2008年10月18日土曜日

ミドリムシが地球を救う

 地球温暖化と食糧危機の解決のためにミドリムシの研究が進んでいるようです。ミドリムシは、もっとも簡素な原生動物でありながら光合成をするのですが、二酸化炭素(CO2)の固定効率が高いだけでなく、人間に必要な栄養素のほとんどを作り出せます。ミドリムシは、学名を「ユーグレナ」といい、水田などの淡水に生息しています。体長は、わずか30~50ミクロンで、地球上で唯一の動物と植物の中間的微生物です。大阪府立大学の中野長久名誉教授によると、「これほど環境浄化に優れた生物はいない」そうです。光合成によるCO2の固定効率は、イネが0.7%、トウモロコシが1.5%、ミドリムシが30%。炭素濃度が高ければ固定効率はさらに上がり、「25%のCO2が含まれる鉄工所の排煙なら固定効率は78%になる」といいます。ミドリムシの特徴は高いCO2固定効率だけでなく、水や栄養塩、太陽光とCO2だけでなく、必須アミノ酸や必須脂肪酸、ビタミン、ミネラルなどの人間に必要な栄養素のほとんどを作り出すことができます。
 縦横800m、深さ1mの巨大水槽を作り、ここでミドリムシを培養、乾燥させた場合、1日に5000t、カロリー換算では19万人分以上の食料の生産が可能になるということです。このためには、50万kWの火力発電所が1日に出すCO2約4300tが必要になります。また、この水槽の製作に1000億円かかるそうです。5年前には、費用がかかることから、見送られました。前にブログでも書きましたが、国際宇宙ステーション“きぼう”の日本の実験棟の費用が、2500億円です。どちらが、価値があるのでしょう。そろそろ夢ばかりを追うことから、現実的な夢にお金を使う時代に来たような気がします。当分、将来の夢は漫画の中で空想しましょう。しかし、おそるべきミドリムシです。ベンチャー企業がミドリムシの培養に力を入れています。成功を祈りましょう。

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