2008年12月3日水曜日

高齢者の犯罪が増加

 昨年の交通人身事故を除く「一般刑法犯」のうち、65歳以上の高齢者の検挙者数は48605人で1988年の約5倍に達したことが、平成20年版犯罪白書で分かりました。窃盗が65%を占め、昨年服役した受刑者も、同様に6倍以上に急増しました。この20年間で高齢者人口は2倍になりましたが、犯罪の増加率は、はるかにそれ以上です。今後5年で団塊の世代が高齢期に入りますので、心配になります。

 白書によると、2007年度の一般刑法犯の検挙者数は、366002人で、このうち高齢者が13%を占めました。男性が、33255人です。1988年は398208人で、高齢者は2.5%9888人でした。高齢者の検挙者は、年々増加しました。一方、高齢者人口は、1988年の1378万人から20072746万人とほぼ2倍となり、高齢者10万人当たりの年間検挙者数は72人から177人と約2.5倍に増えています。

 増加の大きな要因は、65%を占めた窃盗の増加です。動機は、男性の場合は「生活困窮」でした。粗暴犯の高齢者比も目立って増加し、殺人(10.6%)が窃盗(17.5%)、遺失物等横領(13.2%)に次ぐ高さになっています。高齢者を取り巻く環境について、配偶者がなく、単身生活者が増えています。窃盗犯は、所持金がほとんどゼロで生活状況が悪化していることが窺えます。社会が悪化すると、犯罪が増えます。若い人はそれでも働く場所があるのでしょうが、高齢者にはありません。安心できるセーフティネットを張り、豊かでないと困ります。今よりももっと生活が苦しくなると窃盗よりも強盗、殺人が増えないかと心配になります。そういえば、ホームレスの人は、定額給付金を貰えるのかしらと考えてしまいます。

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