2010年2月3日水曜日

中国の蟻族

 蟻族とは、頭が大きく(高学歴)、仲間と群れをなして同居することから、そう呼ばれています。中国の大学生は、1998年には340万人でしたが、99年に政府が高等教育拡大を宣言し、募集枠を拡大し、新設の私立大学も増えたために08年には2150万人に膨らみました。もともとは、経済発展に必要な人材養成が目的でしたが、「世界の工場」が必要としているのは単純労働者で、ホワイトカラー職を望む大卒は供給過剰の状態です。大卒の約半分が失業しています。大卒者も今矢、高給よりも安定した仕事をのぞんでいます。
 中国でも日本、韓国と同様に非正規雇用が増大し、貧富の格差が拡大しています。政府機関や国有企業などに安定した職を持つ「既得権益層」は社会保障面などでも優遇されており、若者の不公平感が強まっています。中国政府は大卒者の就職問題と農民工(農村から都市への出稼ぎ労働者)の2つが社会の2大不安定要因として強い危機感を持っています。

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