2010年2月28日日曜日

日本はなぜメダルがとれないのか

 浅田真央さんの女子フィギュアスケートも銀メダルに終わりましたが、立派でした。キム・ヨナ選は精神的にも、少しタフだったようです。ショートプログラムで浅田選手がノーミスで高得点を出してもこれに影響されることなく、さらに高得点の滑りを見せました。
 しかし、韓国や中国に比べてメダルの獲得がこうも少ないのでしょう。わたしには、かれらと比べて、選手の完成度が低いように思います。素質のある選手を選び、多額の強化費をかけ、これに一流のコーチをつけて、訓練するので、短期間にうまくなり、完成度も高くなっていきます。浅田選手の場合は、ジャンプの強化ばかりで、ひとつひとつのパーツを磨くのに欠けていたのではないでしょうか。イメージ的には、伊藤みどり選手の頃とあまり変わっていないような気がしました。
 23日の朝日新聞にスピードスケートの清水宏保氏が「スポーツ後進国 日本」と題して寄稿していました。
 バンクーバー五輪では、JOCの役員、メンバーが大挙して現地入りしています。予算は限られているので、選手を手塩にかけて育てたコーチやトレーナーがはじき出され、選手に快適な環境を提供できていない。お金の使い方が逆だと書いています。バンクーバー五輪の日本選手団205人のうち、純粋な選手は94人だけ。その他はJOCの役員やスタッフということです。以前の五輪では、エアチケットは、選手はエコノミーで、役員はビジネスということがありましたが、今回はどうなのでしょう。
 また、強化費も絶対的に少ないようです。米国が165億円、英国、中国120億円、韓国106億円に比べ、日本は27億円です。強化費の分配方法も国からJOC、JOCからは、選手やチームに渡されるのではなく、所属する競技団体に支給され、各競技団体が何にいくら使っているのかも不透明だそうです。中間搾取されて、選手の手元に渡る頃には“すずめの涙”。
 五輪開会中は、盛り上がっていますが、終わったらまったく関心がないというのではあまりに悲しいと結んでいます。
 何か、政治なんかとも似ている感じがします。中国、韓国などには、勢いがあります。この世界も何年も役員のイスに座っている人は辞めてもらって、新しい気を入れたらいかがでしょう。マンネリし過ぎです。

2010年2月27日土曜日

平野貞夫元参院議員の発言

 平野氏は、昭和10年生まれですので、今年で75歳になります。かれが、2月19日の産経新聞に現在の政情について、語っていました。産経新聞というのは、反小沢、親自民の新聞とわたしは思っています。その産経が平野氏の記事を載せています。
1. 民主党の問題
 「政府は鳩山、党は小沢」と分けたことが、鳩山政権の問題と述べています。これは、反小沢グループが小沢氏に政策協議にかかわらせないようにしたためです。一番困っているのは、鳩山首相です。親小沢か反小沢かという対立軸を作っているのが、深刻な問題であると平野氏はいっています。それを助長しているのが、渡部氏とも語っています。
2. 渡部恒三氏
 反小沢グループが渡部氏の実態を知らないのが問題。渡部氏は自民党田中派時代からトラブルメーカーでした。言葉巧みにいろんな人に取り入り生き延びて来ました。「小沢さんは友達だ」と言いながら、意図的に小沢氏の評判を落とそうとしています。
 2月24日の日刊ゲンダイにも、長崎県知事選で負けると早速イチャモンと書かれています。「政治家の出処進退は国民がみて『なるほど』と理解するような判断をしないと支持されない」と強調したりしていますが、小沢幹事長は、「与野党で議論することなので、その議論の結果に従う」と述べています。したがって、渡部氏の言は、当たりません。
3. 小沢幹事長の金の問題
 小沢氏は不正なカネをもらったことは一切ありませんと小沢氏とは、長い付き合いの平野氏は述べています。検察の捜査は、不正なカネをもらったはずだということが前提でしたが、これは実証できませんでした。検察の捜査は、実質的に昨年の3月以来のロングランですから、検察の罪は重いと思います。検察は、小沢氏の政治的暗殺をもくろんだわけですが、これは現段階では失敗に終わっていますとも述べています。
4. 検察に対する危惧
 今回の元秘書の石川議員の逮捕は、議員辞職勧告が出されましたが、憲法違反の可能性が高いと述べています。憲法上、有権者によって選ばれた身分は重く、政治資金規正法の虚偽記載で問われるものではない。政治資金規正法は、虚偽記載の構成要件が書かれていません。しかし、検察はこの法律を利用して、立件しました。戦前の特高警察と同じ手法とまで述べています。今回の一連の検察のやり方は、昭和9年の帝人事件に似ているとも言っています。帝人事件については、いずれ書きたいと思います。
 鳩山首相は、修羅場の経験がありません。以前に明智光秀のことを書きましたが、光秀が唯一野戦を行ったのが、山崎の合戦で、ここで破れて農民に殺されました。鳩山首相は、まさに野戦の経験がありません。日本の政治が、正常になるまで、小沢氏には頑張ってもらわねばなりません。 
 また、平野氏は、今の政治家で日米関係の重要性が一番分かっているのは小沢氏だと書いています。鳩山氏に任せていたのでは、普天間問題も5月までには片付きません。小沢氏に仕切ってもらわねば国民もアメリカも不幸です。

2010年2月26日金曜日

参政権付与は在日を想定

 今、民主党と公明党が、外国人の参政権付与を国会で通そうとしています。しかし、これは、先にも書きましたが、憲法違反です。
 これを、憲法違反ではないと言い始めたのは、平成7年2月の最高裁第3小法廷で、判決理由の判例拘束力のない「傍論」部分で、「永住外国人に対し、地方レベルの参政権を法律をもって認めることは憲法上禁止されていない」との判断を示していたからです。これは、韓国人9人が、永久外国人に地方参政権を、認めない公選法などの規定は、住民自治を認めた憲法に違反すると訴訟を起こしましたが、訴訟の上告審で「憲法上、わが国に在留する外国人に対し、選挙の権利を保障したものではない」として、一審判決を支持し、原告の請求を棄却しました。それで、終わっていれば、よかったものの「傍論」部分を書くものですから、余計な判断をする人たちが出て来ました。
 2月19日の産経新聞では、当時の最高裁の判決に加わった園部逸夫元最高裁判事(80)が、「(在日韓国・朝鮮人を)なだめる意味があった」と明言しています。また、地方参政権付与の対象者については、(在日韓国・朝鮮人ら)非常に限られた永住者に限定する」ことを想定したとし、民主党や公明党が「一般永住者」にも与えようと検討していることにたいして、はっきり「ありえない」と批判しています。
 園部氏は特別永住者であっても、転居などで地域との密接な関係を失った場合には、選挙権は認められないともしています。
 また、一般永住者まで付与の対象とした場合、小規模の自治体に特定国の外国人が集団移住し、キャステイングボートを握る可能性も懸念されています。これについては、園部氏は「そこまでして、門戸を開く必要はない」と明言しています。
 先の「傍論」部分には、無理やり、日本に連れてきたという贖罪意識があるようですが、日大の百地章教授によれば、戦時、朝鮮半島から動員されて日本に来た朝鮮人はほとんど帰国しているそうです。現在、在留する韓国・朝鮮人の多くは、戦前から日本に生活基盤があり、自らの意思で残ったと見るのが妥当と言っています。
 わたしは、やはり地方参政権といえ、外国人には、与えるべきではないと思います。日本人の性質を知るだけに非常に危険です。日本国籍を持つ人に限るべきです。

2010年2月25日木曜日

情けない自民党古老(固陋)の質問

 先日の予算委員会の自民党の与謝野氏の質問には、がっかりしました。単に笑いをとるだけなら、こんな高給を払って、国会議員を雇いません。与謝野氏は、あの与謝野鉄幹、晶子の孫です。もう少しは、格調の高い、後世のひとたちの参考になる質問ができなかったのでしょうか。「脱税王」を繰り返し叫ぶだけで、自己満足に陥って、肝心の予算の質問は出来ない始末でした。この人が、財務大臣などの要職に就いていたのですから、先に述べた日本の財政破たんが出来上がったのがよく分かりました。こういう人を政治家にしてはいけません。今、日本の経済が、どれくらい崖っぷちにあるのかが、分かっていないようです。偉そうにいうのであれば、「民主党は経済再建の方針が出て来ないが、自民党は、こういう立派なものがある」となぜ、論陣を張れないのでしょうか。与党のときと違って、官僚が作ってくれないから、できないのでしょう。自民党の不甲斐なさをあらためて知りました。
 そして、町村元官房長官の14日のNHKでの発言。鳩山首相の母親に、国会に来てもらって、質問したい。来られないならば、病院に出張して質問してもいいといった発言には、驚くばかりです。首相の母親は、たしか90歳のはずです。そういうご高齢の方にストレスを与えて、もし亡くなられたら、どうするのでしょうか。敬う気持ちがないのでしょうか。もっともっと高齢者を敬い、大事にしなければなりません。
 国民が、仕事がない、金がないで、苦しんでいるのに、自民党の国会議員は、こうも空気が読めないのでしょうか。もう辞めてもらったどうでしょう。藤田まことさんが、亡くなりましたが、必殺仕事人がほしいところです。

2010年2月24日水曜日

障害者団体向け割引郵便制度の悪用事件

 障害者団体向け割引郵便制度の悪用をめぐる障害者団体証明書偽造事件があったことは覚えておられるでしょうか。虚偽有印公文書作成・同行使罪で厚生労働省の元局長、村木厚子被告(54)の公判が大阪地裁(横田信之裁判長)で開かれています。
 これは、民主党参院議員の元秘書で、実体のない障害者団体「凛の会」会長をしている倉沢邦夫被告(74)=公判中=が、石井一議員の口添えで、厚労省元部長に証明書発行を依頼し、元部長が村木被告に便宜を指示し、村木被告が議員案件ということで、了承し、上村被告(48)に早急に証明書を作るように指示したというものです。
村木被告は罪状認否で、「私は無罪です。部下に指示した事実は一切ありません。一切犯行にかかわっていません」と述べ、起訴内容を全面否認しました。
 最大の争点は、村木被告が部下だった元係長、上村勉被告(40)=起訴=に証明書偽造を指示したか否かというものです。弁護側は、捜査段階で村木被告の指示を認めていた上村被告が現在、単独犯行を主張しており、証人尋問などで双方が激しい争いを行っております。
 弁護側は、「証明書の不正発行をしてまでも国会議員の機嫌をとらなければならない事情はない」と強調。村木被告と倉沢被告の手帳に2人の面会記録がないことや、証明書の作成時間が検察側の主張と整合しないとして、「検察の作り上げたストーリーは支離滅裂で破綻している」と述べています。
 起訴状によると、村木被告は障害保健福祉部企画課長だった平成16年6月、倉沢被告や上村被告と共謀し、障害者団体としての実体のない「凛の会」が割引郵便制度の適用を受けるために必要な証明書を上村被告に偽造させたとされます。
報道されたときには、新聞やテレビを見る限り、村木被告は、完全にクロのイメージでした。ところが、16日の公判でも元部下の上村被告が、検察側の証人であるにもかかわらず、「村木被告は冤罪ではないかと思う」と述べています。その根拠として、「村木被告の指示を受けた事実がない。まず、係長が課長の指示を直接受けることはありえない」と証言しました。
 ここで、気になるのが、検察官は、「調書にはあるが」と聞いたことに対し、上村元係長は、「わたしの言葉がすべて調書になっているわけではない。わたしの口から言った覚えはない。事実も、そんなことはない」と答えていることです。菅家さんの事件でもそうでしたが、検察は自分のストーリーに添って、質問を誘導し、調書を作成するようです。こういうことは初めての人がほとんどですから、検察のいいなりになるのでしょう。
 結果がどうなるか分かりませんが、これは冤罪のような気がします。そうなると、女性で局長まで駈け上がって来た村木さんの一生はぼろぼろです。どう回復してくれるのでしょう。先の小沢幹事長の問題でも国民は秘書が起訴されただけで、小沢さんは辞めねばならないなどと大手メデイアは国民を誘導しますが、これは非常に危険です。その人の人権を考えると、罪が確定してから、結論をいうべきです。逮捕して、取り調べ中であるにもかかわらず、ぽろぽろ検察から情報が流れ出て来るのは、どうでしょう。公務員法違反ではないのでしょうか。また、取り調べの可視化法案は是非成立させてほしいものです。

2010年2月23日火曜日

スイスのアマンがジャンプで二冠

 バンクーバーオリンピックのジャンプ競技で、スイスのアマン選手がノーマルヒル、ラージヒルの二種目で金メダルをとりました。
 ジャンプは、さまざまなルール改正によって、背が大きく、体重の重い選手が有利になっています。日本選手が、札幌オリンピックで金銀銅を独占したのは、遠い思い出です。体が大きな方が有利というジャンプにあって、このシモン・アマン選手は、身長 が172cm、体重は58kgで、日本の選手とあまり変わりません。フィンランドのニッカネンなどを見ていると、これは叶わないなと端から思ったものです。ジャンプは、原理的には、質量が大きく、初速が大きいほど遠くに飛べると考えていました。ところが、ジャンプは、そう簡単なものではないようです。アマン選手は、大きなボールに乗り、バランスをとる練習をやっていました。これは、NHKスペシャルで見られた方も多いと思います。アマンは片足で立っても、前後にしか揺れません。普通の人は、横にも揺れるのですが、アマンは横にはほとんど揺れないのです。瞬時に自分の重心がどこにあるのか、分かるそうです。したがって、踏み切ったあとも自分の重心をソリの上に自然にもって来れるのです。ほかの選手は、踏み切ったときが、一番速く、段々スピードが落ちてゆくのですが、アマンは段々速くなっていきます。そして、圧倒的な飛距離と飛型点で圧勝します。
 日本選手は、フィンランドにジャンプ留学しますが、アマンのもとに留学する方がどれだけ参考になるか分からないと思います。フィンランドのような体の大きいところで、トレーニングすると劣等感のみが湧いて来るでしょう。スイスが受け入れるかどうか分かりませんが、是非、若いジャンパーはアマンと一緒に2~3年、合宿してほしいものです。
 アマンは、スイス東部の小さなグラブスという村で、細々と酪農を営む家庭の5人兄弟の真ん中として生まれました。少年時代に、アルペンスキー選手を目指し、チームに入会を希望しましたが、体重が軽すぎるという理由で断られました。そこで、地元で開催されたジャンプ大会に飛び込みで参加し、いきなり優勝して認められました、
 2002年のソルトレイクシティオリンピックでは、直前の2002年1月11日、ドイツで行われたW杯ビリンゲン大会の公式練習中に、空中でバランスを崩して頭から地面に突っ込んで、むちうちになって首にコルセットをつけるほどの怪我を負いました。五輪出場が危ぶまれましたが、出場しました。そして、ノーマルヒル、ラージヒルともに優勝し、スイスにジャンプ競技初の金メダルをもたらしました。1988年のカルガリーオリンピックのマッチ・ニッカネン(フィンランド)以来史上2人目の個人2冠に輝きました。
 2006年のトリノオリンピックでは、ルールの改正があり、ノーマルヒル38位、ラージヒル15位と残念な結果に終わりました。またも国際ジャンプ協会の陰謀でやられたと思いましたら、今回、これを克服しての二冠です。個人での二冠達成を二度やったのは、アマンが初です。まだ若いので、次のオリンピックが楽しみです。かれは、2006年からスイス連邦工科大学チューリッヒ校に通っています。
 かれは、眼鏡をかけた姿がハリーによく似ているために「スキー界のハリー・ポッター」といわれております。「魔法のホウキならぬスキー板に乗ったハリー・ポッター」と書かれました。

