2010年1月15日金曜日

日航の法的整理

 官民ファンドの企業再生支援機構は法的整理案を提示し、日航と国土交通省は私的整理での再建を主張していましたが、どうやら法的整理に落ち着いたようです。私的整理は裁判所が関与しないために、民事再生同様に債権者らの合意が条件で調整が困難なことがあります。高額な年金の穴埋めに資金が流用される、企業年金を制限する特別立法も憲法の財産権に抵触する危険性があって難しいようです。
 結局、法的整理となり、会社更生法の適用を受けます。倒産というイメージはついてまわりますが、仕方がないでしょう。企業再生支援機構は約3000億円の出資をするほかに約4000億円の融資する方向で調整しているようです。一方で、金融機関には、2500億~3500億円程度の債権放棄を求める方向です。
 先に前原誠司国土交通相直轄の専門家チームが査定した債務超過額は、2500億円としていましたが、実際は7000億円程度になったようです。このチームは、このコンサル料として10億円を日航に請求したそうです。
 企業再生支援機構は、上の7000億円のほかに日航の取引金融機関のつなぎ融資に6000億円の保証を与える方向ですので、最大1.3兆円の金融支援を検討していることになります。
法的整理をしたのは、アメリカの自動車最大手のGMも同様ですし、そごうも法的整理を経て再建を果たしています。
 しかし、日本の航空会社は世界でもっとも割高な着陸料や航空燃油税を徴収され、政府はそれを原資にして利用客の少ない地方空港を次々に建設して来ました。この無駄な構図を解消しない限り、航空の自由化に勝てないと思いますし、顧客も逃げてゆきます。この機会に徹底的に膿を出してほしいものです。わたしは、JALは好きで、年に100回弱、乗っています。

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