2009年12月6日日曜日

関西の空港問題(3)~3空港の一元管理~

 関西、大阪(伊丹)、神戸各空港のあり方を検討する関西3空港懇談会で提案されることが固まった3空港の「一元管理」について、大阪府の橋下徹知事は1日、「中途半端な一元化ならやらない方がいい」と述べました。自らが抜本的解決として主張している「伊丹廃港」を打ち出さない議論を牽制したものです。
 懇談会は、大阪府や兵庫県、神戸市、国土交通省や地元経済界など12団体で構成されています。11月30日の実務者レベルの調整で一元管理案が固まりました。知事は「3空港が併存しては抜本的解決にならない。傷口にばんそうこうを張るだけの対症療法」と、批判しました。
 12月14日には、正式合意する見通しです。関空会社が伊丹空港を運営し、同空港の収益を関空会社の経営改善に充てることも含め、関係者で今後、3空港を一体運用するための具体的な手法を協議します。政府の行政刷新会議の「事業仕分け」で、関空会社への補給金160億円が「凍結」とされたことから、関西3空港の将来像を示す必要があると判断したためです。
 関西3空港は、関空が関空会社、伊丹が国、神戸が神戸市と、設置・管理者が分かれている。設置・管理者が異なる複数の空港を一つの運営主体が一元管理するのは、国内では初めて。
 関係者によると、まず、関空と伊丹で一体運用を実施。競合する路線の再編などで効率的運営が可能になる上に、年間40億円に上る伊丹の黒字を国からの管理委託費などの形で関空会社に補填できるという。運営主体は関空会社のほか、一部事務組合なども検討される。その後、神戸も加える。
 国交省航空局の幹部は「地元の意向を尊重して検討する」とし、関空会社幹部は「関空活性化のための議論で、関西全体で決めたことに従う」と話している。
 関空は1兆円超の有利子負債を抱えて割高な着陸料がネックになって路線撤退が相次ぎ、関空会社は2010年3月期連結決算で経常利益が6年ぶりの赤字になると見られる。
 国交省は関空会社の競争力を高めるため、補給金を来年度予算で要求したが、事業仕分けでは「延命策でしかない」と批判された。
 はたして、こういうことでいいのでしょうか。伊丹空港は、曲がりなりにも黒字を計上しています。その黒字を関空会社がもらい、関空の穴埋めに使おうということです。何事も競争が合って、成り立つものですし、改善されるものです。関空は、国からの補給金がなければ、ずっと赤字であったわけです。民間の発想であれば、伊丹空港に関空の運営をやらせるべきでしょう。倒産会社が、黒字会社の経営も行うわけで、成功する訳がありません。関空は、競売にかけて、海外の会社に売ってしまう方がいいのかも分かりません。今後、関空自身が、トントンにもっていけれて、伊丹空港の黒字分40億円を支払いに回しても、利子ゼロで250年かかります。気が遠くなること意を通り過ぎています。
 これを救う秘策を11月30日に橋下知事が言っていました。米軍普天間飛行場を関空にもって来てもいいと、すごい発言をしていました。たしかに第2期工事で作った第2滑走路が空いています。ヘリコプター23機くらい何ともないでしょう。「国から正式な話があれば、受け入れてもいい」と語っています。わたしも、以前は、佐賀空港など佐世保に近い空港で、あまり役に立っていないところに移したらどうかと思っていました。戦略的には、佐賀空港の方が、いいのでしょうが、佐賀県民がなかなか認めないでしょうから、関空で真剣に考えたらどうでしょう。沖縄の普天間基地周辺の住民にとっても朗報でしょう。佐賀空港への移転とともに真剣に検討する価値があるように思います。

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