2010年2月22日月曜日

日本の財政、借金漬け

 日本の財政は、非常に厳しいようです。小泉・竹中平蔵時代には、いくらかよくなったのかと思っていましたら、総債務残高を使った国際比較では、1999年から先進国では最悪になっていました。資産を差し引いた純債務ベースでも、これまで最悪だったあのイタリアを初めて上回ることになりました。竹中平蔵氏時代に、消費税は上げず、いかにも日本の財政は、うまくいっていたかのようなイメージを作り、これを世のコメンテーターや経済専門家は論破できませんでしたが、数字は正直です。
 純債務は政府の総債務残高から、政府が保有する年金積立金などの金融資産を差し引いた金額です。OECDの09年12月のまとめでは、国と地方、社会保障基金を合わせた一般政府ベースの純債務のGDP比率は10年に104.6%に達し、初めて100%の大台に乗る見通しということです。
 日本が抱える借金の国際比較では、純債務残高のGDP比率が99年に先進国で最悪になりました。ただ、当時は、純債務のGDP比率がイタリアが100%台だったのに対して、日本は50%台と、他の先進国とほぼ同水準でしたので、「日本の財政状況はそれほど悪くない」という論拠になっていました。しかし、米欧が00年以降もほぼ同水準で推移していたのに日本だけは、急激な右肩上がりで、一気に比率が拡大しました。
 「世界経済が順調に回復しても消費税率を据え置けば、23年度には借金が08年の1.7倍の1244兆円に拡大する」といわれています。
 世界経済が、回復しますと必ず金利が上がります。そうなると利払い負担が雪だるま式に増えて、財政が破たんします。
 これまで、日本は個人財産が1200兆円あり、それに比べて国などの借金は800兆円程度なので、差し引きプラスで大丈夫とテレビでもコメンテーターが話し、竹中平蔵氏が話していたので、まだ大丈夫と思っていましたら、大変、怖しいことになっています。小泉・竹中改革は何だったのでしょう。民主党は、見直すべきです。また、無駄を徹底的に洗い出し、これ以上、雑巾が絞れない状態にした後、消費税のアップを考えないといけません。一般会計だけでなく、早急に特別会計も見直すべきです。不要な天下り機関は、徹底して、削除すべきです。外郭団体など、不必要と思われる機関については、一般の人にどしどし投書をしてもらえば、重要な情報が集まるでしょう。是非、やってほしいものです。

2010年2月21日日曜日

米国、富裕層に大増税

 オバマ大統領の人気が低落しています。これまでのブッシュ政権は富裕層には手厚い保護を与えていましたが、オバマ大統領は、底辺層を救済したいようです。
2月1日に税制改革案の詳細が明らかにされましたが、所得税率を上げる方向になりました。11年度から実施する高所得者向けには、最高税率を35%から39.6%に戻します。キャピタルゲインの税率も20%に上げます。これに控除の縮小もあって、10年間の富裕層の負担額は、11年度の米国内総生産見込みの6%強にあたる計算になります。すなわち、10年間で9690億ドル(約88兆円)の増税になります。
 2000年から07年の所得の伸びの65%は上位1%の高所得者層が得ていると指摘されています。今回の増税は公正な増税であるとの見方がとられていますが、共和党のマコネル上院院内総務などからは、「この国が求めているものではない」と反発しています。
 11年度の高所得者増税は、414億ドル(約3兆7600億円)となりましたが、中小企業と中低所得者への減税は拡充しており、差し引きすると民間部門の税負担は同年度に123億ドル(約1兆1170億円)に減ります。
 オバマ政権としては、貧富の差が拡大しており、高所得者から税で吐き出させ、中低所得者の税金を減らすことで、多少、バランスをとろうとしていますが、これは、頭の上では、よく見えるのですが、実際には、好ましくない手段です。高所得者からも中低所得者からも支援を得られないでしょう。これでは、支持率は下がる一方です。収入とか税金などは、極力触らない方がいい。少しくれると、そのときは満足しますが、すぐに不満に変わり、もっとくれとなります。削られた方は、当然不満です。それよりは、職を守り、企業の発展を後押しする方がはるかにいいのです。この場合、人口の少ない高所得者に税金を増やすのはいいとして、中低所得者の税金を減らすのではなく、職を増やすこと、中小企業の立ち直りにお金を使うべきです。

2010年2月20日土曜日

市民団体が、検察審議会に小沢氏起訴を申し立て

 民主党の小沢幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件で、小沢氏を政治資金規正法(虚偽記載)罪で告発していた東京都のナゾの市民団体「真実を求める会」が、2月12日に東京地検特捜部が不起訴処分としたのを不当として、小沢氏を起訴するように東京第5検察審議会(検審)に申し立てました。
 これまで検審の議決には、法的拘束力がありませんでしたが、昨年5月より民意を反映させる「起訴議決制度」が導入されました。検審が「起訴相当」と判断した議決に対し、検察が再捜査でも不起訴にした場合、検審が再審査を行い、あらためて起訴すべきと議決すれば、対象者は強制的に起訴されます。この場合、裁判所が指定した弁護士が検査官役を担って、起訴と公判の手続きを行うというものです。
 マスコミは、「捜査は終わらない」、「小沢は起訴だ」と検察が「不起訴」と決めた後も、有罪であるかのように煽りたてています。一種、異常です。TBSの「みのもんたの朝ズバッ」でも、これでもかというほどに小沢幹事長を悪者に仕立て上げていました。TBSは、先のブログにも書きましたが、5000万円の受け渡しについても、いい加減な報道です。
 検審は小沢不起訴を不服とする申し立てを受理しましたが、判断が覆る可能性は低いと言われています。理由は、明石の花火大会歩道事故などは、最初から手抜き捜査であったと言われています。それに比べて、今回の小沢氏の事件は、特捜が手当たり次第にガサ入れし現職議員や秘書を逮捕したり、小沢氏本人からも2回も事情聴取した結果が不起訴であったわけですから、検察に代わって、調べても決定的な証拠が出るはずもありません。とくに素人が調べても新証拠が出て来るはずもないでしょう。
 これらの市民団体が、告訴するにあたって、どのような証拠書類をつけたのかも注目されます。

2010年2月19日金曜日

羽毛田宮内庁長官の天皇会見1カ月ルール問題

 昨年12月、天皇と中国の習近平副主席との会見に反対していた羽毛田宮内庁長官(67)が、会見が決まると、急遽、記者会見をわざわざ開きました。席上、「厳格に守って来たルールが破られたのは残念。2度とこういうことがあって欲しくない」と発言しました。すなわち、天皇と外国要人との会見日程を事前調整する「1カ月ルール」を政府が無視したといって、異例中の異例と騒然とさせました。小沢幹事長の強い調子での宮内庁長官を非難する声明に及んで、「また、小沢が邪まなことを強引に行ったとして、これにマスコミやコメンテーターの分けの分からない人が、ちょうちんをつけて騒ぎ立てました。
 ところが、15日の衆院予算委員会で平野官房長官が、03年から09年12月までの間にルール外の会見が計6件あったと答弁しました。直近では、05年2月に1件ありました。羽毛田氏が宮内庁次長になったのが、01年4月でしたから、かれは、この6件すべてを見ています。また、昨年11月に来日したオバマ大統領の訪問日時も大統領の日程がコロコロ変わったために、大統領との会食日時も即位20周年記念行事の日程も何度も変更されています。また、宮内庁によれば、「1カ月ルール」が設定された95年以降、守られなかったケースが22件あったといいます。
 昨年12月の緊急会見では、戦後初めて、1カ月ルールが破られたかのように仰々しく述べました。また、08年には、定例会見で皇太子夫妻が天皇を訪問する回数が少ないために天皇が寂しがっておられるとの苦言を呈したりしました。これ以降、皇太子夫妻、特に雅子様に対するマスコミのパッシングが増えたことはご存じのとおりです。どうやら、羽毛田氏は波風を立て、マスコミの前に立つのが、お好きなようです。天皇会見を政治問題化して、陰でほくそ笑んでいたところもあります。
 いずれにしろ、こういう人は、宮内庁長官には向いていません。鳩山首相は、宮内庁と検察庁は、内閣が手を加えない場所としていますが、この判断は、間違っています。このあたりも鳩山首相が首相らしくないところです。今、国民は強いリーダーシップを望んでいます。羽毛田宮内庁長官はすぐに引責辞任させるべきです。一般国民が、小沢氏に対して、現政権に対して、誤ったイメージを持たせます。

