このような背景にあっては、控訴や逮捕されただけで、議員辞職しろとは、非常に乱暴な発言といえます。(以降、明日へ)

2010年4月3日土曜日

特捜検察は何をしようとしているのか(2)

 さて、第2話です。大鶴検事は1992年に東京地検特捜部検事になり、副部長のときに日本歯科医師連盟をめぐる1億円ヤミ献金事件を手がけていますが、献金の現場にいなかった村岡兼造元官房長官を逮捕するという奇妙な捜査を行っています。小切手を受け取った橋本龍太郎総裁(?)は、逮捕されなかったのです。村岡兼造元官房長官が泣いて悔しがったのは、まだ記憶に新しいところです。
 2005年には、今度は東京地検特捜部長として、当時の佐久間副部長と組んで長銀事件を担当して起訴しましたが、最高裁で全員が無罪になるという結果になってしまいました。それに加えて、この2人のコンビは佐藤栄佐久・前福島県知事をめぐる収賄事件を仕掛けましたが、証人の水谷建設の水谷功・元会長がウソの供述を認めたことにより、現在裁判がおかしくなっています。
 そして今度の小沢関連捜査です。この捜査でも大鶴検事は最高検検事でありながら、後輩の佐久間特捜部長の尻をたたき、小沢起訴を最後まで狙ったのです。かなり無理筋で強引な捜査です。
 大林宏検事長や最初は積極的であった伊藤鉄男次長検事も捜査が進むにつれて消極的になっていったのは無理筋だったからです。それに、もし小沢が生き残った場合、それも参議院選で民主党が過半数を取った後の報復が怖いからともいえます。
 その小沢起訴を狙っていた佐久間特捜部長と大鶴検事がタッグを組むということは何を意味するのでしょうか。この件に関し、ジャーナリストの魚住昭氏は3月3日の日刊ゲンダイで次のようにコメントしています。
 「一連の捜査で、国民は小沢氏を狙い撃ちするような検察の〝捜査の正体″を知ってしまった。その検察が2回失敗し、3回目にトライするというのは、司法の公正さを保つ意味でも、検察の信頼をさらに損なう恐れがあるという点でもリスクが高すぎます」。 
 検察がなぜこうも小沢潰しにやっきになっているのでしょうか。それは検察が小沢幹事長に恐怖心を持っているからです。それは民主党が7月の参議院選挙で60議席を取って単独過半数になった場合のことです。そうなると、佐藤優氏は、2つの可能性があると言っています。
   1.特捜部の解体・再編
   2.検事総長の政治任用
 検察が仕掛けた小沢関連捜査――いわゆる政治とカネの問題の影響で、内閣支持率、政党支持率ともに下がっていますが、小沢は風に頼らない組織選挙に着実に手を打っています。昨年暮れのことですが、小沢幹事長は、高野山・金剛峯寺を訪れ、全日本仏教会会長の松長有慶・高野山真言宗管長と会談しています。この全日本仏教会には、102団体が加盟しているのです。この会談後、小沢幹事長は次のように語っています。
 「キリスト教もイスラム教も排他的だ。排他的なキリスト教を背景とした文明は、欧米社会の行き詰まっている姿そのものである。その点、仏教はあらゆるものを受け入れ、みんな仏になれるという度量の大きい宗教だ」。この発言をメディアは、「欧米を敵にした」と大きく取り上げましたが、実際には欧米では冷静に受け止められています。
 佐藤優氏によると、「小沢のこのキリスト教批判発言は、周到に練られた戦略に基づくものである。仏教の寛容さを称賛することによって、神道界にシグナルを送っている」と言っています。自民党の支持基盤になっている仏教会を切り崩そうとしているのです。そのうえで、創価学会を民主党に引き寄せようとしています。 (以降、明日へ)

2010年4月2日金曜日

特捜検察は何をしようとしているのか(1)

 小沢=巨悪というイメージが、検察、メディアによって作られています。これに乗って、あろうことか、民主党の大臣まで同調して説明責任があると党内ではなく、メディアに向って発言しています。生方幸夫副幹事長などは、その最たるものです。かれは、国対、防衛省担当の副幹事長なのです。しかし、国対会議には、ほとんど出ず、その会議があっている時間に朝のテレビに出ていました。また、防衛省も普天間飛行場の問題で、夜も寝られるはずがないのです。それが、「小沢幹事長は、説明責任を果たさないかぎり、辞職しろ」とメディアの前でしゃべっています。さらには、長老格の渡部恒三議員、枝野大臣、野田副大臣が、煽っています。このひとたちは、鳩山、小沢のふたりが辞めてまとまっていくと思っているのでしょうか。脳みそを割って見てみたいものです。
 生方副幹事長などは、小沢幹事長の説明責任の前に自分の説明責任を果たさねばなりません。「副幹事長を解任され選挙区で絶叫していた生方幸夫氏を3月21日のオリーブーXニュースが、糾弾しています。生方氏の政治資金収支報告書(20年度)の収入金額3248万円の中に実に1000万円もの金がある業界の企業経営者から献金されています。実に収入の三分の一です。政党助成金を除くと実に献金の50%以上をひとりの経営者からのカネが占めています。このカネは実は企業・団体献金だったはずです。生方氏の経歴からしても、この1000万円の巨額献金は異様に映りますが、国民には、一切説明責任を果していません。小沢幹事長には、しつこく説明責任を果たすように言っていますが、本人は説明責任は果たそうと思っていないようです」。
ところで、小沢幹事長関連のカネの問題について、検察は、何を狙ったのでしょうか。このたび、東京の次席検事に元最高検検事の大鶴基成が就いて、東京地検特捜部の佐久間達哉特捜部長と異例のタッグを組むことになりました。
 実は2月22日に東京霞が関の法務合同庁舎で密かに検察首脳会議が開かれました。出席していたのは次の7人です。まさに検察のトップです。
  樋渡利秋検事総長      東京地検岩村修二検事正
  伊藤鉄男次長検事      東京地検谷川恒太次席検事
  東京高検大林宏検事長   東京地検佐久間達哉特捜部長
  最高検刑事部大鶴基成検事
 会議は、小沢一郎を起訴するのか、不起訴にするのかを決める会議でした。大勢は不起訴に傾いていました。『週刊文春』2月18日号は、次のように書いています。
 「『小沢先生の了承を得た』と石川は認めています。偽装融資の書類に、小沢直筆のサインもある。起訴できるじゃないですか」。小沢一郎幹事長を不起訴とする方針がまとまり出すと、オブザーバー的に参加していた最高検刑事部の大鶴最高検検事は、メガネの奥の目を怒らせながら、上層部にこう詰め寄ったといいます。政権与党の最高実力者に切り込んだ検察当局。その判断が注目された首脳会議を優位に進めたのは、次期検事総長のイスをうかがう大林高検検事長を中心とした「法務官僚派」で民主党を刺激したくなく、消極論に傾きました。(以降、明日へ)

2010年4月1日木曜日

生方幸夫の20年度政治資金収支報告書

 副幹事長を解任され選挙区で絶叫していた生方幸夫氏にオリーブーXニュースが、糾弾しています。生方氏の政治資金収支報告書(20年度)の収入金額3248万円の中に実に1000万円もの金がある業界の企業経営者から献金されています。実に収入の三分の一です。政党助成金を除くと実に献金の50%以上をひとりの経営者からのカネが占めています。このカネは実は企業・団体献金だったはずです。生方氏の経歴からしても、この1000万円の巨額献金は異様に映りますが、国民には、一切説明責任を果していません。小沢幹事長には、しつこく説明責任を果たすように新聞、テレビで言っていますが、本人は説明するつもりはないようです。(3月21日付、「オリーブ─Xニュース」より)