2009年12月21日月曜日

中国の汚染粉ミルク事件その後

 「三鹿」ブランドの粉ミルクに有害物質のメラニンが混入して、乳幼児6人が死亡、30万人以上が健康被害を受けた事件で、初の民事訴訟が北京で開廷されました。
この事件では、ほとんどの被害者が賠償協議に合意しています。しかし、約200人が賠償額が少なすぎるとして、民事訴訟で争っています。しかし、被告の「三鹿集団」は今年2月の石家荘市中級法院によって、破産申請が受理されています。
 破産申請が受理された企業は、第一に実施すべきは、従業員の給与や社会保障費を支払うこと、次が銀行への借り入れ返済です。被害者への賠償の支払い義務は、順位が低く、資産が残っていたときのみに支払われます。今回は、「三鹿集団」には、資産とも言うべきものが何も残っていませんので、被害者への賠償金の目処は立ちません。
 原告団の弁護士は、「三鹿集団」に賠償能力がなければ、「三鹿集団」の株主である石家荘乳業有限公司、承徳華寧乳業公司、唐山市康尼乳業公司を被告とするように戦略転向するようですが、どう考えても無理筋でしょう。
 結局は、被害者は、「企業に賠償能力がなければ、監督不十分であった国が賠償すべき」としていますが、常識的にこれも難しいように思います。
 この民事裁判を見ていますと、妥協せずに裁判で争って、少しでも多くとろうとした人が、失敗した感があります。ここは、想像ですが、わたしに任せるとかなりの賠償額がとれると、弁護士が言ったのかもわかりませんが、相手をよく調査しておかないと、肝心の相手が倒産したという笑えない話になります。
 こうしてくると、やはり賠償能力のあるしっかりしたブランドのものを買う以外にないと言えます。中国では、日本の粉ミルクがよく売れています。しかし、粉ミルクは、いかんせん重く、輸送費もかかって個人輸入では、利益はあまり出ないようです。

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