2010年2月18日木曜日

米国債保有高で日本が中国を抜き1位に

 2009年12月末で日本の官民が保有する米国債残高が7688億ドル(約69兆円)となり、7554億ドル(約68兆7900億円)だった中国を抜いて、再び世界一になりました。日本が1位になるのは、08年8月以来です。日本は、昨年末に前月に比べて115億ドル(約1兆320億円)増やしたのに対し、中国は342億ドル(約3兆700億円)も減らし、逆転しました。中国は、09年5月には、8015億ドル(約71兆9350億円)まで増やしていましたが、ここに来て、減らし始めました。中国は、人民元相場を低くおさえるために外為市場で元売り介入を続けていますので、外貨保有高自体はえています。
 それに比べて日本の民間機関投資家はどこで運用してよいか分からずにアメリカの国債をただ買っています。米国債への集中投資は、リスクが伴います。以前は、ポートフォリオ投資とか言われていましたが、今の機関投資家は、少し能がないようです。
 それにくらべて、中国の政治家は、外貨と元を思う存分利用しています。日本が急激な円高で苦しんだようなことはなく、涼しい顔で、人民元高になるのを防いでいます。日本では、なぜ出来ないのでしょう。すぐに中国と日本とは違う。日本は自由主義社会の中での役割があると言いながら、常にイバラの道を歩かされています。今、日本の為替も105円以上にすれば、みんな、ハッピーになります。日本銀行総裁や財務省大臣は、もっと豪胆な腹の座った人がなる必要があります。国民のために政治家は、粉にして働くべきです。菅大臣の105円希望論に鳩山首相は、「政治家が為替について発言すべきではない」とか青臭いことを言いましたが、国民のため、国益のために、もっと発言すべきだと思います。発言だけで、円安に振れるのであれば、こんな効果的なことはありません。もっと計画的に発言してもよいと思います。日本は、円安にし、デフレを退治なければ、景気はよくなりません。小学校の生徒会のような発言では困ります。最近の(といっても民主党といっているわけではありません)政治家は、非常に幼稚過ぎます。先の与謝野発言にしろ、予算委員会で質問するような内容ではありません。もっとレベルの高い審議をしてほしいものです。

2010年2月17日水曜日

モーグルの上村愛子、メダルを逸す

 モントリオール・オリンピックの女子モーグルで上村愛子選手がまたもメダルを逃がしました。18歳の長野で7位、その後のオリンピックで6位、5位で、今回は4位でした。スピードを速くするためにカービンターンのヤンネ・テハテラ氏をコーチにつけ、練習して来ました。女子としては、もっとも早くカービンターンを取り入れており、一時、ワールドカップで4連勝したことがありましたが、今シーズンから、メダルがとれなくなっていました。疲れから、調子が落ちてきたのかと危ぶんでいました。今回、上村選手は滑ったあとで、暫定2位でした。ここで、1位になっておかねばなりませんでした。成績のいい選手が、上村のあとで滑るのです。上村の予選は5位、ワールドカップの成績は6位でした。そして、成績のいい人が、そのあとに滑り、ふたりが転倒したので、4位になりましたが、ふたりが転倒していなければ、6位でした。
 この種目が残酷なのは、暫定1~3位の人は、白くて大きなクッションに座れますが、座っている選手よりも成績のいい人が出ると席を譲らねばなりません。上村選手も最後のハンナ・カーニが滑ると1位になり、上村選手は4位となり、このクッションを立たねばなりませんでした。
 ところで、冷静にこのレースを見ていますと、上村選手は、最盛期よりもスピードが遅かったように思います。上村選手は、28秒88なのに対して、優勝したハンナ・カーニは27秒85と1秒近くも速かったのです。素人が見ていましても、ハンナが直線的に滑り降りているのに比べ、上村選手は、やはり右左に触れています。このため、スピードが遅くなり、足に隙間ができ、減点の対象になったのでしょう。重心も少しうしろに残っているようでした。たしかに上村選手がカービンターンの習得は、一番早かったのでしょうが、アメリカやカナダの選手の習得もあっという間でした。それが、今冬のワールドカップで優勝できなくなった理由でしょう。
 しかし、マスコミも上村選手を追いかけまわし過ぎたように思います。メダルがとれなかったのに、ここまで記録していたのかというほどにテレビで流されました。これでは、練習や私生活でも集中できなかったのではと思います。白馬村出身の上村選手は、人が良く、強く「ノー」と言えず、カメラを回すのを許したのでしょう。上村選手が、次のオリンピックを狙うのであれば、毎年のワールドカップに出ながら、マスコミの取材には、距離をおいてやるべきです。今のようにマスコミにチヤホヤされていたのでは、ここ一発の集中力が育ちません。したがって、よほど運が良くないと、次のオリンピックでもメダルはとれません。ぜひ次のオリンピックにも挑戦して、悲願のメダルを首にかけてほしいものです。

2010年2月16日火曜日

トヨタがリコールの届け出

 2月9日、トヨタが国交省にリコールの届け出を行いました。この届け出には、先にブログで書いた品質担当の横山裕行常務が持って行ったようです。さすがにこの日は、真面目そうに見える白のシャツでした。
しかし、一般的には後手にまわり過ぎたと言われています。品質問題は、スピードと判断力が必要ですが、トヨタは後手後手に回りました。品質問題の対応で、常に出て来るのが、パナソニックの品質問題での対応の仕方です。パナソニックは、すぐに広告宣伝を止め、品質の問題をテレビで流しました。これに比べますと、遅すぎた感があります。オバマ大統領までが、「トヨタは迅速な対応をするように」と、異例の発言をしています。アメリカ議会は、豊田章男社長の証人尋問まで言い始めています。売り上げの割には、ロビー活動が下手なようです。
 救われるのは、トヨタが工場をおくルイジアナ州などの4つの州の知事が、トヨタは17万人の雇用を作っており、非常に貢献していること、操業度が落ちると雇用にも影響を与えること、したがって、トヨタを異常にパッシングすることなく、公平に扱うことを申し入れていることです。
 今後は、トヨタに限らず、他のメーカーでも同様のことが起こるでしょう。このときには、誰が説明に立ち、どういう対応をとるのかということを常日頃から用意しておく必要があります。何十万人という社員がいるトヨタですら、このありさまです。反面教師として学ぶべきでしょう。

2010年2月15日月曜日

小堀隆恒・枚方元副市長の独白

 小堀氏は、平成19年5月31日に枚方市の清掃工場をめぐる談合事件で逮捕されました。当時の新聞を見て、わたしも悪いことをするなと思ったものです。しかし、本当は無罪だったのです。メデイアも逮捕された時には、100%有罪として、大々的に報道します。ところが、無罪になりますと、ほとんど報道されません。
 2月10日の日刊ゲンダイによりますと、小堀氏は平成19年5月31日午後10時ころに逮捕状が執行されました。驚いて「私が何をしたのか」と聞いても、検察は「談合の共犯や」というだけで、訳も分からず、一睡もできずに大阪拘置所で夜を明かしたそうです。
 当時、小堀氏は、腎臓がんで右腎を摘出し、さらに前立腺肥大で手術を控えていました。それを検事に伝えたそうですが無視されました。7、8時間のぶっ通しの取り調べがあり、排尿障害になり、医務室で処置を受けました。これが、乱暴で、カテーテルを強引に尿管に入れたために内部が傷つき、血尿が出るようになりました。検事に訴えると与えられたのは、介護用の紙オムツ1枚でした。家族が代用品を差し入れましたが、手元には届かず、保釈されるまでの約1カ月間は血だらけの紙オムツ1枚を繰り返し、乾かして使いました。
 不衛生だから、尿管などから雑菌が体に入り、しばらくすると高熱が出ましたが、取り調べ中もコップ1杯の水も与えられませんでした。便所で手を洗う際に口を湿らせてしのぎました。「生きて出られるか」、強い恐怖を感じましたが、取り調べは容赦なく続きました。
 取り調べもパイプイスを壁に蹴りつけたり、大声で「ごみ野郎、くず野郎」と怒鳴られたり、「金はどこに隠したか、白状しろ」と尋問されたり、はては、小堀氏が否認を続けていると、「カミさんを調べて逮捕する」とか、90歳の母親を「ストレッチャーで連れて来て調べる」など脅されました。小堀氏は、これが法治国家なのかと心底思ったそうです。
 小堀氏は、マスコミのいい加減さにも触れています。保釈後に緊急入院した病院の中で新聞各紙を読むと、一切否認なのに逮捕2日目に「容疑認める」、「1000万円もらった」などと報じられていたそうです。小堀氏は、検察からのリーク情報を垂れ流すマスコミの姿勢に呆れたと語っています。
結局は、無罪になったのですが、検察からもマスコミからの謝罪はなかったそうです。非人道的な取り調べを受けた体験者としてこんなことを二度と起こしてはならない。取り調べの可視化は絶対に必要と訴えています。
 先の足利事件の菅家さんの件もあり、冤罪を起こさせないためには、取り調べの可視化は、必要です。また、アメリカのように弁護士の立ち会いも必要でしょう。
 今回の小沢事件で、石川代議士、小沢幹事長に自浄作用で議員辞職しろと無責任なマスコミもコメンテータ、これに踊らされた一般人も言ったりしていますが、有罪になったわけではありません。もしこういうことが起これば、検察に目をつけられれば終わりだという検察ファッショが起こります。法治国家は、裁判制度があるのです。そして、日本は、法治国家なのです。テレビも新聞も恣意的に動くのではなく、良識に従って動いてほしいものです。

