2008年11月30日日曜日

白石真澄氏の千葉県知事選出馬表明

 11月28日の朝刊各紙を見ておりますと、一面は当然ながら、インドのテロが飾っておりました。その中で、東京新聞のみが、一面の左に白石真澄氏の千葉県知事選出馬表明を載せていました。知事選には、現知事の堂本暁子氏も76歳の高齢(?)ながら三選に臨むようですし、すでに県議の西尾憲一氏が出馬を表明しています。自民党は、誰を推すかまだ決めていません。日経、朝日、読売、毎日の各紙は載せていませんでした。問題は、この白石真澄氏の千葉県知事選出馬表明が東京新聞のトクダネであったのか、他の新聞は無視したのかです。白石氏は、民主党から出馬します。ちなみに白石氏は千葉市内に住んでいます。

2008年11月29日土曜日

田母神元幕僚長論文

田母神俊雄・元航空幕僚長が「村山談話」など政府見解と異なる内容を含む論文をアパグループ主催の第1回「真の近現代史観」論文募集に応募し、最優秀藤誠志賞を受賞し、懸賞金300万円を得ました。このことから、内容が明るみに出て、田母神氏は幕僚長からただの空将に更迭され、113日をもって定年退職させられました。空将の定年は60歳。任命責任があると浜田防衛大臣は責任を追及されたりしています。浜田氏は田母神氏が定年退職にあたって貰う退職金6000万円の返納を申し入れましたが、田母神氏からあっさり断られています。

 論文内容は、インターネットでも全文読めます。崔映画監督などは、先日の「たかじんのそこまで言って委員会」で、論文といえるものではないと、完全にくさしていました。たしかに論文としては、データがあるわけでなく、本人の感想、一部考え方が書かれているのみです。参考までに、この選考会の委員長は、渡部昇一氏でした。寄せられた論文は、235点で、航空自衛隊隊員が94 人応募しました。

それでは、論文のどこに問題があったのでしょう。「わが国が侵略国家だったなどというのはまさにぬれぎぬだ」と主張したことが平成7年の「村山談話」などの政府見解に反するというものです。村山談話は、いろいろと大きな問題がありますが、周辺の国からは、言質にとられ、これに少しでも反することがあると辞任を迫られたりしています。問題は、村山談話は、「遠くない一時期、国策を誤り」と決めつけていますが、国策を誤った時期はいつかと問いますと、「断定的に言うのは適当でない」と逃げるなど、非常に曖昧です。一国の首相の正式談話であれば、あまりに問題があります。村山談話は、あくまで村山氏の個人的見解に過ぎないものが、正式見解のようなこととなっています。そして、今や入閣するときの踏む絵になった感があります。

次に問題になりますのは、防衛省内規に反して、上司に文書で届けることなく論文を発表したことです。しかし、これも更迭されるような問題なのでしょうか。3番目が、自衛隊幹部が村上談話に反する思想、歴史観を持っていることが問題なのか。これらが曖昧なまま唐突に処分だけを決めました。思想の自由は、憲法19条で保障されていますから、これで罰することはできません。したがって、今回の処分は、ある面で異常とも言えますし、ある面で、このように制服組が強くなれば、文民統制ができるのか疑問に思われます。以前は、自衛隊の幹部は、防衛大学以外の大学出身も多かったようですが、今や防大出身者で固められています。田母神氏は自衛隊の教育も担当していたことがあり、この方が問題が多いように思います。今回の件は、田母神氏を更迭すれば、終わりということではありません。国を守る人は、どうあらねばならないかを見直すいい機会です。現在の自衛隊で幕僚長といえど、戦争の経験はありません。ゆえに頭の中だけが異常に広がることのないよう望みたいものです。

2008年11月28日金曜日

平塚市神田高校長の更迭

 神奈川県平塚市の県立神田高校で入試のときに服装や態度がおかしい受験生を試験の成績は合格ラインに達成していたのに不合格にしていました。このことを神奈川県教育委員会は1028日に公表し、111日付けで淵野辰雄神田高校長を県立総合教育センター専任主幹に異動させる人事を発表しました。県教委などには1300件を超える意見が寄せられ、その9割以上の人が「校長の判断は正しい」などと前校長を擁護しています。さらに同校のPTAや卒業生がJR平塚駅で署名活動を行い、3000人以上の署名を集めました。そして、松沢成文県知事と山本正人教育長に嘆願書を提出しました。しかし、県教育委員長はこの更迭の決定を変えるつもりはないと頑なに拒否しています。松沢知事は、わたしの知るところ何のコメントも出さず、行動も起こしていません。

 この件は、多くの方が、テレビや新聞での報道でよくご存知のことと思います。以前の神田高校は校内に飲食物が散乱し、喫煙やいじめ、盗難などが絶えなかったそうです。近くの公民館やコンビニなどには、「神田高生の立ち入り禁止」の張り紙が張られ、バスにも乗せてもらえなかったこともあったそうです。中退者は全校生約350人に対し、年間100人もいました。それが、平成15年になると変化の兆しが見えて来ました。学校と生徒・保護者の緊密な連絡と親身な対応、ゴミ拾いを兼ねた校内の見回り、部活動・同好会の奨励、学校便りの地域での回覧などを行い、PTAや地域もこれに賛同し、教職員とともに取り組みました。その結果、校内からゴミが消え、地元の警察も舌を巻いたそうです。淵野前校長は生徒と食事をともにするなど率先して指導に取り組みました。全校生の顔と名前も覚えているといいます。今回の問題になった入試での身なり調査も学校立て直しの中で平成17年度から始めました。もっと時間がかかったのかと思っていましたら、割と早く結果が出たようです。県教委への説明では、淵野前校長は「ピアスや金髪、丈の長いスカートなど『この高校に入りたくない』という態度を前面に出してくる生徒をなぜ入学させねばならないのか」と話したそうです。しかし、県教委からの公にはなっていないようです。マスコミの大騒ぎのせいで慣れない県教委は早過ぎる更迭を決めたように思われます。渡辺美樹・ワタミ社長は県教委の教育委員を務め、「淵野前校長は非常に頑張ってくれ、みるみるうちにいい学校にしてくれた」と高く評価したものの更迭には、何の力にもならなかったようです。

 たしかに1日か2日の高校入試の成績と中学から送られる内申書では、本人のことはよく分かりません。今の内申書は情報公開請求で開示されるようになってから、99分、生徒に都合のいいことしか書かれなくなったと言います。そうなると、淵野前校長が行った入試での服装チエック程度は仕方がないように思います。

 淵野前校長らが問題ありとしたのは、眉を剃っている、髪を染めている、爪が長い、服装がだらしない、ズボンを引きずっている、スカートが長い、胸ボタンが外れているなどだったようです。これらをチエックすることは当然のような気がします。高校に送りこむ中学では、どういう教育をしているのでしょう。中学でも、この淵野前校長のような情熱と度胸のある先生がいれば、随分変わるように思います。実は、今は、幼稚園の教育から問題だそうです。モンスターペアレンツのいる時代ですから、大変です。こういう親がこどもの躾や教育ができているようには思えません。こういうわたしもあまり大差ないように思いますが、まあまあの教育はできたようには思います。

 さて、この淵野前校長更迭にどう裁きをつけるのか。山本正人教育長は「この決定を変えるつもりはない」と答えています。淵野前校長を復職させるには、松沢成文県知事と神奈川県議会が、まず山本正人教育長を辞任させ、淵野前校長が赴任させられた県立総合教育センター専任主幹に任命します。次に教育長の後任に淵野前校長の前の神田高校長に任命します。そして、淵野前校長を神田高校長に復職させます。一番困るのが、山本正人教育長のような解決策をもたない人に権限を与えることです。こういった人物は、学校改革のような底辺の仕事を軽んじ、軽蔑し、自らの手を染めようとはしません。山本正人教育長を神田高校の校長にさせればと思ったのですが、こういう人は出来るはずがなく、途中で投げ出し、あとに大きな禍根のみを残します。是非、淵野前校長のような実績も情熱もある人が教育現場でますます力を発揮していただき、その輪が広がることを期待したいものです。

2008年11月27日木曜日

国家公務員制度改革

渡辺喜美前大臣が成立時に涙を流した国家公務員制度改革基本法がなかなか動きません。麻生首相は、まったく興味がないようです。文字だらけの法律などは、興味がないのでしょう。日本国憲法も漫画で読まれたのではと思ったりします。

改革の主目的は、硬直して肥大化した官僚機構を政治主導型に変え、簡素化することでした。その中核を担うのが幹部の人事を一元管理する「内閣人事局」です。来年6月をめどに人事局などの設置に向けた関連法案を提出するように改革基本法は求めていますが、来年度は見送りの公算が強くなってきたようです。衆院選挙で公務員の協力を得ないといけないので、かれらを敵に回す法律など後回しにしようということでしょう。

 取りまとめを任された改革推進本部の顧問会議(座長・御手洗富士夫日本経団連会長)が議論を始めたのが2か月前。議論を尽くせということは無理な日程です。メンバーからも強い不満の声が上がっています。官僚側は来年度の予算編成を考えると具体案の取りまとめは11月末がタイムリミットだと主張して来ました。議論が十分に尽くされないことを狙ったものとも思われます。顧問会議のメンバーの屋山太郎氏は「首相は官僚制度について無知すぎる」と斬って捨てています。

 今の公務員組織を改革することは、何にもまして優先してやらねばなりません。今の与党に中途半端な改革をやらせるよりは、衆院解散後にきちんとした国民の納得する法律のもとで改革をやってもらった方がいいのかも知れません。

2008年11月26日水曜日

カーラ・ブルーニのラム・ルーズ

11月は、JALに乗りますと、JALスペシャルでカーラ・ブルーニさんのラム・ルーズが流れています。この歌は、なにもなかったかのように“のアルバムの中に入っています。日本では、ポニーキャニオンが販売しているようです。わたしは、音楽を批評する才能は、ありません。ただ聴いた感じをいいますと、少し退屈で、眠くなりそうです。耳のそばで囁くような歌い方です。息も聞こえて来ます。サルコジ仏大統領は、ベッドでこういった歌を聞かされて、ブルーニを好きになったのかも分かりません。この人の歌は、みんなに聞かせるような歌ではなく、特定の人に聞かせる歌のように思います。

サルコジ大統領は、1113日に「米ドルはもはや世界の基軸通貨ではない」と大胆な発言をしました。パリのエルゼ宮での演説で「ドルは第2次大戦終結後には世界で唯一の基軸通貨であったが、もはや基軸通貨だと言い張ることはできない」と述べました。さらに、「世界は変化している。20世紀の仕組みは、21世紀には通用しないというのがフランスの立場だ」と強調しました。

日本の政府預金のほとんどがドルで預けられています。ユーロはわずかです。したがって、基軸通貨がドルから、ユーロに替わると日本は、大損になるでしょう。国の金融を預かる人は、相当に先が見通せないといけません。そうでないと、占い師の方がよいと情けないことになります。

2008年11月25日火曜日

北京高校校長の勇気

今年の5月に修学旅行で日本を訪問した北京市第四高校の劉長銘校長が細かい気配りをする日本人を称賛し、「中国は日本から学ぶべきだ」とする評論を1111日、ブログで発表し、共感が広がっています。この高校は北京でもトップクラスの進学校で、修学旅行先に日本を選び、高2の約400人が東京や長崎などを訪問しました。中国からの修学旅行は極めて珍しいことです。劉校長は、日本人と接触して「自律的で社会に迷惑をかけない」ことを原則とする気配りの国民性に「敬服せざるを得ない」と称賛しています。女性トイレの消音や節水のために設置されている排水擬音装置も「細やかさ」の一例に挙げています。「日本人は中国人より頭がいいとは思わない」とした上で、物質的に豊かになった中国では、有害物質メラニンを意図的に混入させた汚染粉ミルク事件が起きるなど依然モラルが低いと憂慮しています。

 修学旅行には対日理解を通じて「恨みを取り去る」という目的もありましたが、国民性の落差を認めざるを得ず、逆に「どうしようもない」という「新たな恨み心」が生まれたと複雑な心境も吐露しています。

 このブログには、4日間で1700件を超える反響があり、反発もありますが、「中国の教育に問題がある」など賛成派が多数でした。女性教師などは「日本批判の文章は多いが、率直に評価する文章は珍しい。中国では、批判されるリスクもあり、校長の勇気ある行動に感激した」と話しました。

 中国の校長で、こういう発表を行うと、たとえブログでも痛烈な批判を浴びたものです。変われば変わったと思うとともに、この校長の勇気に感心します。是非、こういう人たちが、多く出ることを望みたいものです。そして、中国からも修学旅行生が、日本を訪れ、日本の修学旅行生も中国を訪れ、お互いに交流したいものです。お互いが理解することから、真の友情も生まれてくると思います。