2010年10月6日水曜日

オバマが彷徨うアメリカ

 今年5月のアメリカの完全失業者数は347万人でした。完全失業率は5.2%に上り、前月と比較しても、0.1%ポイント上昇しています。

 黒人初の大統領が誕生してから、早や1年6カ月。「CHANGE」をスローガンに、国の舵を握るようになったオバマ大統領ですが、まずは公約通り「医療保険改革法案」を可決させた。健康保険を持てない4700万人にとっては、第44代大統領は救世主と呼べるかもしれません。日本の鳩山、菅とは、だいぶ違います。

 これは、公的資金をつぎ込むことでもあります。その金額は、10年間で9400億ドル(約79兆9000億円)とされています。

 1950年代、デトロイトの人口はおよそ185万人でした。1903年に、フォードが、1908年にはGMが、そして1925年にはクライスラが生まれ、アメリカ合衆国自動車産業の心臓部となりました。
 黒人たちは1943年と1967年に大きな暴動を起こし、デトロイトからは人口が減少していきました。1960年に167万人、1970年に151万人、1980年に120万人、1990年には102万人、2000年に95万人と年々、寂れていったのです。

 いまや、自動車都市は、モーター・シティーではなくゴースト・タウンとなっています。デトロイトのホームレスは住民の50人に一人の割合に及びます。

 当然のことながら、貧しさは犯罪率を上げます。ディロイトにおける殺人事件の発生率は、全米平均の5.16倍、放火にいたっては6.34倍もの数字となっています。
デトロイトで卒業証書を手にする高校生は、全体のおよそ25%に過ぎません。全米50州のすべてが、高校業務を義務教育としているのに、この数字です。

 2005年に発表されたデータによりますと、アメリカ合衆国のホームレスの数は約74万4000人。そのうち、ネヴァダ州は1万6402人。ラスヴェガスでは1万2198人が、街を彷徨っています。ラスヴェガスの失業者は、とうとう人口の14%を超えました。

 5年後の現在、アメリカのホームレスの数は、230万人から350万人とされます。急激に増えています。そして、人口の10%に及ぶ失業者は、ホームレス予備軍と考えられています。
 多くの貧しいひとたちは、オバマ大統領を支持していますが、果たしてかれはアメリカ国民を豊かにできるのでしょうか。日本より悲惨な状況にあるアメリカが日本を救ってくれるのでしょうか。自分のことだけで、精一杯のように思います。日本は、独立国として、他の国に頼らず、しかし協調しながら逞しく生き抜いていかねばなりません。菅、仙谷、前原、岡田氏らには、その逞しさがないように思います。坂本龍馬や高杉晋作のような人が出現してほしいものです。

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