2010年7月4日日曜日

菅首相の「ある意味では」

 菅首相は、首相指名後の記者会見でも、標記の「ある意味では」を20回使ったようです。これについて、6月30日の日刊ゲンダイは次のように解説しています。

 「ある意味では」という条件をつけると、いかなる論も成立するそうです。「ある意味では」と言っておけば、あらゆる失言が許され、表現の魔法ともいえる詭弁のツールと書いています。

 ここで、例にとっているのが、「○○さんには、ある意味では感謝しなければなりません。あのときの一喝がなければ、今でもわたしは非常識な社員のままでした」。こう言われると、たしかに耳に心地いい。しかし、これでは、本当に感謝しているのか、感謝の裏で、まだ恨んでいるのか不明と、書いています。
 また、大事な商談や明確な結論を出さなければならない会議では、「ある意味では」は、決して使うべきではない。厳しく突っ込まれますと、あります。

 これを分析すると、
①ある意味では→根拠の弱さを隠す。
「ある意味ではOKと思います」のように根拠の弱さを隠すときに使います。
②ある意味、逆に→論点をずらす。
会話の主導権を引き寄せたいときにも使われる派生フレーズで、こんなときは、代替案や妥協案がない場合がほとんどで、部下が使ったら、「何の逆なんだ?」と返すべきとあります。
③ある意味、仕方ない→努力不足の言い訳
これは「あそこの会社の体質だから、ある意味、仕方がない」という使い方で、本当は自分の努力不足なのにそれを棚に上げて他人のせいにする。

 仕事のミスを咎められて、「ある意味、織り込み済みです」とか、何も成し遂げていないのに、「ある意味、商談大成功」なんて、言い出すものもいるが、こういう輩は、黙殺すべきと書いています。 嵐山光三郎氏は、「ある意味では」と並ぶ詭弁ツールに「まさに」と「ご理解ください」があると言います。

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