2010年2月14日日曜日

サントリーとキリンの合併解消

 2月8日、サントリーとキリンの合併話が解消されました。理由は、統合比率の問題で、キリンは、キリン:サントリー=1:0.5を望みましたが、サントリーは、対等合併を望みました。
 この合併話が出た時に、わたしは、この話は流れた方がいいなと思ったものです。サントリーとキリンでは、企業文化が違い過ぎます。キリンは、三菱系で、官僚的な会社のように思われます。一方、サントリーは開高健、山口瞳などを輩出した文化企業です。しかも、非上場。この二つが、どう合併するのか、興味を持ちましたが、合併しない方がいいと思っていました。この合併解消は、よかったと思います。
合併の根拠は、日本市場の縮小にあります。日本市場は、平成6年をピークに年々下がり続けています。このため、両社とも、海外での展開に力を入れて来ました。海外で戦うにあたっては、競合相手が大きいために合併して大きくして戦おうということであったかと思います。しかし、大きければ、勝てるというものではありません。なまじ大きいと知恵が総身に回りかねます。お互いにいい社風、経営理念があるのですから、そのまま頑張った方がいいでしょう。評論家は、すぐに「今回の合併は潰れたが、業界再編は避けられない」と言います。しかし、合併でうまくいった会社がいくらあるのでしょう。きちんとした戦略家がいれば、いまの規模でも十分に戦えます。
 しかし、それに比べて通信業界は、どうでしょう。ため息が出ます。どんどんシュリンクしている日本市場にしがみつき、海外に出ようとしません。食品業界の方が、その国その国の舌が違うので、海外に行く必要がないように思うのですが、どんどん出ています。スーパーも滋賀県の平和堂などは、中国に行って成功しています。国内は閉塞感がただよいすぎています。ただ、やみくもに出て成功するような甘いことはありません。いい戦略家の指導を仰ぎ、どんどん出て欲しいものです。国内は、若い人の仕事もなくなっています。世の経営者は、目先の数字だけを追うのではなく、次の世代のためのことを考えて事業を展開してほしいものです。

2010年2月13日土曜日

喫煙の害

 まず、健康からいいますと、喫煙男性は、非喫煙者と比べて肺がんの死亡率が4.25倍高くなっています。そのほかも、口腔・咽頭がんが3倍、食道がんは2.24倍、肝臓がんは1.61倍です。
 また、数本数が多くなるほど危険性が高くなります。1日に1~4本を吸う人が肺がんで死亡するリスクは、非喫煙者の2.5倍なのに対し、35本以上吸うヘビースモーカーは、8.4倍とされます。
 始末が悪いのは、虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症など)や脳卒中の危険性は1.5倍。循環器病の危険性も高く、急性骨髄性白血病、肺炎、歯周病などのリスクも増えています。
そのほか、味覚や嗅覚が低下したり、顔のシミが増えたり、ほおがこけて老け顔になる「スモーカーズフェイス」という症状も出ます。
 かって、米国では、たばこの流行で突然死が増えたことから、たばこと死のイメージをだぶらせて『棺桶の釘』といわれたこともありました。
 たばこを吸わないひとには、たばこは、においが衣服につく、副流煙を吸い込むのも迷惑極まる
吸い殻のポイ捨てで町を汚くする、喫煙者のマナーの悪さも気分が悪くなります。
 禁煙タクシーは、三大都市圏では大阪だけが未実施になっていますが、タクシーは禁煙の方向です。
未成年者の喫煙もしばしば社会問題になりますが、喫煙禁止法は、すでに明治33年施行されています。というのに、未成年の喫煙者が減らないのも気になります。未成年者の喫煙もからだによくないのです。20代の喫煙者千人のうち、高校卒業までにたばこを吸い始めた人が45.9%と多いのですが、喫煙開始年齢が早いほど肺がんで死亡するリスクは高くなります。15~19歳に吸い始めた人は、未喫煙者の5.5倍と怖ろしい数字になっています。
 今回、1箱400円となりますが、これでは安く、1箱1000円以上にして、これを機会に禁煙に走る人が増えるのが望ましいという意見もあります。
 しかし、たばこ税は、年間2兆円の税収を稼いでいます。これらのリスクがあるのに、たばこを吸っている人に驚くばかりです。未来の予測で、日本で喫煙者がいなくなることはあるのでしょうか。

2010年2月12日金曜日

トヨタの品質問題

 想像以上に問題が大きくなっています。当初、わたしが気になったのは、2月4日の品質担当常務である横山裕行氏の会見でした。「車自身には問題ない。運転する人の感覚の問題です」と話しました。感覚だけの問題では、こうは話が大きくなりません。このときの横山氏のYシャツは、わたしも詳しくはありませんが、テスタストライブブルーといわれるものだと思います。襟は白で、身の部分がブルーのタテ縞になっているものです。このシャツは、高級役人がよく着ています。北朝鮮問題のときに1億を敵にした外務省の田中均氏も着ていました。こういう会見には、ふさわしくないシャツで、顔もテレビに出れてうれしいというような雰囲気を漂わせていました。このひとがトヨタの品質のトップです。今回の件もさもありなんという感じです。品質を担当する人は、シャツのおしゃれに気を遣うよりも、品質に気を遣ってほしいものです。メーカーであれば、こういう席には、作業着を着て出るのが当然です。トヨタの品質部門も文系に占められたのかと愕然となりました。もっと現場を大事にする人でないと、メーカーの幹部は、勤まりません。この問題は、長引きそうです。単にブレーキだけの問題ではないでしょう。
 さすがに2月5日には豊田章男社長が会見に臨みましたが、すでに遅く、品質問題は世界を駆け抜けました。上がった4車種だけでなく、そのほかの機種もどんどんユーザーからクレームが上がって来るでしょう。トヨタは、日本の代表的な企業ですから、もう一度、基本に戻って真摯に品質、生産問題に取り組んでほしいものです。第2のソニーにならないことを祈ります。
 個人タクシーの運転手にもトヨタの評判は、よくありません。サービスの悪さを散々聞かされました。もうけ主義に走り過ぎているとも。さもありなんと思います。


2010年2月11日木曜日

どこに消えた5000万円入りの紙袋

 「小沢捜査」は、不起訴で終わりましたが、TBSなどが流した「5000万円の紙袋」が大きなナゾとして、残っています。TBSの報道では、水谷建設側が、小沢事務所の石川知裕書記(当時)に04年10月15日に都内のホテルの喫茶室で5000万円の紙袋を渡したというものです。水谷建設の元社長の川村氏、専務の小野氏が同席し、石川氏の正面に座り、ここで5000万円が入ったと思われる紙袋を渡したのを見たというものです。目撃者は、石川氏を長身であったと述べていますが、石川氏はそれほど長身ではないようです。しかし、その目撃者を追及していきますと、目撃した日が曖昧になって来ます。1月27日にTBSのニュース番組で昼、夕方、夜と3度も流されましたが、この件は、以後、検察も取り上げず、TBSも取り上げていませんし、間違いであったとの報道もしていません。この目撃者は、「04年10月15日とは、言っていない」、「暑くて酒を飲もうとホテルに立ち寄って、件の3人の現金の受け渡しを見た」らしいのですが、証人としての信憑性は著しく落ち、とてもこのような曖昧な証言では、証拠能力もありません。テレビ局は、所詮は、この程度の能力しかないということでしょうか。それが、人を糾弾するようなことをすべきではありません。
 この水谷建設の水谷功元会長は、現在、受刑中で、「04年は石川知裕に、05年は大久保秘書に5000万円ずつ渡した」と検察に証言しています。この水谷元会長は、福島県知事の汚職事件の時に検察に迎合して嘘の証言をした前科があります。
 一部では、今回の水谷建設から裏金は、第2の梶山静六事件ではないかといわれています。94年、当時、幹事長であった梶山氏に三井建設の政務担当の役員が、地検の聴取に「渡した」と証言し、朝日新聞などの一面トップで『ダムの受注をめぐり梶山側に1000万円支出』と大きく報じました。ところが、実際はその役員は梶山に渡さず、自分で着服、横領していたのです。水谷建設からの5000万円ももし出金されていたとしても、小沢一郎に渡る前に消えていた可能性があると述べる政治記者もいるようです。石川に渡る前に消えたのか、あるいは石川に渡って消えたのか。小沢幹事長が「不正なカネは一切、受け取っていない」と強く否定するのも分からないでもありません。
 わたしは、このような5000万円もの現金を紙袋で、しかもホテルのような多くの人が出入りするようなところで渡したというのは、なかなか信じられません。持って来るのも大変ですし、貰って帰るのも大変です。

2010年2月10日水曜日

獅子身中の虫―民主党の反小沢

 小沢幹事長が事情聴取されてから、いよいよ検察は、小沢幹事長を逮捕、拘留すると思ったのか、渡部恒三氏、前原氏、枝野氏、野田氏らが、秘書が逮捕されたのであるから、小沢氏も責任があると、一斉に吠えました。そうして、2月5日、小沢幹事長が不起訴と決まると、渡部氏などは「本人が決めるだろう」とトーンダウン。まさに、かれらは、獅子身中の虫のようです。獅子が弱くなって来ると、虫が騒ぎ始めます。かれらは、昨年の政権交代がどうして出来たのか分かっていないようです。偉そうにしていても、国会の投票では、新入り議員もベテラン議員も1票なのです。数は力です。なぜ、政権交代が出来たのかが、これらのひとたちは分かっていないようです。前原氏、枝野氏、野田氏らの秀才では、政権交代など及びもつきません。万年野党がいいところです。所詮、小粒の自民党なのです。昔、河野太郎氏の父の洋平氏が新自由クラブを立ち上げ、そこそこ勢力があったときがありましたが、結局は、自民党に吸収されました。なぜか?。小沢氏ほどの信念と実行力がなかったのです。前原氏などは、偽メール事件で本当は議員をやめておかないといけなかったのです。あれだけ、国民と民主党に迷惑をかけ、なおかつ、永田議員を自殺に追いやりました。民主党は、昨年の衆院選挙で初めて勝ち、政権をとったのです。民主党の支持率は、落ちていません。わたしなども民主党に代わってホッとしています。民主党の中で、権力争いなどやっている暇はありません。渡部氏なども身内の七奉行と飯を食う暇があれば、全国を回って、有権者に支持を訴えるべきです。戦後、頭に虱のいる学童がいましたが、DDTで一発でした。この獅子身中の虫にもDDTが必要なようです。

2010年2月9日火曜日

横綱審議委員会

 横綱審議委員会は、横綱の権威を保つために横綱免許の家元である吉田司家ではなく、相撲に造詣が深い有識者によって横綱を推薦してもらおうということになり、1950年4月21日に発足しました。
横綱審議委員は、理事長からの委嘱を受けて就任します。現在の委員の定数は、7名以上15名以内、任期は1期2年、最長で5期10年までとなっています。委員長は、委員の互選によって決定します。委員長の任期は1期2年、最長で2期4年までとなっています。新聞社の社長やNHK会長など、マスコミのトップに委嘱することが多く、八百長問題など大相撲に批判的な報道を封じ込める作戦であるとして、しばしば批判の対象となっています。
 委員に対する報酬はなく、毎場所千秋楽翌日の定例会と、東京での場所前に年3回ある稽古総見と場所総見後に食事の接待があるくらいです。稽古総見以外での観覧は、各自切符を購入して入場します。国技館では正面の審判長のすぐ後ろにたまり席があるため、テレビ放送にしばしば映ったりしています。
 近年の制度改正により、就任時期にかかわらず委員の改選時期は、委員本人が自己都合により途中退任する場合を除き、任期完了となる年の1月であることが明確化されました。これにより、手厳しい意見で知られていた小説家・内館牧子も、任期10年となった2010年の1月で委員を退任しました。
理事長が横綱昇進を諮問しながら、横審により横綱昇進を見送られた例が4度あります。1954年5月栃錦、1968年5月玉乃島、1969年11月北の富士、1994年9月貴ノ花の4人ですが、その4人全員がその後横綱に昇進しています。貴乃花などは、人気もあり、相撲協会は横綱にしたかったのですが、横審は早いとして、認めませんでした。結局、2場所連続の全勝優勝で横綱になったと思います。しかし、それ以降は、優勝、もしくはそれに準ずる成績で横綱になれるようになっています。
 近年では朝青龍の度重なる品格を損なう行為やトラブルだけでなく、ささいな行動にも苦言を呈する委員が多くなっていました。特に内館牧子氏以降は相撲内容などではなく、朝青龍という力士自体を否定するあるいは嫌う人物が相次いで委員に就任しています。一方、白鵬については、成績に関係なく、相撲内容を手放しに誉める傾向が強くなっています。白鳳、善役、朝青龍、悪役のイメージが定着しました。象徴的な例として、2009年秋場所前に白鵬が全日本プロレスの試合を観戦した際、場外乱闘でTARUにチョップをしたことについての問題は、全く取り上げませんでした。朝青龍に対しては、秋場所の千秋楽にガッツポーツを槍玉に挙げており、2009年1月場所の千秋楽の際のガッツポーズの問題があります。澤村田之助は、「山田洋次が『土俵上でガッツポーズをした横綱は朝青龍以外にいない』と電話で話していた」とコメントしましたが、2008年3月場所では格下の朝赤龍に白鵬がガッツポーズをする姿が報じられています。2横綱については、あくまで中立な見解を保たねばならない横綱審議委員会の存在を疑問視する声も多い。小倉智昭氏は2009年5月場所後の内館氏の言動を「朝青龍に対するいじめ」と指摘しました
 横綱審議委員会における横綱推薦基準は次の通りで、いずれも出席委員の3分の2以上の多数決によって決議すると内規で定めている。
・品格、力量が抜群であること
・大関で2場所連続優勝した力士を推薦することを原則とする
・2場所連続優勝に準ずる好成績を上げた力士を推薦することができる
現在の委員は、
井手正敬 (元JR西日本取締役相談役 )2005年3月就任
内山斉 (読売新聞グループ本社社長) 2005年5月就任
大島寅夫 (中日新聞社代表取締役社長) 2007年3月 就任
北村正任 (毎日新聞社会長) 2009年1月 就任
六代目澤村田之助( 歌舞伎役者、人間国宝) 2003年7月就任
鶴田卓彦 (元日本経済新聞社相談役) 2003年3月 就任
福地茂雄 (日本放送協会会長) 2009年3月 就任
船村徹(作曲家) 2003年5月 就任
松家里明 (元日本弁護士連合会副会長 )2005年3月
宮田亮平 (東京芸術大学学長) 2010年3月(予定)
守屋秀繁( 千葉大学大学院医学薬学府長 )2007年3月
山田洋次 (映画監督、脚本家) 2004年1月
です。
 今回の事件で、横綱・朝青龍(29)が2月4日に、電撃引退したあと、横審の引退勧告が届きました。日本相撲協会が泥酔暴行問題の処分を協議するために、午前11時から両国国技館で開いた理事会の途中、師匠の高砂親方(元大関・朝潮)とともに朝青龍が呼び出され、弁明しましたが、九重親方らに別室に呼ばれ、「今回は厳しいぞ」と暗に引退を勧められ、自ら引退を決意しました。
 横審では委員の3分の2以上の表決で引退勧告を出すことができますが、今回は満場一致だったといいます。鶴田委員長は騒動を独自に調査したと言い、「被害者の写真を見たら顔には1ミリの傷があった。これで暴行を認めたわけではないが、未明まで酒を飲んでトラブルを起こした。これまでもいろいろありましたし」。問題行為の再発と、場所中の騒動自体が決定打となったようです。
 引退勧告の前に、朝青龍は引退を表明しました。横審は、相撲協会の理事会で、高砂親方、朝青龍から事情を聞き、その場はそれで終わるだろうから、そのあとの臨時横審で引退勧告を出し、いいカッコウをしようと思ったのでしょうが、横審前に引退届を出され、肩透かしを食らった形です。相撲協会もスピーデイではありませんが、横綱審議委員会もスピーデイさに欠けるようです。この人たちにスピーデイな正常な判断が出来るのでしょうか。今回の朝青龍を横綱への推挙を認めた横審委員は、自らも辞めるべきではなかったのでしょうか。潔さを示してほしいものです。

