2008年7月11日金曜日

ウナギ


 ウナギの産地偽装でもめています。魚秀、神港魚類、サンシローフーズなどの名前を毎日見ます。中国産を国内産としたい気持も分らないではありません。中国産と国内産では、値段もえらい違いです。ところが、料理されたものは、何々産という義務はありません。多分、多くのファミリーレストランなどで出て来るウナギの蒲焼は、中国産でしょう。よほどのプロでも区別は出来ないそうです。タレが勝負です。わたしも年に1,2度しか食べませんので、まず区別はできません。先日、産経に出ていましたが、ウナギの蒲焼を一番多く食べる月は、7月だそうです。他の月は、数%なのに、7月は25%です。「夏バテ防止のために土用の丑の日にウナギを食べる」風習の影響でしょう。これは、夏場の売り上げ不振に悩んだウナギ料理店に頼まれて、平賀源内が考案した広告キャッチコピーとの説が有力です。このキャチコピーの効果が、今の現代人も影響されています。

 ウナギの蒲焼を一番食べる市はどこかといえば、大阪市で、1907円/人・年です。ついで、名古屋、京都、金沢、大津、和歌山、岐阜、津と関西です。蒲焼にかける山椒の粉は、漢方薬で消化を助けるそうです。  関西と関東では、ウナギの裂き方に違いがあります。関西では、腹から裂きますが、関東では、背中から裂きます。「商人の町」の大阪では開きやすい腹から切るが、「武士の町」の江戸では「腹を切る」ことに通じ、これを忌み嫌ったために背中から切るのだといわれたりします。これは、料理法の違いによります。すなわち、関西では、焼く前に蒸しません。このため、脂が少ない細めのウナギを用います。裂きやすい腹から裂きます。香ばしい味わいに仕上がります。関東では、焼く前に蒸します。このため仕上がりが柔らかくなり、脂が抜けるので成長した太目のウナギを用います。腹から裂くと、蒸す過程で外側の身が串から外れてしまうため、外側が厚くなる背開きが必然でした。料理法の違いから、腹開きと脊開きになったわけです。
 池波正太郎氏の小説を読むと江戸時代は、ウナギを今のように開かずに、丸切りだったようです。丸切りのまま、味付けしたものでした。深川や墨田川の川人足が栄養補給のために食べたそうです。今のようにはおいしくなかったでしょうし、骨があって食べにくかったでしょう。
 中国ウナギを扱う人も食の安全を保証するように努力すべきです。多分、中国産も国内産も味は変わりません。あとは、信頼です。国内産よりも中国産の方が安全だと言えるように頑張るべきでしょう。“杜甫も食べた、李白も食べた中国の安全でおいしいうなぎ”と言えるように。ブランド作りには、時間がかかります。ゆえに高く売れるのです。ビトンのバッグも、ハンチイングワールドのカバンも、物自体は中国の200元の偽造バッグとそう変わりません。しかし、100倍以上で売れるのです。これは、ウナギに限りません。日本人は、もっと努力をしましょう。

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