2009年3月31日火曜日

儒教と老荘思想

 わたしは、宮城谷昌光の小説が好きで、よく読みます。現在、三国志を読んでいます。1年で1冊のペースで現在まででまだ第7巻までしか出版されていません。文藝春秋での連載です。この中に標記について少し触れています。
 日本では、儒教が中国から輸入されました。江戸時代も四書五経を学ばされました。日本の武士の子は、4歳、5歳からこれらの書籍を音読し、暗記しました。これらは、儒教の教典です。四書とは、「大学」「中庸」「論語」「孟子」、五経は、「詩経」「書経」「礼記」「易経」「春秋」です。老荘思想については、ほとんど紹介されていません。
 儒教は強者のために秩序と身分社会を形成する理論です。したがって、為政者にとっては、都合のいい教えと言えます。これと反対にあるのが、老荘思想で、弱者を基盤とした共同社会を作ろうというものです。小国寡民を老子は理想としました。3度まで罪を犯しても罰せられない、罪の軽い者は、道路の補修などの奉仕活動を行えば罪を除されます。
 今の政治家、経営者も老子、荘子の思想を学ぶべきではないでしょうか。論語や孫子などはよく読まれますが、老子、荘子は学びません。ビジネスのハウツー本は、数多く出されていますが、老子、荘子の思想を学んだことは、ほとんどないのではないでしょうか。こういう世の中になって、弱者を基盤にした政治体制が必要なように思います。

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