2009年7月31日金曜日

喜光寺・南大門の上棟式と仁王像

 奈良市菅原町にある喜光寺は、行基が住まいにしたところで、ここで病人の治療をしたり、貧しい人たちの面倒を見たりしながら、全国も行脚していました。東大寺の大仏殿の建立にあたっては、浄財を求めて、全国を歩きました。いたるところに足跡をみることが出来ます。菅原は、菅原道真の先祖が住んだところで、菅原神社もあります。
 この喜光寺の本堂は、東大寺大仏殿を建てる際に試みに建てられたものといわれています。大阪から阪奈道路を奈良に向かっていきますと道路の比較的近いところにポツンと本堂が建っていました。普通の町中にある寺と変わらない大きさです。ここに南大門の上棟式が7月20日、行われました。この南大門は、高さ、幅ともに約12m、奥行き9mで、木造です。今年の1月に立柱式が行われましたが、上棟式までに約7カ月を要しました。約450年ぶりの復興です。この南大門を建てているのが、世界で一番古い会社組織である金剛組です。同時に金剛力士像も安置されました。文化勲章受章者の中村晋也氏が制作しました。高さは、阿形像、吽形像ともに3.2mのブロンズ像です。富山県内で鋳造され、この日、トラックで運び込まれました。朱色の南大門の柱と壁にブロンズの像のコントラストが強烈です。
 しかし、これを建設する資金は、どうしたのだろうと考えていました。喜光寺は、奈良市の中心部からも離れており、観光客が行く寺ではありません。したがって、収入もあまりないはずです。この喜光寺の山田法胤住職は薬師寺の副住職も務めています。多分、薬師寺でこれらの資金を集めたのではないかと推察しています。薬師寺は、次から次に建物を造り、もう造るものがないのかも分かりません。来春の平城遷都1300年に向けて喜光寺の南大門は完成します。

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