2010年2月8日月曜日

貴乃花親方の理事当選

 朝青龍の引退などがあって、古いニュースになってしまいましたが、この件には、触れないわけにはいきません。2月1日の日本相撲協会の理事の選挙で貴乃花親方が10票をとって、当選しました。貴乃花には、7票しか入らず、当選はないと予想されていましたが、他の一門から3票をとり、当選したわけです。その代わりに、立浪一門の大島親方(元大関旭国)は8票しかとれず、落選しました。貴乃花の3票には、立浪一門から2票、二所ノ関一門から1票が投ぜられたようです。立浪一門の犯人探しで、とうとう安治川親方(元幕内光法)が、名乗り出ました。そして、退職することを表明し、2月3日に退職届を相撲協会に提出しました。相撲協会は、最初はすんなり受理する予定だったのでしょうが、世間の風と監督機関の文科省からも一言あって、遺留し、安治川親方もこれを受けて残ることになりました。安治川親方の貴乃花への投票には、音羽山親方(元大関貴ノ浪)からの説得もあったようです。安治川親方の投票行動には、一種のすがすがしさを感じたものです。
 立浪のあと1票は、誰かということで、立浪部屋所属の立行司の木村庄之助が名指しで疑われたようですが、「冗談にもほどがある」と血相を変えて怒ったそうです。結局、立浪のあと1票と二所ノ関の1票は、誰が貴乃花に投じたか分かりません。
 貴乃花を知る人が、かれを褒めているのは、他の親方が、奥さんにチャンコ料理屋さんをやらせたり、副業に走っているのに、貴乃花はそういうことには一切行わず、相撲一筋だそうです。これは、現役時代とまったく変わっていません。
 貴乃花は、教習所長におさまりましたが、若手の教育には、適任だと思います。相撲協会は、朝青龍の引退によって、ヒール役がいなくなり、面白さが減ってしまいます。ただでも人気が落ちているのに、さらに落ち目になります。良くも悪くも朝青龍で観客をひきつけていたこともあり、今後は、若貴時代のように新しい日本人のスターを育て上げ、もう一度相撲人気を盛り上げてほしいものです。

2010年2月7日日曜日

小沢幹事長の不起訴

 東京地検の谷川恒太次席検事と佐久間達哉特捜部長が、政治資金規正法違反(虚偽記入)容疑および資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る事件で告発されている小沢氏について、「嫌疑不十分で不起訴とする」方針を固め、2月4日午後6時すぎから記者会見を行いました。
 「公判廷で立証し、有罪判決を得るための証拠が足りなかった」。約60人の報道陣が集まる中、佐久間特捜部長が、小沢氏を嫌疑不十分とした理由について説明すると、1時間20分にわたって捜査の経緯などに質問が相次ぎました。
 「(石川容疑者らとの)共同正犯に問うだけの証拠がなかった」。淡々とした口調だった佐久間特捜部長が厳しい表情を見せたのは、今回の捜査について「(小沢氏に対する)狙い撃ちとの批判がある」と問われた時でした。「我々は様々な事件を捜査する過程でいくつも端緒をつかみ、複数の事件を並行して調べている。特定の政治家を狙っているわけではない」と語気を強めて反論しました。しかし、谷川次席検事は、小沢氏の地元の元盛岡地検検事正で、つねづね「小沢をやりたい」と言っていたそうですので、今夏の参議員選挙の前にまたやるでしょう。
  陸山会の事務担当者だった石川知裕衆院議員(36)らとの共謀を立証するには証拠が不十分で、起訴は困難と判断したわけです。一方、特捜部は、同法違反容疑で逮捕された石川容疑者ら3人については、拘置期限の2月4日、同法違反で起訴しました。昨年11月の刑事告発から始まった捜査はこれで終結します。実際は、昨年3月からですから、異常ともいえる長さです。
 今回の検察のやり方は、証拠が必ずしもあったわけではなく、秘書の3人を絞り上げ、これと小沢氏の意見聴取を行うと辻褄が合わないところが出て来、これを追求するとボロが出て、起訴に持ち込めると考えていたように思われます。事実、石川被告などへの尋問は、過酷この上なかったようです。取り調べの可視化は、民主党はすぐに取り組むかも分かりません。立件対象となった虚偽記入の金額が合計すると約15億円と巨額なことや、それぞれが重要な役割を果たしていることから、公判で刑事責任を問うべきだと検察は判断したようです。
 陸山会の資金については、検察は、昨年3月3日に、大久保秘書が西松建設の献金問題で逮捕し、84日間拘留しています。そして、また今回の逮捕です。それでも、出て来なかったということは、検察は相当に小沢氏を狙い撃ちにしていたとしか思われません。小沢氏は、検察がいくら追求しようが、野党の小沢氏には、職権で建設会社に斡旋は出来ないのです。普通であれば、斡旋できる自民党、公明党の幹部を追及すべきでしょう。今回の小沢氏の調査はダミーで本星は自民党の領袖にあるというのであれば、納得します。景気の再生をしなければならないこの時期に与党の幹事長を抑え、国会の審議を滞らせたのに、「わしは関係ない」ではすまないでしょう。
 何回も書きますが、メデイアも検察は正義、小沢は悪という報道は、やめてほしいものです。わたしが、無罪であれば、多くのメデイアを名誉棄損で訴えます。メデイアは、今や第1主権者です。判断能力を持ってほしいものです。また、メデイアの使うコメンテーターも無責任過ぎます。「自分の意見を言ったまで」と思っているのでしょうが、公衆の電波を使うテレビで発言しているのです。もっと自らも調べて、そのうえで視聴者に誤った判断をさせないようにしてほしいものです。

2010年2月6日土曜日

朝青龍の引退

 2月4日、横綱朝青龍が引退しました。度重なる不祥事に、今回は暴力事件で、相撲協会も隠すことは出来なかったのでしょう。西麻布で暴行した際にも警察に行っていたようですが、これを朝青龍側は、隠していたようです。そして、1000万円とも1500万円ともいわれる示談金を渡して、示談書を作成して、相撲協会に提出しました。今は相撲協会関係の10人の理事以外に外部から2人の人が入った理事会での説明では、誤魔化しようがなく、別室で今回は厳しいから自ら引退を申し出ろと諭されたようです。それで、相撲協会からの解雇ではなく、自主的な引退により、名誉も退職金なども確保できたということです。
 朝青龍のあとが心配です。白鵬も朝青龍がいたから、緊張して勤まりましたが、一人横綱になると責任も重く、緊張感も切れるでしょう。昔、栃若時代に栃錦が引退すると、若乃花も気力がなくなり、優勝できなくなって、引退しました。朝青龍の引退を聞いて、白鵬も涙を流していましたが、相撲協会、親方も白鵬に対するケアをよほどしないと、今年中に白鵬も引退するということが起こりかねませ。あとは、琴欧州、日馬富士、枇留都(字が違っているかも分かりません)以外にすぐに横綱を目指せそうな人がいません。残念ながら、いずれも日本人ではありません。貴乃花が新理事になったことでもあり、是非、日本力士を育成し、活躍を期待したいものです。相撲協会の不祥事は、おしまいにしないと、有望なひとは、相撲界には行きません。

