2010年8月25日水曜日

日韓併合100年の首相相談

 歴代首相は、まとまった日程がとれる8月に外遊するのが常でしたが、菅直人首相は、内に籠もることを選択しました。にわか勉強でもしているのかと感心していたら、出てきたのが日幹併合100年にあわせた首相談話でした。仙谷官房長官、枝野幹事長と詰めた内容だったのでしょうが、非難の雨です。やはり、菅氏は総理にすべき人ではなかったようです。このまま、民主党の代表選で勝って、あと2年、首相をやられると、日本は間違いなく、太平洋に沈んでしまいます。

 菅氏は、「平成7年の村山談話の踏襲にすぎない」と民主党内の慎重派を説得しました。さらに返す必要のない文化財まで「お渡しする」と約束しました。踏襲するなら改めて閣議決定するまでもないことでした。こういう軽薄な首相では、北海道もロシアに売り渡しかねません。

 「私は、歴史に対して誠実に向き合いたいとおもいます。」というくだりは、全共闘世代らしい思い入れたっぷりで笑ってしまったと『産経抄』に書かれていました。

 アジア各国に謝罪を繰り返す一方で、約250万柱の戦没者を祭る靖国神社を軽んずるのが「歴史に誠実に向き合う」あかしだと思い込んでいることです。8月15日に靖国神社に参拝する予定の閣僚がひとりもいない事実こそが、この政権の本質を物語っています。国を守るために亡くなった人々の慰霊と外交とを天秤にかけること自体、政治家として失格だとも書かれています。親族の中にこの太平洋戦争で亡くなったひとはいないのでしょうか。わたしは、とくに右翼でもありませんが、靖国神社の近くを通ることがあれば、必ずまいります。中国からのお客も連れてゆくことがあります。かれらにも説明するとほとんどのひとが理解してくれます。

 怪しからんのは、韓国の外交通商省で、菅氏の談話を意図的に変えて、韓国語に通訳していました。「お渡し」と言う表現が、「返還」に修正、外交通商省も12日、この事実を認めましたが、修正を正当化しました。外交通商省の修正については、中央日報は「使われた用語が気に入らないからといって、他国の首相談話を自らの気分に合わせ変えて通訳していいのか。むしろ正確な表現を通じ、日本政府がどうような考えをもっているのか国民に知らせるのが道理だ」と批判しました。日本のメデイアよりは、よほど理性があります。

 記者から「なぜ現時点が適切なのか」と質問された仙谷氏は、「まあ、適切というふうに考えたから適切だということですね」と訳の分からないことを言って誤魔化しています。
こういう問題では党内の根回しが必須です。しかし、ほとんど菅氏と仙谷氏、枝野氏で決めています。そして、大きな国益を損なっています。

 消費税問題と同じで、そういう基本的なことができていません。政治評論家の浅川博忠氏は、「菅首相はもともと外交には強くないといわれていましたが、またしても政治オンチぶりを露呈してしまいました」と批評しています。

 「その趣旨は朝鮮半島全体に及ぶと思う」と、日本との国交がない北朝鮮へ及ぶと言及する岡田外相のような空気の読めない人もいます。岡田氏は、多くの日本人を拉致し、かつ核兵器を日本に向けている北朝鮮に対しても「殖民地支配」への反省とお詫びをしなければならないと語っています。床屋で話すのとは違います。岡田氏は、停滞している日朝国交正常化交渉の進展に意欲を示しているようですが、同氏の今回の発言を受けて北朝鮮が今後、「植民地支配」への補償を強く求めてくることにもなりそうです。国交を結んでも拉致された人を返してくるとは思われません。拉致問題は、国が交渉するよりも、民間ベースで交渉する方がよほどうまくいくと思います。拉致問題を除いて、北朝鮮と国交を正常化したいと思っているひとがどれくらいいると思っているのでしょう。

 今回の菅首相談話は、中国側にも複雑な反応を呼び起こしているようです。10日の談話発表直後、中国のウィブサイトには、「なぜ韓国にだけ謝罪するのか」、「中国も謝罪を要求し、略奪された文物の返還や侵略被害者の補償をもとめろ」と書きこまれています。

 しかし、歴史問題を対日攻勢の武器にする必要性がほとんどなくなった中国の対日関係者は「日中は歴史問題で紛糾する時代に戻るべきではないが、われわれが懸念するのは菅首相の談話が、中国国内の反日世論に火をつけ、政府の対日政策を縛ることだ」と菅首相談話に困惑しています。さらに菅首相が10日の記者会見で「日韓に米国を加えた3カ国協力は、地域の安定に重要」と述べたのは、中国を刺激せずにいませんでした。言葉の大切さを、もう一度学んでほしいものです。

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