2009年5月10日日曜日

日本人の好きな三国志の中の人物ベストテン

 週刊文春の4月30日号によると、日本人に投票させてベストテンを決めていました。レッドクリフⅡが上映されたあとでしたので、これの影響を少なからず受けたでしょう。わたしも古くは、吉川英治の三国志、最近は北方謙三、宮城谷昌光の三国志を読みました。あとに出るものほど長編です。宮城谷昌光の三国志はまだ連載中ですが、曹操の祖父の代から書かれています。著者によってイメージが大きく変わって来ます。宮城谷昌光の三国志では、曹操などは、悪人からいい意味での政治家、武将という感じで書かれています。
 週刊文春の結果によりますと、1位が433票で、圧倒的に諸葛孔明でした。これは、仕方がないでしょう。三国志演義などでは、実像以上に書かれているように思います。本当の諸葛孔明は、軍略的には、いまひとつだったようです。2位は120票の同票で劉備と関羽でした。4位は、117票で趙雲、ここまではある程度妥当かなと思います。三国志演義は、蜀を中心に書かれていますので、これをベースに書かれた日本の三国志は、蜀は善で、曹操の魏は悪役です。したがって、当然といえば当然でしょう。ところが、5位にあの曹操が入っています。67票でした。日本では、悪役です。中国では、曹操の人気は結構高いのです。日本でも、宮城谷昌光のおかげで、随分人気を上げて来てはいます。6位は、周瑜で25票。周瑜は、明らかにレッドクリフの影響と思います。6位以下は、得票数が大きく落ちます。7位は、22票で張飛。蜀の中では、趙雲にも遅れをとっています。8位は呂布で13票。漫画の影響かもしれません。これも漫画以外では、悪役です。9位は姜維で8票。10位は夏侯淳で7票。9位、10位を知っていることだけでも立派なものです。10位の夏侯淳は、宮城谷昌光の影響でしょう。ベストテンの中に呉の孫権、孫策などが出ていないのが、寂しい感じがします。宮城谷昌光の三国志では、この一族は、美丈夫であったと書かれています。絶世の美女の小喬も入っているかと思いましたら、さすがに入っていません。これは、映画のレッドクリフだけの話なのでしょう。
 中国の三大小説は、三国志、水滸伝、紅楼夢ですが、最後の紅楼夢は、読んだことがありません。この三作の中では、三国志をもっとも多く読んだように思いますが、これは男性だけの傾向でしょうか。女性が読んだという話は、漫画以外に聞きません。
日本の小説で、海外で読まれているというのはあるのでしょうか。しかも、日本人ではなく、土地の作家が、翻訳ではなく、創作として書かれたものです。川端康成などは、翻訳はされているようですが、三国志のように外国の作家によって書かれたものはないように思います。北方謙三の三国志なども非常に長いですし、宮城谷昌光のそれもいつ終わるか分かりません。
 この調査を中国でやれば、1位は曹操か、諸葛孔明のように思います。

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