2010年2月21日日曜日

米国、富裕層に大増税

 オバマ大統領の人気が低落しています。これまでのブッシュ政権は富裕層には手厚い保護を与えていましたが、オバマ大統領は、底辺層を救済したいようです。
2月1日に税制改革案の詳細が明らかにされましたが、所得税率を上げる方向になりました。11年度から実施する高所得者向けには、最高税率を35%から39.6%に戻します。キャピタルゲインの税率も20%に上げます。これに控除の縮小もあって、10年間の富裕層の負担額は、11年度の米国内総生産見込みの6%強にあたる計算になります。すなわち、10年間で9690億ドル(約88兆円)の増税になります。
 2000年から07年の所得の伸びの65%は上位1%の高所得者層が得ていると指摘されています。今回の増税は公正な増税であるとの見方がとられていますが、共和党のマコネル上院院内総務などからは、「この国が求めているものではない」と反発しています。
 11年度の高所得者増税は、414億ドル(約3兆7600億円)となりましたが、中小企業と中低所得者への減税は拡充しており、差し引きすると民間部門の税負担は同年度に123億ドル(約1兆1170億円)に減ります。
 オバマ政権としては、貧富の差が拡大しており、高所得者から税で吐き出させ、中低所得者の税金を減らすことで、多少、バランスをとろうとしていますが、これは、頭の上では、よく見えるのですが、実際には、好ましくない手段です。高所得者からも中低所得者からも支援を得られないでしょう。これでは、支持率は下がる一方です。収入とか税金などは、極力触らない方がいい。少しくれると、そのときは満足しますが、すぐに不満に変わり、もっとくれとなります。削られた方は、当然不満です。それよりは、職を守り、企業の発展を後押しする方がはるかにいいのです。この場合、人口の少ない高所得者に税金を増やすのはいいとして、中低所得者の税金を減らすのではなく、職を増やすこと、中小企業の立ち直りにお金を使うべきです。

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