2009年3月16日月曜日

米国債、買うべきか

 クリントン米国務長官は、アジア歴訪を終えて、帰国の際に「中国が米国債への投資を続けることは賢い選択である」、「米国債は安全だ。われわれは同じ舟に乗っており、幸いなことに同じ方向に漕いでいる」と語りました。これに対して、中国では、米国債の継続購入について世論が分かれています。反対派は、「すでに7000億ドル近い米国債を保有しており、米国の財政悪化で国債暴落とドル安のダブルパンチを受け、大損する危険性がある」、「ヒラリー氏が提供しようとしているのは、これから沈んでいく泥舟である」、「中国は神様ではない。世界を助けられない」などの意見です。
 これに対し、中国社会科学院の張明研究員らは、「米国経済が早く立ち直らなければ、輸出に頼る中国経済の回復も遅れる」、「米国債を大量に保有すれば米国への発言権も強くなり、中国の影響力拡大につながる」というものです。わたしには、反対派の意見の方が、素直に入って来ます。
一般市民は、反対が77%で圧倒的に購入に反対です。賛成は、わずか11%でした。「貧乏人が金持ちに金を貸さなければならないのか」というのが、最大の理由です。
 残念ながら、日本では米国債の購入について、これほど真剣に考えられているでしょうか。知らない間に国が米国債を買っているようです。1月の貿易赤字が9526億円と1兆円に近付いているにもかかわらず、国は国民に対して説明も行っていないようです。また、第1主権者のメディアも一向にこのことについては、触れません。言論統制がなされているという中国の方が活発に議論され、自由なはずの日本の方が議論されていません。日本こそ、泥舟ではないのかと思ったりします。

0 件のコメント: