2009年8月22日土曜日

ASEANと中国が投資協定締結

 8月15日、東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国は、経済閣僚会議をバンコクで開き、両者間の投資の自由化などの協定に署名しました。
 すでにASEANと中国は自由貿易協定(FTA)に基づき、モノやサービス貿易の自由化を実施しており、今回の投資協定の署名で双方の経済連携は、より深まり、総人口約19億人の巨大経済圏完成に近づきました。中国のASEANに対する累積投資額は昨年末までの段階で610億ドル(約5兆8千億円)。逆にASEANの対中投資は、昨年だけで560億ドルです。昨年、1年だけでです。
 ASEANは今年6月に韓国とも投資協定を結んでいますが、日本とは結んでいません。日本の政府当局者は、「日本はASEANの主要国と投資協定を結んでおり、ASEAN全体と協定がないからといって日本企業は不利益を被ることはない」として、中国や韓国に追随する必要はないと言っています。
 日本のこれらの協定には、戦略性がありません。FTAの締結には、必ず農業が絡んでくるためにいつも避けて通っています。すなわち、農業の輸入を求めて来る国とは、協定を結ばないのです。日本の工業も昔ほど、強くありません。以前のように工業製品の輸出で成り立っているときはよかったのでしょうが、今や、貿易収支も赤字です。中国のようにASEANからこれだけの投資があれば、日本にとってもどれだけいいでしょう。海外から投資したいという魅力がないと、将来の日本はありません。次世代のこどもたちにも是非資産を残したいものです。13億人いる中国は、着々と手を打っています。これまで、中国は日本を真似してきましたが、これからは日本も中国を真似すべきでしょう。もちろん、いいところだけですが。日本に残された時間は、長くありません。

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