2010年2月5日金曜日

葛城氏の秋津遺跡

 10月29日の弥生時代の農耕遺跡の御所市玉手遺跡をブログに書きましたが、ここに近い秋津地区で、葛城氏の祭祀跡と思われる遺構が見つかりました。今、この地区は京奈和自動車道の建設中で、その事前調査で見つかったものです。この遺跡は、4世紀前半と推定されております。ここから、木製の分厚い塀が出土しています。この塀の中に掘っ立て柱建築物が4棟あったと見られ、その建物を囲むように木製の塀で囲まれていました。これは、大阪府八尾市の心合寺山古墳の「囲型埴輪」の囲いの構造と一致しています。
 丸木を板にするのは、当時は、鋸がありませんから、槍鉋で削っていかねばなりませんから、平たい板を作るのは、大変です。槍鉋は、玉手遺跡にもありました。今、使われている鉋は、台鉋といって、室町時代から使われ始めたものです。
 この秋津地域は、葛城氏の勢力範囲と思われ、葛城山の頂上にいた神様を塀の中に呼んで、秘儀を執り行ったのではといわれています。葛城襲津彦の娘・磐之媛は仁徳天皇の皇后で履中、反正、允恭の3代の天皇の母です。大阪・河内地方の王権を支え、絶大な権力を誇ったようです。
 この大和盆地の南部には、4世紀前半に、東の巻向、西の葛城といった二大勢力が拮抗していたものと思われます。大和盆地の東の巻向を勢力範囲とする勢力は、三輪山をご神体とし、西を勢力範囲とする勢力は、葛城山をご神体としていました。そして、この葛城勢力は、帰化勢力をバックにした蘇我氏に吸収されていきます。大和朝廷草創期の話です。

2010年2月4日木曜日

奈良・桜井茶臼山古墳から81面の鏡

 先に茶臼山古墳を見たときの感想を書きましたが、その後の地道な調査で、81面の鏡の破片が見つかりました。昭和24、25年の調査で22面、今回が59面で、合わせて81面というわけです。これまでは、福岡県前原市平原1号墓の40面が最多でしたが、これを大幅に更新しました。平原1号墓は弥生時代のものであり、古墳時代のものでは、京都府木津川市の椿井大塚山古墳の37面、奈良県天理市の黒塚古墳の34面が、多く発見されたものでしたが、それらの倍以上で、型も13種と最多でした。しかし、完全なものはなく、すべて破片というのも謎です。
 銅鏡の内訳は、
 三角縁神獣鏡 26面、
 内行花文鏡(国産)10面
 同  (輸入)9面
 画文帯神獣鏡、斜縁神獣鏡、四乳神獣鏡 16面
 半肉彫獣帯鏡   5面
 環状乳神獣鏡   4面
 だ龍鏡      4面
 細線獣帯鏡    3面
 方格規矩鏡    2面
 単き鏡      1面
 盤龍鏡      1面
 魏志倭人伝には「中国皇帝が卑弥呼に『太刀や銅鏡などを汝の国中の人に示せ』と伝えた」と記されています。
 今回、見つかった「正始元年」鏡の破片は、1.5センチ大で、群馬県高崎市の蟹沢古墳など3古墳で見つかっている「正始元年」の年号入りの鏡と同じ鋳型であることも確定しました。これらの銅鏡には、繊維あとがあり、銅鏡を1枚1枚、絹の布に包んで葬ったようです。この「正始元年」は、西暦240年にあたります。倭国の女王・卑弥呼が中国の魏に派遣した使節が帰国した年です。
 この茶臼山古墳は、誰が葬ってあるのでしょうか。茶臼山古墳の築造は、3世紀末から4世紀初めと比定されていますので、崇神天皇、景行天皇の三輪王朝の前の王朝と思います。となると、やはり卑弥呼か臺与ということになります。そうなると、邪馬台国は大和ということになります。わたしは、神武東征を信じたいので、まだ結論は出ない方が、いろいろ想像できて楽しいです。最近の発掘は、邪馬台国近畿説を補強するものばかりで、北部九州の考古学者の活躍をのぞみたいものです。

2010年2月3日水曜日

中国の蟻族

 蟻族とは、頭が大きく(高学歴)、仲間と群れをなして同居することから、そう呼ばれています。中国の大学生は、1998年には340万人でしたが、99年に政府が高等教育拡大を宣言し、募集枠を拡大し、新設の私立大学も増えたために08年には2150万人に膨らみました。もともとは、経済発展に必要な人材養成が目的でしたが、「世界の工場」が必要としているのは単純労働者で、ホワイトカラー職を望む大卒は供給過剰の状態です。大卒の約半分が失業しています。大卒者も今矢、高給よりも安定した仕事をのぞんでいます。
 中国でも日本、韓国と同様に非正規雇用が増大し、貧富の格差が拡大しています。政府機関や国有企業などに安定した職を持つ「既得権益層」は社会保障面などでも優遇されており、若者の不公平感が強まっています。中国政府は大卒者の就職問題と農民工(農村から都市への出稼ぎ労働者)の2つが社会の2大不安定要因として強い危機感を持っています。

2010年2月2日火曜日

無責任なマスコミ報道

 どうもマスコミの報道は、日本をおかしな方向に向かわせているように思えてなりません。まず、マスコミの世界にいる人たちは、マスコミが第1主権者であることを自覚しなければなりません。第1主権者は、一般国民でも国会議員でもありません。マスコミなのです。
 今回の小沢報道ですが、マスコミは検察がどうもっていこうとしているか分かるはずです。小沢に与党の代表、幹事長をやってもらうのは困るのです。取り調べの可視化を民主党は考えています。アメリカでは、取り調べには、弁護士が立ち会います。本当は、可視化よりも弁護士の取り調べ時の同席を求めることの方が先なのですが。
 検察をはじめとする官僚には、民主党政権よりも自民党政権の方がやりやすかったのです。自民党政権は、この60年の政権担当で、日本国をシロアリのように巣食ってしまいました。後世は、今回の政権交代を無血革命と呼ぶでしょう。
 これには、小沢一郎の力が大きかったことは間違いありません。大なたをふるったのは小沢でした。大なたは彼しかふるえません。彼なしには、今も自民党政権が続いていたことでしょう。そして、マスコミは、この小沢を葬り去ろうとしています。世論も完全に小沢は幹事長を辞めるべきという方向にいっています。今、小沢がいなくなると、民主党はどうなるでしょう。前原、枝野も勝手なことを言い始めました。なぜ、言うのでしょう。それほどに目立ちたいのでしょうか。それとも、自民党から何がしかの粉薬を嗅がされているのでしょうか。また、マスコミは、小沢を辞めさせた後に、どうもっていこうと考えているのでしょうか。そういうことも考えずに検察に手を貸して、小沢潰しを行い、民主党政権の崩壊を持って行こうというのは無謀です。少なくとも、あと数年は、民主党政権を続かさなければ、元の黙阿弥です。“水清くして魚棲まず”といいます。どぶ川だった自民党政権よりも随分いいはずです。

2010年2月1日月曜日

JAL稲盛和夫CEOは、ゴーンになれるか

 2月1日から稲盛和夫・京セラ名誉会長(77)がJALのCEOに就任します。1月30日の日刊ゲンダイによりますと、稲盛氏は、第2のゴーンになるのか、カネボウからJALの会長になった伊藤淳二になるのかと、書いています。伊藤淳二氏は、当時の中曽根康弘首相がカネボウからJALに送りこんだ労災対策のエキスパートでした。“沈まぬ太陽”にも出て来ます。しかし、伊藤氏の手法は、カネボウでしか通用しないものでした。稲盛氏も伊藤氏もカリスマ経営者で、宗教的な色彩が濃く、カネボウは“伊藤教”、京セラは“稲盛教”の教団株式会社と陰口を叩かれました。
 今回、稲盛氏にCEOの話が行く前に、ANA会長の大橋洋治氏に打診しましたが、大橋氏は取り合わなかったそうです。大橋氏は航空業界で小沢氏が唯一信頼する経済人だったそうです。
 結論は、JALの再建には、カルロス・ゴーンのドライさが、必要だということです。稲盛氏は中には、厳しいが、外には意外に甘いところがありますから、ゴーンのような割り切り方と手法がとれるでしょうか。時間は、3年間しかありません。JALは絶対に再生しないといけません。成功しなければ、国民にとっては、不幸です。