2009年6月15日月曜日

有名私大、運用評価損

 5月28日の日経新聞によりますと、私立大学が少子化による先細りの解消を補おうとリスクの高い株などに積極的に投資した結果、評価損がどんどん膨らんでいるようです。3月末時点での評価損が、慶応義塾大535億円、上智大110億円、早稲田28億円に上るようです。
 慶応は、約1500億円の資金を運用し、年3~4%の利回りを狙ったようですが、積極運用が裏目に出たようです。早稲田も外国債券を中心に28億円の損失。このほか不動産証券化商品でも評価額が19億円と投資額の7割に下落しているようです。上智大学も日本株を80銘柄ほど買いましたが、値下がりで110億円ほどの損失を出したようです。
 日大は、私大で最大規模の2800億円の運用資金を有していますが、預金や日本国債への投資に限定しているために評価損はないということです。四年制大学を持つ約500法人の運用資産は、2007年度末で、約9兆円あるそうですが、リスクの高い商品に手を出す大学もあるようです。駒沢大学などは、デリバティブで154億円の損失を計上しました。
 株の売買を専門とする証券会社ですら、巨額の損害を被るこの時代に“武士の商法”ともいえる大学が、運用して儲かるはずがありません。確実な定期預金か国債を買うのが、確実でいいでしょう。
 この損失で、受験料、月謝は高くならないでしょうか。真剣に見張る必要があります。しかし、これで大学の担当者が責任を辞めたとか、給料のダウンがあったとか聞きません。日本株も1万円を回復しましたので、損失が減ったところもあるでしょうが、五十歩百歩なので、公表はしないでしょう。経済学の先生がたくさんいるでしょうに、実際の金儲けは下手なようです。

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