2010年3月23日火曜日

不毛地帯

 唐沢寿明の「不毛地帯」が終わりました。わたしは、脇役陣も豪華ですので、期待していました。すべて見ました。録画していましたので、結局2回見ました。視聴率は、あまりよくなかったようです。1回目が14.4%、2回目が11.1%でした。時間的にも夜10時からでしたので、厳しかったのかもわかりません。
伊藤忠商事の元会長の瀬島龍三氏と思しき壱岐正が主役です。参謀本部出身で、シベリアに抑留され、多くの日本人が死んでいく中で、生き残り、無事生還できます。その後、近畿商事という商社に入って、実力を発揮し、副社長に登りつめます。原田芳雄の大門社長も出色です。壱岐正を嫌う岸部一徳の里井副社長も少し演技がオーバー気味ですが、よく出来ていました。ライバルの東京商事の鮫島辰三もよくできていました。かれは、日商岩井の元副社長の海部八郎と模されています。兵頭役を演じた竹野内豊は、得な役でした。
 1976年に東宝が映画化し、このときは壱岐正を仲代達也が演じ、1979年の毎日放送では、平幹二郎が演じました。
 少し無理を感じたのは、大門社長が綿花相場で大損し、高齢になってワンマンの要素がますます強くなってゆくことに危機感を感じた壱岐がイラン・サルベスタン鉱区での油田試掘くに成功したことを花道に引退させ、自らも引退することです。普通であれば、ここでは引退しないでしょう。山崎豊子は瀬島龍三が引退することを暗にのぞんだのでしょうか。このあと、壱岐は第3の人生をシベリア抑留者の親睦団体の朔風会の会長となり、遺骨の収集などのためにシベリアに行くことに注ぎます。
 少し違和感をもったのは、社長の大門は、頭髪も白くなり、杖をつくなどかなり年をとってゆくのですが、唐沢の壱岐は、わずかに髪が白くなりますが、若い時とあまり変わりません。肌などツルツルの感じです。恋人役の小雪もそうです。まったく変わりません。
 また、最後が、後味がよくありませんでした。どうも山崎豊子の小説は、ハッピーエンドで終わらないようです。「沈まぬ太陽」、「白い巨塔」もそうでした。三島由紀夫は、「小説はハッピーエンドでなければ小説ではない」と言っています。わたしもハッピーエンドが好きです。人生もそうありたいと思っています。

0 件のコメント: